完璧主義をやめたい!直す方法や完璧主義に悩む方向けのおすすめ本を紹介
完璧主義でいると、効率的な仕事ができなかったり、自分にプレッシャーを課して辛い思いをしたりするため、「完璧主義をやめたい」と考えている方も多いでしょう。
完璧主義は、考え方を変えたり、仕事の仕方を工夫したりすると、やめられる可能性があります。
この記事では、完璧主義の特徴とメリット・デメリット、完璧主義をやめる方法やおすすめ本をご紹介しているため、ぜひご参考にしてください。
完璧主義とは
完璧主義とは、物事に対して高い目標を設定し、厳しく自己評価をしてしまう性格のことです。
取り組んでいる物事を「このくらいでいいかな」とほどほどに切り上げることができず、100点満点を目指してしまうため、自分を追い詰めてしまったり、他者に対しても厳しくなったりしてしまいます。
完璧主義の特徴
完璧主義には、次の5つの特徴があります。
- 責任感が強い
- 常に理想が高い
- ミスや失敗を恐れている
- 頑固でこだわりが強い
- 他者からの評価を気にしている
それぞれの特徴について解説します。
責任感が強い
完璧主義の方は、責任感が強い傾向があります。一度任された仕事は最後までやり通そうとしますが、ほどほどに取り組むことができず、完璧な状態を目指してしまうため、完了するまでに時間がかかるでしょう。
また、100点を目指して業務に取り組むため、業務を楽しむ心の余裕も少ないかもしれません。
常に理想が高い
完璧主義の方は、満点をとらないと気が済まないという特徴があるため、業務の出来が80点や90点でも、100点以外は0点と同様と考えてしまいます。
理想を高く持ち努力を怠らないことはよいことといえますが、高すぎる理想は自身へ過度なプレッシャーをかけることになり、精神的に追い詰められるでしょう。
また、他者に対しても自分と同様の理想を求めるため、100点の仕事ができない方に対して厳しくなる恐れがあります。
ミスや失敗を恐れている
完璧主義の方は、ミスや失敗を恐れるからこそ、物事を完璧にやり遂げたくなるといえるでしょう。
また、完璧主義の方は、自尊心が高い傾向があるため、ミスや失敗をすると深く傷ついてしまい、長く引きずることもあります。
頑固でこだわりが強い
頑固でこだわりが強いことも、完璧主義の特徴のひとつです。完璧主義の方は、自分が納得するまで物事に取り組んでしまうため、他業務との時間配分が適切でなくなる恐れがあります。
また、強いこだわりがあると自分のやり方に固執してしまうため、他者と協調できず、人間関係のトラブルにつながるかもしれません。
他者からの評価を気にしている
完璧主義の方は承認欲求が強く、他者からの評価を気にしてしまうため、物事をミスなく、完璧に成し遂げようとします。
また、評価を気にするあまり、自分が完璧に行えない業務は避けるなど、挑戦意欲にも影響を及ぼしているでしょう。
完璧主義のメリット・デメリット
完璧主義にはメリットとデメリットがあります。
完璧主義のメリットとデメリットについて解説します。
完璧主義のメリット
完璧主義のメリットは、次の4つです。
- 仕事の精度が高い
- 仕事を最後までやり遂げる
- 向上心が高い
- 信頼されやすい
完璧主義の場合、仕事を最後までやり遂げるだけでなく、高い精度も保っているでしょう。また、理想が高いため向上心もあり、努力を続けられます。
責任感が強いことや向上心が高いことは、周囲の方からの信頼を集められ、リーダーなどの人をまとめるポジションに任命されることもあります。
完璧主義のデメリット
完璧主義には、次のようなデメリットがあります。
- 自分を追い込みやすい
- 自己嫌悪に陥りやすい
- 仕事を効率的に行えない
- 円滑な人間関係を構築しづらい
完璧主義の方は、高い理想を求めるあまり自分を追い込みやすく、ストレスを感じやすいです。また、高すぎる自尊心によって、些細な失敗やミスでも深い自己嫌悪に陥るでしょう。
業務を完璧に成し遂げようとするあまり、事前準備やひとつの作業に時間がかかってしまい、ほかの作業時間を圧迫するなど、効率的に仕事を進められない恐れもあります。
自分の理想とする「完璧」を他者にも求めてしまうため、周囲からの反感を買ったり、周囲にプレッシャーを感じさせたりして、職場の協調性が損なわれる可能性もあります。
完璧主義をやめる方法
完璧主義には、メリットがある一方で、自分や周囲へマイナスに作用するデメリットがあります。
完璧主義でいると自分も周りの方も辛くなる恐れがあるため、いまからご紹介する5つの方法を試して、完璧主義をやめてみるといいかもしれません。
- 物事の目的を再認識する
- 「成功・達成」の基準を見直してみる
- 時間制限を設けてみる
- 優先順位を意識する
- 客観的に判断する癖をつける
完璧主義をやめる方法について解説します。
物事の目的を再認識する
完璧主義の方は、物事の細部にこだわって完璧にこなそうとするあまり、当初の目的を見失うことがあります。
例えば、契約につなげることを目的にして資料を作成する場合、レイアウトや色などにこだわってしまい、資料の作成に時間がかかってしまったということが考えられます。
完璧主義の方は、細部にこだわり始めたと感じた際に、物事の当初の目的を再認識すると、本当に注力すべき部分に改めて向き合えるでしょう。
「成功・達成」の基準を見直してみる
完璧主義の方は、100点満点の状態を成功状態、達成状態と認識しているため、成功・達成の基準を見直してみると、100点満点でなくても満足できる可能性があります。
例えば、心身の状態や現在のスキルによって、80点の出来にしかならないのであれば、無理をして100点を取ろうとするのではなく、80点を目指します。現状においてベストな80点を取れれば達成感を得られるため、100点以外に成功・達成の基準があると気付けるでしょう。
