田舎暮らしをするメリットとは?移住前に知っておきたいポイントも紹介
「老後は田舎暮らしをしたい」
「田舎暮らしのメリットは?」
「今から将来のために移住先を探したい」
田舎暮らしをするメリットが知りたいという方も多いのではないでしょうか。
近年、積極的に移住者を呼び込んでいる自治体もあり、リタイア後に都会から地方に移住する人も増えています。
この記事では、田舎暮らしをするメリットやデメリット、田舎暮らしを始める前に知っておきたいポイントなどを紹介していきます。また、田舎暮らしを始めるまでの流れも併せて解説します。
この記事を読むことで、田舎暮らしをするメリットや移住前に知っておきたいポイントなどを知ることができるため、リアルな生活設計ができるでしょう。
田舎暮らしをしようと計画している人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次
田舎暮らしをするメリットはあるのか?
都会の喧騒から解放され、自然豊かな環境で暮らせる田舎暮らしにあこがれ、地方に移住する人は増えています。
田舎暮らしをするメリットはもちろんありますが、田舎暮らしを希望する人は、メリットだけでなくデメリットや注意すべきポイントにも目を向け、移住を決める必要があるでしょう。
田舎暮らしをするメリット
田舎暮らしや都会からの移住については、テレビや雑誌などのメディアで扱われ、その多くが主にメリットを取り上げています。そういった情報に心を動かされたりあこがれたりして、田舎暮らしを選択する人もいるでしょう。
ここでは、田舎暮らしをするメリットをご紹介します。田舎暮らしをするメリットが知りたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
- 豊かな自然がある
- ストレス軽減が期待できる
- 田舎ならではの仕事を探せる
- 近所付き合いなどの交流がある
- 物価が高くない
豊かな自然がある
田舎暮らしのメリットは、豊かな自然に囲まれて暮らせることでしょう。雄大な山々や広く澄んだ空、四季折々の植物や生物などに囲まれて生活できます。
また、都会では味わえないきれいな空気を吸い、喧騒のない静かな環境で、移り変わる季節を感じながら暮らせるでしょう。
ストレス軽減が期待できる
都会の生活は利便性が高い、自分の希望する職が見つけやすいなどの利点があるものの、通勤ラッシュや渋滞、騒音や大気汚染など、ストレス源が多いとも言えます。
一方、田舎の暮らしではそれらの問題はほとんど発生しないと言って良いでしょう。田舎には別の問題が発生する場合もありますが、自然とのふれあいの中でストレスの軽減も期待できます。
田舎ならではの仕事を探せる
都会の生活のメリットとして、就労の機会が多いことがあります。しかし、田舎は求人数こそ少ないものの、田舎ならではの職種が存在します。
たとえば、農業や林業、漁業など自然を活かした仕事が多く、都会暮らしではこれらの求人に出会えるチャンスは少ないでしょう。
田舎ならではの職種に興味のある人にとって、田舎暮らしは魅力的な生活と言えます。
近所付き合いなどの交流がある
一般的に田舎では人付き合いが盛んです。場所によっては、地域の行事や農作業、草刈り、雪かきなど、近所の住人と誘い合ったり助け合ったりして、交流する機会が多いでしょう。
人と交流することが好きな人や近所付き合いを楽しみたい人にとって、アットホームな田舎暮らしは適していると言えます。ただし、近隣住民との距離が近いことはデメリットになる場合もあります。
プライベートに立ち入られたり独特の風習に付き合わされたりすることが理解できない人には、合わない可能性もあるでしょう。
物価が高くない
都会は物価が高く、地方に行くほど低くなる傾向があります。政府発表の「全国物価地域差指数 」によると、東京都・神奈川県・大阪府・京都府など大都市の総合指数は100を超えており、沖縄県・群馬県・宮崎県などは91~94となっています。
また、都会から離れると地価が安い傾向にあるため、住居購入費や固定資産税を抑えられるでしょう。特に過疎化が進んだ地域では、空き家を安価で購入できたり、自治体から補助金が出たりする場合があります。
また、住居費以外にも、地元の食材などは安く新鮮なものが手に入ります。ただし、ガソリンなどの燃料費や日用品などは都会よりも高い場合があるでしょう。
出典:全国物価地域差指数|統計局
参照:https://www.stat.go.jp/data/zenbutu/2007/pdf/gaiyo_si.pdf
田舎暮らしをするデメリット
田舎暮らしにあこがれる人は、メリットだけに注目しやすい傾向にあります。しかし、当然ながら田舎暮らしにはデメリットも存在します。あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないよう、実際に自分がこの場所で暮らしていけるかを具体的にイメージして判断しましょう。
ここでは、田舎暮らしをするデメリットをご紹介します。
生活関連施設などが充実していない
