【岐阜・大垣市】で1日中楽しめる歴史観光&グルメを紹介!
松尾芭蕉の旅の結びの地でもあり、関ヶ原の戦いでは、直前まで石田三成ら西軍の本拠であった大垣城を有するなど歴史的な見どころも多い大垣市。一方で「水の都」としても有名で、美しい町並みの景観も見どころとなっています。豊富な水と歴史を感じるこの町を巡りながら名物グルメも楽しむ観光コースを今回はご紹介したいと思います。
目次
JR大垣駅から散策スタート!
今回はJR大垣駅から観光をスタートします。岐阜県の西部に位置する大垣駅ですが、東海道本線の駅で快速も止まるため、交通も至便。遠方からも観光に訪れやすい場所でもあります。
駅前ロータリーにはタクシー乗り場やバス乗り場があるため、大垣駅を拠点に近隣の観光地へ訪れたい場合にも便利です。
大垣市は古くから「水の都」と呼ばれており、豊富な地下水に恵まれ、市内のあちこちに自噴水もあり、きれいな水を生かした和菓子や産業なども盛んです。豊かな水と歴史を感じる町の観光は、心も体もリフレッシュする機会になること間違いなしです。
大垣の夏の風物詩「水まんじゅう」を食べる|金蝶園総本家 大垣駅前本店
まずは、大垣駅南口から徒歩約1分の場所にある「金蝶園総本家 大垣駅前本店」へ行ってみます。こちらでは毎年4月上旬から9月下旬の間(大垣駅前店は3月下旬から開始)、大垣の湧き水を湛えた井戸舟が並べられ、そこに名物の「水まんじゅう」を浮かべて販売されています。
「水まんじゅう」は、こし餡を葛とわらび粉の皮で包んだあっさりといただくことができるお菓子で、とろとろの食感を生み出すため水分の量をできるだけ多くしているとのこと。とろとろを形成して固めるため、お猪口の中に流し込むという製法をとられています。
店頭ではスタッフがお猪口に入った「水まんじゅう」を流れる水の力を利用して目の前で取り出して販売してくれます。
定番はこし餡と抹茶餡、それに加えて季節限定の味などを楽しむことができます。店頭ではできたての「水まんじゅう」をいただけるのが嬉しいポイント。氷と水に浮かべられ、暑い夏の日でもあっさりいただくことができます。
金蝶園総本家の「水まんじゅう」の美味しいポイントはあっさりしたこし餡。8代目の北野英樹さんは「茹でる際に溶け出すアクを流す“渋切り”という作業や皮を取り除いた小豆の粒子をサラサラにする“晒し”という工程で、大垣の冷たくきれいな地下水をふんだんに使えるからこそ生まれる味なんです」と教えてくださいました。
金蝶園総本家の「水まんじゅう」は、夏に大垣に来たからにはマストでいただきたい逸品です。
■店舗情報
◆金蝶園総本家 大垣駅前店
住所:岐阜県大垣市高屋町1-17
電話番号:0584-75-3300
営業時間:8:00~18:00
定休日:年中無休
HP:http://www.kinchouen.co.jp/
インスタ:https://www.instagram.com/kinchouen_souhonke/
関ヶ原の戦いで西軍・石田三成の本拠地にもなっていたお城|大垣城
大垣駅から南に伸びる大垣駅前商店街を南へ約8分進むと、大垣城東門に着きます。大垣城は大垣観光では外せない場所のひとつ。こちらの門は天守が復興された時に移築された内柳門で、七口之門の 1つです。
大垣城は、美濃守護・土岐一族の宮川吉座右衛門安定により、天文4年(1535)に創建されたと伝えられる城です。はじめは小さな城だったようですが、永禄2年(1559)、氏家直元が入城して堀や土塁を築き大規模な城となりました。
戦争で消失しなければ歴史的価値が高かったと言われており、かつては国宝であった大垣城は、幾重にも水堀を巡らせて守りを固めており、敷地は現在の3倍以上、櫓の数は10を数える大変規模の大きな要塞だったと言われています。
慶長5年(1600年)の関ケ原の戦いで、西軍・石田三成の本拠地となった大垣城。本戦部が関ヶ原に移動した後も、壮絶な戦いが大垣城では繰り広げられていました。
江戸時代には、戸田家が10万石の城主を続け、明治まで太平の世が続きました。戦争で消失した天守ですが、昭和34年(1959)、4層の天守閣が再建され、大垣市のシンボルとして今も存在し続けています。
天守の中は展示室となっており、関ヶ原合戦当時の戦国武将たちの貴重な資料や、江戸時代、戸田氏が実際に使っていた甲冑などが保管されています。
■スポット情報
◆大垣城
住所:岐阜県大垣市郭町2−52
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜、祝日の翌日、年末年始
入館料:郷土館との2館共通券(大人200円)、郷土館・守屋多々志美術館・奥の細道むすびの地記念館との4館共通券(大人600円)、高校生以下無料
WEB:https://www.ogakikanko.jp/spot/ogakijyo/
『聲の形』のモデルにも!町中のオアシスで休憩|大垣公園
大垣城と同敷地内にある「大垣公園」は、大垣城の旧本丸と二の丸を整備した公園です。芝生広場や大型遊具、噴水などがあり、市民の憩いの場となっています。歩き疲れたらここで少し休憩をするのもおすすめです。
