自衛隊の年収はどれくらい?年代別や職種別の比較についても紹介
「自衛隊ってどんなことをしているの?」
「自衛隊の年収はどれくらい?」
「階級によってどのくらい差があるの?」
自衛隊に興味があったり入隊を考えていたりする方には、このような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
本記事では自衛隊についての基礎知識はもちろん、学歴・年代・階級・職業別の平均年収を紹介します。また、自衛隊の賞与や各種手当もあわせて紹介しています。
この記事を読むことで、自衛隊についての基礎知識が身につき、どのくらいの階級でどのくらいの年収なのかを把握できるため、今よりも具体的に自衛隊への入隊を考えることができるでしょう。
自衛隊に興味のある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
自衛隊とは
自衛隊は、自衛隊法に基づいて日本の平和と独立を守り、国の安全を保つために防衛することを主な任務として設置された、部隊および機関です。陸上・海上・航空自衛隊があり、内閣総理大臣の統率のもとに防衛大臣が隊務を総括します。
以下では、自衛隊についてさらに深堀りして紹介するため、ぜひ読み進めてみてください。
出典:自衛隊法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000165
自衛隊の使命と心構え
自衛隊は、この日本を守ることを主な任務としています。そのため、国の安全を保ち、平和と独立を守ることが使命となっています。
そのためにも、自衛官としての心構えとして以下の5つがあげられています。
1.使命の自覚
2.個人の充実
3.責任の遂行
4.規律の厳守
5.団結の強化
自衛隊の職種と職域
自衛隊は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つから成り立っていますが、それぞれの職種や職域には違いがあります。
例えば、陸上自衛隊は地上戦闘に挑むための部隊です。そのため、地上戦闘の骨幹部隊の普通科や戦車を取り扱う機甲科など、自衛隊の中でも強靭な体力が必要になる部隊といえます。
一方で海上自衛隊は、海の上の安全を守るための部隊です。そのため、潜水をする職種や機雷探知機を取り扱う掃海・機雷という職種などがあります。
そして、航空自衛隊は空を守る部隊です。そのため、戦闘機を取り扱う航空機整備員や実際に戦闘機を操縦する職種があります。このように、各自衛隊によって守るべき範囲が異なるため、数多くの職種・職域で成り立っていることがわかるでしょう。
自衛隊に求められる資質
自衛隊は特別国家公務員であるため、民間の企業へ就職するのとは違い、国や国民のために仕事をすることになります。そのため、国を守る、困っている人を助けるなどといった、強い使命感や責任感が求められるでしょう。
また、自衛隊は集団行動をする機会が多いため、団体行動ができる協調性のある人も向いているといえます。
他にも、自衛官の仕事はさまざまな危険と隣り合わせになることが多いため、冷静な判断力も求められるでしょう。
自衛隊の階級
一般企業の部長や課長などといった役職のように、自衛官にも役職があります。これを階級と呼び、全部で16階級に分けられています。
大きく分けると上から将官、佐官、尉官、曹、士です。その中からさらに細かく分けて、将官の場合は将尾と将補、以降の階級は1~3の数字で分けられます。
ただし、尉官の中の最下部である3尉と曹の中の最上部である曹長の間には、准尉という階級もあるため、こちらも覚えておくとよいでしょう。
自衛隊の平均年収
自衛隊の年収は勤続年数や階級ごとに変わります。
20代前半では約300万円、後半になると一気に増えて約460万円となっています。30代前半では約510万円、後半で約530万円、40代前半では約590万円で後半が約670万円となっていることから、20代後半の金額の上げ幅が非常に大きくなっていることがわかるでしょう。