また、完璧主義の方の考え方は、自分が思う理想像を100点として、足りない部分を見つけ、点数を引いていく減点方式です。減点方式は、足りない部分に目がいってしまうため、満足感が低くなります。
一方で、0点の状態からスタートし、よい部分を探して加点していく加点方式の考え方を持てば、よい部分を探すというポジティブな思考になり、80点、90点の出来でも「これだけ頑張れた」と自分を認めてあげられます。
時間制限を設けてみる
時間制限を設けてみると、いまやるべき業務に集中して取り組めるでしょう。完璧主義の方は、メインの業務とは直接関係ない部分が気になったり、細かい部分まで完璧にしようとしたりするため、進めるべき業務が進みづらい傾向にあります。
例えば、資料のファイリングを頼まれた際に、ラベルシールのズレや過去のファイルの順番間違いなどが気になり、修正作業に取り掛かってしまって頼まれた資料のファイリングが終わらない、といったことが考えられるでしょう。
そのため、自分でタイマーをセットするなどし、時間制限を設けて業務に取り組むと、まずはやるべきことに意識を向けられ、効率的に業務を進められます。
メイン業務を進める際に気になった物事については、自分の手が空いたときなどに取り組むと、時間の空きを有効に使えるためいいかもしれません。
優先順位を意識する
仕事は、納期や提出期限が設けられていたり、クレームやトラブルが発生したりなど、早急に対応すべき事柄や重要な物事が多々あります。
納期を破ったり対応が遅れたりすると企業に大きな損失を招きかねないため、仕事の優先順位を意識することは重要です。
完璧主義の方は、優先すべき仕事から取り掛かれるように、優先順位をつけてやるべきことをメモしておくと、自分のこだわりよりも本当に重要な業務に目を向けられるようになるでしょう。
客観的に判断する癖をつける
完璧主義をやめたい方は、自分の考え方について客観的に判断する癖をつけると、自分の理想がいかに高いか、完璧を求めすぎていたかを把握できるかもしれません。
自分は「できて当たり前だ」と思っている事柄が、周りの方にとっては理想が高すぎたり、無理だと思われていたりする可能性があります。
そのため、自分の考え方について、周りの方に意見を聞いたり、周りの方の成果と比較したりすると、「当たり前」なことが当たり前ではないと気付き、理想のハードルを下げることにつながるでしょう。
完璧主義をやめたい方向けのおすすめ本
完璧主義をやめたい方は、ご紹介するおすすめ本を読んでみると、辛い状況から脱却できるかもしれません。
完璧主義をやめたい方向けのおすすめ本を3冊ご紹介します。
プレッシャーに負けない方法 ―「できるだけ完璧主義」のすすめ
『プレッシャーに負けない方法 ―「できるだけ完璧主義」のすすめ』は、間違った完璧主義をしている方に向けられた、「できるだけ完璧主義」を目指すための本です。
本書では、自分にプレッシャーを与えたり、できなかったときに自分を責めたりする「マイナスの完璧主義」から、自身の人生の質を高めていく「プラスの完璧主義」へと変える捉え方が書かれています。
「完璧」にこなすことにこだわりすぎている方や、苦しみを生み出している自分の考え方のクセに気付きたい方は、手に取ってみるといいでしょう。
■プレッシャーに負けない方法 「できるだけ完璧主義」のすすめ (さくら舎)
がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法
『がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法』は、完璧主義のプラスな面を強化する方法や、マイナスな面の原因について書かれています。
本書では、自分にプラスに働く「健全な完璧主義」と、自分にマイナスに働く「不健全な完璧主義」があるとして、不健全な完璧主義を改善する方法が記されているため、自分の完璧主義がマイナスな状況を招いていると感じる方の参考になるかもしれません。
著者は、ハーバード大学医学大学院の臨床心理学者で、完璧主義についての研究を重ねたり、強迫性障害患者たちの治療に関わったりしてきたため、読み応えがあります。
■がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法 (CCCメディアハウス))
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』は、フロイト、ユングと並ぶ、心理学三大巨匠のひとりであるアドラーの思想がまとめられています。
アドラー心理学は、人が幸せに生きられる方法について、シンプルで具体的な答えを示しています。人間関係や現実の辛さなどに生きづらさを感じている方は、読んでみると考え方が変わるかもしれません。
哲学者と青年の対話形式で話が進むため、読書が苦手な方でも読みやすく、内容を理解しやすいでしょう。
■嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え (ダイヤモンド社)
まとめ
完璧主義の方は、自分に過度にプレッシャーを与えてしまったり、失敗した際に激しく自己嫌悪したりして、辛い思いをする傾向にあります。
完璧主義であるメリットよりもデメリットのほうを強く感じているという方は、ご紹介した、完璧主義をやめる方法を試してみるといいでしょう。
完璧主義をやめるためのおすすめ本も、ぜひ読んでみてくださいね。
記事執筆や校正など文字に関わる仕事を幅広く行う元金融業のフリーライター。静岡県在住だけど岐阜県も大好き。戦国武将の推しは斎藤道三。(ブログ:https://enmojilaboblog.com/)