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投稿者:

ZYAO22編集部

ファシリテーションとは?意味や役割について詳しく解説

ファシリテーションとは?

まずは、ファシリテーションの概要について解説します。

ファシリテーションの意味

ファシリテーションとは、物事が上手くいくように支援することです。

しかしビジネスの場では、より具体的に「組織内や、組織間で行われる問題解決のための調整を円滑行えるように取り計らうこと」という意味で使われます。

例えば、ミーティングを円滑かつ有意義なものする進行役(ファシリテーター)も、ファシリテーションを担う役割のひとつです。

ファシリテーションの目的

ファシリテーションの目的は、会議などの問題解決のためのプロセスが円滑に進むようにすることです。

このファシリテーション行うファシリテーターは、問題解決のための活動における「外面的なプロセス」と「内面的なプロセス」両方に関わります。

外面的なプロセスとは、会議段取りや進行などのことを指します。

その一方で内面的プロセスは、会議のメンバーの頭の中にある思考的プロセスや、メンバー同士の関係性など心理的なプロセスのことです。

ファシリテーターは、これらそれぞれで問題解決のためのプロセスにおける障害が発生しないよう調整を行います。

ファシリテーションのメリット

ファシリテーションのメリットには、以下のものが挙げられます。

・会議などの生産性が向上する

・納得できる合意形成につながる

・メンバーのモチベーションが上がる

・新たなアイデアを創出できる

 

ファシリテーションによって生産性向上する理由は、会議などの目的やゴールを明確にして進めるため、無駄がなくなるためです。

また、ファシリテーションをおこなうことで各メンバーの意見を出せる場がしっかりと確保されるため、結論に対しても納得が得られやすいです。

そして、会議で意見を出せる場が与えられることから、メンバーのモチベーションが上がります。

問題解決のために寄与しているという感覚を持てることで、やる気が出ます。

加えて、新しいアイデアが生まれやすいこともメリットです。

参加者全員の意見を交わすことで、これまでの価値観に囚われないような革新的なアイデアが生まれることもあります。

ファシリテーションが広まった理由

ファシリテーションが広まったのは、多様性が尊重される価値観が浸透する時代になったことが背景にあります。

ビジネスの場においても、複雑な問題を解決するために、組織として多様な価値観から生まれるアイデアを活かそうという流れが広まりつつあります。

そしてこのような多様性を活かし、課題解決に役立つかたちで昇華させるために、ファシリテーションが求められているのです。

ファシリテーションに必要な4つのスキル

ファシリテーションに必要なスキルは、以下のとおりです。

・場のデザインスキル

・対人関係(コミュニケーション)のスキル

・構造化のスキル(収束)

・合意形成のスキル(決定)

では、それぞれについて解説します。

 

場のデザインスキル(共有)

場のデザインスキルとは、会議においては、メンバーが話しやすい環境を整える能力のことを指します。

なぜ場のデザインが必要なのかというと、単に人が集まるだけでは「チーム」として問題解決に向かうことは難しいためです。

そのため、目的の共有や議論の進め方の決定により、メンバーの意見を引き出しやすくする必要があります。

また、メンバー間の関係を良くすることも、場のデザインの一環です。

例えばいきなり議論に入るのではなく、まずは場の雰囲気が良くなるような時間を設けることなどが有効であると考えられます。

 

対人関係(コミュニケーション)のスキル(発散)

対人関係(コミュニケーション)のスキルは、文字どおり人との良好な関係を築く能力を指します。

具体的にビジネスの場においては、メンバーの意見に対する傾聴や応答、メンバーに対する積極的な質問などが手段として挙げられます。

また、このようにメンバーの意見を引き出したり、理解や共感を示したりすることを「発散」と言います。

 

構造化のスキル(収束)

構造化のスキルとは、複雑なものごとを理解しやすくするための能力です。

例えばビジネスの場では、会議でメンバーの意見をわかりやすく整理したり、全体像を整理して重要な論点を絞り込んだりすること(収束)が手段として挙げられます。

この構造化を行うためには、ロジカルシンキングができるなど、高い思考力が必要です。

 

合意形成のスキル(決定)

合意形成のスキルとは、議論による意見の対立を解消し、メンバーを納得させる力のことです。

意見をメンバーが納得できるかたちでまとめ、意義のある結論を出すことで、チームの結束力が高まります。

この合意形成実現のためには、最適な選択肢を選ぶための基準の明確化や、異なる意見の昇華などを行う必要があります。

 

ファシリテーションのやり方と役割

続いて、ファシリテーションのやり方と役割について、順を追って解説します。

 

