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投稿者:

ZYAO22編集部

認知的不協和理論とは?具体例と解消方法、ビジネスでの活用例を紹介します。

上司に言われるがままに行動をし、自分はこのやり方でやりたいのに言えない、自分の思考や行動に矛盾があってストレスに感じることがありませんか?これは認知的不協和という心理が働いています。

仕事でもプライベートでも、自分の思考と行動が常に一致しているとは限りません。しかし、矛盾が生じたときのモヤモヤは解消したいものです。この記事では認知的不協和理論の具体例、解消法を紹介します。

 

認知的不協和とは

認知的不協和とは、自分の考えや、行動に矛盾が生じたときに感じるストレスや不快感を表す心理用語です。

例えば「夜更かしして動画を見たい」という認知と「寝不足だから早く寝たい」という2つの認知があったとします。「夜更かししたい」けれど「早く寝たほうがいい」と考えに矛盾がでるため、すっきりしない原因は、認知的不協和によるものなのです。

認知的不協和理論とは

認知的不協和による不快感を解消するために、人は「つじつま合わせ」や「自己正当化」をしようとします。

このように、認知の定義を変えたり、自分の行動を変更して、不快感やストレスを軽減させることをアメリカの心理学者レオン・フェスティンガーは「認知的不協和理論」と説きました。

フェスティンガーが行った実験

学生に単調な作業を行わせ報酬を支払い、次に同じ作業をする学生にその作業の楽しさを伝えさせる実験を行いました。

単純で退屈な作業という認知と矛盾する楽しさを伝えるという認知から不協和が発生します。

この結果、報酬が少ない学生は、報酬が多い学生よりも楽しさを一生懸命伝えます。割に合わない報酬に対して「本当は面白かったのかもしれない」と、認知に修正を加えて不協和を解消しようとする心理が働いているのです。

認知的不協和が日常で起こる具体例

「2つの矛盾した認知」ときくと、そのような事例が同時に起きる機会は少ないのでは?と思うかもしれませんが、意外に日常生活の中で認知的不協和は起きています。

ここからは、認知的不協和が起きやすい身近な4例を説明します。

タバコをやめられない

認知1 タバコを吸いたい
認知2 体に悪いからタバコを辞めたい

この場合、「タバコを吸ってストレス発散」と認知を変える、「体のために禁煙する」というように行動を変えることで、どちらも認知的不協和を解消できます。

ダイエットが上手くいかない

認知1 カロリーが高いお菓子は太るから食べない
認知2 頑張ったご褒美にお菓子を食べたい

この場合、頑張ったんだから食べてもいいと自己正当化することで認知的不協和を解消します。認知的不協和は解消できますが、欲求に勝てないとダイエットは上手くいきません。

会社をやめられない

認知1 残業が多い、給与が安いので会社を辞めて条件のいい会社に転職したい
認知2 上司からこの仕事は社会に貢献している、やりがいがあるといわれ退職できない

これはいわゆる「やりがい搾取」で、ブラック企業が認知的不協和を利用する手口です。辞めたいと思っていても、「自分の仕事は社会の役になっている」と思い込むことで矛盾を解消します。

恋人に尽くしてしまう

恋人に「お金を貸してほしい」と頼まれ、断り切れず貸してしまったとします。

認知1 本当やお金を貸したくない
認知2 断りきれず貸してしまった

これは恋人が困っているのだから仕方がないと自分を正当化し、認知的不協和を解消しています。恋愛で尽くしすぎてしまうタイプは、認知的不協和の典型例と言ってよいでしょう。

認知的不協和の解消方法

人は認知的不協和を解消するために、楽な方、楽な方へと行動してしまいます。>認知的不協和による不快感やストレスは軽減されても本当の意味で問題の解決はできていません。

認知的不協和をプラスの思考にするにはどうすればいいのかを「甘いレモン」と「すっぱいぶどう」に例えて紹介します。

認知に対して価値を付加する|「甘いレモン」

例えば、甘い果物を食べたくて買いに行ったものの、すっぱいレモンしか手に入らなかったとします。甘い果物が手に入らなかった事実はありますが、「このレモンは甘いに違いない」と思いこみ自分を納得させます。

このように認知的不協和を解消するためにレモンに新しい価値を付与して甘い果物が手に入らなかったことを否定するのです。

認知に対して価値を削除する|「すっぱいぶどう」

甘いレモンと反対に、新しい認知を否定して古い認知を肯定する「すっぱいぶどう」の例えがあります。

「木の上のぶどうを食べたいけど、高くて手が届かない。」と認知的不協和が起こります。ここで「あのぶどうはすっぱいに違いない」と認知を変えることで認知的不協和を解消できます。

これはぶどうを脱価値化(対象が期待した通りにならないと一気にその価値を引き下げてしまうこと)して受け入れたといえるでしょう。

認知的不協和理論のビジネスでの活用例

営業やマーケティングなどビジネスの場面で、顧客の認知的不協和を逆手に取った方法に

  • 矛盾したキャッチコピーを使用する
  • メリットや必要性を提示する
  • 複数の選択肢から選ばせる
  • アフターフォローをしっかり行う

 

などがあります。これらの方法を詳しく解説します。

矛盾したキャッチコピーを使用する

あえて、消費者に認知的不協和を起こさせて気を引くマーケティング術があります。例えばスポーツジムの契約を迷っている人は

認知1 ジムで体を動かしたい
認知2 ジムに行く時間がない

このような認知的不協和が生じます。そこで「時間がなくても通えるジム」というような矛盾を含むキャッチコピーを使って、認知的不協和を解消し消費者の心をつかむ方法です。

メリットや必要性を提示する

認知1 この商品が欲しい
認知2 欲しいけど思っていたより高い

購入を迷う消費者によく見られるこの行動も認知的不協和です。「商品が欲しい」という認知を正当化してもらうために、売る側は、商品のメリットや必要性を説明し、消費者の背中を押すとよいでしょう。

複数の選択肢から選ばせる

買う、買わないの認知的不協和を起こしている消費者に対し、複数の商品を見て検討してもらうとします。

商品の選択肢の中に、他の商品よりも評価が劣るものを入れておくことで、選択者の意思を変化させる心理効果があります。この方法は、より希望に近いものを選択させたり、何も選択しないことを防ぐ効果があります。

アフターフォローをしっかり行う

認知的不協和を解消して購入したとしても、「本当に買って正解だったのだろか」と繰り返し認知的不協和を起こすことも少なくありません。「良い買い物をした」という、プラスの認知を持ってもらうために、アフターフォローは欠かせません

  • お礼のDM、電話
  • サンプル、特典をおくる

 

など、手厚いフォローをすれば、信頼関係も深まり次につなげることができるでしょう。

認知的不協和を理解して効果的に活用しよう

人は矛盾した行動に対しストレスを抱え、そのストレスを解消するために「自分は正しい行動をした」と思い込ませます。

ビジネスの場では、認知的不協和を起こしている顧客に対し、解消するお手伝いをすることにより、気持ちよく購入や契約をしてもらえるチャンスになります。

セールスやマーケティングの戦略を考えるときは、顧客の認知的不協和の心理について考えてみるとよいでしょう。

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