記憶力アップのための習慣と記憶法16選|食べ物や飲み物の生活習慣から記憶法まで紹介します。
記憶力は加齢とともに衰えるものと思っている人も多いかもしれませんが、トレーニングによって予防できたり、記憶力アップをはかれたりする可能性があります。
記憶力アップには習慣の改善や記憶法の工夫が効果的なため、記憶力を上げたいと考えている人はぜひ日常に取り入れてみてください。
記憶のメカニズムや記憶力アップのための習慣と記憶法について解説します。
記憶力とは
「記憶力」とは、物事を覚えておく力のことです。
「記憶力」に類似した言葉に「暗記」がありますが、「暗記」とは覚えることを指すため、意味が異なります。
記憶のメカニズムや記憶力が低下する原因について解説します。
記憶のメカニズム
人間は、「記銘」「保持」「再生」という過程を経て物事を記憶します。「記銘」段階で情報を得て、「保持」段階で何度も復習して覚えようとし、「再生」段階で記憶した内容を思い出します。
また、記憶には「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3種類があります。
- 感覚記憶……数秒間だけ保持される五感で得た情報の記憶
- 短期記憶……一時的に保持される情報の記憶
- 長期記憶……長期にわたり保持される情報の記憶
例えば、感覚記憶は「いま嗅いだにおい」、短期記憶は「試験対策で覚えたが試験終了後に忘れてしまった単語」が該当します。
長期記憶はさらに「陳述記憶」と「非陳述記憶」の2種類に分けられ、単語や数式など頭で覚えたことや体験したエピソードなどは「陳述記憶」、自転車の乗り方など身体で覚えたことは「非陳述記憶」と呼ばれます。
物事の情報を長く保持するには、感覚記憶や短期記憶を長期記憶に移行することが大切です。
記憶力が低下する原因
記憶力が低下する原因として、加齢による認知機能の衰えや睡眠・運動不足、うつ病などが挙げられます。
記憶力が低下する原因はさまざまですが、生活習慣の改善やトレーニングによって予防や記憶力のアップをはかれる可能性があるため、習慣から変えていくと効果的かもしれません。
記憶力アップのための習慣
記憶力を高めるには、次のような習慣をつけるといいでしょう。
- 十分な睡眠時間を確保する
- 早寝早起きをして朝型の行動タイプになる
- 記憶力が上がる食べ物をとる
- 食べ物はよく噛んで食べる
- 日常的に運動する
- 趣味の時間を確保する
- 瞑想を行う
- 他者と積極的にコミュニケーションする
- 興味・関心を高め、好奇心をもつ
- 脳トレ関連のゲームや本に挑戦する
具体的にご紹介します。
十分な睡眠時間を確保する
脳は、人の睡眠中に記憶の整理を行うため、睡眠不足だと記憶の定着が難しいといわれています。また、睡眠不足の状態では、物事に対する集中力が続かず、覚えようという意欲も湧かない可能性が高いです。
そのため、記憶力に悪影響を及ぼさないように、質が高くて十分な睡眠時間を確保することが大切です。
早寝早起きをして朝型の行動タイプになる
朝起きてからの3時間は、「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、脳が最も効率的に働く時間だといわれています。
早寝早起きをして朝方の行動タイプになれば、例え同居人がいても寝ている可能性が高く、自分のやりたいことに集中して取り組めるため、勉強などの効果を高められるでしょう。
記憶力が上がる食べ物をとる
食べ物のなかには、記憶力が上がるものもあります。
例えば、下記の食べ物が挙げられます。
- 青魚(サバ、サンマ、イワシなど)……DHA
- バナナ……ビタミンB1、糖質
- チョコレート……糖質、ポリフェノール
- 豚肉、大豆……ビタミンB1
記憶力を高めるには、脳のエネルギー源である糖質や、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、脳の情報伝達をスムーズにするDHAなどが必要です。また、ポリフェノールには記憶力向上の効果があるといわれています。
記憶力向上に必要な栄養素のある食べ物を食べると効果が期待できますが、偏った食生活は身体に不調をきたす恐れがあるため、適量を摂ることが大切です。
食べ物はよく噛んで食べる
食べ物をよく噛んで食べることは、記憶力アップにつながる可能性があります。
食べ物をよく噛むことによって、脳に情報や刺激が伝わり、認知力や記憶力をつかさどる前頭前野や海馬が刺激されるため、脳が活性化され、認知力や記憶力がアップするといわれています。
よく噛むことは、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」の分泌も増やすため、心の安定も期待できるでしょう。
日常的に運動する
日常的な運動は、記憶力をつかさどる海馬の活性化につながり、記憶力を向上させる効果があります。
運動は、筋力トレーニングよりも有酸素運動のほうが効果的だといわれています。毎日の運動が難しい場合でも、週に数日、数分間だけでも行うほうが脳によい影響を与えるそうです。
また、激しい運動のあとのほうが記憶力の向上に効果的という研究結果もあるため、試験勉強などは運動のあとにしたほうが情報を覚えやすいかもしれません。
趣味の時間を確保する
記憶力をアップさせる習慣として、趣味の時間を確保することも挙げられます。
自分が好きなことに取り組むと、脳に刺激が与えられ活性化されます。また、好きなことに打ち込むことで、ストレス軽減にもつながるでしょう。
