ギリアド、2024年第1四半期業績を発表
2024年5月9日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアド、2024年第1四半期業績を発表
-ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比6%増の61億ドル- -ビクタルビの売上高は、前年同期比10%増の29億ドル- -オンコロジー領域の売上高は、前年同期比18%増の7億8900万ドル- -CymaBayの買収完了、
買収に関連するIPR&D費は39億ドル(3.14ドルの希薄化後EPS効果)-
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は4月25日、2024年第1四半期の業績を発表しました。
ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は「ギリアドは、2024年第1四半期も、HIV、オンコロジーおよび肝臓疾患領域にけん引され、ベースビジネスは前年同期比6%の増収となり、引き続き好調でした。CymaBayの買収は、肝臓疾患を有する人々に新たな革新的治療薬をもたらす可能性となり、seladelparについては、規制当局の決定が8月に予定されています。新たなHIVに関するデータには、当社の長時間作用型のHIVパイプラインについて継続的な進歩が示されており、2024年の残りの期間を通して、本件や当社の広範にわたるオンコロジー領域のポートフォリオについて、アップデートしていくことを心待ちにしています」と述べています。
2024年第1四半期の業績
• 2024年第1四半期の収益は、2023年同期比5%増の67億ドルで、これは主に、HIV、オンコロジーおよび肝臓疾患領域製品の売上増によるものです。
• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2023年同期の0.80ドルに対し、2024年第1四半期は- 3.34ドルでした。この減少は主に、CymaBay Therapeutics, Inc.(CymaBay)買収に関連する39億ドル(一株当たり3.14ドル)のインプロセス研究開発(IPR&D)費、ならびに2020年にギリアドがImmunomedics, Inc.(Immunomedics)から取得した資産に関連する24億ドル(税引前、一株当たり1.46ドル)のIPR&D減損費用によるものです。
• 非GAAPベースの希薄化後EPSは、2023年同期の1.37ドルに対し、2024年第1四半期は- 1.32ドルでした。これの減少は主に、CymaBay買収に関連する費用によるものです。
• 2024年3月31日現在、ギリアドの現金、現金同等物および有価証券は47億ドルで、2023年12月31日現在の84億ドルから減少しています。
• 2024年第1四半期の営業キャッシュフローは22億ドルでした。
• 2024年第1四半期中、ギリアドは9億9000万ドルの現金配当を支払い、4億ドルの普通株式を買い戻しました。
2024年第1四半期の製品売上
2024年第1四半期の製品総売上高は、2023年同期比5%増の66億ドルでした。2024年第1四半期のベクルリーを除く製品売上高は、2023年同期比6%増の61億ドルとなりました。これは主に、HIV、オンコロジーおよび肝臓疾患領域製品の売上増によるものです。
2024年第1四半期のHIV製品の売上高は、需要増により、2023年同期比4%増の43億ドルとなりました。
• ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(TAF))の2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比10%増の29億ドルでしたが、これは主に、米国、欧州およびその他海外市場での需要増によるものです。
• デシコビ(R)(FTC 200 mg/TAF 25 mg)の2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比5%減の4億2600万ドルとなりましたが、これは主に、チャネルミックスによる平均実勢価格低下によるもので、需要増により一部相殺されました。
2024年第1四半期の肝臓疾患領域のポートフォリオ売上高は、2023年同期比9%増の7億3700万ドルとなりました。これは主に、有利なチャネル在庫の動き、米国矯正局によるC型慢性肝炎ウイルス(HCV)製品購入のタイミング、ならびにB型慢性肝炎ウイルス(HBV)・HCV製品全体、および欧州連合(EU)におけるD型慢性肝炎ウイルス(HDV)製品の需要増によるものです。
ベクルリーの2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比3%減の5億5500万ドルとなりました。これは主に、COVID-19関連の入院率低下によるものです。
細胞治療薬の2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比7%増の4億8000万ドルとなりました。
• イエスカルタ(R)(アキシカブタゲン シロルユーセル)の2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比6%増の3億8000万ドルとなりました。これは主に、米国外の再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する需要増によるものです。
• Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比13%増の1億ドルとなりました。これは、R/R成人急性リンパ性白血病(ALL)およびR/Rマントル細胞リンパ腫(MCL)対する需要増によるものです。
Trodelvy(R)(sacituzumab govitecan-hziy)の 2024年第1四半期の売上高は、2023年同期比39%増の3億900万ドルでした。これは主に需要増によるものです。
2024年第1四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率
