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投稿者:

ZYAO22編集部

東ト協連 第39回「運賃動向に関するアンケート調査結果」

ドライバーの処遇改善 基本給のベースアップを実施済、実施予定を含め約半数の49.3%

令和5年1016日 リリース

39「運賃動向に関するアンケト調結果」について

 

.調査概要

 

1.調査の目的

この調査は運賃問題への対応を図るため、近時の運賃動向の把握を目的に、定期的に年2回実施しているものであり、今回は39回目の調査である。

 

2.調査対象基準日  令和5年7月31日(前回調査:令和5年1月31日)

 

3.調査対象及び調査方法

(1)東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連)に加盟する協同組合から、40協同組合を選定し、調査対象を200事業者として該当協同組合に配分し、各協同組合において組合員の中より選定して調査票を配布した。

(2)第39回「運賃動向に関するアンケート調査」の調査内容は、下記の2項目の調査内容を廃止し、新たに3問を加えた35項目(全39問)について調査を実施した。

・「労働保険料、社会保険料の支払い状況及び当該保険料支払い額が運送収入(売上高)に占める割合」の2問を削り、「2024年問題」の対応に係る取組状況、その対応策の内容・業種及びドライバーの処遇改善に係る賃上げ状況についての3問を新規調査項目とした。

(3)調査票は、事業者から無記名で直接連合会宛に送付し回収・集計した。

(4)168事業者から回答があり、回収率は、84.0%(前回87.3%)であった。うち2者は回答締切期限を大幅に超過して回答があったため、調査結果には反映していない。

 

 

.調査結果の概要

保有車両について

保有車両台数:最多は②「11両以上20両以下」27.9%で、前回調査より△0.3ポイント減少し、67.9%の事業者が保有車両「30両以下」

保有車両台数の変化:30両以下の事業者が67%を超え、車両規模では31両超の事業者が減少(△0.9ポイント)。

保有車両の平均車齢:

(イ)小型車(最大積載量2トン以下)の最多は、③「8年以上~11年未満」(ロ)中型車(最大積載量4トン以下)と(ハ)大型車(最大積載量4トン超)の最多は、②「5年以上~8年未満」

(イ)小型車:最多は前回同様③「8年以上~11年未満」29.6%(△4.7ポイント)で最大の減少。次が②「5年以上~8年未満」28.1%(△0.5ポイント)。増加の最大は①「5年未満」12.6%(+5.5ポイント)。

(ロ)中型車:最多は前回同様②「5年以上~8年未満」が28.6%(△3.4ポイント)。増加の最大は⑤「11年以上~13年未満」18.4%と+4.4ポイントの増

(ハ)大型車:最多は前回同様②「5年以上~8年未満」29.8%(△5.6ポイント)。増加の最大は①「5年未満」14.9%(+9.8ポイント)で最大の大幅増加。

運賃料金について

希望する運賃料金に対する収受運賃 84.2%が『低い』(△1.6ポイント)と回答。(①「極めて低い」+②「低い」+③「少し低い」の合計。④「希望通り」前回+1.0ポイント増15.2%と増加

『低い』(①+②+③)と回答した事業者が希望する現行収受運賃料金の割増率 最多は「10%~15%増し」と38.4(前回△1.6ポイント減少)と回答。また、割増率15%以上を希望する事業者が31.2%(前回+0.9ポイント増加)。

「高速道路料金」の収受 92.7%が収受(①「原則として収受」+②「指定された場合のみ収受」の合計)できているが、③「利用しても収受できない」が前回調査△1.0ポイント減少

「最近半年間の運賃料金の収受の変化」 最多はこれまでと変わらず「特に変化はない」で、164者中で106者が回答し、前回より12.4ポイント減少64.6となった。一方、③「値下げにあった」は、前回同様で1.2%であった

これから半年後の運賃料金の収受状況 最多は変わらず「特に変わらない」で、165者中で109者が回答するも、前回より0.4ポイント減少の66.1%。その他以外の全項目で前回調査より減少した。

標準的な運賃の告示について

『標準的な運賃』適用の意向 最多は①「適用したい」の44.2で前回より6.4ポイント減少し、最多の減少。次に③「適用したいができない」が24.2で前回より0.8ポイント減少

『標準的な運賃』の届出状況 回答者162者中の125者、77.2%が①「届出した」と回答、前回より5.9ポイント増加。 ②「これから届ける予定」は△2.1ポイント減の9.9%に減少。一方、③「届出しない」が前回より3.8ポイント減少13.0となり、本調査の回答者では『標準的な運賃』の届出が極めて高い。(令和5年8月末の届出率は全国:56.3%、東京都:32.7%)

『標準的な運賃』を「届けた」及び「届出予定」と回答された方の荷主等への交渉状況 ①「交渉した」(42者)が前回+7.0ポイント増の30.0%、一方、②「これから交渉する予定」(41者)は前回+2.6ポイント増の、29.3%になり、合計では前回+9.6ポイント増の59.3%となる。なお、③「交渉しない」は前回△1.0ポイント減少し27.9%となった。

『標準的な運賃』に関する荷主等への交渉結果 「交渉した」と回答した42者中最多は②「継続し交渉中」の17者、40.5%で前回△7.9ポイント減少し、同率で③「認められなかった」が17者、40.5%で前回+17.9ポイントと大幅に増加。また、①「認められた」は6者、14.3%で前回△11.5ポイントと大幅に減少した。

「交渉しない」及び「交渉できない」理由 「交渉しない」及び「交渉できない」と回答した57者中、最多は②「『標準的な運賃』を受け入れてもらえないと思う」49.1%で前回より△4.6ポイント減少。次は③「今後の取引を断られる(可能性がある)」21.8%で前回+3.9ポイント増加。一方、①「荷主企業が理解してもらえない」が14.5で、前回より△0.4ポイントの減少であった。

