理想の上司の条件とは。メリットや2023年版の「理想の上司」ランキングも紹介
人生の中で「理想の上司」に出会ったことはありますか?それとも、まだ「理想の上司」像を具体的に描けていない段階でしょうか。
今回は、どちらの人にも納得してもらえるような「理想の上司」の条件と特徴を挙げていきたいと思います。
目次
「理想の上司」の8つの条件

理想の上司の定義は個人によって異なる部分もありますが、一般的に以下の8つの条件を満たしている上司であれば、部下に尊敬され慕われているケースが多いでしょう。
①自身の仕事で成果を出している
上司という立場以前に、一従業員として企業に貢献していることは必須だと言えます。自分の仕事で成果を出しているからこそ、部下に説得力のある指導ができるというものです。
口ばかりで実力が伴っていない、「やるやる詐欺」で結果を出せないといった上司は、他の条件が揃っていても理想の上司とは言えないでしょう。
②視野が広く多角的な思考ができる
自分の考えに固執して部下の意見を聞かない上司は、部下に「裸の王様」扱いされて煙たがられるようになります。
若手・ベテラン問わずさまざまな部下の意見をバイアスなしに傾聴できる上司は、広い視野を持つ多角的な思考ができる人物でしょう。
③部下を公平に評価することができる
一定数の上司は、出身校が同じ、共通の知り合いがいるなど、業務とは関係のないポイントで部下をえこひいきすることがあります。これによりチームが分断されてしまい、業績に影響する場合もあります。
理想の上司は、個人的なメリット・デメリットを評価に持ち込まず、純粋に能力だけで部下を評価することができます。
④決断力がある
様々な意見があり方向性を定めるのが難しい事態が発生したときは、上司がその場の統率をとり、決断を下すことが必要になってきます。
こうした状況で、チームが納得できる決断ができるのも、「理想の上司」の特徴のひとつです。
⑤感情的にならない
部下が失敗したときに叱るのも上司の仕事のひとつ。しかし、怒りにまかせて人間性を否定する発言をしたり、いつまでも失敗を責め立てたりするのは、未熟な上司がすることです。
理想の上司は冷静にミスを指摘し、その原因を部下と一緒に探り対処することで、部下の成長もサポートしてくれます。
⑥部下の失敗に対して責任が取れる
部下が仕事で失敗し、取引先に迷惑をかける、業務が滞るなどの影響が出てしまったとします。この場合、理想の上司は部下と共に矢面に立ち、必要があれば謝罪することで、部下の失敗に対しての責任を取ろうとします。
自分の失敗の責任を部下に押し付けようとする上司もいる中で、こうした潔い上司は部下からの人望を集めやすいでしょう。
⑦部下の面倒見がいい
理想の上司は細やかな気遣いができる人物でもあります。例えば小さな子供がいる部下、体調が優れない部下など、プライベートな事情を汲んで仕事を割り振りできるような、面倒見がいい部分を兼ね備えています。
⑧「褒める」・「叱る」をバランスよくできる
上司に褒められてばかりだと成長につながりにくいし、叱られてばかりだとモチベーションが下がってしまうのは、すべての仕事人に共通する体験でしょう。
理想の上司は、褒められるところは手放しで褒め、改善点が見つかればしっかりコミュニケーションをとってくれます。
理想の上司がいることのメリット