勉強ばかりに取り組むのではなく、趣味の時間を確保して楽しみましょう。趣味がないという人は、家族や友人の趣味を一緒にやってみると、自分の好きなことを発見でき、趣味にできるかもしれません。
瞑想を行う
瞑想は、記憶力や認知力を向上させる効果があるといわれています。
また、瞑想を行うと副交感神経が優位になり、リラックスできるため、ストレスの軽減や睡眠の質が向上する効果も得られるでしょう。
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他者と積極的にコミュニケーションする
他者と積極的にコミュニケーションをとると、脳が活性化されるため、記憶力アップにつながるでしょう。
人とのコミュニケーションは、相手の話を聞いて言葉を返したり、自分の話を伝わるように話したりなど、頭を使います。
特に、相手が初対面の場合は、家族や友人よりも話題を考えるなどして頭を使うため、より脳の活性化が期待できます。
興味・関心を高め、好奇心をもつ
物事に対する興味や関心を高めると、記憶しやすくなるかもしれません。
人は、自分が興味のある情報を覚えやすいため、好奇心をもち、覚えたい物事を積極的に覚えようとすると、より記憶の定着をはかれる可能性があります。
脳トレ関連のゲームや本に挑戦する
記憶力を高めるには、脳トレ関連のゲームや本に挑戦することも効果的でしょう。
脳は、使わないと衰えていくといわれているため、脳を鍛えるゲームや本を使って記憶力を鍛えることをおすすめします。
脳トレをスマホアプリで行う場合は、長時間利用しないように注意が必要です。スマホを長時間利用すると、目に疲れが生じる恐れがあります。
また、スマホで脳トレ以外のアプリも立ち上げて複数の動作を同時に行なったり、情報過多の状態になったりすると、脳が疲れて記憶力の低下を招く可能性もあるため、適度な利用を意識しましょう。
記憶量が上がる記憶法
記憶量を増やすには、記憶法を工夫することをおすすめします。
記憶量増加につながる記憶方法として、次の6つが挙げられます。
- 覚えたいことを声に出す
- メモリーツリーを作る
- 「場所」と紐づけて覚える
- 覚えたいことのイラストを描く
- 語呂合わせなどのオリジナルの覚え方を”自分”で考える
- 覚えたことを自分なりにアウトプットする
記憶方法を具体的に解説します。
覚えたいことを声に出す
覚えたいことを声に出すと、視覚だけでなく喉や聴覚も刺激されるため、記憶にとどめやすくなる可能性があります。
自室など周りに迷惑にならない場所であれば、テキストを見るだけでなく、声に出して覚えるように意識するといいでしょう。
メモリーツリーを作る
記憶量を増やす方法として、メモリーツリーが挙げられます。メモリーツリーとは、テーマをひとつ決め、テーマに関連したことを木が枝葉を広げるように書き込んでいく方法です。
書き込んだ情報は、自分が覚えやすいようにイラストを描き添えたり、カラフルにしたり、年号の場合は語呂合わせを書いたりすると、視覚的に覚えやすくなりより効果的でしょう。
「場所」と紐づけて覚える
記憶したい情報を、自分がよく知っている場所と紐づけて覚えると、記憶できる可能性があります。
例えば、明日の仕事として「資料作り」「顧客訪問」「プレゼンテーション」を覚えておきたい場合、自宅の「寝室」「リビング」「浴室」と結びつけて、「寝室に資料が散らばっていて眠れない」「リビングで顧客が本を読んでいる」「浴室でマイクを握り歌っている」などとイメージすると、視覚的に覚えられ、忘れにくくなるでしょう。
「場所法」と呼ばれるこの記憶術は、古代ギリシャの時代から現代にいたるまで使われています。
覚えたいことのイラストを描く
覚えたいことのイラストを描くと、視覚的に覚えやすくなるため、記憶するのに効果的です。
イラストは、上手い下手や他者に理解されるかなどを気にする必要はなく、自分が分かれば問題ありません。
例えば、国名であれば国旗を描いたり、「鈴木」という人名であれば魚の「スズキ」を描いたりすると、覚えやすくなるでしょう。
語呂合わせなどのオリジナルの覚え方を”自分”で考える
年号や数字を覚えたい場合は、オリジナルの語呂合わせを考えることをおすすめします。
学校で教えられるような語呂合わせにこだわる必要はなく、自分で考え、覚えやすいと思える語呂合わせを覚えるといいでしょう。
語呂合わせを考える際は、言いやすく、リズミカルなものにすると覚えやすいかもしれません。また、インパクトがありイメージしやすい語呂だと、映像として記憶に定着しやすいです。
覚えたことを自分なりにアウトプットする
インプットとアウトプットはセットで行うと、より自分の記憶や知識として定着しやすくなるでしょう。
例えば、覚えたことを家族や友人に話したり、説明したりすると、自分のなかで情報が整理されるため、記憶しやすくなります。
また、一度覚えたことを反復することが記憶の定着に重要なため、覚えてから期間をおいて何度もアウトプットしましょう。
記憶力を上げて勉強や仕事に生かそう
記憶力アップには、習慣を見直したり、記憶法を工夫したりすることが効果的です。
忙しい日々を送っている人でも、食べ物をよく噛む、日常的に運動するなど、比較的簡単に取り組めるものもあるため、記憶力アップのためにできることから実践するといいでしょう。
現代はスマホひとつで何でも調べられますが、思い出せないからといってすぐに検索するのではなく、自分の力で思い出そうとすることも記憶力向上につながります。
脳の活性化や質のよい睡眠をとるために、スマホとの距離を適度にすることも意識するといいかもしれませんね。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)