 

荷動きについて

「半年前と比較した荷動き」の状況 『悪い』(①「かなり悪くなった」(4.2%、前回△2.9ポイント減)+②「悪くなってきている」(30.1%、前回+15.2ポイント増)の合計34.3)は、前回より+12.3ポイントと大幅に増加最多は③「ほとんど変わらない」で、前回より11.3ポイントと減少し54.8と荷動きは減速の様相を呈した。

「これから半年後の主要荷主の荷動き」 最多は③「ほとんど変わらない」が160中91者の56.9前回△6.1。一方、『悪くなる』(④「悪くなる」23.8%+⑤「かなり悪くなる」1.9%)の合計:25.7)は前回より△1.0ポイント減少

 

労働力について

運転者の平均年齢 最多は、回答のあった166者のうち63者から回答があった⑤「50歳以上~55歳未満」の38.0前回より+2.5ポイント増加。次に④「45歳以上~50歳未満」32.5%、同±0と変わらず。一方、減少は①「35歳未満」(0%)③「40歳以上~45歳未満」(9.0%)、及び⑦60歳以上~65歳未満」(4.2%)で、それぞれ、0.6ポイント2.2ポイント及び2.9ポイントと減少した。なお、50歳以上は56.7%前回調査より+1.7ポイント増加し、運転者の高年齢化が進んでいる。

運転者の定年制 回答があった165者のうち、最多は①「ある」の131件、79.4%(前回調査+2.3ポイント増)で、③「ない」は32者、19.4%(同+0.6ポイント増)であった。なお、②「あったが廃止した」は2件で、前回調査よ5件(同△2.9ポイント)減少

運転者の定年年齢 最多は②「65歳まで」50.4%で前回調査より△3.0ポイント減少。また、①「60歳まで」は+6.8ポイント増の42.7%。③70歳まで」は△2.3ポイント減の6.1%と減少

「運転者の充足状況」 『充足している』(①「十分充足いている」(7.2%)+②「ほぼ充足している」(26.5%)の合計)が33.7で、前回より+2.5ポイント増加。一方、『不足している』(③「少し足りない」(39.2%)+④「かなり不足している」(20.5%)+④「完全に不足している」(6.6%)の合計)は66.3で、前回より△2.5ポイント減少となったが運転者不足は解消していない

運転者の有給休暇の年間取得日数 回答のあった166者中で最多は②「6日以上~10日以下」の85者、51.2%、前回調査△1.8ポイントの減で、次に③「11日以上~20日以下」が41者で24.7%、前回△0.9ポイント減。また、④「21日以上」は、4.8%と前回調査の+1.8ポイント増となった。一方において、①「5日以下」が19.3%、前回+1.7ポイントと増加しており、年最低5日以上の有給休暇の未取得が拡大した。

運転者の残業時間 回答のあった163者中の最多は③「30時間以上60時間未満」46.0前回調査+10.2ポイント増次は②「1時間以上30時間未満」の32.5%、前回調査△7.5ポイント減で、残業なしを含めて82.8%が残業時間60時間未満。なお、80時間超は13者、8.0%、前回調査△0.5ポイントであった。

2024年問題について(今回からの調査項目) P50

2024年問題に対する対応状況 回答があった159者中の最多は①「手立ての方法・手段が見つからない」が54者、34.0%、次に③「一部実施(検証・試行中を含む)」が52者、32.7%②「荷主と協議中」が50者、31.4%であった。なお、④「対応済」は3者、1.9%であった。

「荷主と協議中」及び「一部実施(検証・試行中を含む)」と回答した102者中の対応策(複数回答可)の最多は①「荷待・待機時間の削減」が50者、28.1%、次が②「荷役時間の削減」34者、19.1%⑨「高速道路・フェリーの積極利用」25者、14.0%⑦「ドライバーの増員」21者、11.8%と続き、ICTを活用した車両動態管理システムや配車管理システムの利活用(合計18者、10.1%)などの回答があった。

2024問題への対応策として「一部実施」と回答した荷主の業種 回答があった40者中の荷主の業種について最多は①「製造業」22者、55.0%、次いで②「同業者」及び③「卸売業・小売業」が同率で、それぞれ5者、12.5%④「サービス業」3者、7.5%⑥「建設業」2者、5.0%と続いた。

ドライバーのベースアップの実施状況 回答のあった152者中の最多は①「行った」54者、35.5%②「行う予定」21者、13.8%合計49.3%が賃上げを実施(予定)。一方、④「行わない」が35者、23%であった。ベースアップ額については、1.0千円から25.0千円と賃上げ額の開きは大きい。

 

24年問題に対する対応状況の調査結果(新設問)(問34抜粋)

問34.2024(令和6年)年4月からドライバーの時間外労働の上限が罰則付きで年間960時間以内に規制され、事業者は慢性的な運転者不足の中で労働時間の短縮を求められ、荷主企業においても事業活動に様々な問題を生じるおそれがあります。

貴者(社)のいわゆる「2024年問題」に対する対応についてどの様なお考えをお持ちですか。(○印は1つ)

1. 手立ての方法・手段が未だ見つからない      2. 荷主と協議中

3. 一部対応策を実施(検証・試行中を含む)

2024年問題への対応状況について尋ねたところ、回答のあった159者(社)中、最多は①「手立ての方法・手段が見つからない」54者、34.0%、次に③「一部実施(検証・試行中を含む)」が52者、32.7%、②「荷主と協議中」が50者、31.4%で、ほぼ3等分の状況であった。なお、3者、1.9%は、④「対応済」との回答であった。

本設問は第39回調査より追加した。(表34、図34参照)

表34

 




















図34