営業・接客に効果的な応酬話法とは|誰でもできるテクニックでトーク力アップにつなげよう。
営業や接客の仕事は、トーク力が非常に重要になります。営業トークは頑張っているのに、成果がでない、営業トークの流れがわからないという人は「応酬話法」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ポイントをおさえれば、誰でもできる営業トークテクニックです。この記事では、応酬話法について詳しく解説します。
目次
応酬話法とは
顧客の反応に対してうまく切り返しをしていく話法を応酬話法といいます。顧客に寄り添った適切な切り返しをしていくため、商談がスムーズになります。営業や接客業に就いている人にはトークの武器になるテクニックです。ぜひ応酬話法を身につけてスキルアップを目指しましょう。
応酬話法が役に立つ場面
●顧客とのトークが続かず沈黙してしまうとき
●切り返しに困って顧客との会話が終了してしまうとき
●提案をしてもあっさり断られて引き下がってしまうとき
あと一押ししたいという場面で応酬話法が役に立ちます。
応酬話法のテクニック10選
ここからは、商談で行うヒアリング、商品やサービスの提案、クロージングそれぞれの場面で活用できる応酬話法のテクニック10選を例文を交えて紹介します。
説得力のあるトーク、顧客の心理に働きかけるトークなどすぐに実践してみてください。
質問話法
質問話法はヒアリングのシーンで使います。
顧客「ホームページの集客を期待しているのに、なかなか閲覧数があがらないんですよね・・・」
営業「そうなんですね。SNSは活用していますか?」
顧客「ホームページだけでSNSは使ってないです」
営業「このような活用方法はいかがでしょうか」
このように、顧客に質問をして課題や考えを聞き出す手法です。ポイントは攻めの質問をしないことです。また、すぐに回答をするのではなく顧客の真意を聞くために、質問で切り替えします。
寄り添い法
寄り添い法はヒアリングのシーンで使います。
顧客「SNSを活用するといってもいろいろな種類があるからわからないんだよね」
営業「確かに、たくさんあってどれが効率いいか迷いますよね。例えば、写真を使ってアピールするのであれば、このような方法はいかがですか?
このように、顧客の意見をいったん受け止めて、寄り添い、質問をしながら商談を進めるテクニックです。こちらの不安をわかってくれてると信頼していただき、距離を縮めることができます。
肯定法
肯定法は提案のシーンで使います。
顧客「ちょっと操作がわかりにくいね。使いこなせるかな」
営業「おっしゃる通り、一見複雑に見えますよね。しかし実際に操作してみると・・・」
顧客が後ろ向きな考えにも「おっしゃる通り」と、共感してから、自分の提案をします。顧客に安心感を与えるとともに、次の提案がしやすくなるテクニックです。
ブーメラン法
ブーメラン法は提案のシーンで使います。
顧客「値段も高いし、コスパも高いんじゃない?」
営業「値段は高めかもしれませんが、品質が良いんです。だからこそ、他社と差別化ができると思います。
値段が高いという、顧客の指摘を認めたうえで「高品質」とプラスの返還で提案するテクニックです。顧客の不安を解消するほどのメリットを伝えることがポイントになります。
Yesbut法(イエスバット法)
Yesbut法は提案のシーンで使います。
顧客「今、●●のサービスを利用しているから、こちらをお願いするのは難しいと思う」
営業「●●を利用しているなら、現状不便はないと思いますが、私どものサービスは、この部分も網羅したサービスになるんです」
このように、断りの言葉も受け入れて、反論に転じる手法です。受け止めてもらえたという安心感を与えることで、反対の意見も受け入れやすい心理状況を作ります。
Yesand法(イエスアンド法)
Yesand法は提案のシーンで使います。
顧客「その商品は、今の段階ではうちには不要かな」
営業「そうですね。おっしゃる通りすぐに必要なサービスではないかもしれません。それであれば、今後このようなサービス展開していく予定ですがいかがですか?」
Yesand法は、Yesbut法よりもやわらかい印象を与えるのが特徴で、顧客の意見を否定せずに、同意しながら商品やサービスの魅力を伝えます。
否定法
否定法は提案のシーンで使います。
顧客「とても魅力的な商品だけど、使いこなせるか心配」
営業「ご安心ください。購入後もしっかりアフターフォローさせていただきます。」
ある程度商談が進んだ段階で使うテクニックで、相手の意見を否定して展開します。この場合、「心配」をアフターフォローをするということで否定し、顧客に安心を与えます。
例え話法
例え話法はクロージングのシーンで使います。
営業「例えば、この商品はあの●●社でもご購入いただいているんです」
顧客「大手も導入している商品なら安心かも・・・」
営業「●●社ではこのように活用して●●に役立っています」
購入後をイメージさせる、他社で実績があることをアピールすることで購買意欲を高める効果があります。商品購入への後押しに効果的です。
資料転換法
資料転換法はクロージングのシーンで使います。
顧客「結局はこの製品を導入するとどれくらいコスパがよくなりそう?」
営業「わかりやすい資料があるので、こちらをみていただけますか?」
口頭の説明だけでなく、目で追える資料を提示すると、購入後の一層イメージがつきやすくなります。また、会話が行き詰った時も、資料転換法は効果的です。
聞き流し法
聞き流し法はヒアリングのシーンで使います。
顧客「今、契約している業者さんで満足しているので、乗り換えは考えていないんです。」
営業「承知しました。ところで、今のサービスでもっとこうだったらいいのになという点はありますか?」
「ところで」「そういえば」という言葉を使って顧客の否定的な意見を受け流し別の話題に変える方法で、「黙殺法」とも呼ばれます。多用しすぎると話を聞いていないように受け取られるので注意が必要です。
応酬話法をマスターするための練習法
ビジネスの場で応酬話法を活かしたいのであれば、練習が必要になります。繰り返し、実践的な練習を行い、スキルを身に着けていきましょう。
ここからは応酬話法に効果的な練習方法を紹介します。
マニュアルを作成する
まずは顧客とのやりとりを想定して、マニュアルを作成しましょう。マニュアルを社内で共有すれば社内間の理解も深めやすくなります。応酬話法を用いたトークスクリプトFAQもあると便利です。
ロールプレイを行って練習する
応酬話法を実際、自分の言葉で活用するには、ロールプレイを行って練習するのがテクニックを身に着ける近道です。頭の中でイメージしたことを言葉にできるように繰り返し練習しましょう。
ロールプレイをする場合は、顧客側、営業側どちらの立場も練習しておくと、実践でも役立ちます。また、ほかの人のロールプレイを見ることも勉強になります。
現場で実践し、逐語録をまとめる
実践の場に出るようになっても、日々勉強です。実践後、できるだけ早く逐語録を作り振り返ってみましょう。自分の声やトーン、きちんと相手に伝わっているか振り返ってチェックすることも大切です。
第3者にフィードバックしてもらう
スキルアップするためのポイントを指導してもらえるのは貴重な機会です。上司や先輩に商談の場に立ち会ってもらい、応酬話法を活用できているか客観的なフィードバックをもらいましょう。
フィードバックする側の主観が入ってしまわないよう、フィードバック用のマニュアルを作成するのも良いでしょう。
まとめ
今までもビジネスの場で、特に意識せずに応酬話法を使っていたかもしれません。しかし、応酬話法を理解することにより、一層商談が円滑に進むと期待できます。
応酬話法は実践で身に着けていくのが一番です。練習・実践・フィードバックを繰り返しスキルを身に付ければ、あなたにとっても会社にとっても大きな武器になることでしょう。