外資系コンサルタントとは?仕事内容や年収と求められる人物像も解説
外資系コンサルタントと言えば、高収入が実現できる職業として、新卒・中途採用を問わず人気のある職業です。
ですが、就職・転職活動として、何から始めたら良いか分からないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは外資家コンサルタントの種類、ステップアップへの道のり、収入、求められる人物像、評価制度や書類選考・面接で有利に働く資格などを紹介して行きます。
この記事を参考にして、外資系コンサルタント業界を正しく理解し、就職・転職活動に向けて自分が今、何をする必要があるかを見極め、戦略的な準備を早々にスタートさせておくことをおすすめします。
できれば入社後の目標についても道筋をたてておけば、面接の際に役立つかもしれません。
外資系コンサルタントへの就業を希望される方は、本記事を参考にしてください。
目次
外資系コンサルタントとは
外資系コンサルタントとは、外国資本のコンサル会社の実働部隊で働く人のことを言います。コンサル会社は、企業の抱える課題や問題を解決するための手助けをする会社です。
依頼を受けたコンサル会社は、会社の中から適切なコンサルタントを選んでチームを組み、そのチームはプロジェクト単位で依頼に取り組みます。
チームに選ばれたコンサルタントの役割は、クライアントの問題や課題となっているポイントを見極め、具体的な解決法を提示し、直接支援して、クライアントを良い方向へ導くことです。
イメージしやすく言えば、コンサルタントは病院のドクターといったところでしょうか。そのため、コンサルタントはドクターと同様に、幅広い知識と専門性が必要となります。
外資系コンサルタントの分類
コンサル会社の仕事内容はすべて同じという訳ではありません。それぞれの会社が得意とする業種があり、例えば金融業界が得意、メーカーが得意など、業務内容によって分類されています。
ここでは3種を紹介します。どのようなコンサル会社で働きたいのかを検討してみましょう。
総合系コンサルタント
総合系コンサルタントは、クライアントの課題に対し一気通貫して課題解決をする点が特徴です。クライアントが抱えている経営課題に対する戦略を立て、その戦略を実行し、その効果を確かめるといったディレクター的な存在となります。
総合系コンサルタントとして働けば、効果という点についても実感できる点が魅力です。
クライアント側も総合系コンサルタントを利用すれば、1度の依頼で多くの改善点が見込めるため、とても効率的と言えるでしょう。
戦略系コンサルタント
戦略系コンサルタントは、企業の経営層が抱えている課題に対する解決法を提案します。中長期事業戦略、新規事業、マーケティング戦略や海外進出など企業の「戦略」を決め、実行するための提案です。
戦略コンサルタントは、クライアントの業界での立ち位置や社内のステークホルダーからの情報収集など、あらゆる情報を統合して分析や検証をし、クライアントに最適な戦略とその実行プランの提案をします。課題解決の枠組み作りといった、プロデューサー的な存在です。
経営層やその分野のスペシャリスト達と一緒に仕事をする環境となるため、自信の成長に繋がることも多いでしょう。
財務系コンサルタント
財務系コンサルタントは、企業の抱える課題解決に対して、財務面からの解決法を提案します。財務戦略の立案やM&Aなどのアドバイス、財務や会計業務の最適化などの提案です。
財務系コンサルタントはクライアントの財務関連に携わるため、公認会計士・税理士・不動産鑑定士など財務会計に関する専門的資格が要求されます。
財務系コンサル会社ではPDCAサイクルを回しながら問題解決を図るのが基本です。クライアントの経営に直接影響を与える仕事のためプレッシャーもありますが、良い結果が出せた時には大きな達成感を味わえるでしょう。
外資系コンサルタントの役職別の業務内容
外資系コンサルタントの役職は、業務のレベル毎に5段階に分かれて設定されています。アナリスト、コンサルタント、マネージャー、プリンシパル、パートナーの5つとなり、アナリストから始まり、最高役職がパートナーです。
この役職名ですが、企業によっては異なる呼び方をしているところもあります。そして、コンサルタントは役職毎に求められる役割やスキル・能力が変わってきます。ここでは役職毎の業務内容等について紹介します。
アナリスト/アソシエイト/リサーチャー
アナリストは外資系コンサル会社によっては、アソシエイトやリサーチャーと呼ばれることもあります。ここではアナリストを使って業務内容を説明します。
アナリストはコンサルタントとしての最初の役職です。主な業務内容は調査・分析・資料作成です。具体的にはクライアントを調査し、それを分析した上で会議に使用される資料を作成します。
この時点ではコンサルタントという職業とは離れた業務をしている印象を受けますが、この業務を通して基礎知識を学ぶことになります。
