説得力のある話し方の特徴とは。「説得力」の意味や類語、身につけるための方法を紹介。
営業やプレゼンテーションなど、相手に自分の意見を受け入れてもらいたいシーンは、仕事をしていると多々あります。
自分の意見が通らない、相手に話を理解されないと悩んでいる人は、説得力のある話し方を身につけると、相手から信頼されて思いどおりに仕事を進められるかもしれません。
説得力を高めるメリットと説得力のある人の特徴、身につけるための方法を解説します。
目次
説得力とは

仕事を進めるうえで説得力が必要な場面は多いです。
まずは説得力の意味を把握しておきましょう。
説得力の意味
説得力とは、自分の考えを言葉や文章で伝え、相手を納得させたり、受け入れさせたりする力のことです。
仕事で説得力が活かされる場面は、相手に納得して商品を購入してもらう営業の場面や、新企画や新商品を認めてもらうプレゼンテーションの場面、部下に納得してもらって業務に取り組んでもらう指導の場面などがあります。
説得力の言い換え・類語表現
「説得力」の言い換え表現や類語表現は次のような言葉があります。
・訴求力
・説明力
・納得させる力
・筋が通る
・理屈に合う
「説得力」は、相手に自分の考えを伝えて納得させる力を意味し、内容が理屈にかなっていたり、相手に強く訴えかけたりする必要があるため、「理屈に合う」「訴求力」などの表現が言い換え・類語表現として挙げられるでしょう。
説得力の英語表現
「説得力」の英語表現は、「convincing」「persuasive」「compelling」などがあります。
いずれも「説得力がある」という意味をもちますが、「convincing」はほかに「圧倒的な」、「compelling」は「抵抗し難い」「(話や映画などが)人を引き付ける」などの意味でも使われます。
説得力の英語表現の例
- His writing is convincing.(彼の文章は説得力がある)
- Her story is persuasive.(彼女の話には説得力がある)
- You are not compelling.(あなたには説得力がありません)
説得力を高めることによって生じるメリット

説得力を高めることによって生じるメリットは、3つあります。
- 納得してもらいやすい
- 周囲から信頼されやすくなる
- 自信がもてるようになる
メリットについて解説します。
納得してもらいやすい
説得力を高めると、相手に納得してもらいやすくなるため、営業やプレゼンなどの業務の成功率を上げられるでしょう。
説得力によって自分の考えを相手に受け入れてもらえた場合、お客様に価値提供できて喜んでもらえたり、仕事を進めやすくなったり、自分の評価が上がったりするかもしれません。
周囲から信頼されやすくなる
説得力があるということは、考えが理にかなっていて客観的に正しいデータを示せているため、周囲からの信頼を得やすくなります。
周囲からの信頼を得られると、話を聞いてもらいやすくなり、意見や考えがさらに受け入れられる可能性が高まります。
自信がもてるようになる
説得力を高め、自分の考えが採用されることが多くなれば、自信をもてるようになるでしょう。
自信をもてると、さまざまなことに意欲的になれたり、さらに説得力が増したりする可能性があります。
説得力のある人の特徴4選

説得力のある人には、次の4つの特徴があります。
- 自信に満ちあふれている
- 論理的な思考ができる
- 相手の立場・考えや感情を考慮できる
- 実績や能力がある
特徴を具体的にご紹介します。
自信に満ちあふれている
説得力のある人は、自信に満ちあふれており、堂々と意見や考えを示します。
例えば、商品の提案をする際に声が小さかったり、目が泳いでいたり、俯いていたりする場合、聞き手は不安を感じ、商品を購入しようと思わないでしょう。
一方で、しっかりと相手の目を見てハキハキと話をすれば、聞き手は安心感を得られるため、購買意欲が湧く可能性があります。
論理的な思考ができる
説得力のある人は、根拠と結論をセットにした論理的な思考ができるという特徴があります。
自分の意見や考えを論理的に伝えられると、相手は結論を出した理由を明確に把握できるため、納得感を得やすいでしょう。
相手の立場・考えや感情を考慮できる
相手の立場や考え方、感情を無視した主張を続けても、相手に受け入れられるわけではありません。
説得力のある人は、相手の考えや気持ちに寄り添って話ができるため、相手は「自分のことを理解してくれている」と思い、意見や提案を受け入れてくれる可能性が高いです。
実績や能力がある
説得力のある人は、実績や能力が優れている傾向があります。
例えば、部下に「契約をとるコツ」を教える上司が、過去に契約をとれていなかったり、そもそも営業職未経験だったりした場合、説得力がないため、部下は言うことを素直に聞きづらいでしょう。
相手に自分の思うとおりの行動をとってもらいたい場合は、自分の実績を作ったり、能力を向上させたりして説得力を高めることが大切です。
説得力のある話し方の特徴

