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投稿者:

ZYAO22編集部

流通業の基本「マーチャンダイジング(MD)」とは?5つの適正と具体的な手法を解説します。

マーチャンダイジング(MD)は、流通、小売業界で急速に広まりつつある考え方です。常に顧客目線を意識して、次々とやってくる流行に対応していきたいものです。この記事ではマーチャンダイジングのメリットやテクニックを具体例を交えて紹介します。

マーチャンダイジングとは

マーチャンダイジングとは「商品化計画」や「商品政策」を意味します。顧客満足、販売目標を達成するために商品の仕入から価格設定、販促方法、店頭のディスプレイを計画して実行します。

似ている業界用語「マーケティング」との違いや、マーチャンダイジングを取り入れるメリットを解説します。

マーケティングとマーチャンダイジングの違い

マーケティングもマーチャンダイジングも似たようなビジネス用語ですが、意味や使い方は異なります。

【マーケティング】
製品・価格・流通・プロモーションなど全行程に対する戦略計画を立て、より多くの商品やサービスが売れるための仕組みを作ります。

【マーチャンダイジング】
マーケティング戦略の1部で、流通・小売業に特化したものです。お客様目線に立ち、販売する商品や店舗を適切に届けるための戦略です

マーチャンダイジングの歴史

商品をバーコードで管理(POSシステム)するようになり、いつ、どこで、どの商品がどれくらい売れたのかを簡単に把握できるようになりました。売れ方の傾向や、店舗の客層がわかるようになり、戦略的に商品を売るマーチャンダイジングが定着していきました。

インターネットやクラウドの普及により、情報が得やすくなったことで、ますます広まったといえるでしょう。

マーチャンダイジングが必要とされる理由

小売業におけるマーチャンダイジングはお客様のニーズにあった商品を仕入れ、価格設定をし、販売します。

より多くのお客様の目に留まり目に留まるように、ただ商品を並べるのではなく店内の導線を考え目立つ位置に並べたり、マネキンをおいてみたり、購買意欲を引き出すことが重要になります。最終的に売り上げにつなげる戦略となるので、小売業ではマーチャンダイジングが必要になってくるのです。

マーチャンダイジングの5つの適性

マーチャンダイジングの5つの適性というものがあります。商品・時期・場所・数量・価格の指標を正しく押さえることが売上向上につながります。ここからは5つの適正を詳しく解説します。

適正な商品

適正な商品とは、お客様が求めている商品を売り出せているかがポイントです。つまりお客様を満たす十分な揃えにすることです。

品揃えを適切にわかりやすくディスプレイしてお客様が手に取りやすくすることにより、売り上げアップが期待できます。

適正な時期

商品の購買需要が高まる時期というのはとても短いです。適正な時期とは購買需要が高まる時期に必要な商品を売るというのが大切です。

例えば、夏にダウンジャケットやストープ、冬にTシャツや扇風機はあまり売れません。このように季節を逃すと在庫として残ってしまうので適切な時期をしっかり見極めて仕入れ、販売します。

適正な場所

適切な場所とは、商品を売りたいターゲット層に見やすい場所に出店したり、商品をディスプレイしたりすることです。

例えばベビー用品を売りたい場合のポイントは
●ファミリー層が訪れやすい立地か
●店舗はベビーカーが通れる広さを確保できているか
●「どこに何があるのか」わかるようにディスプレイされているか

ターゲット層の導線を意識した店舗づくりが大切です。

適正な数量

適正な数量とは、在庫不足や在庫過多にならないように仕入れ、販売することです。需要がある時期に欠品だと「品揃えが悪い」という印象になりますし、逆に在庫を抱えすぎると売り上げになりません。

設定した価格で収益を出すために何をどれだけ発注するか、適正な数量を考えることが重要です。

適正な価格

買い物をするときに消費者が一番気になるのは「価格」ではないでしょうか。消費者は価格が安い方が嬉しいですがそこに重点を置くと利益がでません。

また、ハイブランドであれば、富裕層に近い層がターゲットになりますが、そのブランドを持つことをモチベーションとして頑張って商品を購入しようとする層もいます。ブランドコンセプトにあった価格設定が重要といえます。

マーチャンダイジングの手法(マーチャンダイジングサイクル)

マーチャンダイジングでは5つの適性をバランスよく取り入れ、売り場を作り、商品計画を立て、仕入れを決め、どのように売り、販売するかを決めます。さらに販売分析を行い、これらを繰り返していきます。これをマーチャンダイジングサイクルといいます。わざわざ来店してくれたお客様を取り逃さないために必要な戦略です。

