Iターンして仕事をするメリットは?よく調べて就職を成功させよう!
「地方に移住するって、生活が不便で大変そう」
「仕事や楽しみも都会より減ってしまうのでは?」
Iターン就職と聞くと、このような不安や疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Iターン就職のメリットやデメリットを解説したうえで、実際に就職活動をするときのポイントや、移住先として人気の高い都道府県を紹介しています。
この記事を読むことで、Iターンをするとどのような暮らしになるのか、具体的なイメージを描きやすくなります。これからIターン就職に向け準備を始めたいという方にとっては、どのような点に気をつけて情報を集めたらよいのかが分かるでしょう。
また、あまり興味のなかった方も、新たな人生の選択肢としてIターンを考えてもいいと思えるでしょう。
Iターンについて少しでも興味のある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次
Iターンの意味は?
就職・転職活動において、「Iターン」のほかに「Uターン」という言葉をよく見かけます。Iターンの説明に入る前に、まずはこれらの違いを知っておきましょう。
Uターンは、地方出身者が進学や就職を機に都会に出た後、出身地に帰り地元の企業に就職することです。
一方Iターンは、出身地以外の土地で就職することを指します。特に、都会で生まれ育った人が地方で就職する場合に使われることが多く、本記事でも主にそのケースを想定しています。
Iターンして仕事をするメリット
Iターン就職とは、一言で表すと「田舎で暮らす」ということです。田舎で暮らすと聞くと、都会で生まれ育った人にとっては「不便」「娯楽が少ない」などあまり良くないイメージもあるでしょう。
しかし、リモートワークが発達して働き方も多様化した現在、地方移住は仕事や暮らしの可能性を広げるチャンスとして注目されており、新たな人生へのチャレンジとしてIターン就職をする人が増えてきています。具体的にどのようなメリットがあるのか、解説していきます。
満員電車や人混みのストレスから解放される
都会の生活で避けられないのが、朝の通勤ラッシュや駅・商業施設などの人混みです。通勤時は数分おきにくる電車がどれも満員で、人との密着や暑さに耐えなければなりません。有意義に使いたい通勤時間も、混雑の中ではスマホを見たり本を読んだりすることも難しいでしょう。
その点、地方では自転車や車通勤が一般的なことが多く、公共交通機関でも都会ほど混むことはありません。Iターン就職で満員電車や人混みと無縁な地域に住めば、上記のような精神的ストレスを回避できるのです。
環境が変わってリフレッシュできる
自分の生活環境を大きく変えて気分を一新できるのも、メリットのひとつです。
都会の喧騒を離れて、朝起きれば鳥のさえずり、夜は虫の鳴き声に癒されるような自然に囲まれた生活で、心も体もリフレッシュできます。
また、ご近所どうしのつながりが深いのも地方の特徴です。あいさつを交わしたり、畑で採れた野菜のおすそ分けをもらったりして、ゆかりのない土地でも近隣の人たちが温かくサポートしてくれることもあるでしょう。
生活費が抑えられる
地方では、都会に比べて物価が低いことが多く、生活にかかるコストを下げられます。
特に地価は地方が圧倒的に安いため、都会よりも良い条件の家に低価格で住むことができます。また、飲食店や商業施設の家賃も安いことから、食費や交際費も下がる可能性があるでしょう。
自動車の維持費など都会より高くついてしまう費用もありますが、それを加味しても生活コストを抑えやすいといえます。
子育てに有利
子育て世帯にとっても、Iターンのメリットがあります。
まず、豊かな自然の中で子育てができるため、子どもの成育にとって良い環境であるだけでなく、自然環境を間近で学ぶことができます。
また、地方のほうが保育所の待機児童数が少ない傾向にあり、都会と比べて保育所に入りやすいといえるでしょう。
さらに、地方では地域全体で子どもを育てる意識が根付いており、登下校時や放課後の見守りを近隣の方がサポートしてくれることもあります。
Iターンのデメリット
Iターンのメリットを見ていると、都会での生活にストレスを抱えている人にとっては魅力的な点が多くあります。
しかし、Iターン就職ならではのデメリットもあるため、想像していた生活とのギャップができる限り少なくて済むよう、あらかじめ把握しておくことが大切です。
ライフスタイルの違いが有る
地域によっては、その土地ならではの文化や慣習が存在するため、それに適応していく必要があります。
特に都会との違いが大きいのが、自治会活動が盛んなど近隣の人たちとのつながりが深いことです。これはメリットにもなりうる点ですが、ご近所付き合いが苦手な人にとっては、苦労する場面もあるでしょう。
交通の便が悪い事が有る
地方では、都会ほど公共交通機関が発達していない場合が多くあります。
都会では数分おきに電車が来たり、バス停も至る所に設置されていたりするなど、公共交通機関が人々の足として機能しています。
しかし地方では、電車の本数が少ないことが多く、公共交通機関で移動できる範囲も限られているため、車がないと生活できないということが起こりえます。
