Iターンの意味とは?メリット・デメリットや移住のポイントも解説
「Iターンってどういう意味なの?」
「Iターンにはどんなメリットがあるの?」
「Iターンが自分に合っているのかわからない。」
Iターンを考えている方の中には、このような疑問や悩みを抱いている方は多いのではないでしょうか。
Iターンの意味が知りたいという方もいるでしょう。
本記事では、最近耳にすることが多くなってきたIターンの意味やメリット・デメリット、Iターンで移住する際のポイント、Iターンの就職方法などを紹介していきます。
Iターンに向いている人の特徴についても紹介していくため、Iターンを検討している方はより理解を深められるでしょう。
Iターンについて詳しく知りたい方やご興味がある方は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
目次
そもそもIターンの意味って?
最近よく聞くIターンとはどういう意味でしょうか。
Iターンとは、都会で生まれ育った人が、出身地ではない地方に移住して就職することをいいます。
旅行などをきっかけに、地方での生活や文化に魅力を感じてIターン転職する方が増えています。また、都市部で働いている人が、独立や起業をしたいと考えて、地方に移住するケースや、やりがいを求めて新天地へ移住するケースもあります。
次に、Iターンと間違えやすい、Uターン、Jターンの意味とそれぞれの違いについて解説していきます。
Uターンとの違い
Uターンとは、地方で生まれ育った人が、地元を離れて都市部で進学や就職などのために移住し、その後再び地元に帰ってきて就業するという意味で使われます。
都市部に行って故郷に戻る移動線がUの字を描くため、Uターンといわれています。
Uターンで地元へ戻る理由としては、都市部での生活の疲れや、仕事や生活スタイルを変えたいなどがあげられるでしょう。
地方企業も、都市部で経験した優秀なスキルを持つ人材は積極的に採用しているようです。Iターンは都市部から地方へ、Uターンは地方から都市部、再び地方へ、という違いがあります。
Jターンとの違い
Jターンとは、地方で生まれ育った人が、都市部で就職した後、出身地とは異なる地方へ移住して働くという意味で使われます。Uターンと似ていますが、Jターンの場合は移住先が生まれ育った故郷ではないことが特徴です。
地元に戻りたいけれど、仕事がないから近くの地方に移住するというパターンが多いですが、中には単純に故郷とは別の地方に魅力を感じて移住するという方もいます。
都市部よりも家賃や物価が低く、かつ田舎よりは交通機関などの利便性が高い地方都市が、生活しやすいと感じて移住することが多いようです。
Iターンのメリット
都会で生まれ育ったけれど、地方で就職したいと考えている方は、Iターンのメリットとデメリットを知り、両方をしっかりと把握したうえで検討することが大切です。
まず、Iターンの4つのメリットを紹介しますので、チェックしてみてください。
住宅費や物価が安い
地方は都市部に比べて物価が安く、また家賃や地価も安い傾向にあります。そのため、生活コストを抑えられて、経済的にゆとりを持つことができます。
特に、マイホームを購入する際は戸建て物件の価格が都市部よりも安いため、大きなメリットとなるでしょう。
子育てしやすい
子育てしやすい環境があることも、Iターンのメリットです。前述したように、生活コストを抑えられるため、経済的なゆとりを持って子育てができるでしょう。
また、地方は自然豊かで子供の遊び場も多くあるため、のびのび子育てをすることが可能です。
さらに、地方では子育て支援に力を入れている自治体が多くあります。保育園の待機児童も都会よりは少ないため、保育園の競争率も低く子供を預けやすいのも魅力的です。
預け先があれば、仕事や家庭のこと、自分の時間も作りやすくなるため、気持ちにもゆとりが生まれるでしょう。
支援制度を活用できることも
Iターンで就職する人や、移住する人向けの支援制度を取り入れている自治体もあります。
