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投稿者:

ZYAO22編集部

セルフハンディキャッピングとは?メリット・デメリットや具体例を徹底解説

仕事には、成功だけでなく失敗もつきものです。しかし、失敗を前向きに捉えられず、「〇〇だから失敗した」と言い訳をしてしまい、自己嫌悪に陥った経験がある人もいると思います。

 

失敗から自尊心を守ろうとする行動であるセルフハンディキャッピングは、克服することが可能なため、セルフハンディキャッピングをやめたいと考えている人はご紹介する方法を試してみるといいでしょう。

 

セルフハンディキャッピングのメリットとデメリット、克服する方法を解説します。

 

セルフハンディキャッピングとは

セルフハンディキャッピングとは、失敗の原因が外部にある状況を自分で作り出し、自尊心を守ろうとする行動のことです。

 

セルフハンディキャッピングは、アメリカの心理学者であるスティーブン・ベルグラスとエドワード・ジョーンズによって提唱された理論で、「自分にハンデを課すこと」と言い換えられます。

 

セルフハンディキャッピングと類似した言葉に、自分がやるべきことから意識的に目を背ける「現実逃避」があります。セルフハンディキャッピングと現実逃避は、ともに、心理的負担から身を守る自己防衛反応といえます。

 

2種類のセルフハンディキャッピングと具体例

セルフハンディキャッピングには、「獲得的(遂行的)セルフハンディキャッピング」と「主張的セルフハンディキャッピング」という2つの種類があります。

 

それぞれの意味と具体例を紹介します。

 

獲得的(遂行的)セルフハンディキャッピング

獲得的(遂行的)セルフハンディキャッピングとは、失敗したときの言い訳になるようなハンデを自分に課すことです。

 

ハンデを課した状態で失敗したとしても、「準備していなかったから」「練習していなかったから」と言い訳でき、自尊心を守れます。

 

一方で、成功した場合には、「全力を尽くさなくても成功した」という事実から、自己評価を高められます。

 

【獲得的(遂行的)セルフハンディキャッピングの例】

  • 自ら多くの業務を抱え込み、納期が近い業務を達成できなかった際に、「自分の業務量が多かった」ことをできなかった言い訳にする。
  • 試験前日に遊びに行き、試験に落ちた際に、「前日に遊んでいた」ことを試験に落ちた言い訳にする。

主張的セルフハンディキャッピング

主張的セルフハンディキャッピングとは、自分にはハンデがあると言葉に出して主張し、予防線を張ることです。

 

主張的セルフハンディキャッピングは、ハンデが自分自身にあるケースと、外部からもたらされたケースがあります。

 

【主張的セルフハンディキャッピングの例】

  • 「体調が悪くて仕事に身が入らなかった」「忙しくて試験勉強があまりできなかった」と言い訳する。
  • 「上司の指示が曖昧で上手く業務を進められなかった」「急な来客があって準備できなかった」と外的要因を言い訳にする。

セルフハンディキャッピングの原因

セルフハンディキャッピングが起きてしまう原因には、過去の失敗の経験や失敗に対する不安などが挙げられます。

 

セルフハンディキャッピングの原因を解説します。

 

過去の失敗の経験

セルフハンディキャッピングは、過去に失敗の経験があると生じる可能性があります。

 

例えば、「一生懸命頑張ったけどノルマを達成できなかった」「自信をもって発表した企画を一蹴された」など、失敗して嫌な思いをしていると、自己防衛のために言い訳となる事柄を考えてしまうかもしれません。

 

失敗に対する不安

自分に自信がない人は、失敗に対する不安からセルフハンディキャッピングを起こすことがあります。

 

資格をもっているから、〇〇の経験があるからと頼まれた業務に対して、「失敗したら恥ずかしい」「成功しなかったら失望されるかもしれない」などと感じ、成功しなかった場合の言い訳としてセルフハンディキャッピングを考えてしまうでしょう。

 

他者の評価を気にしている

セルフハンディキャッピングを行う人は、他者の評価を気にしすぎる傾向にあります。

 

他者の評価を過剰に気にする性質は、自尊心の低さが関係していると考えられており、失敗して評価が下がることを恐れて挑戦を避けたり、成功しないと決めつけたりするため、セルフハンディキャッピングが起こりやすいです。

 

セルフハンディキャッピングのメリット

セルフハンディキャッピングの意味を知ると、あまりよくない印象を受けるかもしれませんが、メリットもあります。

 

セルフハンディキャッピングのメリットを解説します。

 

自信を持てる

あらかじめセルフハンディキャッピングによって失敗したときの言い訳を用意しているため、失敗した際に「〇〇だったから失敗したんだ。××だったら成功したはずだ」と考えられ、自信を喪失せずに済みます。

 

成功した場合には、「やっぱり自分は仕事ができるんだ」と自信を持てるでしょう。

 

プライド・自尊心を守る

セルフハンディキャッピングが作用することで、失敗した際に「自分はダメな人間だ」「情けない人間だ」などと、自分に対してマイナスな感情が発生するのを抑えることができます。

 

プライドや自尊心が守られると、自分を卑下することがなくなるため、自信の維持につながるでしょう。

 

心を守る・精神的に落ち着く

セルフハンディキャッピングによって、失敗したときの心理的負担を軽減できるため、自分の心を守ったり、精神的に落ち着けたりします。

 

