【笑顔つなぐ福祉のわ】看取りの尊さ伝える 業務部長の立場から人財育成に注力する堀口さんにインタビュー(特別養護老人ホームラック・神戸町)|介護職員クローズアップ やりがい聞いてみました
未経験で始めても働きながら国家資格「介護福祉士」がGETでき(しかも大半の職場であれば、職場が国家資格の取得のための費用を支払ってくれます)、本人の頑張り次第で出世も夢ではないのが介護の仕事。働き方改革に力を入れている施設は多く、ホワイト職場であり処遇改善も進んでいます。「ZYAO×福祉のわ」で、そんな福祉の仕事の魅力に迫ってみましょう。
今回は「特別養護老人ホームラック」(神戸町)で業務部長として働く堀口さんにお話を伺いました。
介護職員になったきっかけは。
私が中学を卒業するぐらいの時期に同居していた祖父が認知症になりました。祖母がケアする姿を見て介護の必要性を実感しました。高校卒業後は介護の道に進みたかったのですが、30年ほど前の介護保険制度すらなかった時代ですから、周囲に理解してもらえませんでした。そこで旅行関係の専門学校に進学したのですが、やはり介護職への思いが捨てきれず、新卒で介護施設に就職しました。
しかし、どれだけ良いケアをしてもやがては亡くなってしまうという現実に、当時は悲しさとむなしさしか感じられず、数年で辞めて別の仕事に就きました。
それでもやっぱりやりたい仕事は介護で、看取(みと)りに関しても「最期のときを一番良い形で迎えるお手伝いができるかけがえのない仕事」と思えるようになったので、ラックで働くことにしました。
国家資格の介護福祉士については。
介護福祉士を取得すれば、日本で働き続けることができますので絶対に取りたいと思っていました。
しかし、短大2年生のときに受験した際は1点足りずに落ちてしまいました。悔しかったので、働きながら勉強を続けることにし、中部学院大学にも試験勉強のために通い、今年1月の試験で無事に合格することができました。
ちなみにライフ・ネットの求人も、大学のキャリア支援課で見つけたものです。大学のサポートのおかげで無事に介護福祉士として新たなスタートを切ることができてとてもうれしいです。
現在の仕事内容ややりがいは。
今は業務部長という立場ですので、介護職員の育成だけでなく、有給休暇がきちんと取れる仕組みづくりや新人の育成制度の見直し、外国人介護職員の受け入れ準備などが主です。月2回の夜勤や、欠勤者のフォローの際には現場に入ってます。
やりがいは、やはり看取りに関することですね。看取りは最期の瞬間だけの話ではありません。入所したときから看取りが始まっていると考えていて、比較的元気なうちに、好きな食べ物や趣味、思いなどを介護職員が理解しておくからこそ、最期の最期に「この方ならこういうことを望んでいるだろう」と思うことができるのです。
最後に生活する場所として縁あってラックに来ていただいたのですから、一番良い形で看取ることが私たちの仕事。看取りへの思いは、部下に根付きつつあると手応えを感じています。これも大きなやりがいです。
大変なことは。
利用者に対しても、部下に対しても、伝え方はいつも悩んでいます。新卒の職員ですと30歳近く離れていて親子ぐらいの年齢差ですから同世代と話すのとは訳が違います。
利用者も、60代後半から100歳超の方までいますので、ひとくくりに「利用者=お年寄り」と接してはいけません。考え方も話題も全然違います。70代の利用者ですと、ご自身の親の介護の際に介護保険制度について調べたという方もいて、そのときの知識を基に質問されることもあります。今後はスマートフォンを持って入所される方もいるでしょう。今とは違う課題などが出てくるかもしれませんが、基本になってくるのはやはり伝え方。相手に向き合っていきたいです。
職場の自慢できる点は。
この5年ほどの間に新卒で入職した職員は、ほとんどやめていません。悩みの相談を受けるのですが、質が進化していて、力を付けてきていることがよくわかります。伸び伸びと力を発揮していて、職員の世代交代が今後、自然にできる施設になりつつあることに手応えを感じています。
看取りに関しても真剣に考えてくれる職員が増えてきました。看取った後、職員間で振り返りをした書面を見た時は感動しました。これからもどんどん良い施設になっていけるという気持ちでいっぱいです。