例えば、移住前から使える交通費の補助や、移住後であれば移住や起業のための支援金や家賃の補助など、自治体によって様々な支援制度があります。中には移住者に特産品の詰め合わせをプレゼントする自治体まであるのです。
支援制度を受けるには条件があるため、各自治体のホームページなどで調べましょう。支援制度は自治体によって異なります。興味のある地域のことは、しっかりと下調べすることが重要です。
通勤が快適になる
都会での暮らしは、満員電車での通勤にストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。
都市部では住宅費が高いため、職場から離れた場所に住んでいる場合も多く、また多くの人が働いているため、どうしても通勤ラッシュに巻き込まれることが多くなります。
しかし、地方では職場の近くに家を構えることが都会ほど難しくないため、通勤時間を短くすることができます。また、都市部よりも人が少なく、車通勤が主流な地域も多いため、満員電車で通勤することも少なくなるでしょう。
通勤が快適になることや、通勤時間が短くなり使える時間が増えることは、地方移住の大きなメリットといえるでしょう。
Iターンのデメリット
それでは次にIターンのデメリットを紹介します。メリットだけでなく、デメリットも理解しなければ、移住した後にこんなはずではなかった、ということになりかねません。
人によってはデメリットがそれほど気にならないこともあるため、自分がIターンに向いているのかチェックしてみてください。
都会に比べて求人が少ない
地方は都会に比べて求人数が少ないことがデメリットです。地方で就職したいと考えている人は、都会よりも企業が少なく、選べる仕事の選択肢が少ないことを把握しておきましょう。
また、地方企業は分業が進んでいないこともあり、望んでいた業務以外の領域も兼任することになる場合もあります。
近年、パソコンがあればどこでも仕事ができる時代にはなってきましたが、パソコンのみで仕事を完結できるのは限られた職種のみです。
移住を検討している人は、その地域に就きたい仕事の求人があるのかどうか見極めることが大切でしょう。
年収が下がる場合もある
都市部と比べて、地方での就職は収入が減るケースがほとんどです。
厚生労働省の調査によると、地方になるほど全国の平均賃金を下回る傾向にあるとされています。逆に、平均を上回るのは、東京・神奈川・愛知・京都・大阪の大都市に限られており、そういった都市部からIターンすると収入は減ることになるでしょう。
ただし、Iターンのメリットで紹介したように、地方では住宅費や物価が安く抑えられる場合が多いため、収入が減っても負担にならないことも多くあります。
移住する前に、収入が減る可能性があることを理解してIターンするようにしましょう。
出典:(10) 都道府県別にみた賃金|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/10.pdf
地域になじめない可能性も
地方では人付き合いがとても重要です。
都会とはライフスタイルや慣習などが異なるため、思ったよりも人との距離感が近く戸惑う可能性もあります。近所付き合いを重視するため、人付き合いが苦手な人は、田舎での生活に慣れず、苦労するでしょう。
車がないと不便
地方では、公共交通機関が少ない地域が多いため、車があると便利に生活できるでしょう。
都会での通勤電車がない代わりに、車移動が主流となるため、通勤時間帯には車の渋滞が発生する地域もあります。また、移住する地域によっては、買い物や勤務先まで行くのに車で数時間かかる場合もあります。
都会暮らしで車を持っていなかった人は、車の維持費も余計にかかる点を押さえておきましょう。
レジャー・娯楽施設が少ない
地方は、都会に比べてレジャー施設や娯楽施設、商業施設などが少なくなります。
都会で日常的にそういった施設を利用していた人は、地方に移住してきて物足りなさを感じてしまう可能性もあるでしょう。
地域によっては買い物に行くだけでも車で1時間以上かかるケースもあります。住む場所によって、普段の買い物が大変になる可能性があるため注意しておきましょう。