人は、失敗したときに、恥ずかしさや悔しさから心が荒れたり、沈んだりすることがあります。しかし、セルフハンディキャッピングで予防線を張ることで、「やっぱり失敗した」という状況を作れるため、精神的ダメージを軽減できるでしょう。

 

セルフハンディキャッピングのデメリット

セルフハンディキャッピングはメリットがある一方で、自分や周りに対してデメリットを生じさせる恐れがあります。

 

「セルフハンディキャッピングが多い」と感じている方は、注意が必要です。

 

目的の達成確率がさがってしまう

目的を達成することよりも、言い訳をして「自己をどう守るか」に意識が向いてしまうセルフハンディキャッピングは、目的の達成確率を下げてしまうかもしれません。

 

自分が失敗しない状況を作るためにそもそも挑戦することを控えたり、失敗しても仕方ないと思われるために言い訳ばかりしたりすると、周りから仕事を任されなくなるなどして成長の機会を失うことになりかねないでしょう。

 

周囲の人から悪印象を持たれる

「できなかったときの言い訳」になりえるセルフハンディキャッピングは、周囲の人から「言い訳が多い人」「成長が見られない人」などの悪印象を持たれる恐れがあります。

 

例えば、失敗しても言い訳せずに努力を重ねる同僚と、失敗するごとに「忙しかったから」「体調が悪かったから」と言い訳をする同僚がいた場合、前者のほうが信用できると感じられます。

 

そのため、セルフハンディキャッピングは、職場での円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築に悪影響を及ぼす恐れがあるといえるでしょう。

 

言い訳が増える

セルフハンディキャッピングは、言い訳を作ったり考えたりして自己防衛する行動のため、日常的に言い訳が多くなる可能性があります。

 

言い訳が多くなると、何でも言い訳して全力で挑戦しなくなったり、周囲の人に「言い訳がましい」とマイナスな印象を与えたりするかもしれません。

 

向上心が下がる

「成功すること」ではなく「失敗すること」を意識しているセルフハンディキャッピングばかりしていると、向上心が下がると考えられます。

 

向上心とは、「成長しようとする思い」や「努力する心」を意味する言葉のため、セルフハンディキャッピングによってあえて努力を避けていると、向上心を失ってしまう恐れがあるでしょう。

 

セルフハンディキャッピングの克服・対策方法

セルフハンディキャッピングが多いと感じている人は、克服するための対策を実践してみると、効果があるかもしれません。

 

セルフハンディキャッピングを克服する方法をご紹介します。

 

成功したときをイメージする

セルフハンディキャッピングを克服する方法のひとつとして、成功したときをイメージすることが挙げられます。

 

自分が失敗することばかりに意識を向けていては、業務に対する意欲が削がれ、成功が遠のき、失敗する可能性のほうが高まると考えられます。

 

成功したときをイメージすると、自分のモチベーションが上がったり、成功した自分に対する期待が高まったりして、前向きに業務を進められるようになるため、失敗したときの言い訳を考えることがなくなるでしょう。

 

失敗を恐れない

失敗を恐れずに何事にも挑戦すると、セルフハンディキャッピングを克服できるかもしれません。

 

セルフハンディキャッピングが生じる人は、周りからの評価を気にするあまり、失敗を恐れて挑戦を避ける傾向にあります。しかし、挑戦して失敗したことに対して、「挑戦したことが素晴らしい」と感じてくれる人もいるかもしれませんし、そもそも、周りは自分のことをそこまで見ていないとも考えられます。

 

「挑戦する自分はえらい」「失敗も自分の糧になる」「周りは自分のことを見ていない」と思うことで、挑戦する意欲が湧いてくるでしょう。

 

成功体験を増やす

成功体験を積み重ねると自分に自信がつき、失敗ではなく成功に焦点をあてられるようになるため、セルフハンディキャッピングの克服につながります。

 

セルフハンディキャッピングは、自分に自信がない人が陥りやすいです。自信をつけるには、成功体験を増やすことが効果的と考えられるため、まずは小さな成功を積み重ねていきましょう。

 

例えば、企画書を予定より一日早く提出する、会議で自分の意見を一度でも発言してみるなど、自分ができることから取り組んでみることをおすすめします。

 

失敗しても言い訳をしない

失敗しても言い訳をしないように意識しましょう。

 

失敗してしまった際には、「○○だから失敗しても仕方ない」と言い訳して失敗を正当化するのではなく、「スキル不足だったからスキルアップを図ろう」「上手く説明できなかったからロープレをしよう」など、次につなげるための行動を考えるといいかもしれません。

 

言い訳が浮かんだり、口に出したりしそうになったら、ポジティブな言葉に変換してみましょう。

 

セルフハンディキャッピングを制してより多くの成功体験を

セルフハンディキャッピングは、自分に自信がなかったり、周りの評価が気になったりするために、失敗したときの予防線を張る行動のことです。

 

セルフハンディキャッピングは自分の自尊心を守れる一方で、周りから悪い印象を抱かれたり、自分が成長できなかったりというデメリットもあります。

 

業務に意欲的に取り組み、自分が成長するためにも、成功体験を積んだり何事にも挑戦したりして、セルフハンディキャッピングを克服していきましょう。

 

エンモジ

記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/

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