診療放射線技師の年収はいくら？岐阜県の平均月収や高い地域についても解説

「診療放射線技師という名前は聞いたことがあるけれど、どんな職業かわからない。」
「実際、年収はいくらくらいになるのだろう？」
「男女や地域によって年収の違いってあるの？」
このように、診療放射線技師を目指す方にはたくさんの疑問や不安があるのではないでしょうか。

本記事では、診療放射線技師の仕事内容や男女別、医療機関別の平均年収に加え、これからのニーズや年収アップのためのポイントの他、岐阜県内の診療放射線技師の平均月収や、月収の高い地域を紹介しています。

この記事を読むことで、診療放射線技師として働くために必要な知識を身につけ、後悔なく、自分に合った就職先や転職先を選択することができるでしょう。

診療放射線技師について知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

診療放射線技師の仕事

診療放射線技師とは、医療現場で医師・歯科医師の指示のもと、X線検査やバリウム検査、マンモグラフィ（乳房撮影）などの放射線を利用した検査や治療などに、携わる仕事です。この他にもCT検査やがんに対する放射線治療、放射線を用いないMRI検査や超音波検査も行います。

放射線による医療効果は大きいですが、効用を最大限利用しながらも、専門技師として被曝による危険を最小限に食いとどめるように管理する必要があります。

出典：診療放射線技師 – 職業詳細｜職業情報提供サイト（日本版O-NET）
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/163

診療放射線技師の年収

前述した診療放射線技師の仕事内容と注意点について、理解できたでしょうか。

それでは、統計データをもとに、実際に診療放射線技師の平均年収を男女別や年齢別に比較してみましょう。

診療放射線技師の平均年収

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査のデータによると、診療放射線技師の平均年収は546.7万円です。

都心部は比較的平均年収に近いですが、地方では下回ることもあります。そのため、参考程度に知っておきましょう。

次は、男女別で比較していきます。

出典：診療放射線技師 – 職業詳細｜職業情報提供サイト（日本版O-NET）
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/163

診療放射線技師の男女別の平均年収

ある年の平均年収を見てみると、男性の平均年収が約560万円、女性の平均年収が約490万円と、男女の間には約70万円の平均年収差があります。

新卒の初任給は男女全体で約20万円、手取りで約17万円とあまり差はありません。では、上記の平均年収差は一体どこから生まれるのでしょうか。次の項目では、その理由について考えてみましょう。

診療放射線技師の年収に男女で差がある理由

男女によって平均年収に差がある理由として、平均年齢の違いと夜勤による手当支給の有無が挙げられます。

ある年で比較すると、男性の平均年齢は約43歳であるのに対し、女性は約37歳と約6歳の差が生じています。勤続年数が長くなると平均年収も高くなる傾向にあるため、女性の水準が低くなってしまうのです。

また、夜勤が生じる職場では、女性に比べ男性の方が夜勤の回数が多くなる傾向があり、その分収入が高くなります。

診療放射線技師の年代別の平均年収

またある年の診療放射線技師の平均年収を年代別で比較してみると、20代で約410万円、30代では約520万円、40代約630万円、50代約711万円、60代約510万円と推移しています。

主任などの役職についたり勤続年数が長くなったりすると、平均年収も高くなる傾向です。そのため、50代が年収高のピークとなり、定年後の再雇用では正職員より給料が下がるため、60代の平均年収も下がる傾向にあります。

医療機関別の診療放射線技師の平均年収

続いては、大学病院から治験センターまで、様々な医療機関別の診療放射線技師の平均年収を比較してみましょう。病床数や扱う機器の種類、残業などによる手当は医療機関によって変わります。

では、年収にするとどれほど相場が違うとされているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

大学病院の場合

大学病院の平均年収は約400～600万円と、他の医療機関と比較するとやや高めです。夜勤がある他、学会発表に向けての論文執筆や研究発表の準備のための残業が多くなり、その分の手当が発生することによって年収が高くなる傾向があります。

また、大学病院では病床数や職員数も多いため、仕事が細分化され、担当する機器も固定されやすいでしょう。

国立・公立病院の場合

続いて国立・公立病院の平均年収ですが、約400～450万円と大学病院と比較すると少し安くなります。しかし、国立・公立病院で働く場合は地方公務員という分類になるため、安定して働くことができるでしょう。

こちらも大学病院と同じように病床数や職員数が多く、担当する機器が固定されやすいでしょう。ただし、転勤などで違う機器を扱うことになる場合も多いため、様々な経験を積むことができるとされています。

