40代でUターン転職は難しい?成功させるポイントや岐阜県の支援制度を紹介
故郷を離れて就職した方の中には、親の介護、子育てにふさわしい環境、田舎暮らしへの憧れなど、さまざまな事情により故郷へ戻りたいと思われる方もいるのではないでしょうか。
テレワーク勤務がひろがってきたとはいえ、企業にお勤めの多くの方は、転職もあわせて検討したいとお考えでしょう。
本記事では、40代で岐阜県へUターン転職を検討する方に向けて、Uターン転職の進め方や留意点に加え、自治体の支援制度について解説しています。また、Uターン転職の際にアピールしたいポイントや実践したい仕事の探し方も紹介しています。
この記事を読むことで、Uターン転職を成功させるためのセオリーを確認することができるでしょう。岐阜県にUターン転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
40代でUターン転職を考えるきっかけ
40代でUターン転職を考えるきっかけとして、どのようなものがあるのか紹介します。
転職を進める上で、家族の同意を得るために目的を説明することや、転職時の面接で志望動機を説明することが必要です。説得力のある説明ができるよう、ご自身がUターン転職を考えるようになったきっかけを、あらためて確認しておきましょう。
1.親元の近くに戻る(育児環境を整えたい・介護しやすくしたい)
2.田舎暮らしへの憧れ(慣れ親しんだ地元に戻りたい・自然との触れ合う機会を増やしたい)
3.生活費を安く抑えたい
4.プライベートな時間、趣味を充実させたい
40代でのUターン転職は難しい?
40代の方の中には、配偶者や小・中学生のお子様がいらっしゃる方も多いでしょう。Uターンにあたっては、家族の環境の変化に対する配慮や、生活水準を維持するために年収を下げられないなど、考慮しなければならないことが多くあります。
地方での転職では年収が下がる場合も多く、理想を満たす求人を探し出すのは一苦労です。
企業側も40代の方を中途採用するにあたっては、求めるスキル要件は高くなるため、40代でUターン転職を成功させるのは容易ではありません。
以降に、40代でのUターン転職が難しいと思われる理由を紹介します。あらためて転職への心構えを確認しましょう。
40代は転職そのものが難しくなる年代
40代の転職では、これまでの専門的な経験やマネジメント経験を活かした即戦力としての人材が求められることが多く、企業側が求めるスキル・キャリアにアンマッチが生じると、以下のような理由から採用が見送られるケースが多くなります。
・柔軟性への懸念(経験者としてのプライドが邪魔をするのではないか)
・人材としての伸びしろ(20代、30代との比較)
希望の職種や求人数が少ない
40代の求人数は、34歳以下の求人数と比較すると少なくなっています。
企業が求人を行う際、原則的には年齢制限を設定することはできませんが、以下の条件を満たす場合、例外的に年齢制限を設定することができるというルールがあるためです。
・長期的なキャリア形成が目的となっている
・職業経験が不問であること
・新卒者と同等の処遇であること
・期間の定めのない労働契約であること
このような背景から、40代の求人ではキャリア経験を活かした即戦力を求める割合が多くなっています。
出典:その募集・採用年齢にこだわっていませんか?|厚生労働省・都道府県労働局 ハローワーク
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000708105.pdf
都会と比べると年収が落ちる
東京都と地方では年収に格差があり、地方の平均年収は落ちる傾向にあります。
東京都と岐阜県の平均賃金を比較すると、東京都の364.2千円に対し、岐阜県は287.6千円となっており、岐阜県は東京都の約8割の平均賃金ということが分かります。
生活費は地方の方が低く抑えられるため、年収が落ちた分、生活が苦しくなるということではありませんが、地方への転職を行う場合、平均的な年収に格差があることを受け入れた上で転職後の生活をイメージして、転職活動を行うことが重要です。
出典:(10) 都道府県別にみた賃金|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/10.pdf
40代がUターン転職でアピールしたいポイント
