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投稿者:

ZYAO22編集部

自己顕示欲とは?強い人の特徴と理由、日常生活での付き合い方

 自己顕示欲とは

 

自己顕示欲とは、自分をアピールしたいという欲求のことです。

 

下記のように、漢字の構成からも意味をイメージすることができます。

 

* 自己=自分自身

* 顕示=はっきり示す、見せること

 

しかし、ポジティブな意味ではなく、ネガティブな意味として使われる場面が多いです。

 

例えば、周囲と合わない、不自然な自己主張を繰り返すケースが挙げられます。

周囲の話を聞かずに自分の話ばかりする人に出会ったことは、一度や二度ではあるのではないでしょうか。

 

自己顕示欲は、煩悩(ぼんのう)という、仏教で使われる言葉に言い換えることができます。

煩悩は、人が生きている時に感じる苦しみの原因となるものです。

 

自己顕示欲が強い人とは、常に苦しみを感じながら生きている人なのかもしれません。

 

苦しみから逃れるために、周囲から違和感を感じてしまうような言動、立ち振舞をしてしまっているのです。

 

上記のように捉えられると、今までとは違った見方ができるのではないでしょうか。

 

本記事では、自己顕示欲について、次のとおり解説していきます。

 

* 自己顕示欲が強い人の特徴

* 自己顕示欲が強くなってしまう理由・原因

* 自己顕示欲と承認欲求の違い

* 日常生活で、自己顕示欲が強い人との上手な付き合い方

 

ぜひ、最後まで読んでいただければ幸いです。

自己顕示欲の特徴 

 

自己顕示欲が強い人の特徴は、次の4つです。

 

* 相手を否定する

* 自分の話の割合が多い

* 嘘が多い

* 周りの人の評価を気にする

 

4つの共通点として、相手のことよりも自分自身に意識が向いているということです。

つまり、自分の感情を優先している状態ともいえます。

相手を否定する

1つ目の特徴として、相手を否定することが挙げられます。

自分の考えが正しいと思い込んでしまうことで、相手の存在や意見を否定してしまうケースです。

 

例えば、オススメの商品を聞かれたのにも関わらず、否定されてしまった経験など、あるのではないでしょうか。

意見を聞きたいのではなく、自分の回答を披露するきっかけを作りたかっただけ、かもしれません。

 

自分を優先してしまうと、相手の意見や考えに対して否定してしまうケースが多くなってしまいがちです。

 

自分の話の割合が多い

 

2つ目の特徴として、自分の話の割合が多いことも、自分の感情を優先している状態といえます。

 

つまり、相手の意見を受け入れる準備が整っていない状態です。

 

相手のことを受け入れる容量が残っていないため、相手の話を聞く余裕がないといえるでしょう。

 

嘘が多い

3つ目の特徴として、嘘が多いことが挙げられます。

 

「嘘」とは心理学辞典(1999)において、次のように定義されています。

 

”意図的にだます陳述をさす、たんなる不正確な陳述とは異なる”

 

自分を大きく見せることが目的となり、事実とは異なった発言をしてしまう傾向があります。

 

他人よりも自分の方が優れているという思い込みから、身の丈に合わない立ち振舞をしてしまう傾向があります。

 

周りの人の評価を気にする

 

4つ目の特徴として、自己顕示欲が強い人は周囲の評価を気にしてしまいがちです。

 

ここでも、他人よりも自分に興味関心があることの現れでもあります。

 

SNSの普及により、自分への興味関心がどのくらいあるのか、いいね数やフォロワー数などで、数値化できるようになりました。

 

2007年頃からインフルエンサーという言葉も普及し、商品を販売するマーケティング手法の一つとなりました。

 

つまり、他人の評価が自分の収入にも影響するようになったということです。

 

自分に対する興味関心が強まることは、時代背景的にも仕方がないといえるでしょう。

 

自己顕示欲が強くなる理由・原因

 

 

自己顕示欲が強くなってしまう理由として、次の3つが挙げられます。

 

* 自分自身に自信がない

* 仕事、プライベートがあまりうまくいっていない

* 育ってきた環境での愛情不足

 

自己顕示欲が強まる理由の共通点は、自分の足りない部分に目を向けていることが挙げられます。

 

他人と比べてしまうことが当たり前となってしまい、精神的に満たされていない状態ともいえます。

 

それでは、満たされていない状態を作ってしまう原因について、深堀りしていきます。

 

自分自身に自信がない

 