娯楽施設やレジャー施設なども少ないため、定期的に買い物やレジャーを楽しみたいという人は、都市部へのアクセスが良い地域を移住先の候補にしましょう。
Iターンの就職方法
Iターンの就職の場合、自分は都市部にいる状況で、地方での企業を探すことになるため、気軽に現地に行けない難しさがあります。また、地方の企業では説明会などがなく、情報収集が難しい場合もあります。
ここでは、Iターンの就職方法を紹介していくため、ぜひチェックしてみてください。
地方に特化した転職サイトで探す
まずは、地方に特化した転職サイトで勤め先を探す方法です。
転職サイトには、「Iターン歓迎」といった求人も多くあるため、移住候補の地域に就きたい仕事の求人があるのか調べることができます。
わざわざ地方に行かなくても調べられるため、インターネットを活用して気軽に情報収集ができるでしょう。
ハローワークで探す
実は、都会のハローワークで地方の企業の情報収集や相談ができます。
地方へUターンやIターンを希望している方向けに、地方就職支援コーナーなどで情報提供しており、ハローワーク内でパソコンを使って求人の検索をかけることもできます。
また、求人だけでなく、自治体ごとに受けられる支援などの情報を調べることも可能です。
Iターンに向いている人の特徴
メリットやデメリットを紹介してきましたが、まだIターンに不安を感じている人や、失敗したくないと考える人も多いのではないでしょうか。
次はIターンに向いている人にはどのような特徴があるのか、紹介していきます。
自分に当てはまるのかチェックしてみてください。
自然の中でのびのびと生活・子育てしたい人
都市部にはない、自然豊かなところでのびのびとした生活や子育てをしたい人は、Iターンに向いているでしょう。
都会では、待機児童の問題や子供を遊ばせられる自然豊かな環境の少なさ、生活費の高さなど子育てに不満がある人も多くいるのではないでしょうか。そういった子育てのストレスは、地方での生活で改善されることもあるでしょう。
豊かな自然が身近になり、空気や水がおいしく、四季の移り変わりを感じられる生活は、都会ではなかなか経験できません。
また、都会のように通勤ラッシュや、休日はどこに行っても混雑しているということはなく、渋滞や人混みのストレスが少ない暮らしができます。
そういった都会の喧騒から離れて、自然の中でゆとりを持って生活したい人には地方への移住が向いているといえるでしょう。
ワークライフバランスを大切にしたい人
ワークライフバランスとは、仕事とそれ以外の趣味などの生活、両方を充実させる働き方・生き方のことです。
都市部では、通勤時間に1~2時間以上かかることが多いため、1日の大半が労働時間となり、仕事以外の生活がおろそかになりやすいです。その結果、ストレスが溜まり、仕事にも影響が出てしまうなど、ワークライフバランスが取れなくなります。
その点、地方での生活は、職場の近くに住んでも都会ほど住宅費が高くなることはなく、職場近くに住むことで通勤時間の削減ができます。
また、子育てしている人にとっては、都会よりも保育園や幼稚園に預けやすくなるため、仕事や私生活の時間を作りやすいということもあるでしょう。
仕事と私生活の両方にゆとりができることで、それぞれが充実するという好循環が生まれるのです。都市部を離れてワークライフバランスを変えたいと考える人には、Iターンをおすすめします。
幅広い業務をこなせる人
地方に移住するとなった場合、どうしても都会よりも就職先の選択肢は少なくなります。また、会社の規模が小さく、様々な仕事を担当する可能性もあります。
そういった場合、幅広い業務をこなせる人材はとても重宝されるでしょう。
地方企業では、専門的な分野に特化したスペシャリストよりも、幅広い知識や経験を基に業務をこなせるジェネラリストを求めている傾向があるのです。
Iターンで移住する際のポイント
次に、Iターンで移住する際のポイントを紹介していきます。