店舗が少ない
飲食店や商業施設、娯楽施設なども都会ほど多くはなく、早い時間に閉まってしまうこともあります。
都会では日用品が足りなくなったときすぐにコンビニに行くことができますが、地方ではそうはいきません。スーパーでまとめ買いをしたり、自炊が増えたりするなど、これまでの生活を変えざるを得ないこともあるでしょう。
仕事の選択肢が少ない
地方では企業の数も少ないため、自分の就きたい業種や職種があるとは限りません。
あらかじめ地域の求人情報を把握しておくだけでなく、もし希望職種の求人がなければ、自分との相性や何を優先するのかを考えておく必要があります。
Iターン移住を成功させるポイント
Iターン就職で移住するにあたって心配なのは、全く馴染みのない土地で生活するということです。一歩間違えば、夢を持ってIターン移住を決行したものの、住んでみて初めて分かることが多くかえって苦労してしまった、ということになりかねません。
これから紹介するポイントをおさえ、移住を成功させましょう。
Iターン移住先の情報を得る
まずは、移住先の地域について、生活や文化、また子育て世帯の方は教育面などの情報を集めましょう。地域によってライフスタイルや費用面で大きな違いが出ることもあります。
自治体によっては移住相談窓口を開設しているところもあり、最近ではオンライン相談も可能になっているため、不安な点はあらかじめ相談しておくことをおすすめします。
就職の情報を得る
移住先の暮らしについて分かってきたら、Iターン就職が可能な企業の情報を調べましょう。
一般的に、地方の企業は都会と比べて最低賃金や給与が低かったり、福利厚生が都会ほど充実していなかったりする傾向にあります。業務を簡略化できるITも、企業によって導入度合いはさまざまです。
自分の希望を叶えられるよう、数社の企業情報を集め働きやすさや待遇面などを比較することが必要です。
家族と生活の変化についてよく相談しておく
家族と一緒に移住する場合は、家族の生活も変化することについて十分に理解を得る必要があります。
上記で紹介したとおり、移住先での生活はメリットばかりではなく、変化に戸惑うこともあるでしょう。移住が逆に精神的負担にならないよう、どのような変化が起こりうるのか家族で共有しておきましょう。
また、生活費における収支の内容も大きく変わります。移住する前に計画を立て、経済面で家族への負担ができる限り増えないよう、見積もっておくことをおすすめします。
Iターンで利用できる支援制度
これまで移住する被雇用者側の視点で説明してきましたが、Iターンは移住を受け入れる側の地域にとっても大きなメリットがあります。企業にとっては優秀な人材を確保でき、自治体にとっても、移住者が増えれば地域活性化につながるのです。
そのため、Iターン就職者に対しさまざまな支援制度を実施している自治体も増えてきています。希望の移住先にどのような支援制度があるのか、ぜひチェックしてみてください。
全国自治体支援制度
支援制度は、子育て支援や住宅補助だけでなく、移住を体験するための費用を補助してもらえたり、移住者限定で生活費のサポートを受けることができたりと、自治体によってさまざまです。
移住先の支援制度を調べたい方のために、全国の自治体が実施する支援制度を検索できるサービスがあります。全国各地の情報が掲載されているため、ぜひ希望先だけではなくほかの自治体ものぞいてみましょう。
Iターンを支援してくれるおすすめ5県
支援制度は全国各地で実施されていますが、本記事ではそのなかから特に充実した支援を行っている5つの都道府県をピックアップしてご紹介します。
各自治体のWebサイトでも移住支援について紹介しているページがあるため、気になった方はそちらもチェックしてみてください。
静岡県
北は南アルプス、南は駿河湾に面する静岡県では、海の幸も山の幸も楽しむことができ、また比較的東京都市圏に出やすいことからも、近年移住希望先として高い人気があります。
県全体で移住支援に力を入れており、県と市町、そして民間団体が連携して移住に関する情報発信を行っています。移住フェアやセミナーも多く開催されているため、あらかじめ情報を得やすいといえるでしょう。
支援制度については、ほとんどの市町で、移住者に対する子育て・住まいの支援を実施しています。出産祝い金や住宅購入の補助などお金がもらえる支援だけでなく、子育て中の夫婦が集まるサロンや生活の不安を相談できる窓口など、心理面のサポートも多数あるのが魅力的です。
長野県
長野県も数年前から移住希望先として高い人気を維持しています。
日本アルプスの豊かな自然を誇り、湧水で育つ食物はどれも美味しく、特にりんごやももなどの果物が豊富に採れるため、自然に癒されながら暮らしたい方にはぴったりの移住先です。
令和3年度から県内市町村において「UIJターン就業・創業移住支援事業」を実施しており、都市部から就職または創業を目的に移住した人は、支援金を受給できます。
ほかにも、移住体験ならぬ「職場体験」を実施している自治体もあり、企業見学や実際の仕事の体験が可能です。
近年IT関連の企業が場所にとらわれない働き方を推進しているなかで、長野県にお試しでオフィスを置くと、期間中にオフィス利用料や交通費等の補助を受けられるという支援もあります。
