文章力とは?文章力がある人とない人の特徴とトレーニング方法を紹介!
「文章力の高さには頭の良さが関係ある」「文章力がない原因は頭が悪いからだ」などと考えている人もいるかもしれませんが、文章力には頭の良さはあまり関係ないといえるでしょう。
文章力はトレーニングによって鍛えられるため、文章力がないことに悩まれている人は、ご紹介するトレーニングを実践してみることをおすすめします。
文章力の意味や文章力に必要な力、文章力を鍛えるトレーニング法について解説します。
目次
文章力とは
文章力とは、自分が伝えたいことを相手が理解しやすいように伝える力のことです。
日常には、チラシや新聞、インターネット記事、書籍、メール、ビジネス文書など、さまざまな用途で文章が使われていますが、いずれも、読み手に合わせた読みやすい文章を意識して作成されています。
例えば、ビジネスメールの場合は、冒頭に簡潔な用件、次に詳細を書くと、忙しい相手がすぐに用件を把握できたり、言いたいことのゴールが分かるため詳細を理解しやすくなったりして、円滑なコミュニケーションを取れるでしょう。
文章力を上げると、自分の言いたいことが的確に相手に伝わったり、文章の修正の手間が減ったりするメリットがあります。
文章力に必要な力
読み手が理解できる文章を書くためには、「構成力」「論理力」「表現力・語彙力」「発想力」「注意力・校正力」の5つの能力が大切です。
それぞれの能力について解説します。
構成力
構成力とは、相手が理解できるように筋道を立てて、伝えたいことを組み立てていく能力です。
例えば、新サービスの説明をする際に、メリットやデメリットからではなく、まずは概要を伝えたほうが、初めてサービスに触れる相手は理解しやすいでしょう。相手の立場になって、相手が理解しやすいと思われる順番で文章を書くことが大切です。
論理力
論理力とは、情報を矛盾なく的確に伝える能力のことです。5W1H(When:いつ、Where:どこで、Who:だれが、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)を活用すると、相手に明確な情報を伝えやすくなります。
例えば、会議の開催を伝える際には、「いつ」「どこで」「誰が」がないと、日時や場所、参加者が分からず、相手を困惑させてしまいます。ビジネスにおいて、論理的な文章は、スムーズな業務につながるといえるでしょう。
表現力・語彙力
表現力は、相手の感情を動かしたいときや、情景を的確に表したいときに必要な能力です。例えば、「教室が静かになった」よりも「教室が水を打ったように静かになった」と表現したほうが、静寂さが際立ちます。表現力は、分かりやすさが求められるビジネス文書などより、小説などでより活用できるでしょう。
語彙力は、知っている言葉の多さや、知っている言葉を使いこなせる能力のことです。難しい言葉を使うと、読み手によっては理解できない場合があるため、読み手の年齢などに考慮して文章を書くことが大切です。
発想力
発想力は、テーマやアイデアを生み出す際に必要な能力です。
面白いテーマやアイデアを文章にすると、文章力が優れていなくても読み手の関心を強く引ける可能性があります。企画書などの場合は、上司に最後まで目を通してもらえて、採用されるかもしれません。
相手に文章を読んでもらうためには、読み手の理解を促したり、読み手を気遣ったりする表現を用いることが大切です。
例えば、専門用語ばかりの文章は、専門的な知識を持っている人しか理解できない恐れがあるため、専門用語の解説を併記したり、専門用語を使わず、誰でも理解しやすい表現を用いたりすると、読み手は読みやすさを感じます。
注意力・校正力
注意力と校正力は、誤字脱字や不快表現をなくし、読み手に最後までスムーズに文章を読んでもらうために重要な能力です。
分かりやすく内容がまとめられた文章でも、誤字脱字や誤った表現があると、読み手は引っかかりを覚え、スムーズに読むことが難しいと考えられます。また、差別的な表現などがあると、傷ついたり、不快感を抱いたりする読み手もいるでしょう。
読み手に気持ちよく文章を読んでもらうためにも、文章を書いたあとは注意力と校正力を駆使してチェックすることが求められます。
文章力がある人・ない人の特徴
文章力の有無は、文章を読むと分かります。
文章力がある人とない人の、それぞれ特徴について解説します。
文章力がある人の特徴
文章力がある人には、次のような特徴があります。
- 伝えたいことが明確
- 誤字脱字や文法の誤りがない
- 必要であれば図表を利用する
文章力がある人は、伝えたいことが明確です。ビジネスにおいては、誤解や混乱を招かないために、必要なことのみを伝え、冗長な表現や回りくどい言い回しを使用しないことが望ましいです。
また、ビジネスメールなどで情報を十分に伝えられなかった場合、相手に質問の手間を生じさせる恐れがあるため、文章だけでは不足だと感じた場合は、図表を活用し、相手に理解してもらえるよう工夫を施します。
文章力がある人の文章には、誤字脱字や文法の誤りがないことも特徴として挙げられるでしょう。誤字脱字や文法の誤りは、相手に不信感や読みづらさを与える恐れがあります。
文章力がない人の特徴
文章力がない人には、次のような特徴があります。
- 一文が長い
- 内容を詰め込みすぎ
- 伝える情報が不足している
- 「こそあど言葉」を多用している