• 2024年第1四半期の製品売上総利益率は、2023年同期の77.8%に対し、76.6%でした。これは主に、製品ミックスおよび無形資産償却費増によるものです。2024年第1四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2023年同期の86.2%に対し、85.4%でした。これは主に製品ミックスによるものです。
• 2024年第1四半期の研究開発(R&D)費は2023年同期の14億ドルに対し、15億ドルでした。これは主に、CymaBay買収に関連する費用および構造改革費によるものです。2024年第1四半期の非GAAPベースのR&D費は、2023年同期並みの14億ドルでした。
• 2024年第1四半期の買収によるIPR&D費は、41億ドルでした。これは主に、2024年3月22日に完了したCymaBay買収に関連する費用39億ドルによるものです。
• 2024年第1四半期のIPR&D減損費用は24億ドルでした。2020年にギリアドがImmunomedicsから取得した資産に関連するもので、2023年には同様の費用は計上されていません。
• 2024年第1四半期の販売、一般管理(SG&A)費は、2023年同期の13億ドルに対し、14億ドルでした。この増加は、CymaBay買収関連費用および構造改革費を反映しています。2024年第1四半期の非GAAPベースのSG&A費は、2023年同期並みの13億ドルでした。
• 2024年第1四半期の実効税率(ETR)は、2023年同期の24.3%に対し7.0%、2024年第1四半期の非GAAPベースのETRは、2023年同期の18.9%に対し、- 29.8%でした。この変動は主に、CymaBay買収による非控除IPR&D費を反映しています。
ガイダンス、および今後の見通し
ギリアドの2024年通期業績見通しは以下の通りです。
(1 株当たりの金額を除き、 単位100万) |
2024年4月25日時点 ガイダンス | 前回ガイダンスとの比較 |
|
下限 | 上限 | ||
製品総売上高 |
$ 27,100 |
$ 27,500 |
変更なし |
ベクルリーを除く製品総売上高 |
$ 25,800 |
$ 26,200 |
変更なし |
ベクルリー総売上高 |
$ 1,300 |
$ 1,300 |
変更なし |
希薄化後1株当たり利益(EPS) |
$ 0.10 |
$ 0.50 |
前回は$ 5.15 - $ 5.55 |
非GAAPベースの希薄化後EPS |
$ 3.45 |
$ 3.85 |
前回は$ 6.85 - $ 7.25 |
2024年のガイダンスに関するGAAPベースおよび非GAAPベースの財務情報の追加情報と調整は、添付の表に記載されています。財務ガイダンスは、多くのリスクや不確実性を伴います。また、後述の「将来予測に関する記述」もご参照ください。
前回の四半期報告書以降の主な更新情報
ウイルス性疾患
• レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI)で、ギリアドのHIV長時間作用型治療パイプライン全体に関するデータを発表しました。その中には、週1回経口投与に関して、レナカパビルとMerck & Co., Inc.のislatravirとの併用レジメンについて評価する第II相試験のデータ、ならびにギリアドが新たに開発中のインテグラーゼ阻害剤であるGS-1720に関する第1b試験の初期データが含まれます。さらに、レナカパビルと広域中和抗体のteropavimabおよびzinlirvimabとの併用による年2回投与の注射剤について、第Ib相試験の最新結果を発表しました。
• HBVまたは結核を有するHIV陽性者に対する治療薬としてビクタルビを評価するデータ、ならびにビクテグラビルとレナカパビルとの1日1回投与併用経口薬を評価する第II/III相試験の結果をCROIで発表しました。
• 免疫不全患者さんを含む、COVID-19入院患者さんへのベクルリー投与を支持する、複数のリアルワールド解析をCROIで発表しました。さらに、罹患後症状(long-COVID)発現リスクに対するベクルリーの効果を評価する、リアルワールド解析も発表されました。
• HIV、HBVおよびHDVの重複感染を有する人々における、Hepcludex(R)(bulevirtide)の安全性および有効性を評価するデータをCROIで発表しました。米国、およびEU・欧州経済地域外のその他の地域において、bulevirtideは研究段階にあり、その安全性および有効性は確立されていません。
• ビクタルビが、広く知られている薬剤耐性であるM184V/I耐性を有する、またはその疑いがある、ウイルス量が抑制されたHIV陽性者の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より適応拡大承認を取得しました。
• ベムリディ(テノホビルアラフェナミド)が、体重25 kg以上で代償性肝疾患を有する6歳以上の子どもにおける慢性HBV治療薬として、FDAより適応拡大承認を取得しました。
オンコロジー
• オンコロジー領域における新たな抗体に基づいた三重特異性T細胞エンゲージャー創薬を目的として、Merus N.V. (Merus)との共同研究、オプションおよびライセンス契約を発表しました。
• Xillo Therapeutics, Inc.(Xillo)との独占ライセンス契約を締結しました。同契約は、開発中の進行性固形がんに対する新薬候補であるXTX301を含む、Xilloの腫瘍活性化IL-12プログラムの開発および商業化を目的としたものです。
炎症領域
• 株式総額43億ドル(純現金支払額39億ドル)で、CymaBayの買収を完了しました。本買収により、開発中の原発性胆汁性胆管炎(PBC)治療に対する新薬候補であるseladelparがギリアドの肝臓疾患領域のポートフォリオに加わりました。seladeparは、開発中の経口選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ(PPARδ)アゴニストで、米国および欧州において希少疾病用医薬品指定を受けています。PPARδは、重要な代謝および肝疾患経路を調節することが示されています。FDAは2024年2月にseladelparの新薬承認申請を優先審査として受領し、処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)により、審査期限を2024年8月14日に設定しています。
企業展開