山梨県
山梨県も、長野県に劣らない自然環境に恵まれており、ぶどうやもも、富士山の湧水から生まれるミネラルウォーターは有名でしょう。首都圏も近いため近年は二拠点生活を始める人も増えてきています。
山梨県では就業支援が充実しており、Iターン就職を希望する方を対象とした雇用のマッチングサイトが運営されています。
県内の求人情報を一覧で確認でき、移住支援の内容も見ることができるためとても便利です。また、マッチングサイトを活用して就職すると、移住支援金を受給できる場合があります。
そのほか、移住を体験したい方には短期間の宿泊体験ができる「お試し住宅」のサービスもあります。
和歌山県
和歌山県といえばみかんや梅が有名ですが、紀伊山地と海に囲まれた豊かな自然がありながらも、大阪・名古屋といった関西都市圏へのアクセスが抜群で暮らしやすい地域です。自然と触れ合う生活を楽しみつつ、都会へも出たいという方にとってぴったりの移住先になるでしょう。
和歌山県でも県全体で移住支援を展開していますが、なかでも特徴的なのが「わかやましごと・暮らし体験」です。現地の普段の仕事を体験しながら、数日間宿泊することで暮らしの雰囲気もつかむことができるお得なサービスです。
また、空き家の利活用を推進しており、購入やリフォーム費用の補助を受けられる支援も行っています。
兵庫県
兵庫県というと神戸市の都会的なイメージがあるでしょうが、実は神戸市や明石市などの都市部と、城崎や有馬といった温泉地のある山陰地方の雄大な自然が共存した多彩な地域です。
兵庫県では県内市町と連携して移住支援・マッチング支援事業を実施しており、東京圏からのIターン就職者を対象としてマッチングサイトの運営や移住支援金の支給を行っています。
「おためし企業体験」というイベントでは、正社員を採用している企業の体験プログラムに参加できます。経験者採用、未経験可などさまざまな業種・職種の体験があるため、新たな仕事に挑戦しつつ安定した収入を得たい方にはぴったりのイベントです。
Iターン就職先を探す際に知っておくべき事
Iターンに興味がある方は、就職活動を始める前にまずIターンで起こりうる生活の変化について把握しておきましょう。移住先の情報を集め、上記で紹介したメリット・デメリットを理解したうえで、就職先を探し始めることをおすすめします。
Iターン就職先を探すには?
では、Iターン移住の決意を固めたところで、どのように就職活動を進めればよいのでしょうか。
以下より、地方における就職先の探しかたについてご紹介します。それぞれ異なるメリットがありますので、自分に合った方法を選んで実践してみてください。
就活支援サイトで調べる
一般的な就活支援サイトでも、特設ページを用意するなどIターンを歓迎する求人情報が探しやすいように工夫されています。
就活支援サイトの強みは取り扱い求人数です。幅広い選択肢があるため、希望する条件を満たした求人が見つかる可能性も高くなります。
企業の話を聞く合同説明会に参加する
就職活動では基本の合同説明会ですが、地方の企業が合同で開催しているものもあります。
その地域に特化した企業の情報を一度で得られ、また実際に働いている人たちの生の声が聞けるのも説明会のメリットです。
移住希望先がすでに固まっている人は、周辺地域の企業が集まった説明会が開催されていればぜひ足を運んでみましょう。
地方就職支援センターを利用する
ふるさと回帰支援センターは、地方就職を専門とした支援サービスです。自治体とも提携しており、全国各地の移住相談窓口が集約されているため、Iターン就職を考えている方はまずこちらを調べてみると良いでしょう。
移住相談だけでなく、全国の移住先を紹介するふるさと回帰フェアや、就職に関するセミナーなども開催しています。まだ移住先が絞れていない・就職の選択肢について幅広く情報を得たいという方は、ぜひイベントに参加してみてください。
大学の就活支援センターで相談する
大学生の方は、学内にある就職支援センターを利用することもできます。近年のU・Iターン需要の増加をふまえ、大学生向けに地方就職セミナーを開催したり、自治体と就職支援協定を結び積極的に情報配信を行ったりしている大学もあります。
大学の支援センターは、講義などのついでに気軽に立ち寄ることができるのが大きなメリットです。就職活動のサポートを実施している場合もあるため、自分の大学にはどのような支援があるか調べてみましょう。
Iターン就職に向いている人とは?
Iターン就職では、紹介してきたようにこれまで慣れ親しんだ生活が一変します。変化によって起こりうるデメリットをふまえたとしても、環境を変えて人生を一新したいという思いがある方はIターンに向いているといえます。
また、都会に比べて地方には不便なところもありますが、自分の工夫や心持ち次第で不便さすら楽しみに変えることもできるでしょう。
よく調べて納得できるIターンにしよう!
Iターンを成功させるカギは、とにかく情報を集めて納得できるまで調べることです。移住する前に、メリット・デメリット両方の面から移住先の生活をイメージし、できる限り経済面の計画を立てておくことをおすすめします。
納得できるIターンを実現し、新たな人生への一歩を踏み出しましょう。