本を読むメリットって何?デメリットも含めて紹介
若者の活字離れが世間やニュースでささやかれる中、「本を読むと何がいいのだろう」と思ったことはありませんか?本になかなか触れる機会がない人は、その傾向がより強いのではないかと思います。
本記事では、本を読むことで得られるメリットに加え、デメリットやおすすめ本を紹介します。本を日常的に読む人も読まない人も、読書に関して今一度見直してみるのはいかがでしょうか。
目次
本を読むメリットって?
「本を読みなさい。」学校の教師や親御さんからよく聞かれる言葉ですが、本を読むとどのようないいことがあるのでしょうか。ここではまず、本を読むことで得られる「メリット」について紹介していきます。
今まで知らなかった知識が増える
世の中には多様なジャンルの本が溢れているように、本は知識の宝庫です。何か特定のことを詳しく知りたいときに本を読むことで、知識や知恵を得ることができます。得た知識がすぐに生かされるとは限りませんが、本を読むことで蓄積された知識は、人生の糧となってくれるはずです。
また、知識を得るために読んだ一冊の本をきっかけに、その分野に関する自分の興味関心や視野が広がっていくことも期待できます。手に取った一冊の本から、あなたの世界が大きく変わるかもしれません。
語彙力・文章力が磨かれる
プレゼン資料やメールの作成、友達や同僚とのやり取りまで、語彙力や文章力は「自分の伝えたいことを他者に伝える」時に必要となってきます。これは、大人として社会を生きていく中で切っても切れない能力ではないでしょうか。
多くの言葉や文章表現が登場する本を読むということは、そんな語彙力や文章力を必然的に磨くことになります。加えて、知識として取り入れた言葉や表現に、本の文脈の中で触れることで、日常の中で自然と使用できるようになっていくことも期待できます。
思考力・想像力が鍛えられる
映画やアニメは映像です。自動的に場面は展開されていき、ただ見ているだけで楽しむことが出来ます。それに比べ、本は主に文章で構成されています。楽しむにはキャラクターや人物、舞台となった世界のイメージなどを頭の中で思い浮かべ、言葉に命を吹き込む必要があるため、想像力が鍛えられていきます。
行間に隠された登場人物の感情を読み取ることも「自分だったらどうだろうか」と、新たな場面への想像力を培う土壌となっていくでしょう。
また、知らない世界や知識、自分とは全く違う考え方や経験したことがない状況など、本には自身と同一化できないものが数多く登場します。それらを理解しようと、頭の中を整理する力を深めていくことで、思考力も鍛えられていくのではないでしょうか。
自己肯定感が高まる
自己肯定感とは、自分自身の在り方や経験を肯定する感覚のことを指します。
本を読むスピードは人それぞれです。しかし、確実に1ページ1ページ、本は読み進められています。その度に「今日は〇ページ読んだ」「○○について知ることが出来た」と少しずつでも実感できる自身の成長は、自己肯定感を高めてくれるはずです。本を読破した際には、大きな成果や成長として、より自分に対する自信につながることでしょう。
本の世界を楽しむことが出来る
剣と魔法のファンタジーやSF、今では戻ることができない学生時代、様々な職種の場面を描いたフィクション…。現実世界では味わうことのできない「非日常」が本の中では繰り広げられています。本を読むことで登場人物に自己を投影し、そんな世界の疑似体験を楽しむことが出来ます。
現実を忘れて本の世界に没入することは、ストレス解消にもつながります。
デメリットはどんなところ?
メリットについて紹介してきましたが、本を読むことに対するデメリットはあるのでしょうか。挙げるとするならば「時間・場所が取られる」ことはデメリットとも言えます。
本は動画やネットと違い、どうしても「文字を読む」という行為に時間がかかります。時間が取られ、生活のリズムが崩れてしまうかもという事も注意点の一つかもしれません。通勤・通学などのスキマ時間を活用するのもアリでしょう。
電子書籍にすれば解決してしまいますが、紙の本を集める場合だと、読んだ本が積み重なり、本棚に並べたとしても、場所が随分取られることになってしまいます。
また、場合にもよりますが、人への自己紹介で「趣味は読書」だというと、キャンプやスポーツ、楽器などと比べ、「一般的な趣味」というイメージを持たれてしまうことがあるかもしれません。ただし、本当に好きならば胸を張って「読書が好き」と言ってしまってよいのではないでしょうか。
本を読む時間帯は?
