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投稿者:

ZYAO22編集部

【全文掲載】滝藤賢一さん「女性よりも女性らしく」、ドラァグクイーンを熱演|映画『ひみつのなっちゃん。』舞台挨拶[前編]

去る1月8日、郡上がロケ地となった話題の映画『ひみつのなっちゃん。』の豪華キャスト&監督の舞台挨拶付き岐阜上映会が、岐阜CINEX、シネックスマーゴ、イオンシネマ各務原にて行われました。その岐阜CINEXでの上映後の舞台挨拶の模様をレポートします。(後編はコチラ

 

 

司会(岐阜新聞映画部):3年ほど前にプロデューサーから、郡上八幡で滝藤さんを主演に映画を撮るというお話をうかがって、私ども岐阜新聞映画部も一緒にやらせていただくことになりました。コロナ禍で撮影が1年延び、やっと完成して今年から公開という運びになりました。

今回は、全国公開に先立って、愛知県・岐阜県の各3館の映画館での舞台挨拶になります。ではゲストをお呼びします。(写真左から)まずは、地元のアイドルスター、永田薫さんです。池田町出身、松原智恵子さんです。続きまして、滝藤賢一さんです。そして、郡上八幡出身、地元の女優さんであります市ノ瀬アオさんです。この映画で監督デビュー作になります田中和次朗監督です。

 

司会:それでは、みなさまから一言ずついただきます。まず滝藤さん、よろしくお願いします。

 

滝藤:みなさん、こんにちは。滝藤賢一です。この映画はコロナで1年延期になって、ほんとに撮れるかどうかもわからなかった映画なので、今日はみなさんにお届けすることができて、とても嬉しいです。今日は短い間ですけど、楽しんでいってください。

 

司会:次に松原さん、よろしくお願いします。

 

松原:みなさま、こんにちは。松原智恵子でございます。なっちゃんの母親役の松原智恵子です。『ひみつのなっちゃん。』、面白かったと思うんですけど・・・すごく。(観客の顔色をうかがう松原さんに観客拍手)短い時間ですけど、何か質問などあったら聞いてください。

 

司会:では、永田さん、お願いします。

 

永田:スーパーの店員を演じさせていただきました永田薫です。僕は岐阜市出身で、この地元で舞台挨拶ができる、そしてここで自分が出た映画が放映されるということをほんとうに、とても嬉しく思います。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。

 

司会:それでは、市ノ瀬さん、よろしくお願いします。

 

市ノ瀬:みなさん、こんにちは。坪井博子役を演じさせていただきました市ノ瀬アオです。私は地元が郡上八幡なので、こうして地元で、ここに立つことができてとても光栄です。今日はよろしくお願いします。

 

司会:では、田中監督、よろしくお願いします。

 

田中:脚本と監督を担当しました田中和次朗と申します。私自身は郡上八幡が母方のふるさとでもあり、私も中学時代に住んだ場所でもあります。そういった場所で映画を撮影することができて、また上映することができてとても嬉しく思います。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。

 

滝藤さん「家の中でもずーっと女性のつもりで」

 

司会:このシナリオを最初に拝見したときに、「郡上八幡とドラァグクイーンってどういうこと?」とびっくりしたのですが、その発想は、田中監督のお母様が郡上八幡にお住まいになっているという土壌があってのことだったのですね。では、滝藤さん。ドラァグクイーン役ということでオファーがあったとき、どのように臨まれたのでしょう?

 

滝藤:最初にお話をいただいたとき、ぼくはLGBTQ+じゃないので、この役をやっていいのか、とても不安でしたね。それで監督とプロデューサーにお話を何時間もしていただいて、「安心してチャレンジしてください」ということだったので、喜んで受けさせていただきました。

 

司会:意外だったのですが、滝藤さんにとって初の主演映画だそうですが。

 

滝藤:なんか、ぼくも意外ですね。何百本と出させてもらっていますから、そんな初主演なんて・・・、言われたら「ああ、そうか」という感じでしたね。

 

司会:滝藤さんの演技はどの役も個性が強いですが、いつの間にか見ている間にリアリティを持って演じられているのでスッと入ってきます。今回はほんとうに綺麗で美しくて。郡上八幡でのロケで初めてごあいさつしたときも、完全に女性でしたね。普段から役に入っていらっしゃったのですか。