田舎にはスーパーや病院、郵便局などの生活関連施設が少ないでしょう。人口が少ない地域ほど、これらの施設を維持するのは難しくなります。
また、カラオケボックスやボウリング場、大型ショッピングセンターなどの商業施設や娯楽施設が充実していないことも多く、人によっては不便さや退屈さを感じることもあるでしょう。
豊かな自然を活かした遊びや趣味を楽しめない人には、ストレスになる可能性があります。
交通などの利便性が低い
徒歩圏内に駅やバス停がない、あっても1日に数本しか走っていないなど、田舎は公共交通機関が発達していない地域が多いでしょう。また、都会には当たり前のように見られるコンビニなども少なく、田舎暮らしは車での移動が必須となります。
このような利便性が悪いことも田舎暮らしのデメリットとなります。また、前述したように交通だけでなく病院や金融機関、学校など必要な生活関連施設が遠い傾向にあるのも特徴です。
高賃金を望めない
大都市に比べて田舎は高賃金が見込めない傾向にあります。厚生労働省の「令和3年度地域別最低賃金改定状況」によると、たとえば関東圏では東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の最低賃金はそれぞれ1,041円、1,040円、953円、956円となっています。
一方、群馬県や茨城県、栃木県の最低賃金はそれぞれ865円、879円、882円となり、東京都に比べると200円近くの差があります。
また、田舎は都会に比べて就職先が少なく、都会と同等の賃金を得ようと仕事を探そうとしても苦労する場合が多いでしょう。
出典:令和3年度地域別最低賃金改定状況|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
田舎暮らしを始める前に知っておきたいポイント
田舎暮らしにはたくさんの魅力がありますが、予想外の環境に後悔したり田舎暮らしを断念したりしてしまうことがないよう、事前準備を入念に行うことが重要です。
ここからは、田舎暮らしを始める前に知っておきたいポイントを解説します。
- 事前に仕事のための情報収集をしておく
- 移動には自動車が必須であることが多い
- 地域内の交流について確認をしておく
- 短期滞在をしてみる
- 目に見えない住環境もチェックしておく
事前に仕事のための情報収集をしておく
田舎暮らしを実行する前に、移住先で仕事に関する情報収集をしておきましょう。前述したように、田舎で都会のような賃金を得られる職に就くことは容易ではありません。
また、都会に比べて田舎のほうが求人数が少ないため、仕事自体を見つけることも困難な地域もあります。
移住を希望する地域で働く必要がある場合は、あらかじめ移住先の求人情報を集め、自分に希望する職種の求人はあるか、平均的な賃金はどのぐらいかを確認しておきましょう。
移動には自動車が必須であることが多い
交通の利便性が悪い田舎での移動は基本的に車移動となるため、田舎暮らしは車の所有が前提になります。
そして、車の所有にはガソリン代だけでなく税金や車検代など多くの費用がかかります。公共交通機関を使いづらい不便さや車にかかる費用などは、あらかじめ覚悟しておく必要があるでしょう。
地域内の交流について確認をしておく
田舎の暮らしは地域住民の相互扶助によって培われており、公共の場の掃除や草刈り、祭り、冠婚葬祭などの行事を通して、つながりが非常に密になる地域もあります。
これは田舎ならではのメリットにもなりますが、それに慣れていない人にとっては居心地の悪さを感じる場合もあるでしょう。
移住前に地域内の交流について確かめて、それが自分たちの許容範囲であることを確認したうえで移住を検討することが大切です。
短期滞在をしてみる
事前調査の一環として、移住先に短期滞在することをおすすめします。気温や降雪量、交通や周辺施設の利便性、地域住民との距離感など、実際に滞在してみて初めて分かることもあります。
インターネットなどで離れた場所からいくら調査をしても、現地で実際の田舎暮らしを体感することによって得られる情報量には敵いません。
また、短期滞在を繰り返して現地の人と交流したうえで移住を決断するのも良いでしょう。自治体によっては移住体験制度を用意している地域もあります。
目に見えない住環境もチェックしておく
移住を決める前のリサーチでは、目に見えない環境もチェックしておくことが重要です。田舎暮らしだけでなく新居を探す場合にも言えることですが、物件の価格や広さ、立地条件だけでなく、一見しただけでは分からない住環境の側面も確認しておきましょう。
田舎の住環境の問題は、虫が多いことや牛や豚、鶏の家畜臭がすることなどです。これらは人によっては大きなストレスになる可能性があるため、事前にチェックしておくと良いでしょう。
田舎暮らしを始めるまでの流れ
ここからは、都会から田舎へ移り住みたいという人が田舎暮らしを始める流れを見ていきましょう。
大きな流れとしては、まずは候補地を絞ったら事前調査をしたのち、短期滞在を経て住居や仕事を決め、晴れて移住するという運びになります。
候補地を絞る
最初に移住先となる候補地を絞ります。一言で「田舎」と言っても、「都心から近い地域」と「人里離れた地域」では生活環境が大きく異なります。