以下では、学歴別・年代別・階級別・職種別にどのくらいの年収になるのか、紹介していきます。
【学歴別】自衛隊の平均年収
自衛隊の年収は階級ごとに分けられていますので、学歴は一般社会ほど関係ないといえます。
しかし、自衛官になるにあたって、自衛官補生・一般曹候補生・幹部候補生と大きく分けて3つの入隊コースがあるため、入隊コースによって将来的な収入は変わるでしょう。
給与の高い階級になるためには、当然高い学力が必要になります。そのため高卒、大卒でそれぞれ自衛隊に入隊したとき、大卒者の方が上位の階級からスタートすることが多いです。このことから、高卒と大卒で平均年収に差が生じることがあるでしょう。
高卒の場合
階級によって年収の違いはありますが、高卒の平均年収は約320万円です。幹部候補生は大卒程度の学力が必要になるため、高卒で自衛隊に入る場合の多くは自衛官候補生、一般候補生で入隊します。
高卒で入隊したあと、幹部クラスに昇進するためには、大卒の人が一般的に受けるとされる一般幹部候補生の試験を受ける必要があります。そのため、入隊した人全員が幹部になれるわけではありません。
大卒の場合
階級によって年収に違いはありますが、大卒の平均年収は約420万円です。
大卒の場合、多くの人が一般幹部候補生の試験を受けます。しかし、一般幹部候補生の試験に合格する学力がなければ、スタートは多くの高卒と同じ一般曹候補生からになるため、高卒と変わらない階級、年収になる人もいます。
ただし、幹部候補生として入隊できれば、幹部候補生には佐官という階級があるので、佐官になれたら一気に収入は上がるでしょう。
【年代別】自衛隊の平均年収
続いて、年代別の平均年収を見ていきましょう。自衛隊は、階級ごとに年収が上がっていきます。ただし、自衛隊は年功序列でもあるため、年齢に応じても少しずつ年収は上がるでしょう。
では、20代・30代・40代の平均年収をそれぞれ紹介します。
20代の場合
階級にもよりますが、20代前半の自衛官の平均年収は約310万円で、20代後半の場合は約469万円です。
対して、民間の全国平均年収は20代前半で約258万円、20代後半で約351万円となっています。この結果から、20代の時点で全国平均年収を超えることがわかるでしょう。
30代の場合
階級にもよりますが、30代前半の平均年収は約516万円で、30代後半の場合は約534万円です。
対して、民間の全国平均年収は30代前半で約403万円、30代後半で約433万円となっています。この結果から、30代になると前半後半に関係なく、約100万円の差が出ていることがわかるでしょう。
40代の場合
階級にもよりますが、40代前半の平均年収は約598万円で、40代後半の平均年収は約677万円です。
対して、民間の全国平均年収は40代前半で約460万円、40代後半で約493万円となっています。この年齢になると、約200万円近い差が出ているのがわかるでしょう。
【階級別】自衛隊の平均年収
続いては、階級別の平均年収を見ていきましょう。自衛隊には多くの階級が定められていますが、そのほとんどが昇任試験を受けて階級を上げていくことになります。
そして、その階級によって給料は変わるため、自分が目指したい年収と階級で見比べてみてください。
幹部候補生の場合
幹部候補生は、防衛大学を卒業した人や大学を卒業した人などが多いため、昇任も早いでしょう。
また、航空自衛隊や海上自衛隊の中には特別手当がつく職種に就く人もいます。そのため、30歳前後で約1000万円の年収を超える人もいるでしょう。
佐官クラスの場合
佐官とよばれる幹部クラスは、階級にもよりますが、平均年収は約800万円です。
1佐とよばれる階級の平均年収は約1000万円で、2佐とよばれる階級の平均年収は約800万円となっています。
曹長の場合
曹長とよばれる階級の平均年収は、約350万円~約606万円になります。