1つ目の要因として、自分に対する自信がないことです。

 

前述したとおり、自分を大きく見せてしまう理由は、自信がないことを周囲の人に悟られないためです。

 

臆病な犬の方がよく吠えてしまうように、相手に対して権威性を発揮することで、一定の距離感を保とうとします。

 

他人と比較してしまうことによって、さらに自信がなくなってしまうという、負のスパイラルに陥るケースが多く挙げられます。

 

仕事、プライベートがあまり上手くいっていない

 

2つ目に要因として、周囲の環境による心理的ストレスが挙げられます。

 

仕事やプライベートが上手くいっていない状況では、周囲に対して嫉妬の感情が生まれてしまいます。

 

理想と現実とのギャップが大きいほど、人は何かしらの行動を起こすことが多いと、心理学ではいわれています。

 

何かしらの行動が、マイナスに働いてしまうケースも十分考えることができます。

 

自己顕示欲を強く表現してしまう人は、理想と現実に対するギャップを、マイナス面に働かせてしまっている人かもしれません。

 

育ってきた環境での愛情不足

 

3つ目の要因として、子ども時代に育ってきた環境も大きく影響します。

 

親の愛情が足りていない状態は、自信の無さに直結します。

 

愛情を感じられないことで、自分に原因があるのではないかと思い込んでしまいがちです。

 

親の愛情は、情報収集する能力が十分に育っていない子どもにとって、自分の存在を認めてくれる大事なアプローチなのです。

 

承認欲求との違い

 

 

承認欲求とは、自分を評価してほしいと思う欲求のことです。

 

自己顕示欲と承認欲求のどちらとも、自分を認めてほしいという願望(欲求)であることに違いはありません。

 

では、2つの違いとはなんでしょうか?

 

両者の違いについて、さらに深堀りしていきます。

 

自己顕示欲と承認欲求の違い

 

自己顕示欲と承認欲求の明確な違いは、心理学用語として使用されているかどうかです。

 

承認欲求は、人間心理学の生みの親である「アブラハム・マズロー」が提示した自己実現論に記載されています。

 

マズローの法則とも呼ばれ、ライフスタイルからビジネスまで、多くの場所で活用されています。

 

マズローの法則の内容として、人間の欲求は5つで形成されるといわれています。

 

 

さらに承認欲求には、2つのカテゴリに分けることができます。

  1. 他者承認:他人から認められたいという欲求
  2. 自己承認:自分自身のことを認めたいという欲求

そして、自己顕示欲は1つ目の「他者承認」の中にあるといわれています。

 

 

つまり、両者はまったく別のものではなく、承認欲求という大きな円の中に、自己顕示欲があるということです。

 

自己顕示欲が強い人との接し方・付き合い方

 

 

日常生活を送る上で、自己顕示欲が強い人と付き合う場面も少なくありません。

 

会社、学校、地域コミュニティなど、半ば強制的に接する場面もあるでしょう。

 

自己顕示欲が強い人に対して、どのように接することが正しいのでしょうか。

 

本記事では、5つのポイントで解説しています。

 

* 適度に距離を取る

* 真に受けすぎない

* 反面教師にする

* たくさん話しを聞き、褒める

* 頼りにしてあげる

 

また、人との関わりにおける基本的な考えとして、世界で累計600万部を達成した「嫌われる勇気」では、次のように述べています。

 

”あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で入り込むこと。あるいは、自分の課題に土足で踏み込まれることです。”

 

上記を、書籍内では「課題の分離」と呼んでいます。

 

5つのポイントとどのような掛け合わせができるのか、一つずつ解説していきます。

 

適度に距離を取る

 

適切な距離感を保つことは、前述の「課題の分離」と最も近いアクションといえるでしょう。

 

自己顕示欲の強い人に対して、物理的もしくは間接的に距離を置くことは、非常に重要です。

 

関わりを最低限とすることで、過度な干渉から身を守ることができます。

 

真に受けすぎない

 

自己顕示欲が強い人の言葉を、すべて受け止めないことも重要なマインドセットの一つです。

 

前述のとおり、自己顕示欲が強い人は嘘をつくケースがあります。

 

事実無根ではなくても、内容が肥大化しているケースは十分に考えられるでしょう。

 

相手からの情報を鵜呑みにせず、2つのアクションを取ることをおすすめします。

 

・自分自身ではどう感じるのか、メモを取るなど言語化する

 

・他の人の意見を聞くなど、多方面から情報を仕入れる

 

 