 

滝藤:もう何カ月も前からずーっと家の中では始めていましたね。女性よりも女性らしく、デフォルメというかオーバーアクトでないと、女性には全く見えなかったですよ。ちょっと気を抜くと、撮影中でも背中が男になっていたりしたので。とにかく一回もスイッチを切ることなく、ずーっと女性のつもりでいました。

 

松原さん「監督のお母様の岐阜弁を聴いて勉強しました」

 

司会:では、松原さんにお聞きします。なっちゃんのお母さん役でしたけれども、まさか息子のカンニング竹山さんが一言もセリフもなく演じられて、やはり難しい役どころではなかったかと思います。いかがでしたでしょうか。

 

松原:そうですね、最後のお葬式のシーンでしか息子には会えませんでした。息子から「連絡がなかったら死んだと思え」って言われていましたので、全然連絡がないから東京のアパートを訪ねたときに、滝藤さんが演じるバージンさんたちがいらして。それで、お話をうかがっているうちに多分(息子がオネエでドラァグクイーンであることに)気がついていくのではないかと思ったのですけれど。監督、あれで良かったのですか?

 

田中:はい、ほんとに気付いているのかな、気付いていないのかなという感じで演じてくださって、素晴らしかったです。

 

司会:母親としてある程度はわかった上でという、ものすごく懐の狭いところをうまく表現されていたと思います。それに、松原さんの岐阜弁は優しい印象で、あの岐阜弁を聞くと、ほんとうにホッとします。

 

松原:岐阜弁、大丈夫でしたか?(観客拍手)ありがとうございます。監督のお母様が、わたしの言う岐阜弁をテープに録音してくださって、それを聞いて練習しました。

 

田中監督「温かいキャラクターの中で、主人公たちが困難を乗り越える姿を描きたかった」

 

司会:それでは、監督にお聞きします。この映画は、マリリン・モンロー主演の映画『お熱いのがお好き』のイメージもあるのではないかと思ったのですが、どんな想いで描かれたのでしょうか。

田中:『お熱いのがお好き』は人生ベストワンの映画で、コメディの金字塔ですね。今作のロードムービーの「どこかに向かう」「何かのふりをする」といった素地にあるものは、そうした名作からインスピレーションを受けたものだと思います。そういえば、いちばん最初に「こういう映画をつくります」と言ったときに、『お熱いのがお好き』の写真を貼っていたのを思い出しました。

 

司会:そこまでお好きな映画でしたか。あの映画にも悪人が出てきませんし、『ひみつのなっちゃん。』にも悪人が出てこないですよね。

 

田中:悪い人が出てこない映画は難しいんですけどね。悪い人が出ると「倒して気持ちいい!」ということもあると思うんですけれども。今作では、温かいキャラクターばかりの中で、主人公たちが困難にどう乗り越えるのか、そういったドラマを難しいながらもしっかり描いていきたいという想いで脚本を書きました。

 

司会:この映画は1月13日から全国ロードショーになります。監督デビュー作にして、なんと全国100館超えのスタートを切るということで、すごいことですね。

 

田中:前例を知りません、という話で・・・。

 

司会:私もあまり聞いたことないです。岐阜新聞映画部でいろんな映画関係者の方をお迎えしてイベントを開催しているのですが、ほんとうにご苦労されて一つずつ館を増やしていくという方が多い中で、いきなり100館超えというのはすごいことです。

 

田中:ほんとうにみなさんに支えられて、映画自体、キャストとスタッフが一致団結してつくったものですので、こうして多くの方に見ていただける機会があるということをとても光栄に思います。

 

永田さん「監督の要望通りに、とにかくカッコよく」

 

司会:では、永田さんにお聞きします。スーパーマツオカの店員というワンポイントでの出演でしたが、「こんなにカッコいい店員いるの?」と、あのワンポイントであれだけの印象を残すというのは素晴らしいと思います。(観客の笑い声)

 

永田:すごく笑い声が聞こえますけど・・・。笑い声が起こるということはインパクトが少しはあったのかなと思います。でも、監督からも「イケメンのスーパーの店員でいてくれ」「滝藤さんを落とす、ドキドキさせる勢いで撮影してくれ」という要望があったので、とにかくカッコよくいようと。