- 主語と述語が一致していない
一文が長かったり、内容を詰め込みすぎたり、主語と述語が一致していなかったりすると、読み手は読みづらさを感じ、書き手が伝えたい内容を迅速に理解できない恐れがあります。
また、「こそあど言葉」(これ、それ、あれ、どれ)を多用すると、指示語が指している語句が分かりづらくなり、読み手に文章を読み返すなどの手間が生じるかもしれません。そのため、「こそあど言葉」は必要最低限の使用に留め、なるべく名詞を使いましょう。
伝える内容が不足している場合は、必要な情報が相手に伝わらず、再度確認の手間を取らせることが考えられます。ビジネスにおいては、トラブルのもとになったり、まとまりかけていた契約が白紙に戻ったりする恐れもあるでしょう。
文章力を鍛えるトレーニング法
文章力は、毎日のトレーニングや日々の習慣によって、向上させることが可能です。
文章力を鍛えるトレーニング方法についてご紹介します。
本や記事など様々な文章を読む
文章力を鍛えるには、本や記事などの様々な文章を読み、構成や表現、言葉などを自分の知識として得たり、参考にしたりすることをおすすめします。
本や記事などは、読み手が理解しやすいような文章で書かれているため、多くの文章を読むことで「読み手が理解しやすい文章の書き方」が分かるでしょう。様々な文章を読むと、同音異義語の漢字も使い分けられるようになるかもしれません。
また、様々な文章のなかでも、特に小説を読んだ場合は、難しい漢字の読みの知識も蓄積されるでしょう。
まずは短い文章から書いてみる
まずは短い文章から書いて、文章を書くことに慣れていきましょう。文章を書くことに慣れていない人が、最初から長文を書こうとすると、書き方が分からず挫折してしまう恐れがあります。
そのため、日々の思いや出来事を短文でいいのでノートやブログ、SNSなどに日常的に書き、文章を書くこと、読み返して添削し、精度を上げていくことを繰り返し、文章力を鍛えましょう。
人と話して構成力を身に付ける
物事を順序立てて整理する構成力は、人と話すことで身に付けられる可能性があります。人に話をする際にも、文章で伝える場合と同様に、伝える順番を意識しなければ相手に分かりやすく伝わらないかもしれません。
同僚や上司と世間話などをして、聞き返された部分があった場合は、適切な構成で相手に話せていない恐れがあるため、分かりづらかった部分をヒアリングし、参考にするといいでしょう。
分からない言葉を調べて表現力・語彙力の幅を広げる
日常で触れる文章のなかに、分からない言葉や使い方に疑問を感じた言葉があった場合は、納得するまで調べることで表現力や語彙力の幅を広げることにつながります。
分からない言葉を調べることで、自分の知見を広げられるため、文章を書くときに様々な言葉で伝えたいことを表現できるようになるでしょう。
使い方に疑問を感じた言葉を調べると、自分の認識が誤っていたということもありえるため、知識のアップデートにつながります。
文章を書き出す前に構成を考える
思いつくままに文章を書くと、内容がまとまらず、伝えたいことがよく分からない文章になる恐れがあるため、文章を書き出す前に構成を考えることが大切です。
例えば、新商品についての説明をする場合は、「新商品の概要」「新商品と従来品の違い」「新商品の機能」「新商品のオプション」などを書くことが考えられます。伝えたい内容を洗い出し、相手がスムーズに理解できるような順序に構成を整えてから、文章を書き始めるようにしましょう。
自分の文章を第三者に添削してもらう
自分の文章を第三者に添削してもらうと、自分の文章の改善点に気付けるため、文章力向上の参考になります。
主語と述語の不一致や文法のミス、誤字脱字など、自分のミスの傾向が分かることで、注意力が足りない、正しい文法の知識が不十分など、自分の不足している部分が明確になります。
また、文章力が高い人に添削をしてもらうと、よりよい書き方をアドバイスしてもらえる可能性もあるため、相手にさらに伝わりやすい文章を書けるようになるでしょう。
文章が上手い人の文章を参考にする
自分よりも文章が上手い人の文章を参考にすると、読み手が理解しやすい文章を書ける可能性があります。
例えば、相手に箇条書き形式で示している文章を理解しやすいと感じた場合は、伝えたい内容に応じて箇条書きを取り入れるといいでしょう。
PREP(プレップ)法を用いて書かれている文章もあります。PREP法とは、「結論」「理由」「例」「結論」の順に文章を書く方法のことで、相手に説得力をもたせて物事を伝えることができます。PREPは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)の略称です。
PREP法のような書き方を取り入れることも、文章力向上につながるかもしれません。
まとめ
文章力とは、相手に自分が伝えたいことを分かりやすく伝える能力のことで、毎日のトレーニングで鍛えることができます。
文章力が高い人は、語彙力や表現力が高かったり、伝えたいことが明確であったりするため、相手が理解しやすく、スムーズな取引や良好な人間関係構築につながるでしょう。
ぜひご紹介したトレーニング法を実践して、向上した文章力をビジネスシーンなどで活かしてください。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)