相手が「説得力」を感じる話し方には、7つの特徴があります。
- 相手に確実に伝わる声量
- 活舌がよくはっきりした発音
- 話すスピードはゆっくり
- 相手の目を見て話す
- 伝えたいこと・結論を先に話す
- 正確なデータ・情報を使用する
- 断定的に「言い切る」
「説得力のある人の特徴」とともに、話し方の特徴も把握しておきましょう。
相手に確実に伝わる声量
説得力のある人は、相手に確実に伝わる声量で話をします。
相手にとって魅力的と思える話でも、声が小さくて相手に伝わらなければ意味がありません。
声の小ささは自信がないとも思われかねないため、相手に伝わるくらいの大き目の声で意見を主張しましょう。
活舌がよくはっきりした発音
説得力のある人は、活舌がよく、はっきりした発音で話をする傾向があります。
活舌よくはっきり話さないと、相手に意見や考えが伝わりづらかったり、認識相違や誤解を招いたりする恐れがあります。また、あまりに聞き取りづらいと話を聞く気がなくなってしまう人もいて、次回のアポなどにつなげることも難しくなるでしょう。
相手に最後まで話を聞いてもらうためにも、活舌のよさやはっきりした発音は大切です。
話すスピードはゆっくり
説得力のある人は、相手が理解しやすいように、遅すぎず早すぎないスピードで話をする特徴があります。
声の大きさや活舌と同じく、話すスピードも相手の聞き取りやすさ、理解しやすさを左右し、あまりに早すぎると理解が追いつかない、遅すぎると聞き取りづらいといった事態を招くでしょう。
説得力のある人は、相手が理解しているかを確認しながらゆっくり話すため、相手の理解を得やすいです。
相手の目を見て話す
相手の目を見て話すことは、説得力のある人の特徴のひとつです。
相手の目を見ないで話をした場合、相手に自信のなさを感じさせたり、「後ろめたいことがあるのではないか」と不信感を抱かせたりして、考えを受け入れてもらえない可能性が高いです。
説得力のある人は、自信をもって話をしているため、後ろめたい気持ちなどなく、相手の目を見て話をできるでしょう。
伝えたいこと・結論を先に話す
説得力のある人は、自分が伝えたいことや結論を先に話し、相手に話の内容を理解してもらうため、「結局何を言いたいのか?」と思われることが少ないです。
相手がストレスなく話を聞けることで、話を最後まで聞いてもらえたり、理解を促せたりします。
正確なデータ・情報を使用する
相手に納得してもらうには、正確なデータや具体的な情報を示すことが重要です。説得力のある人は、自分の意見に客観的な根拠や具体的な数字を混ぜながら説明するため、相手に受け入れてもらいやすいという特徴があります。
例えば、「このシステムを導入すれば売り上げが向上する」と伝えるよりも、「このシステムを導入すれば売り上げが例年の3倍になる」と伝えたほうが、聞き手はメリットを具体的にイメージできるでしょう。
断定的に「言い切る」
説得力のある人は、曖昧な言葉を使わず、断定的に言い切るという特徴があります。
例えば、「売り上げにつながるかわからないけど、導入したほうがいいと思う」と伝えた場合、相手は導入理由に納得できず、意見を聞き入れてくれない可能性が高いです。
一方で「売り上げにつながる」「売り上げが30%上昇する」などと言い切ると、説得力が増し、意見が受け入れられやすくなるでしょう。
ただし、根拠のない断定は損失やトラブルを生む恐れがあるため、客観的に正誤を判断してから伝える必要があります。
説得力のある話し方を身につけるための方法

話に説得力をもたせるには、普段の話し方を工夫したり、相手へ配慮したりすることが大切です。
次の4つの方法を試すことで、説得力のある話し方ができるようになるかもしれないため、実践してみましょう。
- 自分の伝えたいことを頭の中でまとめる
- 結論から話すようにする
- 相手にわかりやすい表現を用いる
- 具体的な根拠やデータを用意する
自分の伝えたいことを頭の中でまとめる
話をする前に、自分の伝えたいことを頭の中でまとめて、シンプルにしておきましょう。
頭に浮かんだことを次々に口に出す話し方では、相手に言いたいことを理解してもらえなかったり、自分も何が言いたいかわからなくなったりして、時間を有意義に使えません。
自分の伝えたいことを整理して要点を絞っておくと、無駄な説明なくスムーズに伝えられるため、相手に理解してもらいやすくなります。
結論から話すようにする
説得力のある話し方として、結論から話すPREP(プレップ)法を意識することをおすすめします。
PREP法とは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(例)・Point(結論)の頭文字を取って名付けられた、文章作成方法のひとつです。
PREP法を用いると論理的に物事を伝えられるため、自分の意見に説得力をもたせられるでしょう。
■関連記事
PREP法とは?身につけるメリットは?例文やトレーニング法も紹介!
相手にわかりやすい表現を用いる
説得力のある話をするには、相手にわかりやすい表現を用いることが大切です。
要点を絞って簡潔に意見を伝えたとしても、相手に内容を理解してもらえなければ意味がありません。人によって知識の量や得意な分野が異なるため、相手の理解度に応じて専門用語を避けたり、誰もが理解しやすい言葉に言い換えたりなど、相手にわかりやすく伝えることを意識しましょう。
具体的な根拠やデータを用意する
具体的な根拠やデータを用意すると、信憑性が増すため、話に説得力をもたせることができます。
意見や提案を伝えるだけでなく、裏付けとなる根拠やデータも併せて提示すれば、相手が信頼し、納得する可能性が高まると考えられます。
説得力を高めて認められる人になろう

説得力とは、自分の考えを言葉や文章で伝え、相手を納得させる力のことです。仕事で説得力のある話し方ができるようになると、自分の思いどおりに業務を進められるかもしれません。
説得力を高める方法は、結論から話す、根拠やデータを用意するなど、意識すれば実践できるものばかりです。ぜひ、説得力のある話し方を身につけて、仕事で成功していってくださいね。

記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)