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投稿者:

ZYAO22編集部

【れとりっぷ】岐阜県中津川市を巡る旅 「天空の城」苗木城跡、栗きんとんやモンブランにも舌鼓

戦国時代を語る上で外せない地・岐阜県。多くの城跡や武将の生きざまを感じられる史跡が数多く残されていることから、戦国観光には最適です。くしくも新型コロナウイルス感染症の影響で、「近場」「屋外」「ふらっと行ける」旅がちょうど良い昨今。この機会に、地元の魅力を、岐阜新聞女子ネットのメンバーらと“再発見”してみませんか。今回は中津川市を旅しました。

 

巨岩に築かれた唯一無二の山城 幻想的な雰囲気はまるで映画の一コマ

 

天空の城、霞ケ城、赤壁城と称され、日本城郭協会が定めた続日本100名城にも選ばれるなど全国区の人気を誇る苗木城跡。木曽川右岸にそびえる高森山(432m)という岩山の上に1526年頃に苗木遠山氏によって築かれた山城です。

 

 

映画に出てきそうな幻想的な雰囲気が人気の理由として挙げられますが、それだけではありません。岩山で平地がほとんどないという自然の地形を最大限に生かすべく、岩盤に柱を立てるための穴をあけ、清水の舞台と同じ懸造りで天守を築いたという珍しい建築様式も「この目で見てみたい」と思わせる大きな理由です。

 

 

天守跡には現在、柱があった穴を再利用した天守展望台があり、木曽川や恵那山、中津川市街が見渡せます。また、年代によって異なる技法で石垣が積まれていることから、ツウにも愛されています。

 

 

苗木城の歴史も要チェック。1560年から城主を務めた遠山直廉は、武田信玄と織田信長の双方と縁戚関係を結んでいましたが、病死後は信長の命を受けた飯場城主、遠山友勝が苗木城主に。友勝の死後は息子・友忠が城主を務めていましたが、本能寺の変の後、美濃金山城の鬼武蔵こと森長可が苗木城に侵攻。友忠は城を追われてしましました。

 

 

しかし1600年の関ケ原の戦いの1カ月ほど前、徳川家康の命で友忠の息子・友政が城を奪還。江戸幕府以後は1521石の大名となり、明治維新までの12代にわたって遠山氏が苗木藩主を務めました。他の1万石規模の大名は皆、城を持っていなかったため、遠山氏は「最小の城持ち大名」として知られています。

 

苗木城が以前どのようなものだったかは、苗木遠山史料館で知ることができます。幕末に描かれた絵図を基に作られた復元模型は必見で、赤っぽい色の本丸や天守、至るところにあった門などが岩山に沿ってぎっしりと建てられている様子がわかります。他にも史料館では、信玄や信長、家康と遠山氏の関係を示す貴重な資料を複数展示。苗木城跡に行く前に予習がてら行くのもよし、行った後に復習がてら行くのもよし。苗木遠山史料館に行けば、苗木城跡がより一層楽しめます。

 

中津川の秋と言えば栗きんとん

 

中津川の秋は、「栗」というワードなしには語れません。中津川は栗きんとん発祥の地とされており、JR中津川駅前にはそのことを示す石碑があるほどです。

 

栗きんとんはご存じの通り、蒸した栗に砂糖を加えて丹念に炊き上げ、茶巾で絞るというシンプルなお菓子ですが、店舗によって味わいは全く異なります。「味が異なるなら色々食べてみたい」と思う方には、中津川駅前の「にぎわい特産館」で91日から124日まで販売されている「中津川栗きんとんめぐり」がおすすめです。栗きんとんめぐりは「風流」と「ささゆり」の2種類があり、7店舗の栗きんとんが1箱に1個ずつ入っています。両方買えば14店舗の味くらべが実現。食べ比べを堪能し、推しの店を見つけてみては。

 

木のぬくもりあふれる空間で味わう二大モンブラン

 

中津川駅から徒歩5分ほどのところにある「栗スイーツ」「映え」「おしゃれ」「木のぬくもり」などの心ときめく言葉を集めて形にしたようなカフェ「meet tree NAKATSUGAWA」。老舗製材会社が手掛けており、「木に寄り添って人が休める場所になれば」という思いから、器も建物も県産ヒノキをふんだんに利用しています。

 

 

ここの看板メニューは何と言っても特製二大モンブラン。9月から12月のみ提供の「中津川プレミアムモンブラン」は、カステラ、カスタードクリーム、生クリームの上に栗きんとん4個分以上に相当する量のふんわりした栗粉を載せています。ヒノキの枠に入っていて「食べる時に木の幹に見立てた枠を自分で外すことで、木から山に変わる」というストーリーを楽しむことができます。

 

 

もう一つは通年提供の「モンブランof Ena」。こちらも栗きんとん4個分に相当する量を使用。「演出を見せるモンブラン」として、パイや生クリームなどの上に細くて口当たりの軽いモンブランを絞っていく様子をカウンター越しに見ることができます。

 

味はもう…「モンブラン史上ナンバーワン」(れとりっぷ取材陣が食べた中での主観ですが)というレベル。県外から駆け付けるファンは多く、栗のシーズンの週末には2時間待ちの日もあるということですが、待ってでもまた食べたいと思わせる逸品です。

 

思わず夢中に!栗拾いに挑戦

 

以前中津川の方に「どこで栗きんとんを買っていますか」と質問したら、「自宅で作っています」という答えが。「確かに作り方自体はシンプル。しかしどこで栗を調達しよう?」と思ったところ、素晴らしい場所を見つけました。その名も「いが栗の里 中津川マロンパーク」。栗の木20種類ほどが植えられていて栗拾いが楽しめるところです。受付後にイガ栗を挟むトングとバケツを借り、中へ進むと栗やイガ栗がごろごろ。夢中になって拾い、選別所で傷やツヤなどから持ち帰る栗を取り分け、計量して、量に応じた金額を払うというシステムです。

 

「秋らしい体験がしたい」「自分で拾った栗を使って手作り栗きんとんづくりをしたい」という方に特におすすめです。

 

鉱物という視点から苗木を知る

苗木城は岩山の上に建っているという話をしたところですが、中津川市苗木付近の一帯は長野県上松町付近と合わせて「苗木‐上松花崗岩」と呼ばれる、花崗岩が広く分布する地域です。水晶やトパーズなどを産する鉱物の一大産地として国内外問わず広く知られています。

 

 

そんな鉱物の“聖地”にある鉱物博物館では、中津川が日本三大産地の一つとして知られる巨晶花崗岩「ペグマタイト」についてや、苗木‐上松花崗岩について詳しく学ぶことができます。色鮮やかに輝くエメラルドやルビー、アクアマリンの標本などもあり、いやされます。苗木地区出身のアマチュア鉱物研究者・長島乙吉氏(18901969年)と息子で筑波大学化学系教授の長島弘三氏(192585年)が中津川市などに寄贈した「長島鉱物コレクション」も必見です。

 

館内の見学を終えた後は、鉱物博物館名物の「ストーンハンティング」へ。博物館前の「すいしょうひろば」の土砂をじっくり見てみると、きらりと光る水晶を見つけることができます。制限時間は30分。水晶は1つだけ持って帰れるとあって大人も真剣。大きくてきれいな形のものが見つかりますように。