企業が中途採用者に対して期待するポイントには、以下の3つがあります。転職活動を開始する前にこれまでの経歴を見直し、アピールポイントについて説明できるよう整理しておきましょう。
- マネジメントスキル
- 専門性
- 企画力、提案力
マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、リーダーとして組織やプロジェクトチームを管理するスキルのことを表します。マネジメントの定義は幅広く、求められることも多岐に渡りますが、おおむねチームなどの組織体を目標達成に導く以下のような役割があります。
・チーム課題の明確化、目標設定
・リーダーシップを発揮したチームの統率
・チームメンバーの教育、指導
・リーダーとしてプロジェクトを推進
・組織の運営、管理
プレイヤーとしての成果のみならず、部下・メンバーも含めたチームとしての成果をより大きなものに導くマネジメントスキルは、重要なアピールポイントです。
専門性
40代の中途採用者へ企業が求めていることは、高い専門性やスキルを活かして即戦力となることです。これまでの特定分野、職種での経験が、企業が求める期待・役割とマッチすれば、専門性としてアピールすることも可能です。
面接する企業の業界・ビジネスがどのような人材を求めていて、自身のスキル、経験をどのように活かすことができるか、事前に確認しておくことが重要でしょう。
企画力・提案力
企業がかかえる課題の解決や目標を達成するには、どのように課題解決し、目標達成に導くか具体的なプロセスを示し、組織として目的を達成する方向にベクトルを合わせる必要があります。
自身が考えた具体的なプロセス(企画)について、目的や取組意義を分かりやすく説明し、関係者からの協力を得る(提案)こと、すなわち、企画力・提案力が重要なアピールポイントにつながります。
Uターン転職成功のために心がけること
Uターン転職は通常の転職とは異なり、遠隔地で転職先を探すことになります。
また、生活環境が変化することで、転職する本人だけでなく家族にも心理的な負担が強いられたり、転職や引越しにかかる費用が予想外に膨らんだりするなど、計画通りに進まないことが多いでしょう。
ここでは、Uターン転職を行う際に心がけておきたいことを紹介します。事前の準備にお役立てください。
退職する前に転職先を決める
40代でUターン転職を行う場合、転職先を決めてから退職するようにしましょう。
先に退職してしまうと、転職先が決まるまでの生活資金は貯金でまかなう必要があります。
また、Uターン転職は都心などと比較すると求人数が少ないため、思うような求人が見つけられず転職活動が長期になってしまうこともあり得ます。
生活資金が底をつき、転職活動を妥協するようなことにならないためにも、転職先を決めてから退職するようにしましょう。
家族と十分話し合い理解を得る
先述したとおり、40代でのUターン転職の場合、家族の転居がともなうことも多いでしょう。
家族にとっては慣れ親しんだ生活環境が変化することに加え、お子様の転校や、配偶者が働いている場合は配偶者も転職する必要があるため、精神的な負担は大きなものです。
一方で、生活費が軽減されたり親元に近くなることで必要なサポートを受けられたり、親の介護がしやすくなるなどのメリットも考えられるため、Uターンしてからの生活イメージについて、家族とよく話し合い、理解が得られるようにしましょう。
転職資金を貯めておく
Uターン転職の場合は遠隔地での転職活動になるため、交通費がかさみ、面接時間に間に合わせるためにタクシーを利用することもあり得ます。
転職決定後の引越し費用は、時期によっては想定以上の費用がかかることもあり、その他にも家具等の処分費用などがかかる場合もあるため、余裕を持って貯蓄しておくことが望ましいでしょう。
40代でUターン転職するために実践したい仕事の探し方
Uターン転職の場合、より多くの求人情報から条件に合う企業を選択することが重要です。ここでは、代表的な仕事の探し方について紹介します。
仕事の探し方によって得られる企業情報が異なるため、自身にあった仕事探しをお試しください。
人脈を活用する
これまでの社会人経験から、取引先や同業など、社外の人間関係を構築されている方も多いでしょうが、この人脈を活用して求人情報を入手することも一手です。
インターネット上で公開されている求人情報とは別に、より有利な条件で、これまでの経験が活かせる求人情報を入手できる可能性が高まるため、人脈を活用されることをお勧めします。
