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投稿者:

ZYAO22編集部

傾聴(けいちょう)とは?意味・目的やビジネスにおける役割について紹介

あなたの身の回りに「聞き上手」と呼ばれる人はいませんか。聞き上手な人は「傾聴」と呼ばれるスキルに優れているとよく言われます。
家庭、学校、職場など置かれた状況や、対家族、対仕事仲間、対友人といった良い関係性を創りだすスキルとして必須の「傾聴」について内容やテクニックなどご紹介を致します。

傾聴とは

辞書を引いていますと、「耳を傾けて一心にきくこと」「熱心にきくこと」「真剣にきくこと」とあります。人と人とが互いを理解していく上で必要であり、コミュニケーションを成立させていくことに重要な要素であるスキルです。

ところで「きく」には3つの観点があることはご存じでしょうか?
●聞く・・・音や声などの情報が耳で聞き捉えること
●聴く・・・相手の話に耳を傾け言っている言葉と、言わんとする気持ちを捉えること
●訊く・・・相手に質問をして尋ねていくことで明らかにしていくこと
聴くことは傾聴になります。

傾聴の意味

相手の話をより深く聴くこと。話し方や表情、姿勢、しぐさといった言葉以外にも充分注意を払いながら相手を理解していくことです。
傾聴の特徴は2つ考えられます。
①受容:相手を受け入れていくこと
②共感:話を聴いてその通りだと思い否定しないこと
傾聴が正しく行われると、話し手が自分自身での理解を深めることができ、積極的・建設的な意識と行動が取れるようになるといわれています。

傾聴の目的

相手の言っていることは何なのか?何について言っているのか?何についてどのように感じているのか?どのように捉え感じているのか?というように、相手の考え、感情、意図を確認していくことになります。
傾聴の目的は「相手が言いたいこと」「相手が伝えたいこと」に重点を置き相手を理解することです。

ロジャーズの3原則

カール・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers, 1902- 1987)アメリカ 臨床心理学者
ロジャーズが提唱した「傾聴」の3つの構成要素を表すものです。その3要素とは、
・「共感的理解」
・「無条件の肯定的関心」
・「自己一致」
であります。少し詳しく表現しますと、

1.共感的理解

相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすることです。

2.無条件の肯定的関心

相手の話を善悪の評価や好き嫌いの評価をすることなく聴くこと。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景を肯定的な関心を持って聴くこと。それによって、話し手は安心して話ができるようになります。

3.自己一致

 

聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認すること。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反することになります。
【厚生労働省】 こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/listen_001/

傾聴のビジネスにおける役割、効果

ビジネスシーンでの相手とのやりとりにおいても、「傾聴」はとても大切なものです。そして、その要素であるロジャーズの3原則を理解しながら身につけておきましょう。

1.お客さまの話を聴くときに、お客さまの立場になってお客さまの気持ちに共感しながら聴く。(共感的理解)

2.お客さまのお話が単なる勘違いや思い込みであったとしても、頭ごなしに否定するのではなく、どうしてそう思われたのかに関心を持ってお話を聴く。(無条件の肯定的関心)

3.ビジネスパーソン自身も、自分の気持ちを大切にして、お客さまの話の中で不明な点があれば、そのまま聞き流して放置するのではなく、きちんと問い直して内容を理解するように務めながら真摯な態度で聴く。(自己一致)

このような心構えと実践が、お客さまとの信頼関係の構築に役立ちビジネスシーンで円滑になることは間違いないでしょう。

傾聴のやり方

話す相手が自分の話を「聴いてもらえているな」「受け止めてくれているな」と感じることが出来ているかがポイントになります。
それらは、聴く側の姿勢として、言語スキルと非言語スキルを使い分けながら行っていきます。

 

相槌や表情などで反応する

話を聴く時は相手の方を向き、視線を合わせましょう。真正面に座ると人によっては圧を感じてしまう事もあるので少し斜め向かいに座るとリラックスできるでしょう。視線は適度に外していくことでも圧迫感が避けられます。
聴き手が無表情や気難しそうな表情をしていたら相手は話をしづらくなります。話しやすくする雰囲気を作るためにも表情を柔らかくすることも心掛けたいですね。
また、相手の話す内容に合わせて表情豊かに喜怒哀楽を表現すれば、相手はもっと話を聴いて欲しいと感じていきます。そして、相手の話にうなずくだけでなく更に、言葉を添えてうなずけばより効果的になります。例えば、「うんうん」「なるほど」「そうなんですね」「へーそうだったのですね」というように感嘆していくこともポイントになりますね。

