【笑顔をつなぐ福祉のわ】地域共生社会への思い輝く フェニックスグループ(各務原市) 働きやすい職場環境づくり表彰、ユースエール、高年齢者活躍企業コンテスト 受賞の朗報、次々と届く
福祉の現場では、利用者のため、地域のため、職員に元気いっぱいに自分らしく働いてもらうために、さまざまな工夫を凝らしています。新たな取り組みに挑む施設も多々。自慢の取り組みをのぞいてみましょう。
働きやすい職場環境づくり表彰、ユースエール、高年齢者活躍企業コンテストなど受賞の朗報、次々と届く
地域共生社会の実現を目指し、誰もが働きやすい職場づくりに取り組む各務原市のフェニックスグループは、8月に「介護職員の働きやすい職場環境づくり内閣総理大臣表彰・厚生労働大臣表彰」の厚労大臣奨励賞を、9月には若者の採用、育成に積極的に取り組む中小企業に送られる「ユースエール認定」を、さらには10月に厚労省の高年齢者活躍企業コンテストで厚労大臣表彰優秀賞を受賞しました。
「介護職員の働きやすい職場環境づくり」表彰は、職員の待遇改善、人材育成及び介護現場の生産性向上への取り組みが優れた介護事業者を表彰するもので本年度から実施。特定医療法人フェニックスの老人保健施設サンバレーかかみ野として受賞しました。
ユースエールはクリニックやサンバレーかかみ野を運営する特定医療法人フェニックスが認定を受けました。直近3年間で採用した36人の新卒者のうち、離職者が5人にとどまったことや、有給休暇の年間取得日数が認定基準を上回っていることなどが評価され、岐阜市金竜町の岐阜合同庁舎で、岐阜労働局の千葉登志雄局長から長縄直子専務理事に認定通知書が贈られました。
高年齢者活躍企業コンテストは10月6日に東京都内で開かれた「高年齢者活躍企業フォーラム」内で表彰式を実施。社会福祉法人フェニックスとして受賞しました。同コンテストで厚労大臣表彰を受けたのは5社で、うち福祉・介護関係はフェニックスのみという快挙です。
誰もが働きやすい職場づくりを目指して
フェニックスでは60歳の定年を迎えた後も70歳までは希望者全員を再雇用し、それ以降も本人の体調等を考慮して「シーツ交換担当」などと業務を細かく分けて少ない負担で働けるようにしています。また、介護助手として70歳前後の年齢で採用した方もいて、4人で一つのチームをつくり、互いに融通を利かせながら交代で業務に入る取り組みもしています。
フェニックスでは「ベテランの高齢職員は特に、『こんなことぐらいできるでしょ』という目で他の職員から見られると萎縮し、働く意欲を無くしてしまう」点に着目。そこで、一部の業務のみを担う職員はTシャツの色を変えることで、業務を頼む方も頼まれる方も互いが気持ちよく働けるように工夫しています。介護ロボットの積極的な活用も、高齢者の働きやすさを後押ししています。その結果、70歳以上の職員数は全体の15%近くを占めるほどになりました。これらが評価されて、受賞につながりました。
高齢者の活躍についてフェニックスの地域共生社会推進室の吉田理室長は「フェニックスはこれまで、子育て支援に対して評価していただくことが多かったですが、高齢者が働きやすい職場づくりも、子育て支援と基本的には同じこと」と話します。「ほかにも外国人や親の介護をしている人など、多様な人財が補完し合い、チームとしてさまざまな難局を乗り越えていける形がこれからの時代は必要。これからも誰もが働きやすい職場づくりに取り組んでいきたい」としています。