民間病院の場合

民間病院の平均年収は約370～450万円です。しかし、病院や地域傾向によって給料に差があるため、この金額に当てはまると一概には言えないでしょう。

また、規模が大きければ残業や夜勤が増えるため、手当の分給料が高い病院が多いです。一方で待遇の差もあるため、求人情報を見る際は給料の高い安いだけで判断せず、自分に合っているかを確認することが必要になります。

クリニックや検診センターの場合

クリニックや健診センターの平均年収は約350～400万円です。給料自体は高めですが、賞与は少なめとされています。また、大学病院や国立・公立病院と比べ規模が小さい分、夜勤や残業といった業務がないとされているため、年収としては低くなる傾向です。

さらに夜勤や残業がない分、子育て中の方は働きやすい環境と言われていますが、診療放射線技師は1名のことが多いため、忙しい時間帯は少し大変でしょう。

医療機器メーカーの場合

診療放射線技師の就職先は病院だけではなく、医療機器メーカーの社員として働くこともできます。所属する会社によっても異なりますが、医療機器メーカーの平均年収は約400～500万円です。

外資系企業の方は高年収で、約700万円以上稼ぐ人もいると言われています。

専門知識が機器開発や販売に役立つ他、資格保持者の多くはアプリケーションスペシャリストとして、営業職のように病院などに医療機器をすすめる仕事にも従事できるでしょう。

治験業界の場合

最後に治験業界の平均年収ですが、約300～400万円と、今回比較した中では最も低くなっています。

治験業界は若手の育成が目的のため、未経験では35歳を超えると厳しくなる企業が多いようです。ただしし昇給率が高いため、夜勤は難しいので日勤のみで働きたいという方には、働きやすい環境でしょう。

岐阜県の診療放射線技師の平均年収

続いては、岐阜県における診療放射線技師の平均年収を見てみましょう。地域によって差があると言われていますが、ここまで見てきた全体の平均年収と比較すると岐阜県の平均は低いのでしょうか。都道府県別の平均月収と比較してみましょう。

岐阜県の診療放射線技師の平均月収

岐阜県全体の診療放射線技師の平均月収は23.7万円から29.5万円と幅があり、年収にすると493.6万円です。

周辺の県と比較して見ると、群馬県が503.4万円、茨城県が501.1万円、福島県が437.1万円となっているため、岐阜県の平均年収はおおよそ中間に位置しています。

出典：診療放射線技師 – 職業詳細｜職業情報提供サイト（日本版O-NET）
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/163

岐阜県で診療放射線技師の月収が高い地域

岐阜県内で平均月収が高い地域の上位3か所は、1位が養老郡養老町（約29万円）、2位が可児市（約27万円）、3位が各務原市（約27万円）となっています。（2022年8月現在）

手取りにするともう少し減ってしまいますが、4位以下でも月収は約24万円あります。そのため、診療放射線技師として他県に就職するより、岐阜県内での就職した方が高収入になる可能性があるでしょう。

診療放射線技師のこれからのニーズは？

医療が発達してきた現代、医師・歯科医師以外で放射線を扱うことができる、診療放射線技師のニーズが高まっています。

しかし、日本国内の診療放射線技師は不足しています。特に、マンモグラフィ検査など女性特有の検査時には、抵抗が少ない同性の検査技師に対応して欲しい人も多いため、この先女性の診療放射線技師のニーズはさらに増加していくでしょう。

診療放射線技師が年収アップするには？

年収を上げるためには、認定資格の取得や臨床経験を多く積むことが重要です。認定資格は、学会や認定機構などから業務によって関連して設けられています。資格がすぐに収入に反映されるとは限りませんが、転職の際には優遇されることもあるでしょう。

また、取り扱える機器が少ない技師は、いざ転職の場面になった際に不利になってしまうことが多いため、将来を見据えて、最新の機器操作などの幅広い操作経験を積んでおくことがおすすめです。

診療放射線技師の年収について知ろう

診療放射線技師の仕事内容や平均年収は理解できましたか。今回は全国平均の他に岐阜県の平均年収を比較しましたが、全国各地を比較してみるとさらに違いがあるとされています。

専門卒や大学卒など、学歴によっても違いはありますが、医療職種の中では看護師や臨床検査技師よりも平均年収の相場が高いのが、診療放射線技師と言われています。就職先に選ぶことはもちろん、より年収を上げたい方は転職も検討してみましょう。