地元に詳しい転職エージェントを活用する
大手転職エージェントに対して総求人数では劣るものの、希望条件やこれまでの経験スキルを活かせそうな企業など、相談しながら転職先を探したい方には、地域に特化した転職エージェントの活用がお勧めです。
地元企業とのコネクションから非公開の求人情報も取り扱っており、より条件にマッチした企業との接触が期待できます。
地元の転職フェアに参加する
地域に根ざした地元企業の紹介が受けられる地元の転職フェアは、関心のある企業について人事担当者に直接話を聞くことができる絶好の機会です。
また、求人情報に限らず、地方自治体に用意された転職支援金制度の紹介など、Uターン転職を多方面からサポートするフェアもあるため、より充実したサポートをお求めの方にはお勧めです。
ハローワークを活用する
ハローワークでは地域に密着した職員から対面で紹介を受けることができ、きめ細かな情報を確認しながら転職先を探すことができます。地元企業が掲載されており、引越し先の近くで仕事を探そうとお考えの方にもお勧めです。
インターネット経由で職探しができるサイトが用意されているため、遠隔地から地域に密着した転職先をお探しの方はお試しください。
また、東京、大阪のハローワークには地方就職支援コーナーがあり、生活関連情報も含めた職業相談・紹介が行われています。
岐阜県へのUターン就職で使える支援制度
日本のほぼ中央に位置し、三大都市圏が近くアクセス便利な岐阜県は、緑豊かな森林と美しい清流に囲まれ観光地も多くあり、年間約3,500万人の観光客が来訪することからも、多くの人に支持されていることがわかります。
生まれ育った故郷で仕事がしたい、自然に恵まれた環境で豊かな生活を送りたい、プライベートな時間・趣味を充実させたいとお考えの方は、岐阜県へのUターン転職で多くのメリットを得られる可能性があります。
ここでは、岐阜県へのUターン転職を支援する制度を紹介します。支給要件に該当する方は、制度を活用してUターン転職の一助としてください。
移住支援金
移住支援金は、東京23区内在住者もしくは、東京圏に在住し東京23区に通勤する方を対象として、岐阜県に移住し就業または起業する際に活用できる支援制度です。
支援金額は単身で60万円、世帯で100万円となっており、世帯で移住する場合、帯同する18歳未満の世帯員数に応じて支援金が加算されます。
詳細な支給要件については、岐阜県公式サイトをご確認ください。
出典:県の支援・補助金|ふふふぎふ【公式】岐阜県への移住・定住ポータルサイト
参照:https://www.gifu-iju.com/support_prefecture/
清流の国ぎふ移住支援補助金
清流の国ぎふ移住支援補助金は、コロナ禍におけるテレワークの普及で、岐阜県以外の都道府県から岐阜県へ移住し定住意思のある方を対象に、引越しなどの移住経費を支援する制度です。
家族で移住される若者(39歳以下)や過疎地域に移住される方が対象です。移住先の市町村によって補助金の有無、支援金額や要件等が異なるため、詳細は岐阜県公式サイトをご確認ください。
出典:令和4年度 清流の国ぎふ移住支援事業費補助金 実施市町村一覧|ふふふぎふ【公式】岐阜県への移住・定住ポータルサイト
参照:https://www.gifu-iju.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/8a3d52866464f5b9ece5b8c2948f5a1d.pdf
岐阜県移住体験プログラムの活用
岐阜県移住体験プログラムの活用は、実際に移住した後の生活を体験できるプログラムです。現地に赴いてワークショップの体験など地元の方と交流することができ、中には宿泊までできるプログラムもあります。
体験プログラムを活用して、移住後の生活イメージを持つこともお勧めします。多くのプログラムが企画されているため、詳細は岐阜県公式サイトをご確認ください。
40代のUターン転職は計画的に進めていこう
40代で行うUターン転職には、職場環境や生活環境が変化することによるリスクがある反面、親元に戻ったり自然に囲まれた環境に移ったりするなど、豊かな生活環境へと切り替えられるメリットがあることをお伝えしてきました。
Uターン転職のリスクを低減させて成功に導くためには、転職活動そのものだけでなく、家族の理解を得ることや活動資金の確保など、転職活動に関わる全てについて計画的に進めることが何よりも重要です。