 

司会:実は、昨年の新宿ピカデリーでの完成披露上映会のときに、新宿二丁目のオネエの方々がいらしていて、永田さんのシーンでテンションがすごく上がったのですね。二丁目のみなさんも唸らせた永田さんの力はほんとうにすごいと思いました。

 

永田:じゃあ、いつでも行けますね、新宿二丁目に(笑)。シーン的には少なく、撮影期間も1日で終わったんですけれども、滝藤さんたち主演のみなさんは、他のいろんな撮影をした後で、ぼくとのスーパーでのシーンを撮影したので、そのころには出来上がっていて、ほんとうに滝藤さんが女性に見えました。カメラが止まってる間の休憩の時間も、女性のようなしぐさで待っていらっしゃって、ほんとうに美しいなと思いながら見ていましたね。

 

司会:先日は、ぎふチャンラジオにも出演していただいて。

 

永田:そうですね、いろいろお話させていただきました。他の番組でも松原さんや滝藤さんと一緒に出演して、滝藤さんの行きつけの服屋さんや、松原さんのご実家のとなりのカフェへ、ぼくがロケをしに行って、プライベートの松原さんをお聞きしたり、いろいろやらせていただきました。

 

市ノ瀬さん「郡上は川がきれいで、自然の豊かなまちです」

 

司会:では、市ノ瀬さんにお聞きします。市ノ瀬さんは普段は821(ハニー)というガールズユニットでご活躍されていて、ホリプロタレントスカウトキャラバンに合格されました。映画を観ていて、郡上の民宿でのシーンで登場されたときは、「この方は郡上にはいない人だな」と思ったんのですが、ほんとうに郡上ご出身だったのですね。郡上の方、ごめんなさいね。でも、それだけ、あの登場シーンはインパクトがありました。撮影の印象はいかがでしたでしょうか。

 

市ノ瀬初めての映画出演で、演技もほぼ初めてで、初めて現場に行って、すごい緊張してたんですけれども、すっごい大先輩の演技を見てお勉強もできました。あと、実家から現場まで行ったんですけれど、ほんとに郡上の民宿で撮影をしていて、まさかこんなところに自分が出れるなんて、って驚きでした。

 

司会:初出演の映画で、ご実家にロケ地として戻り、ご実家の近くで撮影をされた。それも不思議な感じですね。

 

市ノ瀬:不思議でした。撮影には母だったり、塾の先生も見に来てくれました。

 

司会:いいですね、そういうのが最高です。市ノ瀬さんから見て、郡上はどういうまちでしょうか。

 

市ノ瀬:撮影した民宿の目の前に川があったんですけど、すっごい綺麗ですし、自然の豊かなまちです。

 

松原:郡上八幡城も良かったです。昔ながらのお城で、ギシギシギシギシといいながら天守閣まで登りました。お城があるとは思わなかったですから嬉しくなって。

 

司会:映画でもワンカット出てきますけれども、ほんとうに雲に霞んで美しいお城ですね。市ノ瀬さんもお城は何度も登ったんですか。

 

市ノ瀬:いや、1回ですね。

 

司会:1回・・・(笑)。皆さんありがとうございます。つづいて映画の背景について詳しくお伺いいたします。

 

(後編に続く)→コチラ

 

映画 「ひみつのなっちゃん。」

 

2023年1月13日(金)より、新宿ピカデリー他で大ヒット上映中!

 

◆キャスト・スタッフ

滝藤賢一

渡部 秀 前野朋哉 カンニング竹山

豊本明長 本多 力 岩永洋昭 永田 薫 市ノ瀬アオ(821) アンジェリカ

生稲晃子 菅原大吉 ・ 本田博太郎

松原智恵子

 

脚本・監督:田中和次朗

 

主題歌:「ないしょダンス」渋谷すばる

 

製作:東映ビデオ 丸壱動画 TOKYO MX 岐阜新聞映画部

ロケ協力:岐阜県郡上市 ドラァグクイーン監修:エスムラルダ

配給:ラビットハウス 丸壱動画

©2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

 

公式サイト:himitsuno-nacchan.com

公式twitter:@HimitsuNacchan