なじみのない地域へ移住、就職することになるため、どういった準備や心構えが必要なのかしっかりチェックしましょう。
- 家族と事前によく話し合う
- 仕事を辞めるタイミングに注意
- 自分に合った仕事を見極める
- 移住先の地域性などを下調べする
家族と事前によく話し合う
地方へIターンする場合は、引っ越しや転職など、大きく環境が変わることが予想できます。
生活スタイルが大きく変化するため、Iターンを検討し始めた場合は、なるべく早めに家族に相談することが大切です。
一緒に生活することになる家族の理解は必要不可欠になるため、よく話し合い、地方へ移住することへの抵抗感や不安を事前に払拭しましょう。
また、家族がどのような生活をしたいか希望を聞き、すれ違いが起こらないようにしましょう。
仕事を辞めるタイミングに注意
Iターンで転職する人は、仕事を辞めるタイミングに注意が必要です。
地方での仕事が決まる前に今の仕事を辞めてしまうと、転職先が見つからなかった場合に、離職期間が長引くことで収入面での不安や、精神面での焦り、さらに転職の不利材料になることもあります。
特に収入がなくなることで、当面の生活費や引っ越し費用、移住先での初期費用などで貯蓄が尽きてしまう恐れがあるため、仕事を辞める前に移住先や転職先を探すと良いでしょう。
自分に合った仕事を見極める
地方では、都会に比べると仕事の選択肢が少なくなります。そのため、今まで経験してきた仕事にとらわれずに、いろいろな仕事内容や働き方の中から、自分に合った仕事を見極めることが大切です。
Iターンをする人の中には、企業に就職するほか、移住を機に起業する人や、町おこしなど地域発展のためにサポート活動する人、農業や漁業を仕事にする人など様々です。
地方ならではの働き方もあるため、様々な方法の中から視野を広げて探すことが大切でしょう。
移住先の地域性などを下調べする
地方では、都会とは生活スタイルや文化が異なります。
地方ならではの郷土文化や食文化、地域に受け継がれるお祭りなど様々です。また、都市部では必要なかったご近所付き合いが増えることも多いでしょう。
その土地での暮らしや環境を知ることで、移住後の生活を想像しやすくなるため、実際に足を運んで確かめることが重要です。旅行として現地を見ることも良いですが、地域によってはセミナーやツアーがあるため、参加してみるのもおすすめです。
事前に移住先の地域性を下調べして、後悔しないようにしましょう。
Iターンにおすすめの移住先
地方にはそれぞれの文化や自然環境、自治体の移住者支援など特徴があるため、どのような地域に住みたいと考えるかは人それぞれです。
おすすめの移住先として3県の特徴を紹介します。
まずは、山梨県です。富士山や八ヶ岳などの山々からなる豊かな自然環境や、ブドウや桃などのフルーツが有名です。また、東京からのアクセスが良いため、移住先として人気を集めています。
次に、長野県です。軽井沢や上高地などの避暑地や、リンゴや蕎麦などの食べ物が有名で、大都市圏とのアクセスも良好です。夏は避暑地、冬はウィンタースポーツと楽しめる山が多くあり、自然を楽しみたい移住者に人気となっています。
最後に、静岡県です。富士山や浜名湖、お茶やみかんなどが有名で、首都圏や関西圏へのアクセスが良好です。移住希望者が利用できるお試し滞在用の住宅などもあるため、実際に現地で生活してみることで、不安を解消できるでしょう。
Iターンの意味やメリット・デメリットを知って自分に合うか考えよう
地方から都市部へ人口が流出している中、都市部から地方に移住するIターンの支援が増えています。
都市部での生活とは異なる点も多く、不安を感じることもあるでしょう。まずは、理想の暮らしのために、しっかりと情報収集することが大切です。
都市部とは異なる様々なメリットやデメリットを知って、地方での暮らしが自分に合うかどうか考えてみましょう。
都会での暮らしにストレスがある人でも、人によっては地方の方が暮らしやすく感じることもあるため、本記事を読んで田舎暮らしに魅力を感じた方は、ぜひIターンを検討してみてください。