【省エネ基準適合義務化に関する調査】義務化を知らない人が約8割、3人に1人は内容を良く理解していない
義務化に対応し、災害時の発電効果も期待できる【フィルム型太陽宇高発電設備】の実証実験をスタート
2023年10月3日
株式会社スウェーデンハウス
【住宅の省エネ基準適合義務化に関する調査】 省エネ基準適合義務化について、「知らない」人が約8割 「知っている」人のうち、3人に1人は内容までは良く「理解していない」 〜省エネ対策に太陽光発電設備を検討する理由に「災害時の自家発電能力」がランクイン〜
株式会社スウェーデンハウス(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:村井 秀壽 以下、当社)は、2025年4月から全ての新築住宅※1に省エネ基準適合が義務付けられる※2ことを受け、「住宅の省エネ基準適合義務化に関する調査」を実施しました。
2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%排出削減(2013年度比)の実現に向け、エネルギー消費量の約3割を占める建築物分野における取り組みが急務となっています。また、温室効果ガスの吸収源対策の強化を図る上でも、日本の木材需要の約4割を占める建築物分野における対応が求められています。その中、すべての新築住宅に対して省エネ基準への適合を義務付けること等が含まれた建築物省エネ法の改正が行われました。(2022年6月17日公布)
今回の調査では、省エネ基準適合義務化が迫る中、消費者の理解がどの程度進んでいるのか。また、省エネ対策への不安や具体的な取り組み内容について明らかにすることを目的にしています。
-主な調査結果トピックス-
■2025年4月から施行される省エネ基準適合義務化について、5人中4人が知らないと回答。さらに義務化を知っている方のうち、3人中1人は詳細についてそれほど理解していない。
■省エネ基準適合義務化への反対は少数も、3人中2人は不安を感じている。
不安に思う上位要素は、「初期費用(建築費用)の増加」84.8%、「長期的な運用コストの不明確さ」65.4%、「補助金など公的な支援があるか」51.5%。
■新築住宅への省エネ対策として重要視されている項目は、「高断熱・高気密の構造採用」、「LED照明の導入」、「太陽光発電の設置」の3つ。
■「災害時の自家発電能力」を理由に、2人に1人が建築時に検討する省エネ対策に太陽光発電を選択。
調査概要
◆調査名 : 住宅の省エネ基準適合義務化に関する調査
◆サンプル数: 1000人 (新規住宅の住宅購入・リフォームの検討・可能性がある人)
◆調査対象者: 全国の20代以上の男女
◆調査主体 : オリコンNEXTコミュニケーションズ
◆調査手法 : インターネット調査
◆調査期間 : 2023年9月21日(木)~9月25日(月)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
■2025年4月から施行される省エネ基準適合義務化について、5人中4人が知らないと回答。さらに、義務化を知っている方のうち、3人中1人は詳細についてそれほど理解していない。
2025年4月まで約1年半となった今回、“2025年4月以降に着工する全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられることを知っているか”を尋ねたところ、「知らなかった」という回答割合は 78.6%で、約5人に4人は義務化について認知していないことがわかりました。さらに「知っている」と回答した方に内容を理解しているか尋ねると「あまり内容を理解していなかった」、「理解していなかった」という方が33.2%という結果になりました。ここから、省エネ基準適合義務化について、認知だけでなく、内容の理解度についても低い現状が伺えます。
■省エネ基準適合が義務化への反対派は少数も、3人中2人は不安を感じている。
不安に思う上位要素は、「初期費用(建築費用)の増加」84.8%、「長期的な運用コストの不明確さ」65.4%、「補助金など公的な支援があるか」51.5%
“新築住宅への省エネ基準適合義務化に賛成か”を尋ねたところ、反対の回答割合は10.1%になりました。これは、国が推進するカーボンニュートラル、温室効果ガス排出削減への認知度・関心度の高さから、環境配慮の取り組みが必要であることを受け入れていると考察できます。一方で、”義務化に対して不安はあるか”を尋ねたところ、不安はあるという回答割合は65%になりました。不安要素として上位に上がったのは「初期費用(建築費用)の増加」84.8%、「長期的な運用コストの不明確さ」65.4%、「補助金など公的な支援があるか」51.5%であり、金銭的負担の増加が、そのまま義務化への不安に反映されていると考察できます。