コンサルタント/シニアアソシエイト
コンサルタントは外資系コンサル会社によっては、シニアアソシエイトと呼ばれることもあります。ここではコンサルタントを使って業務内容を説明します。
コンサルタントという役職につくことで、初めてコンサルタントらしい業務を任されることになります。主な業務内容はプロジェクトの実行です。具体的にはプロジェクトの仮説をたて、実行し、修正を加えて、プロジェクトを実行します。
仮説通りにいかなければその理由をつきとめ、修正を加えて適切にプロジェクトを実行する必要があります。
マネージャー/プロジェクトマネージャー
マネージャーは外資系コンサル会社によっては、プロジェクトマネージャーと呼ばれることもあります。ここではマネージャーを使って業務内容を説明します。
マネージャーという役職に就けるのは、コンサルタントの中でも少数です。主な業務内容はプロジェクト管理やクライアントとの折衝、予算管理となり、ある程度の責任を伴います。
具体的にはプロジェクトの方針をたて、人員配置や役割分担を決め、クライアントと直接コミュニケーションをとる立場です。クライアントからの継続案件の獲得にも携わります。
マネージャーに求められるスキルはコミュニケーション能力です。プロジェクトメンバーとの連携やクライアントとの交渉をするための、とても重要なスキルと言えるでしょう。
プリンシパル/シニアマネージャー
プリンシパルは外資系コンサル会社によっては、シニアマネージャーと呼ばれることもあります。ここではプリンシパルを使って業務内容を説明します。
プリンシパルの主な業務内容は、プロジェクト全体を指揮する役目に加えて、採用などといった人事に関する業務が含まれてきます。
プロジェクト管理に加えて、人材発掘という会社にとってとても重要な部分に携わることになるため、プロジェクト管理上での人員配置やメンバーの取り纏めにおける豊富な経験が必要となるでしょう。
パートナー/シニアプリンシパル/ディレクター
パートナーは外資系コンサルタントの役職としては最高位となります。そして、コンサル会社によっては、シニアプリンシパルやディレクターと呼ばれることもあります。ここではパートナーを使って業務内容を説明します。
パートナーはコンサルタントの中でも、ほんの一握りの人だけが就ける役職です。主な業務内容は営業と経営です。具体的には、新規顧客やプロジェクト開拓、セミナー開催、書籍出版、会社の経営に携わることになります。
パートナーには顧客開拓のための営業力と会社経営のためのマネジメント力が求められます。
外資系コンサルタントの年収
外資系コンサルタントはかなり高い収入を得ることができる職種の1つです。実力があれば、20~30代という若さでも約1,000万の年収を手にすることも可能と言われています。
なぜ年齢に関係なく、このような高収入を得られる職種なのでしょうか。ここでは、年収について詳しく紹介します。
高年収で収入アップも早く見込める
外資系コンサルタントの給与体系は、役職毎にある程度の固定給が設定されているのに加え、個人の実績が賞与に反映される体系となっています。
そのため、外資系コンサルタントは経験年数に関係なく、役職が上がれば年収も上がり、実績を上げれば賞与等で年収がアップします。
反対に何年も同じ役職のままの場合、年齢や経験年数が上がっても年収は上がらない世界となります。実力のある人はその成果がすぐに反映される、やりがいのある職種と言えるでしょう。
年俸制
外資系コンサル会社では「年俸制」を採用している会社がほとんどです。高い年収が期待できる職種ではありますが、その分仕事に拘束される時間が長くなる可能性もあります。
「年俸制」では残業代があらかじめ含まれている場合が多く、この場合、どんなに残業しても残業代は支払われません。
多くの業務をいかに効率良くこなすかという点は、外資系コンサルタントに求められるスキルの1つと言えるでしょう。
役職別の年収例
外資系コンサルタントの年収は役職毎に固定給が決まっていて、それに加えて業績賞与が支払われます。完全な成果主義の世界で、成果を上げて役職を上げなければ、年収アップには繋がりません。
ここでは外資系経営・戦略コンサルタントの役職別の一般的な年収水準について、経験年数や年齢の参考情報と一緒に紹介します。
アナリストの年収
アナリストの固定年収は500~800万円程度となります。年齢は22~28歳ほどで、アナリスト経験年数は3年以内という人が多いでしょう。業績賞与は固定給の20%程度となっています。
外資系コンサルタントの中では最下位の役職とはなりますが、それでも500万円以上の年収が見込める業界です。
コンサルタントの年収
コンサルタントの固定年収は900~1,300万円程度となります。年齢は25~35歳ほどで、アナリスト経験年数は6年以内という人が多いでしょう。業績賞与は固定給の20%程度となっています。