過度なストレスを感じる前に、2つのアクションを取ることで、冷静に物事を判断できるようになります。

 

反面教師にする

 

反面教師とは、相手の立ち振舞を悪い見本として受け取り、そうなってはいけないと教わる人や事例を意味します。

 

自分自身が不快に感じたことを、周囲の人に行わないように心がけましょう。

 

反面教師のマインドを持つことで、自己顕示欲の人と接しなければいけない場面でも、学ぶ場としてポジティブに捉えることができます。

 

「課題の分離」で解説したとおり、他人はあくまで他人であり、自分の考えを明確にしておくことが重要です。

 

たくさん話しを聞き、褒める

 

自己顕示欲が強い人は、自分のことを聞いてほしいという欲求があります。

 

相づちなどのリアクションをするなど、あなたの話を聞いているという姿勢を示すだけで、関係は良好になるといえるでしょう。

 

さらに、褒めることを加えることで、効果は倍増します。

 

南山大学人間関係研究センターの調査によると、職場やアルバイトなどで、意識的に褒めることによって、離職率が減少したという結果もあります。

 

つまり、褒めることで、良好な人間関係を築けるといえます。

 

ただし、干渉のしすぎは適切な距離感から外れてしまいます。

 

バランスが大事であることも、意識しておきましょう。

 

頼りにしてあげる

 

自己顕示欲が強い人は、心の中の何かが満たされていない人です。

 

ぽっかり穴が空いてしまっている状態をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。

 

あなたを頼りにしているというメッセージを伝えるだけで、空いた穴を埋めることができます。

 

先ほどの褒めと同時に、相手の存在を認めてあげることで、相手もあなたを尊重するようになってくる可能性が高まります。

 

「課題の分離」で示したとおり、相手を変えることはできません。

 

あなたが対応を変えることで、相手の対応も変わる可能性があるということです。

 

自己顕示欲がない人っているの?自己顕示欲をなくすためには?

 

 

自己顕示欲という感情がまったく存在しない、という人はおそらく居ないでしょう。

 

自己顕示欲がない人とは、コントロールできる人といえるのではないでしょうか。

 

具体的には、自分と他人にあるものを見つけられる人こそ、自己顕示欲をコントロールできる人といえます。

 

自己顕示欲がない、もしくはコントロールできている人の特徴は、次の2つです。

 

* 自分を褒めることが上手

* 認め合える仲間を作る

 

自己顕示欲がない人は、自分を褒めるのが上手い

 

承認欲求には、自己承認があります。

 

自分を褒めるのが上手な人は、自己承認ができている状態といえるでしょう。

 

自己承認をするためには、できない部分ではなく、今できている部分に目を向ける必要があります。

 

例えば、コップに入った水を半分ほど飲んだとします。

 

コップをみた時に、どのように感じるでしょうか。

 

* もう半分しか量がない

* まだ半分残っている

 

おそらく、後者の方がポジティブな印象を受けるはずです。

 

自己承認できる人は、自分の中にあるものを言語化することができます。

 

言い換えると、自己分析ができている状態といえるでしょう。

 

メモを取ってみることで、自分の隠れた強みやスキルに気づくことができます。

 

一度、試してみてはいかがでしょうか。

 

お互いを認め合える仲間を作る

 

自己承認ができる人は、他人の良いところに気づき、褒めることができます。

 

同じような仲間を作ることで、自己承認をすることが自然とできるようになります。

 

たった一人で自己承認をし続けるのは、継続のハードルが上がってしまいます。

 

環境を整備することは、継続を習慣にするために重要な要素です。

 

洗面台に歯ブラシがあることで、すぐに歯磨きへ移行できます。

 

シンプルな仕組みを構築することで、行動は習慣化しやすくなります。

 

自己承認を高めるために、仲間作りから始めてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

 

自己顕示欲が強い人は、自分の足りない部分を、周りからの興味で満たそうとしている人かもしれません。

 

適切な距離感を保ちつつ、相手を受け入れることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

悩みが発生した際は、自分で解決できる課題かどうか、冷静に考えてみると良いでしょう。

 

メモなどを活用したアウトプットも有効です。

 

ぜひ、実践してみてはいかがでしょうか。

 

 

参考書籍

 

 

「広辞苑無料検索内 心理学辞典」(1999

「嫌われる勇気」(2013年) 著者:岸見一郎、古賀史健 発行所:ダイヤモンド社

「職場において「ほめ」とはどのような効果を持つのか」 南山大学人間関係研究センター

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