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投稿者:

ZYAO22編集部

【笑顔つなぐ福祉のわ】新聞紙エコバッグで地域と絆 利用者手作り、ドラッグストアで無料で配る小規模多機能型居宅介護ひとい木(岐阜市)|キラリと光る施設の取り組み

訪問、通い、泊まりの3つのサービスを介護保険で唯一、ワンストップサービスができる小規模多機能型居宅介護(小多機)の「ひとい木」(岐阜市福光東)。住み慣れた地域で暮らし続けたいと願う利用者が多いことから、昨年8月のオープン以降、一貫して地域とのつながりを大切に考えています。

開所して落ち着いてきた7カ月ほど前、職員から「利用者に社会とのつながりを感じてもらえるような取り組みを何か始めてみてはどうか」という意見が出ました。いろいろと考える中で、目に留まったのが新聞紙。環境問題への懸念からプラスチック製レジ袋が有料化されていることを受け、読み終わったら大半を捨ててしまう新聞紙を使ったエコバッグ作りを思い付きました。新聞紙を張り合わせたり折ったりすることは利用者にとって手先はもちろん、上半身や足腰を使ったリハビリにもなることから、早速始めてみることにしました。そして施設のすぐ向かいにあるドラッグストアのウエルシア岐阜福光西店に置いてもらえないかと頼んでみたところ快諾を得られ、買い物客向けに無料で配ることになりました。

店頭に置いてみたところ大好評。最初に持っていった10個ほどのエコバッグはその日のうちになくなりました。最近は週に50個ほどを納品しています。店長の西垣英子さんは「本当にあっという間になくなります。お客さまに喜んでいただけているのでありがたいです」と話しています。

利用者は、自身で買い物に行った際にエコバッグが置かれているのを見たり、買い物客が喜んで使っていることを聞いたりする中でやる気がどんどんアップ。製作の予定がない日でも、作りたがることは珍しくないといいます。「使ってもらっていると思うと上手に作らなきゃと気が引き締まります」「楽しいからというより仕事みたいな責任感で取り組んでいます」などの声が聞かれます。職員と利用者が店へと納品に向かう際、通りがかった小学生に「その袋、もらったことあるよ」と話しかけられたり、お店で買い物客から直接感謝の言葉を言われたりとコミュニケーションも生まれています。

介護職員の神谷真奈美さんは、「エコバッグ作りは、社会活動に参加させていただく良い機会となっています。ひとい木では他にも、児童館の依頼ではぎれのビブスや、法人内の託児所用に布のおもちゃを作ったりしています。利用者の皆さんには、これらの活動を通じ、充実感を持ちながら地域での暮らしを続けていっていただきたいです」と話しています。

 

小多機とは? その利点は?

自宅での暮らしの継続を望む要介護者は通常、それぞれ別の事業者が運営する通所施設や訪問介護、ショートステイなどの介護サービスをケアプランに盛り込んで利用することになるため、事業者同士の情報共有が容易ではないのが難点。

小規模多機能型居宅介護(小多機)であればワンストップサービスができることから利用者は自宅でも施設でもなじみの職員のケアを受けることができ、ケアの連続性が保たれやすいというメリットがあります。