アナリストからコンサルタントに役職が上がるまでにかかる期間は、実力によって多少の差はありますが、一般的には2~4年と言われています。昇進率は比較的高く、約7~9割の人はアナリストからコンサルタントに昇進できるでしょう。
マネージャーの年収
マネージャーの固定年収は1,400~2,000万円程度となります。年齢は28~40歳ほどで、アナリスト経験年数は2~10年以内という人が多いでしょう。業績賞与は固定給の30%程度となっています。
コンサルタントからマネージャーへのステップアップはアナリストからマネージャーの時とは異なり、かなり敷居が高くなります。個人差も大きくありますが、だいたい2~4年でステップアップできると言われています。
プリンシパルの年収
プリンシパルの固定年収は1,700~2,500万円程度となります。年齢は32~45歳ほどで、アナリスト経験年数は5~15年以内という人が多いでしょう。業績賞与は固定給の30%程度となっています。
この程度の役職まで上がってくるまでにかかる期間には、かなりの個人差があります。ですが、この役職に就ける人はアナリストの中でも少数となるため、かなり優秀な人材にのみ許される役職と言えるでしょう。
パートナーの年収
パートナーの固定年収は約2,500万円以上となります。年齢は35歳以上でアナリスト経験年数は7年以上となっているため、優秀な外資系アナリストであればテンポよく昇進もできるでしょう。
業績賞与は業績次第となり、会社のマネジメント力が問われることになります。
パートナーになって初めてコンサルティングの真の魅力がわかるという人も多く、年収以外でも魅力的なポジションと言えます。
外資系コンサルタントの社内での評価制度
外資系コンサルタントの特徴は「成果主義」という点です。そのため、年齢や性別に関係なく、実力さえあれば昇進がかないます。
では具体的にはどのように評価されると昇進することができるのでしょうか。外資系コンサルタントの評価は、定量評価と定性評価の2つがあります。
定量評価ではマネージャーになるまでは稼働率、マネージャーより上の役職では稼働率に加えてセールス貢献度も定量評価に含まれます。
稼働率とは、プロジェクトの一員として働いている日数が出勤日数のうち、どれくらいの割合にあたるかを表した数字です。プロジェクトメンバーは指名制のため、この稼働率が評価の対象となります。
定性評価はプロジェクトマネージャーが仕事のスピード、コミュニケーションスキル、リーダーシップといった切り口から評価します。
この2つが評価制度の重要なポイントですが、それ以外にも補助的な評価項目として、組織への貢献度や勤怠管理などの事務作業漏れがないかという点も対象となっているでしょう。
外資コンサルタントのキャリアプランとは
「外資系コンサルタントとしてキャリアを積みたい」と考えている人は多いですが、具体的に10年後、自分はこうなっていたいという目標もって臨んでいる人はどれ位いるでしょうか。
具体的な目標があれば、10年後こうなりたいから、5年後までにこれを学ぶ、この資格を取得するといったように、有益なキャリアを積むことに繋がります。そして、多くのことを身につけておけば、将来自分の進む道の選択肢が増えることになります。
ここでは、具体的にどのようなキャリアプランが考えられるのか紹介します。
パートナーやプリンシパルを目標とする
10年後にパートナーやプリンシパルを目標とするのはいかがでしょうか。パートナーやプリンシパルになれる人はほんの一握りではありますが、その高みを目指せば、普段から貪欲に物を学ぶ姿勢が身につき、充実した時間を過ごせます。
コンサルタント業以外にも、マネジメントや人事について興味を持つことができるでしょう。自分より専門的知識のある人やスペシャリストと一緒に仕事をする機会を積極的に増やすことで、刺激を受ける機会も増えるでしょう。
目標の設定レベルで、どのように自分が成長できるのか、どれくらいの速さで成長ができるのかが変わってくるはずです。
別の外資系コンサルタント会社へ転職する
外資系コンサルタント会社で転職を実現させるためには、自己分析して自分の強みを理解し、それを活かすための準備期間が重要です。
10年後に大手企業のプロジェクトマネージャーになるという目標であれば、最初の外資系コンサル会社でさまざまな経験を積むことで自分の強みを理解し、どうしたらそれを転職時にアピールポイントとできるかを考え、それに向かって準備を進めましょう。
事業会社へ転職する
事業会社とは、自社で事業を行う会社のことを言います。コンサル会社は自社で主導する事業は行っていないため、事業会社には含まれません。色々な事業会社の経営課題に対し、解決法を提示することで利益を生み出すのがコンサル会社です。
ですが、コンサル会社から事業会社に転職する人は多くいます。外資系コンサルタントとして身につけた専門的知識やスキルを持っていれば、その専門性を活かせる事業会社に転職することが可能です。転職の際に、役職や年収アップも期待できるでしょう。
ファンドへ転職する
