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投稿者:

ZYAO22編集部

30周年を迎えた「今年の漢字®」11月1日から募集開始! 平成・令和それぞれで応募数が多かった一字は?

~ゆく年、くる年、伝える一字~

2025年10月1日
公益財団法人 日本漢字能力検定協会

 公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事 理事長:山崎信夫/以下、当協会)は、今年一年の世相を“漢字一字”で表現し、京都・清水寺で発表する「今年の漢字」を2025年11月1日(土)より、全国から募集します。

 1995年にスタートした「今年の漢字」は2025年で30周年を迎えます。1995年に第1位に選ばれた「震」から2024年の「金」まで30回の開催で、合計23字の漢字が選ばれてきました(※)。毎年、世の中で起きた出来事や流行、社会動向など、年末の締めくくりに“ゆく年”への思いを馳せる「今年の漢字」は、あまり知られていないかも知れませんが、全国の皆様からご応募いただいた漢字の中から、最も応募数の多かった漢字を、清水寺にて発表しています。

 平成・令和の時代をまたぐ30年で、「今年の漢字」はどのような変遷をたどったのでしょうか。「今年の漢字」で応募数の多かった漢字トップ10は、時代によって異なる傾向がみられました。

 

1995年から2024年までの過去30回分の「今年の漢字」の大書(揮毫:清水寺 森清範貫主)

 

※ 30回の中で、「金」が5回、「災」「戦」「税」が2回ずつ選ばれています。

 

平成(1995年~2018年)にトップ10に最もランクインした「乱」

 1995年から2018年までの“平成”に開催された「今年の漢字」24回の中で、最多の16回にわたりトップ10の漢字にランクインしたのが「乱」という字です。政治経済、異常気象に「混乱」し、世の中の秩序や倫理観が「乱れ」、犯罪が多発し、「乱世の時代」だと感じる人も。このように「乱」という字は、ネガティブに捉えられることが多い一方で、ワールドカップでのサッカー日本代表の活躍に「狂喜乱舞」したというポジティブな意味合いでの応募もみられました。そんな「乱」ですが、16回もトップ10にランクインしているにもかかわらず、「今年の漢字」第1位に選ばれたことはありません。

 また、平成の時代に他の漢字を圧倒した「乱」は、令和になってからは、トップ10にすら一度も登場していません。

 

平成に「今年の漢字」トップ10にランクインした漢字と回数(トップ3)

 

令和(2019年~2024年)にトップ10に最もランクインしたのは「変」

 平成にトップ10に最もランクインしたのは「乱」でしたが、令和(2019年~2024年)の6年間でトップ10に最もランクインしているのは「変」という字で、2015年から10回連続でトップ10にランクインし続けています。

 2019年以降は、元号の「変化」、オリンピック時期の「変更」、台風や大雨による「天変地異」、猛暑などの「気候変動」を理由に、「変」という字に応募している人が多いことが分かりました。

 

令和に「今年の漢字」トップ10にランクインした漢字と回数(トップ3)


 

1995年から2024年までの30年を振り返る

 これまでの30年間で「今年の漢字」第1位に選ばれてきた漢字一字と選ばれた理由は、次の表のとおりです。

 たとえば、1995年の「震」は、阪神・淡路大震災を想起する人もいれば、金融機関の崩壊などの出来事に震えたことを思い出す人、大リーグの野茂英雄投手の活躍を思い出す人もいるでしょう。同じ「震」という漢字でも、複数の意味があるのは漢字の魅力のひとつでもあります。

 