• Kevin Loftonが、2024年5月8日の年次株主総会(年次総会)をもって、ギリアド取締役会(取締役会)から退くことが発表されました。年次総会で再選されれば、Anthony Weltersが、社外取締役長として後任を務めます。
• 責任を持って業務を遂行するというギリアドの長年のコミットメントを反映し、Just CapitalとCNBCにより、米国の最も公正な企業(America’s Most JUST Companies)の一つとして認定されました。
• 当社取締役会は、2024年第2四半期の普通株1株当たりの四半期配当を0.77ドルとしたことを発表しました。配当金は、2024年6月14日の営業終了時に登録されている株主に対して、2024年6月27日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。
本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。
電話会議
ギリアドは、太平洋時間4月25日午後1:30に業績説明のための電話会議を開催します。
ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。
非GAAPベースの財務情報
本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的として社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、棚卸資産のステップアップ費用、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、下記の表をご参照ください。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとってのより健康な世界の実現を目指し、35年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。
将来予測に関する記述
このプレスリリースに含まれる記述のうち、実績ベースではない記述は、1995年の米国私募証券訴訟改革法の意味するところの「将来予測に関する記述」に該当します。ギリアドは、将来予測に関する記述には実際の結果と大きく異なる結果をもたらす可能性のある特定のリスクや不確実性が含まれていることに対して、注意を促しています。これらのリスクや不確実性には以下のようなものがあります。ベクルリーの収益の金額およびタイミングの不確実性の結果を含め、ギリアドが2024年通期の業績予測を達成させる能力。ギリアドが企業戦略に掲げた長期的目標や戦略的優先事項を進展させる能力。ギリアドが抗ウイルス薬、抗がん薬、その他の治療薬プログラムの収益を加速または維持する能力。ギリアドが買収、共同研究、CymaBay、MerusおよびXilioとの契約を含むライセンス契約の潜在的な利益を実現する能力。ギリアドの製品および治療薬候補の特許保護および推定される独占権喪失、ギリアドが現在想定されている期間内に臨床試験を開始、進行、完了させる能力、ビクタルビ、Hepcludex、ベクルリー、GS-1720、レナカパビル、 seladelpar、teropavimab、XTX301、zinlirvimabなどの進行中の臨床試験や追加の臨床試験から好ましくない結果が出る可能性、臨床試験から得られる安全性および有効性データにより、ギリアドまたは戦略的パートナーの治療薬候補のさらなる開発が認可されないリスク。ギリアドが現在想定されている期間内に新しい治療薬候補の製造販売承認申請または適応拡大の承認申請を行う能力。FDAによるseladelparの新薬申請承認など、ギリアドが、規制当局からの製造販売承認を適時に取得する能力および、これらの承認に使用上重大な制限が課されるリスク。ギリアド製品の商業化を成功させる能力。ギリアド製品の製造およびサプライチェーンに潜在的な混乱が生じるリスク。販売奨励金やその他の割引など政府機関および第三者機関からの価格設定および償還の圧力を受ける可能性。保険支払者が想定以上に高い割引率のセグメントに移行する可能性。ギリアド製品の後発医薬品の上市による市場シェア低下および製品価格下落。医師や患者さんが他の治療法と比較してギリアド製品の優位性を認識せず、ビクタルビやベムリディなどの処方を躊躇するリスク。年次報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)、臨時報告書(Form 8-K)など、ギリアドが米国証券取引委員会(SEC)に提出する報告書に時折記載されているその他のリスク。さらにギリアドは、資産、負債、収益、費用の報告額ならびに関連する開示内容に影響する試算や判断を行っています。ギリアドは、過去の経験、その他市場特有のさまざまな仮定やその他の関連する仮定に基づいて、状況に応じて合理的だと考えられる試算を行っています。また、その試算結果は、他の情報源からは容易には明らかにならない資産および負債の簿価を判断する際のよりどころとなっています。ギリアドが現在把握しておらず、将来予測に関する記述に記載されている事柄に影響を与える可能性のあるその他の要因が存在する可能性があり、実際の結果がこれらの試算と著しく異なる可能性があります。また、2024年3月31日を期末とする四半期の結果は必ずしも将来の期間の業績を示すものではありません。ギリアドは、これらまたはその他のリスク、不確実性、要因の詳細についてプレスリリースや年次報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)、SECに提出しているその他の開示書類で説明しています。ギリアドは将来予測に関する記述に関し、1995年の米国私募証券訴訟改革法セーフハーバー条項の遵守を主張します。
将来予測に関する記述は、将来の業績を保証するものではありませんので、将来予測に関する記述に全面的に依拠しないよう注意してください。将来予測に関する記述は全て、
ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、法による定めのない限り、ギリアドは将来予測に関する記述を更新または補足する義務を負いません。将来予測に関する記述は、あくまでも公表日現在、あるいは記述に明記した日付における予測です。
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