階級の中で、曹の最上部にあたるのが曹長です。そのため順調に昇任したあと、幹部にならなかった場合は曹長で退官となります。長く自衛隊として勤めた分、多くの年収を貰えるようなシステムになっているといえるでしょう。
【職種別】自衛隊の平均年収
自衛隊には、演奏を通じて広報活動をする音楽隊や、航空自衛隊のパイロット、看護師、栄養管理士など多種多様な職種があります。
ここでは最後に、それぞれの職種別の平均年収について見ていきましょう。
パイロットの場合
自衛隊に所属するパイロットの平均年収は、階級や年齢にもよりますが25歳(3尉)で約570万円、50歳(曹長)で約920万円といわれています。
航空自衛隊に所属するパイロットには航空手当がつきますので、航空自衛隊は特別収入が良いといえるでしょう。
看護学生の場合
自衛隊には、看護学生という職種もあります。看護学生は各幹部候補生学校に入り、幹部としての資質を養ったのちに、全国の自衛隊病院などで勤務します。
看護学生の入隊1年目の平均年収は約279万円です。看護学生の場合は、勤続年数や階級によっては年収が約500万円を超える場合もあります。
一般の看護師の平均年収は約480万円であるため、あまり差がないように感じますが、特別国家公務員ならではの充実した福利厚生を受けることができる点が魅力です。
音楽隊の場合
自衛隊の音楽隊は、他の自衛官と比べて特別な手当はありません。そのため、他の一般的な自衛官と同じく、階級と勤続年数に応じた給料相場です。
音楽隊は自衛隊音楽祭りやオリンピック、国の重要行事などで演奏するため、注目される機会が多くもあります。そのため人気があり、非常に狭き門になっています。給料相場が他の自衛官と変わらなくても、音楽隊になりたい人は多いといえるでしょう。
自衛隊の賞与や手当事情
自衛隊に入隊すると年2回賞与が支給されます。
さらに、一般職国家公務員の共通手当として扶養手当・住居手当・通勤手当に加えて、自衛隊の任務に応じて別途手当が支給されます。
ここからは、賞与や各種手当について紹介してきますので、ぜひ参考にしてください。
自衛隊の賞与
自衛隊に入隊すると、夏と冬の2回賞与が貰えます。階級などで金額は異なりますが、自衛官候補生で入隊した場合は、採用2年目から各40万円ほど、一般曹候補生で入隊した場合も同様の金額が貰えます。
幹部候補生で入隊したり防大卒だったりする場合は、さらに多く貰えるため、公式のホームページなどで確認してみましょう。
自衛隊の各種手当
自衛隊は福利厚生が充実しているといわれますが、中でも各種手当は一般企業に劣らないほど充実しています。
例えば、扶養手当や通勤手当はもちろん、駐屯地外に居住する曹士自衛官には営外手当が付与されます。また、各自衛隊によって手当を出しており、航空自衛隊で2尉以上の戦闘機パイロットであれば航空手当が付与されます。
その他、退職金や前述した賞与、若年定年退職者給付金など、さまざまな手当があるため。一度調べてみてはいかがでしょうか。
自衛隊岐阜地方協力本部
全国にある自衛隊は、広報活動などをするために地方協力本部を設けています。
岐阜県にある地方協力本部は、岐阜市長良福光に所在しており、その他県内に5か所の地域事務所等を配置しています。
ホームページでは自衛隊に入りたい方はもちろん、自衛隊について知りたい向けのページが載っていたり、各種イベント情報を数カ月先のものも載せていたりしているため、積極的に広報活動に力を入れていることがわかるでしょう。
ここまで読んでみて、自衛隊になりたいと思った方や興味を抱いた方は、ぜひホームページを見てみてください。
自衛隊の年収について知ろう
ここまで自衛隊についての基礎知識や、給料事情について紹介しました。自衛官の年収は民間の年収より待遇がよく、魅力的と感じた方もいるのではないでしょうか。
各種手当がある上に、営内(駐屯地・基地)で生活するとほとんど生活費がかからないため、自衛官になるメリットはとても大きいでしょう。
ぜひ、この記事を参考に自衛隊の年収について知り、少しでも興味の湧いた方は岐阜地方協力本部に足を運んでみてください。