大垣がモデル地となった長編アニメーション映画『聲の形』でも「大垣公園」が忠実に描かれており、遊具広場にある上記の大型遊具は作中で何度も登場します。映画を見たことがある方なら、そっくりそのままなので感動すること間違いなしです。ぜひチェックしてみてください。
■スポット情報
◆大垣公園
住所:岐阜県大垣市郭町2−53
入場料:無料
「たらい舟川下り」でも有名な船町川湊に隣接する「奥の細道むすびの地記念館」を目指す
「大垣公園」を南へ徒歩5分ほど進むと、国名勝「おくのほそ道の風景地」としても有名な大垣市船町エリアに到着します。こちらは、揖斐川の支流である水門川両岸に川湊の趣が残る風景地です。
松尾芭蕉が東北・北陸地方をめぐる「奥の細道」の旅を終えた地でもあり、川沿いには銅像も立っています。
■スポット情報
◆奥の細道むすびの地(住吉燈台・船町港)
住所:岐阜県大垣市船町
WEB:https://www.ogakikanko.jp/kanko/sp/app/sdata.php?dataid=1
その目の前には「奥の細道むすびの地記念館」も建っており、館内には「奥の細道」紀行を体感できるAVシアターや、展示作品、書簡などの俳諧関連資料などの展示があります。
館内には「喫茶処 芭蕉庵」というカフェテラスもあり、コーヒーやお茶、デザートなどを綺麗な景色を見ながら楽しむことができます。訪れた時は桜のシーズンで、桜茶がメニューにありました。大垣市上石津町時地区の「長範みそ」が使われた「大垣みそアイス」と一緒にいただきました。
■スポット情報
◆大垣市奥の細道むすびの地記念館
住所:岐阜県大垣市船町2-26-1
時間:芭蕉館、先賢館:9:00~17:00、観光・交流館 :9:00~21:00
休館日:無休(ただし、12月29日~1月3日及び展示替えの場合は休館)
料金:芭蕉館、先賢館:有料(一般:300円、団体:150円、年間:1000円)
WEB:http://www.basho-ogaki.jp/
水の都・大垣の自噴水を訪ねてみる
大垣は全国でも有数の自噴水が点在する町です。昔は各家庭に井戸があり豊富な地下水が利用されていました。現在でも、良質な地下水が自噴している井戸は多く存在し、おいしい水を求めて遠方からわざわざ汲みにくる方も多くなっています。
その代表が「加賀野八幡神社」の井戸です。昭和61年(1986)に「岐阜県の名水」に、平成20年(2008)には環境省により「平成の名水百選」に選ばれています。
深さ136mから綺麗な地下水が常に湧き出ており、汲み取り場所も整備されています。
常に水を汲む人たちの姿で賑わっており、みなさんタンクやペットボトルを片手に神社を訪れられています。井戸の隣には、岐阜県西濃地域と滋賀県東部にだけ生息するトゲウオ科の希少種「ハリヨ」が泳ぐ「ハリヨ池」があるので、ぜひ見学してみてください。
■スポット情報
◆加賀野八幡神社井戸
住所:岐阜県大垣市加賀野1
HP:https://www.city.ogaki.lg.jp/0000001246.html
ミシュラン一つ星を獲得した田中シェフの感動溢れる料理を堪能|CUCINA
観光の締めくくりは、美味しい食事で! 岐阜県大垣市では初のミシュラン一つ星を獲得したイタリアン「CUCINA(クッチーナ)」。こちらのお店は大垣で生まれ育った田中照道シェフが腕を振るうお店です。
田中氏はイタリア・ピエモンテ州政府公認の料理学校へ入学し、卒業後もイタリアで修行。ヴェネツィアの三つ星リストランテ『Le Calandre』シェフのマッシミリアーノ・アライモ氏に師事されています。帰国後、大垣に自身のお店である「CUCINA」を開業されました。
「CUCINA」とはイタリア語で“キッチン”を意味しており、店内は世界で活躍するデザイナー森田恭通氏とつくりあげた劇場型レストランとなっています。おたまやフライパンなどのキッチンツールで埋め尽くされた壁面は圧巻。カウンター奥で腕を振るうシェフの様子を見ながら食事を楽しむことができます。
料理はコース仕立て。前菜として出されるエンジェルヘアーと言われる細いパスタ。ウニの甘味が引き立っており、最初の一皿から感動を覚えること間違いなしです。ピーナッツ型のモナカの中に入っているのはフォアグラです。濃厚なピーナッツバターが溶け合い絶妙なハーモニーを生み出しています。
メインからデザートに至るまで、味も演出も秀逸。厳選した素材ですが、田中シェフの腕にかかれば何倍も価値のあるものに化けていただくことができのはさすがです。
「CUCINA」は、わざわざこれを食べるために大垣を訪れる価値のお店です。ぜひ大垣旅行の際、シェフのセンスとユーモア溢れる料理を食べに、ぜひ立ち寄ってみてください!
■店舗情報
◆CUCINA(クッチーナ)
住所:岐阜県大垣市郭町1-48-1
電話番号:0584-83-1030
営業時間:ランチ12:30〜、ディナー18:00〜 ※要予約
定休日:木曜日(但し木曜が祝日・祝前日は営業)
予算:約10,000円(ドリンク込で)/一人あたり