ファンドでは即戦力かつ優秀な人材を求めている会社が多いため、ファンドへの転職は非常に難しいと言われています。
ですがファンドが求める人材として、戦略コンサル会社でファンドがクライアントとなったプロジェクト経験者やM&A戦略経験者などが挙げられます。
将来的にファンドに転職をしたい人であれば、まずはコンサルタントとして、ファンドか求める経験を積んで、ファンドへの転職にチャレンジしてみるという方法もあるでしょう。
起業する
外資系コンサルタントしての経験を活かし、起業することもできます。起業で成功するポイントとして、コンサルタントとしてのスキルの高さ、コミュニケーション能力、柔軟性のある物の考え方、計画性などが挙げられます。
外資系コンサルタントとして働いている時にこれらのポイントを意識的に学び、起業することを目標にしてみるのはいかがでしょうか。
コンサル会社は初期費用もかからず、固定費も変動費も発生しないため、利益率も非常に高いところが魅力となります。
外資系コンサルタントで求められる人とは
外資系コンサル会社への入社は、新卒・中途採用ともに非常に人気があり、募集倍率も高くなっています。入社を実現させるためには、コンサル会社が求める人物像をあらかじめ理解し、それに対応した就職・転職活動が必要となります。
ここでは、外資系コンサル会社がどのような人物像を求めているのかについて紹介します。
高学歴である人
外資系コンサル会社では書類選考の際、新卒であれば学歴を非常に重視します。中途採用であれば、前職の経歴や実績といった、学歴以外の点も含まれて書類選考が行われます。
コンサル会社の商品は人材です。新卒であれば、優秀なコンサルタントになれるかの判断ポイントが学歴となるため、高学歴の方が有利となります。中途採用であれば学歴と共に、前職の経歴や実績が重要視されることになります。
強いストレスに耐えられる人
外資系コンサルタントの世界は徹底した成果主義がとられています。クライアントの期待に応えられなければ、あっという間に評価が下がる世界です。そのため、常にクライアントが満足のいく結果を提供し続けなければならないという、高いストレスを感じながらの業務となります。
このようなストレスを受け流せる、ストレス耐性が必要です。また、自分のストレス発散法などをきちんと理解して、自分のメンテナンスもできるスキルが必要となるでしょう。
英語力がある人
外資系コンサルタントには、英語でのコミュニケーション能力が求められます。クライアントに外資系企業も多く、大手外資系コンサル会社であれば、海外のメンバーと一緒にプロジェクトに対応する場合も多いためです。
英語力に自信がないということであれば、まずは日本企業のコンサル会社でコンサルタントとしてのスキルを磨くと同時に英語の勉強をしてから、外資系コンサルへの転職にチャレンジしてみましょう。
アピールポイントとなる資格
外資系コンサルタントになるためには、資格は不要と言われていますが、取得しておいた方が好ましいと言われる資格がいくつかあります。
これらの資格を取得すれば、書類選考の突破率を高めるための手段として活用できるでしょう。
TOEIC・TOEFL
外資系コンサルでは英語を使用する頻度がとても高いため、入社前に英語の資格を取得しておくと、書類選考の際に有利です。
応募する時点でビジネスレベルではなかったとしても、TOEICで800点ほど取得しておけば、英語の基礎を理解していると判断してもらえるでしょう。
公認会計士
公認会計士は、財務系のコンサル会社で有利に働く資格です。この資格があれば、財務諸表などを見てクライアントの財務状況を判断できるので、外資系コンサルタントとして即戦力になると見込めるためです。
公認会計士の資格を取得しておけば、書類選考を突破しやすくなり、面接でも高く評価される可能性があります。
出典:公認会計士の魅力|日本公認会計士協会
参照:https://jicpa.or.jp/cpainfo/
米国公認会計士
米国公認会計士とは、アメリカ各州が認定する公認会計士資格です。世界的に非常に高い認知度があり、外資系コンサルタントの就職活動にも有利に働きます。
米国公認会計士の試験では会計や監査の知識だけではなく、企業経営やITに関する知識も問われ、さらに英語力がなければ取得はできません。
このような理由から、米国公認会計士の資格を取得している人は書類選考や面接で高く評価される可能性があります。
外資系コンサルタントについて理解しよう
外資系コンサルタントの仕事の内容や年収、求められる人物像や資格について紹介しました。
外資系コンサルタントを目指す上で、学歴に自信がないということであれば、面接でアピールできる実績を他の会社で積んでからチャレンジする、英語力は学生時代に備えておくなど、早めの準備でいろいろなことに対処できるでしょう。
外資系コンサルタントという職業に就くことは簡単ではありません。今回の記事を参考にして今すぐに始められることがあれば、すぐに行動を起こしてみましょう。