メモリーツリーの書き方を徹底解説。記憶力がアップする暗記法・勉強法のコツを紹介
学業や仕事では、試験や仕事の遂行で記憶力が必要な場面が多々あるため、記憶力を高めることは重要です。
記憶力の向上や効率的な暗記方法として、メモリーツリーの作成が挙げられるため、暗記の方法に悩んでいる方は、ぜひ試してみることをおすすめします。
メモリーツリーの意味や作成方法、作成のコツについて解説します。
目次
メモリーツリーとは
メモリーツリーとは、メインテーマに関連する内容を、木が枝葉を広げるようにつなげていき、イラストや語呂合わせなどを用いながら記憶する暗記法のことです。
メモリーツリーは、漫画『ドラゴン桜』(講談社)に登場した暗記法で、暗記したい単語をただノートに羅列したり、内容を書いたりするよりも視覚的に分かりやすく記憶できるようになります。
メモリーツリーを作る目的
メモリーツリーは「マインドマップ」とも呼ばれ、覚えたい内容が長期記憶として残りやすくなることを目的として作成します。
人間は、「記銘」「保持」「再生」という過程で物事を記憶します。「記銘」は情報を得る段階、「保持」は何度も復習(リハーサル)して覚えようとする段階、「再生」は記憶した内容を思い出す段階です。
「保持」で行うリハーサルには、「維持リハーサル」と「精緻化リハーサル」があります。例えば、「猫」「雨」「棚」という単語を覚える際に、「猫、雨、棚、猫、雨……」のように繰り返して記憶しようとする方法が「維持リハーサル」、「猫が突然の雨にびっくりして棚の上に逃げた」のように、単語を関連させて記憶しようとする方法が「精緻化リハーサル」です。
「維持リハーサル」よりも「精緻化リハーサル」のほうが長期記憶になりやすいため、内容を関連付けて覚える暗記法であるメモリーツリーは、試験勉強や仕事で記憶の定着に活用できるでしょう。
メモリーツリーで得られる効果
メモリーツリーは、ノートに記憶したい単語や内容を関連付けて記入するため、全体像を理解しやすかったり、ノートに記入した位置から「右上に書いたものは……」「あのイラストの下にあった単語は……」などと記憶を探り、思い出せたりする効果が期待できます。
また、単語や内容を覚えるために自分なりにイラストや語呂合わせを作ったり、マーカーなどを使って色で目立たせたりすることで印象的になるため、記憶に定着する可能性が高いです。
メモリーツリーの書き方・作り方
メモリーツリーは、次の5つの手順で作っていきます。
➀根となるメインテーマを決める
➁幹となる大見出しを書き出す
➂枝となる小見出しを書き足す
➃葉となる具体例や要素を書き足す
➄色や絵を使ってイメージを鮮明にする
それぞれの手順についてご紹介します。
➀根となるメインテーマを決める
まずは、ツリーの「根」となるメインテーマを決めます。メインテーマは、ひとつのメモリーツリーに対し、ひとつにすることがポイントです。
例えば「関ヶ原の戦い」とします。
➁幹となる大見出しを書き出す
次に、「幹」となる大見出しを書き出します。メインテーマに関連する重要な単語や内容を書いていきましょう。
「関ヶ原の戦い」に関連する単語として、「西軍」「東軍」「裏切り」「1600年(慶長5年)9月15日」などが挙げられます。
➂枝となる小見出しを書き足す
大見出しを書いたら、「枝」となる小見出しを書き足していきます。
例えば「西軍」には「石田三成」「島津義弘」「毛利輝元」、「東軍」には「徳川家康」「黒田長政」「井伊直政」などを書きます。
➃葉となる具体例や要素を書き足す
書き出した「枝」に、具体例や要素となる「葉」を書き足します。
「石田三成」には「秀吉子飼いの将」「豊臣政権の五奉行の筆頭」、「井伊直政」には「赤備え」「徳川四天王のひとり」などを書き足せるでしょう。
➄色や絵を使ってイメージを鮮明にする
最後に、マーカーなどを使って単語や内容に色を付けたり、思い出しやすいようにイラストを描いたりして、イメージを鮮明にします。
例えば「関ヶ原の戦い」の近くに岐阜県のイラストを描くと、関ヶ原と岐阜県がつながり、場所の記憶につながるかもしれません。
メモリーツリーの作成例
例で挙げた「関ヶ原の戦い」で、メモリーツリーを作成してみました。(※マインドマップのツールで作成しています)
書き出した内容の近くにイラストを描いたり、単語をマーカーで色付けたりします。また、離れている内容についても、関連している場合は線で結ぶなどして、関連付けることでまとまりとして覚えられます。
メモリーツリーは、枝葉を広げさせていくことが大切なため、思い切って書き込んでいきましょう。
メモリーツリーを作るときのコツ
メモリーツリーを作る際には、3つのコツがあります。
・丁寧に作らなくてもよい
・色やイラストを多用する
・楽しみながら作る
記憶への定着の効果を高められる可能性があるため、3つのコツを意識して作ることが大切です。
丁寧に作らなくてもよい
自分が記憶することを目的に作成するメモリーツリーは、自分が理解できれば問題ないため、丁寧に作る必要はありません。
年号の語呂合わせや大見出しや小見出し、書き込むイラストに決まりはなく、自分が覚えやすいように作成することが重要です。
色やイラストを多用する
メモリーツリーは、色やイラストを多用すると印象に残りやすいです。
ノートをカラフルにしたり、イラストが多かったりすると分かりづらいのではないかと思うかもしれませんが、前述したように、自分だけが使うメモリーツリーのため、自分が理解しやすいように目立たせたりイメージを描いたりするほうが覚えやすいでしょう。
楽しみながら作る
メモリーツリーは、楽しみながら作ることで記憶への定着の効果を高められる可能性があります。
「綺麗に作ろう」「完璧に作ろう」など、メモリーツリーを作ることを目的にしてしまうと、記憶として残らない恐れがあるため、楽しみながら取り組んで脳を活性化させることが大切です。
イラストを描いたり、マーカーなどで色付けしたりすることは、楽しみながら作成する大切な要素といえるでしょう。
メモリーツリーを使って楽しく暗記しよう
メモリーツリーとは、単語や内容を関連付けながら、イラストや色などを用いて自分が理解しやすいように覚える暗記法です。ノートにメモリーツリーを書く以外にも、マインドマップツールなどで作成できます。
メモリーツリーを作成すると、長期記憶として定着させられる可能性が高まるため、学業や仕事などで活かせるでしょう。
メモリーツリーを楽しみながら作成して、効率的な暗記に役立ててくださいね。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)