株式会社コモ|代表取締役社長 木下克己氏 高品質と安定生産に向け前進

―昨年を振り返って。
ロングライフパンのトップブランドとして、認知の高まりを実感した1年でした。自宅療養者向け配食サービスへの採用、食品ロス削減推進などの背景から、量販店の売り上げが伸び、自動販売機の売り上げも回復したことなどから、中間決算では総売上は過去最高となりました。一方、原材料、エネルギーコスト、輸送費が高騰し、収益面に大きく影響。企業努力だけでは価格維持が難しく、昨年10月からデニッシュなどの商品について5%の値上げを実施。7年ぶりとなる価格改定にご理解をいただき、感謝しております。
―今後の見通しは。
世界的な原料不足が懸念されているため、コモの品質を維持できる代替原料の調達と品質改良も進めていく必要があります。また、増産に伴い工場稼働率が高くなってきていることから、生産能力向上と省力化を図るために工場新設計画を進めていく方針です。
―2023年に強化する戦略は。
コロナ禍での渡航制限解除に伴い、海外展開を再開。香港・シンガポール・ニュージーランドに加え、昨年11月から新たにオーストラリアでも販売を開始しました。海外の食品基準は国ごとに異なるため、これをクリアできる商品開発に取り組み、適合する国から順次販路開拓を目指していく予定です。
―商品開発の新たな取り組みは。
コモのパンは、イタリアの伝統的なパン酵母「パネトーネ種」の元種製法により保存料を使わないロングライフパンを実現しています。自然酵母を使うデリケートな製法のため製造工程の自動化は難しい面もありますが、人の手間を惜しまないという、この独自性こそがコモの強みです。技術開発および品質向上への取り組みの一環として複数の大学との共同研究も進めています。長期保存性かつ「おいしい」という価値をブレない軸として、存在感をより高めてまいります。

〒485-0082 愛知県小牧市村中下之坪505番地の1
TEL.0568-73-7050
設立 1984年6月18日
資本金 2億2,200万円
従業員数 277人(2022年9月現在)
事業内容 パン・菓子の製造販売など
事業所 東京、大阪、九州
関連会社 コモサポート(株)