本の良いところのひとつに、開いてしまえば、いつでもどこでも好きなタイミングで楽しむことが出来る点が挙げられます。ただ、本を読むのに適した時間帯はあるのでしょうか。朝と夜を時間帯として挙げて見ていきましょう。
朝読書で心地よい一日をスタート
目覚めて直ぐは、なかなか意識が覚醒しない人も多いのではないかと思います。そんな朝にこそお気に入りの本を読むことで、モチベーションを上げるとともに、意識を覚醒させ、心地よい一日をスタートさせることができます。
夜読書でリラックス
夜に本を読むことは脳をリラックスさせ、睡眠の質を高くする効果が期待できます。本読むのが面倒になっても、眠ってしまえばいいので、少し難解な本やボリュームのある分厚い本に挑戦するのもいいかもしれません。
加えて、睡眠中は記憶が定着しやすく、就寝前に本を読むことは覚えたいことがあるときに有効だといわれています。学生の頃、テスト前に試した人もいるのではないでしょうか。枕元やベットサイドに本を置いておくと手に取りやすいです。
読書初心者に!ZYAO22編集者が選ぶおすすめ本3選
ここまで読書に関して述べてきましたが、いざ本を読もうとしても「どの本を読んだらいいかわからない」となったことはありませんか?
読書は自由なものなので、気の向くまま本屋や書籍サイトから気になった本を選ぶのもいいですが、今回はZYAO22編集者が選ぶ読書初心者におすすめの本3選を紹介したいと思います。あなたも読書ライフへの一歩を踏み出してみませんか。
「ボッコちゃん」星新一/新潮文庫
SFやミステリー、ファンタジー…バラエティ豊かな、超短編小説作品と呼ばれる「ショートショート」50編を楽しむことができます。作品それぞれに秀逸なラストが用意されています。
1話が10ページ前後とかなり短く、サクサクと読み進めることができるため、長い文章を数百ページも読むのが苦手・憂鬱という方におすすめです。
「君の膵臓をたべたい」住野よる/双葉社
タイトルを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。「2016年本屋大賞」で2位を獲得するなど、通称「キミスイ」の名で知られる大ヒット青春小説です。
病院で拾った一冊の「共病文庫」をきっかけに、主人公とクラスメイト・山内桜良との淡く儚い交流を描いた作品です。タイトル「君の膵臓を食べたい」に込められた思いとは…。2017年に実写映画化、2018年に劇場アニメ化されました。
すでに映像化された作品は、文章から頭の中で世界をイメージしやすいため、読書に慣れていない方にもおすすめです。「映画見た!」「話題で気になっていた!」という気持ちも読み始めてみるモチベーションに繋がります。
「妖怪アパートの幽雅な日常」香月日輪/YA! ENTERTAINMENT
一人暮らしを始めたアパートには、個性的な人間や妖怪・幽霊が暮らしていて…。悩みや葛藤とともに、住民らと関わっていくことで、主人公・夕士が成長する姿を描いた作品です。
比較的、軽めの文章となっているため読みやすく、非日常で送る日常には魅力的なキャラクターが多数登場します。マンガ・アニメ化もされているため、前述したように世界をイメージしやすい点もおすすめです。
あなたも「妖怪アパート」の住民の一員になってみては?手首だけの幽霊・るり子さんが作る料理の描写も注目ポイントです。
まずは一冊から
まずは一冊手に取ってみてはいかがでしょうか。手を伸ばせばそこには、知らなかった世界が広がっています。本は、あなたの時間をより一層充実したものにする手助けをしてくれるはずです。
参考文献
松本幸夫(2011)『あたりまえだけどなかなかできない 読書習慣のルール』明日香出版社
吉田裕子(2020)『明日の自分が確実に変わる 10分読書』集英社
藤原和博(2015)『本を読む人だけが手にするもの』日本実業出版社
金川顕教(2020)『「本の読み方」で人生が思い通りになる 読書革命』総合法令出版
脇明子(2014)『読む力が未来をひらく 小学生への読書支援』岩波書店