⓪会議前の準備

会議を有意義なものにするためには、会議前の準備が大切です。

具体的には、あらかじめ以下のことなどを行います。

・目的とゴールの設定

・議題項目(アジェンダ)の作成

・議題項目ごとの議論の進め方の想定

・参加メンバーの情報共有

・会場の整備や備品、使用ツールの準備

 

①スタートとゴールの設定

会議では、まず議論のスタート地点とゴールを明確にしましょう。

そうすることで、現状はどのような問題が起きており、それを解決するためには何について話合うかが明確になるため、議論にまとまりがなくなるのを防げます。

 

②参加者の保持情報の把握

参加者の保持情報を把握することで、コミュニケーションの齟齬を防げます。

そのため、参加者について以下の情報を把握しておきましょう。

・テーマに対する前提知識

・議題に対する考えやスタンス

・参加者の関係(同じ部署、他部署など)

・メンバーが議題に対する関わり方(問題解決のためのマニュアル作成担当、予算立案担当など)

・議論における中心人物

 

③コミュニケーションを促す雰囲気作り

いきなり議論に入ってしまうと、メンバーによっては上手く場に馴染めないなどの問題が起こり得ます。

そうすると、各メンバーから意見を引き出すことが難しくなるため、まずはアイスブレイクの時間を取りましょう。

例えば、会議を開くに至った経緯から話したり、メンバー同士が軽めに意見交換をする時間を設けたりすることなどが有効です。

 

④タイムキーピング

会議は間延びしないよう、適切な時間管理をしましょう。

具体的に「〇〇の議題についての議論は何分」「質疑応答は何分」というように、各セクションの時間を明確にすると、会議の密度が濃くなります。

 

⑤本筋からズレていないかの確認

議論は加熱すると、ついつい本筋からズレてしまうことがあります。

しかし、このような状況を放置していては建設的な議論ができないため、ファシリテーターが冷静に対処する必要があります。

議論を本筋に戻すためには、メンバーに再度会議のゴールを認識させましょう。

 

⑥話を整理してまとめる

議論ではさまざまな意見が出てくるため、話を整理してまとめ、わかりやすいかたちにしてメンバーに共有します。

話を整理する際は、疑問があれば質問をして理解できていない部分を解消したり、良いと思った意見に対しては素直に賞賛の言葉を送ったりしましょう。

そうすることで、メンバーにとっても有意義なフィードバックになります。

 

⑦結論付けと合意形成(コンセンサス)をとる

最後に、会議の結論付けと合意形成をとりましょう。

具体的には、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」というアクションプランを示し、メンバーの認識を一致させます。

もし会議で決まらなかったことがあれば、それらをまとめておいて、次回の会議の論点として押さえておきましょう。

 

ファシリテーションのスキルを身につけるには

ファシリテーションのスキルを身につける方法は、以下のとおりです。

・ファシリテーションに必要な知識の習得

・実践し課題を見つける

・見つけた課題を見直し次の実践に活かす

では、それぞれについて解説します。

 

ファシリテーションに必要な知識の習得

まずは、書籍や動画、研修などを活用してファシリテーションに必要な知識を身につけましょう。

また、ファシリテーションに関する資格取得を目指すのも、学習のモチベーション維持のためには有効です。

 

実践し課題を見つける

ファシリテーションについて学ぶだけでは、実際に知識を使えるようになりません。

そのため、知識を身につけたら実践で上手く使えるかどうか試してみましょう。

そうすると、ファシリテーションにおいて現時点で何ができていないかが明確になります。

 

見つけた課題を見直し次の実践に活かす

ファシリテーションの課題が見つかったら再度学習し直し、次の実践の場で活かせるようにしましょう。

そうすると、そこでまた新たな課題が見つかるため、また学び直し実践というサイクルを繰り返します。

これを継続することで、ファシリテーションのスキルは着実に高まっていくでしょう。

 

ファシリテーションを学べる本

最後に、ファシリテーションを学べる本を2冊紹介します。

 

ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ

本書の著者は、大手企業やビジネススクールでファシリテーターの育成を行ってきました。

本書には、著者が経験の中で獲得してきたノウハウが詰まっています。

具体的には、ファシリテーターの思考プロセス形成の方法や、メンバーとのコミュニケーションなどについて詳しく解説されています。

購入はこちらから

 

ファシリテーション入門<第2版> (日本経済新聞出版)

本書は、2004年7月に刊行され、ファシリテーションの入門用テキストとしてヒットした『ファシリテーション入門』の改訂版です。

本書では最新の知見が盛り込まれており、特に会議のファシリテーションに焦点を当てて解説しています。

購入はこちらから

 

まとめ

ファシリテーションは、問題解決のための議論を有益なものにするために必要なスキルです。そのため、会議を仕切る機会のあるビジネスパーソンは、ファシリテーションスキルを身につけることが好ましいです。今回の記事で紹介した書籍もぜひ活用してみてください。

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