洞察力とは?高い人の特徴や鍛え方、観察力との違いまで簡単に解説!
「洞察力」とはよく聞く言葉ですが、意味や観察力との違いを正しく理解している人は多くないかもしれません。
洞察力が高いと、仕事を順調に進められたり、人と円滑なコミュニケーションがとれたりするため、ビジネスにおいて洞察力は、重要な能力といえるでしょう。
洞察力の意味や洞察力が高い人の特徴、鍛え方について解説します。
目次
洞察力とは?
洞察力とは、目に見える部分だけでなく、目に見えない部分まで思考をめぐらし、物事の本質や意図を見抜く力のことです。
例えば、相手との会話中に相手の顔が曇った場合、「触れられたくない話題だったのでは」と相手の本音を推察することが洞察力といえます。
洞察力が優れている場合、人の気持ちに配慮したコミュニケーションをとれて、良好な人間関係を築けたり、発生した物事の根本的な原因を見抜き、問題解決に導けたりするメリットがあります。
英語で表すと?
洞察力は、英語で「insight」と表します。
「洞察力のある人」は「insightful person」、「鋭い観察力」は「keen insight」です。
洞察力と観察力の違い
観察力は、目に見える部分を注意深く見て、変化に気付いたり、状況を把握したりすることを指します。例えば、相手の目が泳いだり、同僚が慌てていたりすることに気付くことが観察力です。
一方で、洞察力は、「目が泳いだから嘘をついているのではないか」「同僚が慌てているから、何かトラブルがあったんじゃないか」など、観察力を発揮して捉えた、物事の見えない部分を見抜く力のため、観察力をさらに強化した能力といえるでしょう。
洞察力がある人の特徴は?
洞察力がある人は、物事に対する思考や姿勢に特徴があります。
洞察力がある人の特徴をご紹介します。
先入観なく客観的に捉えることができる
洞察力がある人は、先入観や偏見なく、物事を客観的に捉えることができます。先入観や偏見があると、相手や物事を正確に把握できなくなるため、物事の本質に気付けない恐れがあります。
例えば、「怖い」と言われている上司の元で働くことになった場合、「怖い上司」と思ってしまうと、コミュニケーションを避けてしまったり、顔色を窺ったりして、円滑な人間関係を築きづらくなるでしょう。
一方で、洞察力がある人は、「怖い上司」という先入観をもたずに接し、相手のよいところや尊敬できることを見つけられるため、良好な人間関係を築けたり、よいところを自分に取り入れて成長できたりする可能性があります。
様々な角度から物事を考えることができる
様々な角度から物事を考えられることは、洞察力がある人の特徴のひとつです。物事を多角的に考えられると、見えなかった部分に気付けたり、画期的なアイデアが浮かんだりして、問題解決や状況の改善につながる可能性があります。
例えば、新規で導入したオンラインツールの社内利用率が低い場合に、オンラインツールに不慣れな人の立場に立てば、マニュアルの作成や研修の実施が必要であることに気付き、社内利用率の向上に向けた行動を起こせるでしょう。
積極的に情報を取り入れている
洞察力が高い人は、人や物事に対する興味関心の幅が広いため、積極的に情報を取り入れ、日常に活かしています。
トラブルや問題が発生した際に、蓄積している情報が多ければ選択肢が広がったり、解決策を迅速に見出せたりします。
また、人間関係に関しても、相手の言動を覚えていれば「そういえば、先日の取引はどうでした?」など、コミュニケーションをとるきっかけになり、さらなる情報を取り入れられるでしょう。
冷静で感情的にならない
洞察力が高い人は、常に冷静で、トラブルが起きても感情的な言動をとらない傾向があります。
物事を客観的に見たり、多角的な思考をしたりするには、自分の感情や周りの状況に振り回されないことが大切なため、洞察力が高い人は自制心が高いといえるでしょう。
洞察力を鍛えるには?
洞察力は、鍛えることが可能です。洞察力を身につけられれば、仕事で活躍できたり、他者と適切なコミュニケーションがとれたりするため、自己の成長や信頼関係構築につながるでしょう。
洞察力を鍛える方法を解説します。
周囲を観察する癖をつける
洞察力がある人は、周囲の状況をよく観察しています。人や物、出来事をよく観察することで、表情の変化や些細な動きにも気が付くようになり、人の本音や物事の本質を見抜く力が鍛えられるでしょう。
一方で、人の顔や行動をあまりに注視すると、不審がられ、人間関係の悪化を招きかねないため、人を不快にさせず、自然に観察することが大切です。
クリティカルシンキングで考えてみる
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、思考に対し「本当に正しいのか」と批判的になり、客観的な事実を分析して物事の本質を見抜く思考法のことです。
例えば、「A商品よりB商品のほうが優れている」という思考がある場合、クリティカルシンキングをして「本当にA商品のほうが優れているのか」「優れているとはどの点を比べてなのか」などと疑い、実際に商品を分析すると、客観的な判断を下せるでしょう。
洞察力を鍛えるには、日常的にクリティカルシンキングを行い、物事を客観的に見る能力を養うことが求められます。
結論を急がないようにする
多角的に物事を捉える洞察力を鍛えるには、日常で見聞きする物事に対し、結論を急がず、「なぜ?」と考えてみることが大切です。
例えば、遅刻した同僚がいた際に、「寝坊した」とすぐに結論付けるのではなく、「なぜ遅刻したのか?」を考え、観察すると、「同僚の顔色が悪いから体調不良かもしれない」「手に包帯を巻いているから病院に行っていたのかもしれない」など、様々な可能性が浮かぶでしょう。
浮かんだ「なぜ?」の推測から、「本当に体調が悪いなら、同僚の仕事を手伝ってあげよう」とポジティブな行動をとれると、相手の信頼を得られる可能性もあります。
新しい価値観も受け入れてみる
人は、主観や思い込みにとらわれていると、自分の価値観で判断したり、偏見で物事を見たりする恐れがあります。
一方で、洞察力がある人は、多角的に物事を考え、客観的な事実から判断するため、新しい価値観を受け入れ、自分の視野を広げることが、洞察力を鍛えることにつながるでしょう。
自分とは違う価値観をもつ人、人生経験が違う人など、様々な人物と交流すると、自分の視野を広げられる可能性があります。
興味の幅を広げてみる
自分の興味の幅を広げ、様々な経験や知識を得ると、自分の思考に変化をもたらし、より多角的で、柔軟な思考ができるようになるかもしれません。
例えば、他部署の業務について興味をもち、理解した場合、他部署の社員の行動の意図を読み取れたり、忙しい時間帯を把握できて、仕事の依頼を別日に回すなど気遣いができたりするでしょう。
仕事に関わる内容だけでなく、趣味や自分がやりたいことなど、新たな経験や知識を得る機会であれば、自分の思考の成長につながります。
まとめ
洞察力とは、高い観察力を駆使しながら、物事の本質や人の意図を見抜く力のことです。
高い洞察力が、円滑な業務や良好な人間関係につながるため、日常で「なぜ?」を大切にしたり、周囲をよく観察する癖をつけたりして、変化に気付く能力や柔軟な思考力を養いましょう。
自分から積極的に情報を取り入れたり、興味のあることに挑戦したりすることも大切です。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)