では、実際に理想の上司がいる職場で働けると、部下にどういったメリットがあるのでしょうか。現状を思い浮かべながらチェックしてみてください。
仕事のモチベーションが高まる
成功すれば褒めてくれ、失敗すれば改善点を挙げてくれる上司がいれば、もちろん成長を実感することができます。その結果、仕事のモチベーションを高い状態に保つことができ、さらに成功しやすい環境になるという正のスパイラルが起こります。
悩み事を相談しやすい環境になる
1つの重大な失敗の前には3つの小さな失敗があり、その前には30個のひやりがある…という法則をご存知でしょうか。
部下の話をしっかり聞いてくれる上司がいれば、部下は仕事での悩みや困り事を気軽に相談でき、「ひやり」の段階で問題を排除することができるでしょう。
仕事が円滑に進む
できる上司は段取りとコミュニケーションを欠かしません。また、部下への仕事の割り当ても的確に素早くこなします。これにより各所でのタイムロスを防げるため、できる上司の下では仕事がスムーズに進むと感じることが多いでしょう。
自分も理想の上司を目指せる
理想の上司の仕事ぶりと人間性を間近で観察できる環境は、「こういう場面ではこうするべき」という優れたケーススタディとなります。
この経験は将来、部下自身が管理職の立場になった際に活かせることでしょう。
理想の上司になることのメリット

理想の上司を持つことと同様、理想の上司になることにも大きなメリットがあります。次の項目のように、部下とWin-Winの関係になれるためです。
良い部下に恵まれやすくなる
部下に尊敬される上司は、良い部下に恵まれます。これは「類は友を呼ぶ」という理由の他にも、「朱に交われば赤くなる」効果で、良い職場やチームの雰囲気がそのままメンバーに伝染するためともとれます。
部下から信頼されやすくなる
部下を気にかける面倒見のいい上司は、部下から「何かあってもいつでも相談できる」という信頼を得ることができます。信頼関係で結ばれた上司と部下は、お互いをサポートし合いながら業務に当たることができます。
自分も部下も評価される
お互いをサポートし合いながら業務に当たることで、そうでない場合よりも大きな成果を上げられます。すると部下を上手くリードした上司の評価が高まり、部下は上司の期待に応えたとして高い評価が得られます。
2023年新入社員が選ぶ「理想の上司」ランキング

さて、2023年の新入社員はどんな人を「理想の上司」だと考えているのでしょうか。
明治安田生命保険と産業能率大学総合研究所による毎年恒例の「理想の上司」ランキングを覗いてみましょう。
新入社員が選ぶ「理想の上司」総合ランキング<男性編>
<明治安田生命保険>
1位:内村光良さん
2位:櫻井翔さん
3位:桝太一さん
4位:長谷部誠さん
5位:設楽統さん
<産業能率大学総合研究所>
1位:大谷翔平さん
2位:ヒカキンさん
3位:伊沢拓司さん
4位:ムロツヨシさん
5位:栗山英樹さん
顔ぶれがまったく違って見えますが、ムロツヨシさんは明治安田生命保険の調査でも7位にランクインしています。
またイチローさんが前者では6位、後者では7位にランクインしています。
新入社員が選ぶ「理想の上司」総合ランキング<女性編>
<明治安田生命保険>
1位:水ト麻美さん
2位:天海祐希さん
3位:アンミカさん
4位:有働由美子さん
5位:新垣結衣さん
<産業能率大学総合研究所>
1位:水ト麻美さん
2位:アンミカさん
3位:天海祐希さん
4位:渡辺直美さん
5位:田中みな美さん
女性編では、両社とも1〜3位の顔ぶれが同じという結果になりました。
「頼もしい」「親しみやすい」人が理想の上司とされやすい
内村光良さんは親しみやすい雰囲気が人気の源でしょうか。今年のWBCで大活躍した大谷翔平さんは、チームを実力で引っ張る頼もしさとムードメーカーぶりが評価されたようです。
水ト麻美さん、アンミカさん、天海祐希さんに共通するのは、「颯爽としていて頼もしいけれど、明るく楽しい面もある」というイメージです。
Z世代が理想の上司に頼もしさと親しみやすさを求めていることが伺えます。
参考:産業能率大学総合研究所「2023年度 新入社員の理想の上司」
自分を見つめなおして、理想の上司を目指しましょう

現在は部下の立場にいても、いつかは人を率いる立場になる人も多いでしょう。
そのときまでに、優れた上司のあり方を学び、尊敬できない上司は反面教師にして、将来的に理想の上司になれるように自分を磨いていきましょう。