斜め読みとは?やり方からメリット・デメリットまで紹介
「一冊の本を読むのに時間がかかってしまう」「読んだ本の内容を忘れてしまう」という人は、斜め読みをすると短時間で本を読め、内容も覚えていられる可能性があります。
斜め読みのやり方は難しくないため、本などを早く読みたい人、多くの知識をインプットして仕事に活かしたい人は、取り入れてみるといいでしょう。
「斜め読み」の意味ややり方、メリット・デメリットをご紹介します。
目次
斜め読みとは
「斜め読み」とは、本や記事などの細かい部分を飛ばして読み、全体の流れを早く理解しようとする読み方のことです。
斜め読みは、本などの内容の把握や理解を目指した読み方のため、ただペラペラとめくってみる、適当にページを開いて読んでみる、という読み方とは異なります。
斜め読みのやり方
斜め読みは、本などの文章をすべて読むのではなく、細かい部分を飛ばして早く全体の内容をつかむ読み方のため、最初の文章から順に読むやり方とは異なり、次のようなやり方で読みます。
① 前書き・後書きを読む
② 目次を読む
③ 見出しを読む
④ 図・グラフを見る
⑤ 興味が惹かれた点は注目して読んでみる
斜め読みのやり方を解説します。
前書き・後書きを読む
まずは、本の前書き・後書きから読み始めましょう。
前書きには、本書のテーマや概要、後書きには、本書のまとめが書かれているため、前書きと後書きから読むことで、本書が伝えたいことを理解しやすくなります。
目次を読む
次に、目次を読みます。目次は本書の構成を表しているため、何度も読むことで構成をつかめたり、著者の主張が理解できたりします。
見出しを読む
目次を読んだあとは、見出しを読みましょう。
本をめくり、見出しに注目して読んでいきます。目次や見出しを読んでいると、頻出する言葉があるなど、本書のキーワードが見えてくるため、本書の理解が深まります。
図・グラフを見る
本に図やグラフが掲載されている場合、図やグラフにも注目し、確認しましょう。
図やグラフは視覚的に分かりやすく、理解がしやすいツールです。本書が伝えたいことがまとめられているケースもあるため、掲載されていたら注目してみると理解の進みが早まる可能性があります。
興味が惹かれた点は注目して読んでみる
前書き・後書き、目次、見出し、図やグラフなどに注目した斜め読みをして全体の理解ができたとしても、読んでいる本のなかで興味が惹かれた点は改めて細部まで読んでみると、さらなる気付きを得られる可能性があります。
「斜め読み」にこだわらず、柔軟な読書をして理解を深めたり自己成長につなげたりすることが大切です。
斜め読みのメリット
斜め読みをすると、次のようなメリットを得られます。
・短い時間で要点をつかむことができる
・内容を理解しやすくなる
・多くの本を読むことができる
・内容が頭に残りやすい
斜め読みのメリットについて解説します。
短い時間で要点をつかむことができる
斜め読みを行うと、短い時間で要点をつかめるようになります。斜め読みは、前書き・後書き、目次、見出しなどを読み、著者の主張や伝えたいことを把握するため、短時間で本の要点をつかむことが可能です。
自分が求める本を探す際にも、斜め読みを行うと短時間で自分が興味を持てる本かが分かるため、購入する本を選ぶ際にも活用するといいでしょう。
内容を理解しやすくなる
斜め読みをして本が伝えたいこと、著者の主張をあらかじめ理解しておくと、本の細部を読んだ際に内容を理解しやすくなります。
最初から順に文章を読み始めても、要点を把握できていない場合は理解できない箇所があったり、大事な箇所を見落としてしまったりするかもしれません。
斜め読みをして全体像を把握しておけば、内容の理解も進むと考えられるため、効率的な読書を実現できます。
多くの本を読むことができる
斜め読みは、本の内容を短時間で理解できる読み方のため、有限である時間内に、多くの本を読むことが可能です。
本を読むスピードは人によって異なりますが、一文字ずつ読む通常の読書では、一冊の本を数時間から一日、あるいは数日かけて読むことになります。
斜め読みを行うと、一冊の本を理解する時間が短縮され、空いた時間でさらに多くの本を読むことができるため、インプットできる情報量が増えるでしょう。さらに、斜め読みで把握した内容から、「本当に読むべき本」の選別も可能です。
内容が頭に残りやすい
斜め読みのメリットとして、内容が頭に残りやすいことも挙げられます。
斜め読みをすると、本の要点や著者の主張といった重要な部分を把握できるため、よく分からないまま最初から最後まで本を読むよりも、内容が頭に残りやすいです。
斜め読みのデメリット
メリットの多い斜め読みですが、じっくり読まないことでデメリットもあります。
斜め読みのデメリットは次のとおりです。
・細部まで内容を理解することが難しい
・専門書や小説など斜め読みが難しい本もある
細部まで内容を理解することが難しい
斜め読みは、本のすべてのページを読むのではなく、前書き・後書きや目次などから全体像を把握し、要点を理解する読み方のため、細部まで内容を理解することが難しいです。
内容を細かく理解するには、本文にも目を通し、読み進める必要があります。
専門書や小説など斜め読みが難しい本もある
専門書は、読んで理解するのに予備知識が必要なため、斜め読みをしたとしても、全体像や要点をつかみにくいと考えられます。
また、小説は、ストーリー全体が重要であり、内容を飛ばして読んでも面白くなかったり、内容を理解できなかったりするため、斜め読みに向いていません。
斜め読みに向いている本は、文章が太字で強調されていたり、図やグラフが入っていたりして、要点が分かりやすい実用書やビジネス書などが挙げられます。
斜め読みの類語
斜め読みには、「速読」「流し読み」といった類語があります。
それぞれの意味を解説します。
速読
「速読(そくどく)」とは、文章を早く読むことです。斜め読みは細部を読まないのに対し、速読は文章を最初から最後まで読むため、内容の理解の仕方に違いがあります。
速読は、眼球の動きを速めたり、文章をイメージとして捉えたりする方法があり、トレーニングできる講座や書籍も多いです。速読を身につけられれば、短時間で細部まで理解することができるでしょう。
流し読み
「流し読み」は、細部まで目を通さず、ざっと読むことや軽く読むことを意味します。
斜め読みは、早く読むことや理解することを目指した読み方ですが、流し読みは読むスピードや理解にこだわった読み方ではありません。
まとめ
「斜め読み」は、本の前書き・後書きや目次などを読んで、短時間で全体像や著者の主張を理解しようとする読み方のことで、多くの本を読めるようになったり、内容が頭に残りやすかったりするメリットがあります。
しかし、斜め読みは細部まで読まないことから、小説を読む際には不向きであり、実用書などであっても細部の理解が難しい読み方である点に注意が必要です。
斜め読みを読書に取り入れる際には、実用書などの効果的と思われる本に活用したり、気になれば細部まで読んだりして、スピーディーで有意義な読書時間にしましょう。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)