「定性」と「定量」の違いは?|調査研究やビジネスでの使い分け方を紹介します
日常ではあまり使わない「定性」と「定量」という言葉ですが、ビジネスの場ではよく耳にします。
何かの数値を表す言葉というのは理解していても、「定性」と「定量」の意味の違いまで理解できているでしょうか。「定性」と「定量」の意味を理解して、ビジネスシーンで活用してみましょう。
目次
「定性」と「定量」の意味
「定性的」と「定量的」は言葉は似ていますが、意味は真逆になります。まずは、意味を理解して、ビジネスのシーンでも正しく使い分けられるようにしましょう。ここからは、ビジネスシーンで使われる「定量的」と「定性的」の違いについて説明します。
「定性的」の意味
●おいしい、まずい
●好き、嫌い
など、心情、思考といった数字で表すことができないものを「定性的」といいます。主観性が強い表現となり、数字ではわからない要素を把握できます。
「定量的」の意味
●売上データ
●アンケート集計結果
など、数値や数量で表すことができるものを「定量的」といいます。客観的に数字を把握できるので、相手と共通の認識を持つことができます。
「定性的」と「定量的」の英語での表現
「定性的」QUALITATIVE
数値として測定したり、表現していない、表現できないことを表します。
「定量的」QUANTITATIVE
数値として測定できる、表現できることを表します。
「定性的」と「定量的」の意味の違い
①毎日、1時間勉強することを心がける
②毎日、1時間勉強する
①の「心がける」には具体的な数字が決まっておらず、本人の感覚が軸になるので定性的になります。一方、②は1時間勉強するという具体的な数字を出しているので、定量的になります。
感覚が軸になっているものが「定性的」、数字を軸にして、全員が同じ認識で受け取ることが「定量的」です。
「定性的」と「定量的」がそれぞれ向いているケース
データを出して説明したいときに、「定性的」でデータを取った方がよいものと「定量的」でデータを取った方がよいものがあります。それぞれ向いているケースを紹介します。特徴を理解してわかりやすいデータを作りましょう。
定性的が向いているケース
個人の考えや、発言など、数値で表せないものをリサーチして、新しい理解やヒントをみつけたいときに有効です。
●グループインタビュー
●行動観察
●ワークショップ
などが定性的に向いているケースです。
定量的が向いているケース
数字で表せる数値やデータを出したいときや、数字データを元に判断したいときに有効です。
●アンケート
●売上・販売数
●ホームページのPV
などが定量的に向いているケースです。
「定性」・「定量」の使い分け方
ここからは「定性」と「定量」の使い分け方について詳しく解説します。主観性を重視したいのか、客観的に数値を表示したいのかがポイントです。定量的、定性的どちらも大切な表現になるので、両方を同時に用いることで、よりわかりやすいデータとなります。
「定性分析」と「定量分析」の使い分け
ビジネスの場では目標を達成するために、あらゆる分析が必要です。定性分析は、SNSの反応、口コミ、インタビューなどユーザー視線の施策を立てたいときに活用すると便利です。
定量分析は、サイトの閲覧数や、販売、契約件数といった数値をグラフ化することにより、よりわかりやすくなります。
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「定性目標」と「定量目標」の使い分け
分析ができたら、次は目標の設定になります。ここでも「定性目標」と「定量目標」を使い分けると周囲とイメージの共有がしやすくなります。
定性目標は、数値で表すことができない「会議で積極的に案を出す」「チーム内でコミュニケーションを取り、信頼関係を築く」など行動を目標に設定するとよいでしょう。
定量目標は「前月より売り上げを●%伸ばす」「閲覧数1万PVを目指す」など具体的な数値で目標を決めるときに使います。
「定性評価」と「定量評価」の使い分け
評価でも「定性評価」と「定量評価」があります。定性評価は明確な数字を設定できないので、基準を設ける難しさはありますが、ここまでの努力や行動が評価されるのでモチベーションに繋がります。一方、定量評価は実績をそのまま評価として表せます。
定量評価が良くても、勤務態度は含まれないので、人事評価をする場合は「定性評価」「定量評価」どちらも活用して評価することが多いです。
まとめ
「定性」と「定量」の違いや活用方法について解説しました。ビジネスの場で、リサーチや評価をする際「定性」「定量」どちらも異なる特徴があるので、目的に応じて柔軟に使い分けましょう。どちらもバランスよく組み合わせることで、評価制度の偏りを解消することができます。