【今日のアグリビト】大事に育てた小菊で必要な時に頼られる花農家でありたい。|揖斐川町 久瀬小菊農家 長屋建志さん
岐阜の農業を支える「アグリビト」にインタビュー。
今回は揖斐川町で久瀬小菊を生産する長屋 建志さんを紹介します。
子どものころから大事にしてきた菊を守りたい
揖斐川町久瀬地区で、祖父の跡を継いで10年ほど前から小菊を育てています。
おじいちゃん子で、勉強や木工など、たくさんのことを祖父に教わりました。中でも祖父が大切にしていたのが菊づくり。今では機械化が進んでいますが、昔はほとんど手作業で、祖父は夜中まで仕事することもありました。菊を大事にする思いを、子どもながらに感じていましたね。
久瀬地区では昔から小菊の栽培が盛んで山間部は西日が当たらず、昼夜の寒暖差があるため、発色が良く日持ちのする良い小菊が育ちます。平場では同じものはできないと思いますね。地域の特性を生かしたこの産業を守りたいです。
工夫をこらし、家族と力を合わせて花を育てる
5月から12月初旬と出荷時期の長い小菊は、90もの品種を入れ替えながら育てます。種類や気候の変動で少しずつ生育が違ってくるので、植える時期や肥料を変えるなど、常に工夫しています。手をかけて育てたものが評価される、必要な時に頼られる花農家でありたいと思います。
主に花を切るのは私と父、選別は妻と母が担当する家族経営。子どもが4人いますが、仕事ばかりでなかなか遊べないので、学童や保育園の毎日のお迎えだけは夫婦そろって行くようにしています。農業で家族を養っていくには規模の拡大も必要だと考え、機械化や栽培面積の拡大にも取り組んでいます。高齢のために畑をやめられた方に土地を譲ってもらうなどして、少しずつ栽培面積を広げています。
思いついた時に気軽に手に取ってもらえる「小菊」を届けたい
小菊は法要などでよく使っていただいていますが、大きな出来事がなくても、気持ちをリセットしたいとき、思い付いたときに仏壇やお墓に手を合わせに行くのもいいのではないでしょうか。そんなときに身近で売っている小菊を、気軽に手に取ってもらえたらうれしいです。