■新築住宅への省エネ対策として重要視されている項目は、「高断熱・高気密の構造採用」、「LED照明の導入」、「太陽光発電の設置」の3つ。
“省エネ基準適合が義務化に伴い、新築住宅を着工することになった場合に検討する省エネ対策”を尋ねたところ、「高断熱・高気密の構造採用」27.5%、「LED照明の導入」21.5%、「太陽光発電の設置」14.7%という回答割合となりました。高断熱躯体に省エネ・創エネ設備を備えたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の回答割合が4.3%と低いことは、ハウスメーカーとしての情報発信強化を再認識するとともに、環境配慮という側面から、顧客の要望に左右されない「標準仕様」に、高気密・高断熱構造と省エネ・創エネ設備を兼ね備える必要があることがわかりました。
■緊急時の対応も重視。省エネ対策として太陽光発電の設置を選択した方の2人に1人が「災害時の自家発電能力」が理由と回答。
“太陽光発電の設置を選択した理由に関して、「省エネ基準適合が義務化の対策」以外にあてはまるもの”を尋ねたところ、「電気代の削減・コスト効果」77.6%、「災害時の自家発電能力」52.4%、「環境への配慮・持続可能性」37.4%という結果になりました。特に、2位にランクインした「災害時の自家発電能力」は2人に1人が回答しており、その重要性が表れる結果となりました。
今回の省エネ基準適合義務化に関する消費者の認知度や賛否、不安等に関する意識調査から得られた「約8割の方が省エネ基準適合義務化を認知していない」ことや、「ZEH認知度の低さ」は大きな問題と捉える一方、義務化への反対派は1割にとどまっており、消費者の環境貢献意識の高まりが伺えます。特に、今回の調査結果から、消費者にとってより快適な住環境を整えるための省エネ対策として、製造エネルギーが小さく、リサイクル性にも優れた新たな「太陽光発電システムの設置」が大きく貢献できることが明らかになりました。
1984年の創業時より、高気密・高断熱を備えた躯体と木製サッシ3層ガラス窓を標準採用した住まいを提供し続ける当社は、この度、全国の住宅メーカーとして初となるフィルム型太陽光発電設備(アモルファスシリコン太陽光電池※3)の実証実験を2023年9月より開始しています。
省エネ基準適合義務化や4号特例廃止といった喫緊の要件への対応はもちろん、頻発する自然災害に対応する耐久性と安全性、建材の生産から建築、廃棄に至る全ての段階でLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)を叶え、町の風景になる長寿命住宅の普及を目指す当社にとって、フィルム型太陽光発電設備は必要不可欠な技術です。今後は、課題となっている「発電効率」・「量産化」・「生産コスト」について、関連企業と連携し、研究・開発を進めてまいります。
フィルム型(アモルファスシリコン)太陽光発電設備 試験施工状況(長崎モデルハウス)
※1 対象となる新築住宅 |
2025年4月以降に着工する全ての新築住宅。 また、10㎡を超える増改築をする場合、増改築部分。 |
※2 義務付けられる省エネ基準適合 |
下記2点への対応。 1.地域ごとに定められた外皮性能(屋根や外壁、窓などの断熱性能に関する基準)を満たすこと 2.地域や床面積などによって定められた、家で使うエネルギー(冷暖房等)の総量を一定基準内に収める ことができる設備(高効率のエアコン等)を採用すること。なお、太陽光発電等から自家消費した発電量は、エネルギー総量から一定の基準で減じて計算することができる。 |
※3 フィルム型(アモルファスシリコン)太陽光発電設備 |
発電効率や量産化、生産コストに関して未知な点が多くあるが、夏場の高温環境下でも発電効率の低下が少ないことや、パネル式に比べ破損しにくく飛び火試験にも合格するなど耐久性が高いため気候変動や災害時の発電効果が期待できる。北向き・東向きなどの方位や角度の影響を受けず、曇り空でも発電するため外観デザインを崩さずに設置でき、軽量で構造への負担が少ない点や、製造エネルギーが小さくリサイクル性に優れるという点から、これからの長寿命住宅に必要な太陽光発電設備として期待されている。 |