相手の気持ちや言葉を繰り返す

「オウム返し」とは相手の言ったことを繰り返す傾聴のテクニックです。
A「今日は暑かったよね~」
B「今年最高の暑さだったよね~」
というように「暑さ」を繰り返すことで会話に弾みをつけさせ機能させていきます。そもそもオウム返しは、ミラーリング(相手をまねること)することで、信頼関係を構築しやすくするコミュニケーション技法といえるので「言葉を受け取っている」というサインになるのであります。ところが、ただ全く同じ言葉を繰り返すだけになると、ロボットと喋っているかのような機械的な印象を与えてしまう可能性がありますから気を付けていきたいところですね。

相手の気持ちを要約したり言い換えたりする

A「今日は暑かったから、やらないといけない仕事が30%くらいしか進まなくってさ・・・」
B「暑さのせいで仕事が思うようにはかどらず困っている?」
このように、相手が言っている言葉や気持ちを私はこのように受け止めましたがいかがでしょうか?と返していくことで私の状況や思いがちゃんと解ってくれているなと感じさせることが要約であり言い換えです。

 

質問を入れて話の続きを促し明確にしていく

A「今日は暑かったから、やらないといけない仕事が30%くらいしか進まなくってさ・・・」
B「暑さのせいで仕事が思うようにはかどらず困っている?」
A「そうなんですよ。明後日までにやらないといけないのに時間が無くてさ・・・」
B「どんな業務なの?今日の午後なら手伝うことできるから教えてくれない?」
A「ホント!?助かるわ~」
質問や確認を入れながら明らかにしていくことで相手の状況や感情などを明確化していくことがポイントであります。

相手の話を否定したり、自分の意見を入れたりしない

相手の話しを聴くという行為は、相手の存在を受け入れ、相手に寄り添うことになります。話を聴いてもらえることで、自分の存在を受け入れられているという安心感を得ることこができます。ですから、絶対に否定をしてはいけないですね。
また、何かをしながら話を聞くのではなく、相手に向き合って最後まで口を挟まず話を聴くことに集中することが肝心であります。相手の話しを遮って自分の言いたいことを言って奪わないようにもしましょう。
ついついやってしまうのが、自分の価値観や基準で捉えてしまうことであります。先入観やバイアスをかけて聴いてしまうことは避けないといけませんね。

傾聴の学び方・傾聴力のトレーニング方法

傾聴力はどう身につければいいのか? はじめから自然に傾聴することは難しいのですが、日々の意識やトレーニング次第で高めることができそうです。ここまで紹介した方法をまずは実践していただくことが基本的トレーニング方法であります。
また、家族や友達など身近な人からの話をじっくり聴いて練習してみること。そして「聴いてくれている感じがしたかどうか」のフィードバックを貰いながら修正していくこと。その繰り返しになるかと思います。

傾聴スキルを学べる講座

今日では、YouTubeやSNSで色んな方々が動画をアップしておりますので見ることが可能です。
また、コーチングセミナーやカウンセリング勉強会などへの参加という方法もあります。
また、キャリアカウンセラー資格取得をめざすことも有効的かと思います。
お勤めしながら取得すると補助金など得られますのでハローワークなどで確認していただければと思います。

OARSで学ぶ傾聴教室「3分間傾聴練習」 
傾聴とは何か?深いバージョン 
特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会

まとめ

傾聴とは、相手の話を注意や関心を持って共感しながら聴くことです。
●傾聴の具体的な効果。
・話し手を深く理解できる
・理解しようとする聞き手の態度が話し手の心を開き、聞き手との信頼関係を築く
・話すことで話し手は頭の中を整理でき、問題解決につながる
●このような場面で活用できます。
・職場での円滑な人間関係の構築
・顧客との良好な関係の構築
・営業や交渉先との良好な関係の構築
●傾聴の上手なやり方。
・相づちを打つ、頷く、表情で答える(笑いかける、共感を示すために顔をしかめるなど)
・相手の言葉を繰り返す(聞き返し、オウム返しの技法)
・相手の言葉を要約して繰り返す
・適切な質問を入れて話を引き出す
・遮らない、話の腰を折らない、批判しない、アドバイスをしない、意見を言わない
「傾聴」は「ビジネス」で活用できるスキルではありますが、普段の人間関係においても有効なものです。ぜひ実践してみましょう。

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