まずは、「海が近い」や「山里が良い」、「農業をしたい」など自身や家族の具体的な希望や理想の形を明確にしましょう。そして、地域の気候や利便性と希望が合致する候補地を選ぶことが重要です。
岐阜県関市
岐阜県関市は、名古屋から車で約1時間、人口約89,000人の都市です。古くから東西文化の要として栄え、関所が置かれたことが名前の由来となっています。刃物の町として有名ですが、最近では「モネの池」で人気に火がつきました。
移住者に対しては空き家物件情報を提供しているほか、移住希望者と市内企業のマッチング支援、起業の準備から集客に関する相談まで継続的なサポートを行っています。
また、移住定住応援券や3世代同居奨励金、3世代同居奨励金、空き家情報バンクリフォーム補助金などの制度が充実しています。
岐阜県大垣市
岐阜県大垣市は、名古屋まで44kmほど離れた地方都市です。古くからきれいな地下水に恵まれた水都であり、随所に歴史スポットが点在しています。
中心部にはIT関連企業が集積し製造業も盛んな県内有数の産業都市です。また、移住者と空き家の持ち主をマッチングし、住居の確保支援も行っています。
また、子育て世代等住宅取得支援事業、子育て世代等中古住宅取得リフォーム支援事業、子育て世代近居支援事業などの支援事業が設けられているため、子育て世代も暮らしやすい都市と言えるでしょう。
岐阜県中津市
名古屋から約70km、高速道路でおよそ1時間の場所にある中津川市は、中央アルプスや恵那山、御嶽山に接しており、四季折々の自然を堪能できる街です。馬籠宿などの観光や祭り、林業が盛んでありながら、製紙業などの産業も発展しています。
中津川市の移住者支援事業は多く、新婚さん住まいる応援事業、東農桧と飛騨の杉の家づくり支援事業、空き家再生リフォーム補助、空き店舗活用支援事業、U・Iターン者用住宅などがあります。
支援制度や補助金について調べる
近年、新型コロナ感染症の拡大などの影響もあり、国や自治体が積極的に地方への移住を働きかけています。国の施策としては、東京圏在住者を対象とした「起業支援金」や「移住支援金」などにより、都心を離れて地方で起業や就業をする人への支援をしています。
また、各地方自治体も古民家再生支援や就農支援などさまざまな取り組みをしているため、移住候補地を絞ったら、支援制度や補助金について具体的な施策を調べてみましょう。
岐阜移住への支援例
岐阜県では移住に関する支援だけでなく、農業・林業・起業・事業承継などに関する情報提供や支援制度、イベントなどを行っています。
具体的な県の支援金としては、東京圏からの移住支援金(単身:60万円 世帯:100万円)、岐阜県林業就業移住支援金(単身:60万円 2人以上世帯:100万円)、ぎふの木で家づくり支援事業、岐阜県住宅資金助成制度、子ども医療費助成制度などがあります。
また、公式の「岐阜県への移住・定住ポータルサイト」では、市町村による各種支援事業も調べることができるでしょう。
出典:県の支援・補助金|岐阜県への移住・定住ポータルサイト
参照:https://www.gifu-iju.com/support_prefecture-2/
出典:市町村の支援・補助金|岐阜県への移住・定住ポータルサイト
参照:https://www.gifu-iju.com/support_city/
- 東京圏からの移住支援金
- 岐阜県林業就業移住支援金
- ぎふの木で家づくり支援事業
- 岐阜県住宅資金助成制度(利子補給制度)
- 子ども医療費助成制度
事前調査や現地訪問をしてみる
候補地を決めたら、事前調査や現地訪問をしてみましょう。まずは、インターネットなどを使用してリサーチし、現地の情報をできるだけ収集します。特に、住居や仕事の有無などは重要になるでしょう。
候補となる物件や求人などが見つかったら、実際に現地に赴いて自分自身で雰囲気や情報の真偽を確かめることをおすすめします。候補地との距離があると難しい場合もあるでしょうが、慎重に自分の目でチェックしておくことが大切です。
また、前述したように短期滞在できるとより望ましいでしょう。
住居や仕事を決め移住する
移住を急ぐ必要のない人は、事前に住居や仕事などの生活の基盤を整えてから移住しましょう。引っ越し費用などを考慮すると、移住先で仮住まいをするのではなく、事前に物件を選んで住居の準備を整えておくことをおすすめします。
また、移住先で働く必要のある人が移住後に仕事を見つけるのは、収入面で不安になるおそれもあります。安心して田舎暮らしを始めるためにも、移住前に仕事を決めておくと良いでしょう。
田舎暮らしをするメリットを知っておこう
自然に囲まれてゆっくりと暮らす田舎暮らしにあこがれる人は増えていますが、そのイメージと実際の暮らしが必ずしも一致するとは限りません。田舎暮らしならではのデメリットも存在し、想像とは違ったと後悔する場合も多々あります。
とは言え、田舎暮らしにはたくさんのメリットがあります。イメージと現実の不一致を防ぐためにも、入念に事前調査し田舎暮らしのメリット・デメリットも含めた理解が必要となるでしょう。