商品計画

「適正な商品」を実現するために、お客様が必要と思った時に、欲しい商品が手に入る状況を作り出すことが大切です。商品計画ではまず、商品のコンセプトを明確にして、目標を設定します。

仕入計画

販売する商品のコンセプトが決まったら続いて仕入計画です。大量仕入れにするのか、当用仕入れ(随時仕入れ)にするのかといった計画を立てるほか、お客様に満足してもらえる質、必要な量を確保できる仕入れ先企業を選定します。

在庫管理

在庫管理は、商品の供給と需要を調整するために重要です。お客様に「品揃えが良い」という印象を持ってもらうために十分な商品確保は必要です。

商品が売場に陳列されてから販売されるまでの速度(商品回転率)も考慮し在庫の不足・過多にならないよう注視します。

販売計画

販売計画は、いくらのものを何個売るかを予定したもので、売上をどう作っていくかという計画です。習慣販売計画、月間販売計画の立案、目標を達成するための戦略を立てます。

販売分析

販売分析とは、販売実績や収益など、売上などを細かくデータにしていきます。どの世代に需要があるのか、どの商品が売上に貢献しているのかといった結果を把握したり、過去のデータから今後の売上を予測したりします。目標達成のための戦略に繋げるだけでなく、今後の商品計画を立てるためにも重要です。

マーチャンダイジングの種類と具体例

マーチャンダイジングにはビジュアル・マーチャンダイジング、ライフスタイル・マーチャンダイジング、クロス・マーチャンダイジング、スクランブルドマーチャンダイジング、ウェザーマーチャンダイジング5つの種類があります。店舗の特徴を踏まえ、より効果が期待できる手法から優先的に実行してみましょう。

ビジュアル・マーチャンダイジング

ビジュアル・マーチャンダイジングとは、見せ方を工夫してお客様の視覚に訴えかけるマーチャンダイジングの手法です。商品を目に入りやすく並べ、購買意欲が増すようなディスプレイにするのがポイントになります。

【事例】
●お客様がまねしたくなるようなコーディネートをマネキンに着せてディスプレイする
●クリスマス、お正月など季節やイベントに合わせた飾り付けをする

ライフスタイル・マーチャンダイジング

ライフスタイル・マーチャンダイジングはお客様のライフスタイルに注目する手法です。商品のジャンル問わずライフスタイルをトータルコディネートすることで、複合的な商品販売やサービスの提案が可能になり客単価のアップが見込めます。

【事例】
●ネイル、まつ毛パーマ、フェイシャルエステ、化粧品販売などを組み合わせたトータルビューティーサロン
●妊娠出産グッズ、ベビー用品から入園、入学グッズまで揃う育児用品店

クロス・マーチャンダイジング

クロス・マーチャンダイジングとは、「異なる種類の商品を並べる手法」です。マーチャンダイジングは商品を顧客に適切に届けるための戦略、クロス・マーチャンダイジングは「抱き合わせ」「ついで買い」してもらうための戦略を加えたものです。

【事例】
●酒類の陳列棚におつまみを置く
●冷蔵庫、掃除機など一人暮らし用の家電を並べて「新生活セット」としてディスプレイする

スクランブルドマーチャンダイジング

スクランブルドマーチャンダイジングは、スーパーやドラッグストア、コンビニなどジャンル問わずさまざまな種類の商品を販売する手法で、お客様のニーズに合わせて扱う商品を広げる戦略です。お客様がお店をはしごする手間が省けるメリットがあります。

【事例】
●食品販売がメインのスーパーで筆記用具や衣類を販売
●ドラッグストアで生鮮食品や、酒類を販売

ウェザーマーチャンダイジング

ウェザーマーチャンダイジングは名前の通り、天候や気候など気象条件に合わせて売り場つくりをする方法です。スーパーやコンビニ、ホームセンターでよく見かける手法です。

【事例】
●雨の日に店頭の見やすい位置に傘を陳列する
●雪予報が出たら対策グッズを通常より多く並べる
●気温が高いと予想されたら冷たい飲み物を多めに仕入れる

まとめ

マーチャンダイジングは、お客様に適切な商品を届けるための戦略です。マーチャンダイジングを実践するには、お客様視線に立ってデータを集めましょう。POSシステムの発展でスピーディーに情報収集ができるようになりました。5つの適正について理解し、お客様に満足してもらえる店舗づくりに生かしましょう。

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