オープンクエスチョン・クローズドクエスチョンとは? 有効な場面やメリット・デメリットを紹介
ビジネスシーンや日常生活などで、相手と会話する際に会話のきっかけを掴めなかったり、会話が途切れて続けられなかったりして、気まずい思いをした人も多いかもしれません。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを活用すると、相手と円滑なコミュニケーションを取れる可能性が広がります。内容を理解し、実践することをおすすめします。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの例文やメリット・デメリット、有効なケースを解説します。
目次
オープンクエスチョンとは
オープンクエスチョンとは、相手に制約なく自由に答えてもらう質問方法です。
オープンクエスチョンをすると、相手は自由に回答できるため、相手の思考や感情などの多くの情報を引き出すことができるでしょう。
オープンクエスチョンのメリット・デメリット
オープンな回答を得やすいオープンクエスチョンには、メリットとデメリットがあります。
オープンクエスチョンのメリットとデメリットを解説します。
メリット
オープンクエスチョンは、相手の言葉で考えや思いを答えてもらえるため、予想もしなかった情報や、商品やサービスの改善に役立つようなヒントを得られる可能性があります。
また、自由な回答からさらに質問できるなど、話を深掘りしたり、得られた回答から新たな質問につなげたりできるため、会話が広がり、コミュニケーションが活性化するでしょう。
デメリット
オープンクエスチョンのデメリットは、自由な回答を求めることによって相手に心理的負担をかけてしまうことです。相手が意見を持っていなかったり、言語化するのが苦手だったりした場合、答えづらさを感じさせてしまいます。
また、質問の仕方によっては相手に正しく認識されず、本題と相違した回答が返ってくることも考えられるため、求める回答が返ってくるように質問の仕方を工夫する必要があります。
オープンクエスチョンの具体例
オープンクエスチョンは、相手が自由な回答をできる質問の仕方のため、「なぜ」や「どのように」などを用いて、回答が選択式ではないように質問をします。
【具体例】
・弊社の商品で良い点を教えていただけますか?
・なぜこの会社に就職しようと思ったのですか?
・表彰されたときどう思いましたか?
オープンクエスチョンのデメリットでも挙げたように、質問の仕方を工夫しないと意図しない回答が返ってくる恐れがあるため、場合によっては回答の範囲を狭める工夫も施しましょう。
【具体例】
・弊社の商品についてどう思いますか?
→曖昧過ぎて、参考になる回答を得られなかったり、相手がどう答えていいか悩んだりする恐れがある
・弊社の商品の不満な点を教えてください
→「不満な点」と回答の範囲を狭めているため、参考になる回答を得られやすく、相手も答えやすい
オープンクエスチョンが有効な場面は?
オープンクエスチョンは、相手の思考や感情を深掘りしたいときに有効です。オープンクエスチョンをすることで、相手の本音や考えを引き出せるため、さらに質問して深掘りし、相手についての理解を深められます。
一方で、初対面の人など、信頼関係が築けていない相手の場合は、本音を引き出すことが難しいかもしれません。
ただし、相手がコミュニケーションを苦手としていない場合は、初対面でもオープンクエスチョンを活用することで、円滑なコミュニケーションを取れる可能性があるため、有効なケースといえるでしょう。
クローズドクエスチョンとは
クローズドクエスチョンとは、二者択一などの選択式で相手に答えてもらう質問の仕方です。
クローズドクエスチョンは、「はい」「いいえ」、「A」「B」など限定された中から回答を求めるため、相手に考えをまとめるなどの心理的負担なく答えてもらいやすいでしょう。
クローズドクエスチョンのメリット・デメリット
クローズドクエスチョンは、相手が答えやすい質問をできますが、デメリットもあるため注意が必要です。
クローズドクエスチョンのメリット・デメリットを解説します。
メリット
クローズドクエスチョンのメリットは、テンポの良いコミュニケーションが取れることです。質問した選択肢の中から答えてもらえるため、素早い回答を得られます。
また、クローズドクエスチョンを繰り返すことで場の主導権を握れるため、相手の決断を促せる可能性もあります。
デメリット
クローズドクエスチョンのデメリットは、話を広げたり、情報を引き出したりすることが難しいことです。
クローズドクエスチョンは、一言の回答で終わる可能性が高いため、会話が続かず、話や情報の深掘りがしづらいです。また、あまりにクローズドクエスチョンを使いすぎると、相手は「尋問されている」と感じて、不快感を抱く恐れがあります。
クローズドクエスチョンの具体例
クローズドクエスチョンは、限られた選択の中から回答してもらう質問方法のため、「はい」「いいえ」で答えられる質問をしたり、選択肢を示したりします。
【具体例】
・目標を達成したとき嬉しかったですか?
・A案とB案、どちらがいいですか?
・会議は17時からでよろしいでしょうか?
クローズドクエスチョンが有効な場面は?
クローズドクエスチョンは、初対面の相手と話す際に有効な質問方法です。初対面の相手とは信頼関係ができていないため、まずはクローズドクエスチョンで相手を理解していくといいでしょう。
また、クローズドクエスチョンの有効なケースとして、相手から明確な答えを知りたいときや、物事の決定の場が挙げられます。OKかNGか、明日なのか明後日なのかなどが明言されるため、スムーズな業務や意思決定を行えます。
使い分けのポイントは?
有効なケースや使い方が異なるオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、適切に使うことが大切です。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分けのポイントを解説します。
流れはクローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへ
クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへ流れることで、相手とのコミュニケーションがスムーズになる可能性があります。
例えば、「今日は車で来ましたか?」(クローズドクエスチョン)に対する返答によって「どの経路で来ましたか?」(オープンクエスチョン)とつなげ、話を広げることができます。
クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへの流れは、初対面の相手と話しやすくなったり、会話を広げるきっかけになったりするため、意識するといいでしょう。
誘導尋問・詰問にならないように注意する
クローズドクエスチョンを多用すると、相手が尋問されていると感じる恐れがあるため、注意が必要です。
「資料をご覧になりましたか?」「A商品とB商品どちらがいいですか?」「A商品にオプションをつけますか?」など、矢継ぎ早にクローズドクエスチョンをされると、相手が誘導尋問のように感じて、不信感を募らせかねません。
そのため、「どの商品が気になりました?」「A商品の良いと思った点はなんですか?」などとオープンクエスチョンと併用すると、相手と気持ちの良いコミュニケーションを取れる可能性があります。
まとめ
オープンクエスチョンは、相手から自由な回答を得る質問方法であり、相手の思考や情報を深掘りする際に有効です。
一方で、クローズドクエスチョンは、「はい」「いいえ」など、選択式で回答を得る質問方法で、初対面の相手と話す際や、明確な答えを知りたいときに活用できます。
クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへの流れで活用すると、会話のきっかけを掴める可能性が高いですが、相手の性格によっては最初からオープンクエスチョンでも円滑なコミュニケーションを取れるかもしれないため、相手と場面によって使い分けるといいでしょう。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)