【第74回】なぜ「冗談」が通じない時があるのか|めてお先生のVTuberとして生きていく
私は日々、VTuberとして配信活動を行っていますが、たまに気になるコメントに注意喚起をすると「冗談だったのに…」といわれることがあります。配信などだけでなく日常生活でもコミュニケーションの際に冗談が通じない事って意外とよくありますよね。
自分でも冗談を言ったつもりが相手に伝わらずに気まずい雰囲気になってしまった事も少なくないのではないでしょうか。
今回はこの「冗談が通じない」コミュニケーションミスが何故発生してしまうのかを考えていきたいと思います。
①バックグラウンドが違う
誰かが言った冗談を理解するには、言葉の裏にある意味やユーモアを正しく読み取る必要がありますよね。でも、受け取る側がその意味を解釈できない場合、良かれと思って発言された冗談は単なる不適切発言とされてしまいます。
特に、ジョークや言葉遊びは、人の背景や文化、価値観や過去の経験等によって大きく異なる事があり、受け取り手が慣れていないユーモアのスタイルは誤解を招きやすく、相手を不快にさせてしまう事が多いです。
②前後の文脈やTPO
冗談が相手に通じるかどうかの1つに、その場の文脈や空気感、ノリという要素が入ってきます。仕事関係の方との商談中に放った渾身の冗談で場が凍り付いた経験がある方は、このパターンに該当すると思います。いつでも使える万能な冗談って案外少ないんです。
③関係性
例えば、長年の関係性の友人同士であれば通じる軽い冗談も、職場やフォーマルな場では適さないこともありますよね。関係性が深いと「共通体験」や「共通言語」が多いため、受け取り側が簡単に《これは冗談だ》と判別できるのです。
しかし、初対面の方やまだ知り合って間もない親しくない方、関係性が築けていない方に対して同じ冗談を言った時は、受け取る側はそれをどう受け取ってよいのか迷うことも多いと思います。一歩間違えば「貶された…」と感じるケースもありますよね。
④言葉や表現のチョイス
冗談が通じなかった時に、この言葉のチョイス間違っているなと思う事があります。言葉の選び方や表現力の不足によって冗談が通じないというケースもあるという事です。だってそもそも冗談って、言葉の微妙なニュアンスやタイミングが大事ですよね?
例えば、リアルで対面している際の冗談をいう時の口調や表情が、冗談の内容と合っていない場合は受け取る相手は認識することが難しいです。さらに、オンライン上でのコミュニケーション(SNSでの発言や配信のコメント等を含む)は、声のトーンや表情が伝わらないので、より誤解を生む可能性が高まります。
⑤相手の状態や感情
これは判断が一番難しく「ガチャ」みたいなものではあるのですが、相手の精神的な状態や感情も、冗談が通じるかどうかの大切なポイントになってきます。例えば、相手が疲れていたりストレスを感じていたり、重要な問題に直面している場合には冗談を受け入れられないこともあります。身内の不幸などがあった場合に身内に関する冗談を言われた時などには、強い怒りを感じて口論に発生したり関係性が著しく悪化してしまったりもしますよね。
このように、相手の状況が分からない場合には冗談の内容が不適切になるケースも多いのです。
冗談が通じないのはどっちが悪い?
よく、冗談が通じなかった時に発言した側は『お前、こんな冗談もわかんねえのかよ』というニュアンスの事を言って、受け取り側が悪いと思われる事があります。
冗談もコミュニケーションの一部で、コミュニケーションは相手を思いやる事が一番だと思っています。なので、これはあくまで私個人の感想なのですが、冗談が通じない場合に悪いのは「冗談を言った方」だと思っています。
だって相手の事を考えて発言していたら『お前、こんな冗談もわかんねえのかよ』のような発言は出てこないと思いませんか?
冗談は適切な場面や相手を選べば、冗談は強力なコミュニケーションツールでもありますが、相手を思いやらないと諸刃の剣にもなり得ます。相手の立場や状況を理解し、冗談を使う際には十分な配慮を持った上で、円滑なコミュニケーションにしてもらえればと思います。
禰好亭めてお
イベントでのMC、専門学校の授業、雑誌の連載コラム等の実績を持ち、YouTubeではVTuber向け「VTuber講師」動画のUPやお悩み相談配信、対談コラボなどを行っている。教員免許や宅建士の資格を持ち、SNSでも人の役に立つ様々な情報を発信中!