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投稿者:

エンモジ

実は誤り?「固定概念」とは 「固定観念」との違いや類語・例文を紹介

よく使われている言葉に「固定概念」がありますが、「固定観念の間違いではないか?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。

 

「固定概念」という言葉について、「固定観念」との違いや類語、例文を解説していきますので、ぜひご参考にしてください。

固定概念とは?

 

日常的によく聞く「固定概念」の意味や固定観念との違い、例文をご紹介します。

 

固定概念の意味を説明

 

「固定概念」とは、「固定観念」と同じ意味で使用されることが多いですが、日本語としてほとんどの辞書に載っていません。

 

そのため、「固定概念」は「観念」と「概念」が混同された、「固定観念」の誤用といえます。

 

固定観念との違いは?

 

「固定観念」とは、「思い込みによって変えられない考え」を意味します。「観念」の意味は、「あるものに対して固定的にもっている意識」です。一方で、誤用である「固定概念」は「固定観念」と同義で使われている傾向にあります。

 

「固定観念」「固定概念」と類似した言葉に「既成概念」があります。「既成」は「すでにできあがっていること」を、「概念」は「ひとつの事物に対して共通して得られる一般的な観念」を意味します。例えば、「雲は白い」「女性は化粧をする」などです。

 

「固定観念」は個人的な思考が強いですが、「既成概念」は一般的な見方を意味しているといえます。

 

固定観念(概念)を使った例文を紹介

 

「固定観念(概念)」は、「思い込み」や「固定された意識」など、思考に柔軟性がないことを意味するため、あまりよい意味をもつ言葉ではありません。

 

一方で、「固定観念(概念)」をそもそもポジティブな意味で抱いている場合は、思考や行動がよい結果を招くことがあります。

 

「固定観念(概念)」を使う際の例文をご紹介しますが、「固定概念」という言葉は間違いのため、「固定概念」ではなく「固定観念」を使うように注意しましょう。

 

・私の上司は「部下は上司よりも早く出社すべきだ」という固定観念に縛られている
・ノー残業デーが導入されて、「残業が当たり前」という固定観念が崩れた
・「残業している人がいたら手伝うべき」という固定観念をもつ同僚が、仕事を手伝ってくれた

 

類語と例文を紹介

 

「固定概念」は、「固定観念」と同義で使われている言葉です。「固定観念」の類語と例文をご紹介します。

 

固着概念

 

「固着概念」とは、「固定観念」と同様に「固定された意識」を意味します。

 

「固着概念」の「固着」とは、しっかりついて離れないことを意味するため、「固着概念」は自分の考えに固執し、柔軟な思考をできない人に対して使えるでしょう。

 

「固着概念」の例文は次のとおりです。

・上司は「会社員なら夏でもスーツを着るべきだ」という固着概念を抱いている

・部下が「自分はプレゼンが下手だ」という固着概念にとらわれて、いつも胃を痛めている

 

先入観

「先入観」とは、物事を思い込みで見てしまうことを意味します。先入観をもっていると、新たな挑戦ができなかったり、物事の良い面に目を向けられなかったりする恐れがあります。

 

「先入観」の例文をご紹介します。

・融資業務は大変という先入観をもっていたけど、やってみると意外と楽しい

・背が高くて筋肉質だから、部下から「スポーツをやっていたんだ」と先入観をもたれているけど、実際は運動音痴だ

偏見

 

「偏見」とは、偏った物の見方や考え方を意味します。物事を多面的に見ず、思い込みなどで一括りにして考えてしまうことで、良い意味で使われることは少ないでしょう。

 

「偏見」の例文は以下のとおりです。

・女性は細かい作業が得意だから事務担当、男性は体力があるから営業担当という偏見はやめよう

・大卒だから仕事ができるという偏見をもたれていて、プレッシャーを感じている

ステレオタイプ

 

「ステレオタイプ」とは、型にはまった思考や行動を意味する言葉です。「ステレオタイプ」は一般的に広まっている思考傾向といえるため、良い意味、悪い意味の両方で使われます。

 

「ステレオタイプ」の例文は以下のとおりです。

・同僚が「女性は家を守り、男性は仕事に出る」というステレオタイプだから、産育休に否定的だ

・高齢者は足腰が弱いという考えをもつステレオタイプの部下が、通勤電車内で立っている高齢者に席を譲ってあげていた

英語で表すと?

 

「固定概念」は「固定観念」の間違いで使われている言葉のため、英語で表す際には「固定観念」の英語表現である「Stereotype」を使いましょう。

 

「あなたは固定観念にとらわれている」と相手に英語で伝える際には、「You are being stereotypical.」と表現します。

 

固定観念(概念)から抜け出すには

 

固定観念(概念)から抜け出すには、思い込んでいる事柄と逆の発想をするターンオーバー発想法と、物事を抽象化して考えるゴードン法の2つを試してみるといいでしょう。

 

ターンオーバー発想法とは、固定観念(概念)と逆の発想をすることで、新たな価値観が生まれたり、アイデアの創出に役立ったりします。

 

例えば、「メモ帳は紙である」という固定観念(概念)があった場合に、「メモ帳は厚い」「使うとなくなる」「持ち運べる」などのイメージが浮かびます。浮かんだ事柄に対して逆の発想をすると、「メモ帳は薄い」「使ってもなくならない」「持ち運べない」となり、「電子メモにして使ってもなくならないメモ帳」「デスクに設置型の大きなメモ帳」などのアイデアを創出できる可能性があります。

 

ゴードン法は物事を抽象化して考えて、柔軟な発想を目指す方法です。

 

「メモ帳は紙である」という例を使うと、「メモを取る場面は?」のように抽象化したテーマを設定し、「会議中」「先輩から指導してもらっているとき」などの意見を周りから求めます。

多くの意見から「持ち運びやすいメモ帳」「カメラ機能付きのメモ帳」「ボイスメモ機能のあるメモ帳」など、さまざまなメモ帳のアイデアが生まれれば、「メモ帳は紙である」という固定観念(概念)が覆されるかもしれません。

まとめ

 

「固定概念」とは、「固定観念」の間違いで使われている言葉のため、「思い込み」や「固定された思考」を意味する言葉を使いたい際には、「固定観念」を使うようにしましょう。

 

「固定観念」には「先入観」や「偏見」など類似語が多くありますが、悪い意味で使われる言葉もあるため使う際には注意が必要です。

 

「固定観念」から脱却できた場合、物事を柔軟に考えられたり、よいアイデアが浮かんだりする可能性があるため、日頃から広い視野で物事を考えるといいでしょう。

 

 

 

 

記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/
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