1995年 ・「阪神・淡路大震災」、地下鉄サリン事件、金融機関の崩壊に代表される経済不安など、国内の驚異的出来事に「震えた」

・米国大リーグの野茂投手の大活躍に心が「震えた」

1996年

・O157集団食中毒を中心に、狂牛病などの発生で、「食べる」ことに気を使った

・自治体の飲食接待による食糧費不正支出、税金と福祉を「食いもの」にした厚生省高級官僚の汚職事件

1997年 ・金融機関や大企業の相次ぐ倒産

・サッカーの日本代表が並いる強豪を倒して、初のワールドカップ出場を決めた

1998年

・和歌山のカレー毒物混入事件以来、全国で毒物混入事件が相次いだ

・内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が社会問題に

1999年 ・「世も末」と思える事件が多発した

・多くの人々が、この年に起こった出来事を一様に異常(世紀末現象)と感じた

2000年

・シドニーオリンピックとパラリンピックで多くの日本人選手が金メダルを獲得

・南北朝鮮統一に向けて金大中氏と金正日氏の“金・金”首脳会談が実現

2001年 ・米国同時多発テロ事件の勃発

・リストラとの戦い、狂牛病などで日常生活も戦いだった

2002年

・日本経済はバブル前の水準に帰り、昔の歌がリバイバルされ大ヒット

・北朝鮮に拉致された5人が24年ぶりに帰国

2003年 ・阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした

・衆院選総選挙では、初めてマニフェストが導入されて、政治家たちが「虎」が吠えるかのように、「日本を変える」と訴えた

2004年

・台風、地震、豪雨、猛暑など、記録的な天災に相次いで見舞われた

・イラクでの人質殺害や子供の殺人事件、美浜原発の蒸気噴出事故、自動車のリコール隠しなど、目を覆うような人災が多発

2005年 ・紀宮さまと黒田さんのご成婚、純愛ブーム、芸能・スポーツ界でも続々結婚

・各界で「アイちゃん」が愛称の女性が大活躍

2006年

・秋篠宮紀子さまがご出産。皇室に約40年ぶりの親王「悠仁さま」ご誕生

・いじめによる子供の自殺が社会問題化。履修漏れの責任をとって校長も自殺

2007年 ・食肉、野菜、菓子、ファストフードまで、産地や素材、賞味期限に次々と偽りが発覚

・年金記録、政治活動費、米艦への給油量にも偽りが発覚

2008年

・日本の首相の交代、アメリカの次期大統領の「change(変革)」

・世界的な金融情勢の変動。株価暴落や円高ドル安などの大幅変動

2009年 ・政権が交代し、新内閣が発足。政策、行政が刷新。アメリカでも新大統領が就任

・イチロー選手の新記録、ボルト選手の新記録、水泳競技で新記録ラッシュ

2010年

・記録的な猛暑日の連続により、熱中症にかかる人が続出、暑さ対策の支出と野菜価格の高騰が消費者の生活を直撃

・チリ鉱山で、地下700メートルの暑い環境の中から、作業員全員が生還した

2011年 ・未曽有の災害により、「絆」の大切さを知った年

・ワールドカップで優勝した、なでしこジャパンのチームの「絆」に日本中が感動し勇気づけられた

2012年

・金環日食をはじめ、天体ショーの当たり年

・世界一の自立式電波塔として、金字塔を打ち立てた東京スカイツリー®の開業

2013年 ・日本全体のチームワークで2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市に東京が決定し、富士山が世界文化遺産に登録

・台風や竜巻、集中豪雨による洪水など自然災害で多くの支援の「輪」が広がった

2014年

・消費税率が17年ぶりに引き上げられた

・「税」に関わる話題が政財界で多く取り沙汰された年

2015年 ・安全保障関連法案の審議で、与野党が対立。採決に国民の関心が高まった

・世界で頻発するテロ事件や異常気象など、人々を不安にさせた年

2016年

・リオオリンピックにおける日本人選手の金メダルラッシュで、日本中が感動と興奮に包まれた年

・政治と金に絡む問題が次々と浮上した年

2017年 ・度重なる弾道ミサイルの発射や核実験の強行など、北朝鮮の動向に脅威と不安を感じた年

・九州北部では記録的豪雨により甚大な被害が発生した

2018年 ・全国的に地震、豪雨、台風、猛暑などの自然災害の脅威を痛感した一年

・災害の経験から全国的に防災意識が高まり、多くの人が自助共助の大切さを再認識した年

2019年

・新天皇即位による新元号決定が、新たな時代の幕開けを告げた一年

・法令改正による消費税増税、芸能界の不祥事など法令順守に対する意識の高まりや、災害による警報発令、避難命令もあった

2020年 ・“3密”という言葉が提唱され、生活・行動様式が「密」にならないよう国民が意識し続けた

・政治では、日本学術会議の一部会員の任命拒否が内密に行われたことで問題に

2021年

・長く暗いコロナ禍において開催された東京オリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍

・各界で打ち立てられた金字塔がひときわ輝くニュースとなった

2022年 ・ロシアによるウクライナへの侵攻は、世界に大きな衝撃を与えた

・サッカーW杯や北京冬季五輪で熱戦が繰り広げられ、日本中が沸いた

2023年

・一年を通して増税議論が活発に行われた

・所得税・住民税の「4万円の定額減税」が話題に

2024年 ・オリ・パラの日本人選手や大リーグ・大谷翔平選手など値千金の活躍

・政治の裏金問題、闇バイトによる強盗事件、物価高騰など「金」にまつわるニュースが多かった

「今年の漢字」30周年を記念し、「今年の漢字」大書レプリカを特別展示

 当協会では、「今年の漢字」30周年を記念し、「今年の漢字」が選ばれた理由とゆかりのある地で「今年の漢字」大書レプリカの特別展示を開催しています。

 

1997年はサッカー日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた年でした。そして今年、SAMURAI BLUE(日本代表)は8大会連続8度目のワールドカップへの出場権を獲得。

それを記念し、JFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」(東京都文京区)にて1997年の「今年の漢字」第1位の「倒」の大書レプリカを特別展示しています。

JFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」に展示される1997年「倒」

 

2024年は、パリオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍や、政治家の裏金問題、物価上昇など、「金」が目立った年でした。 そのような中で「金」を応募された理由の中に、大谷翔平選手による史上初の50-50の達成、三度目のMVP獲得の快挙に、「値千金の活躍」「金メダル級の偉業」といった声が多く寄せられました。 このことから、大谷選手のふるさとである岩手県奥州市での大書の展示が実現しました。

岩手県奥州市に展示される2024年「金」

 

※2025年11月3日(月・祝)までは奥州市埋蔵文化財調査センターで、2025年11月10日(月)~2026年2月20日(金)は奥州市役所本庁で展示される予定です。

 

特別展示の期間やこれまで実施してきた特別展示については「今年の漢字」特設サイトをご覧ください。

URL: https://www.kanken.or.jp/kotoshinokanji/event/

 

10月21日より漢字ミュージアムにて「今年の漢字展」を開催

 京都・祇園の漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)では、企画展「今年の漢字展」を開催します。

「今年の漢字」開催初年の1995年から2024年までの大書現物をすべて展示します。本物が持つ迫力と、一連の展示が表す日本の世相の移り変わりをお楽しみください。

 

● 開催期間:2025年10月21日(火)~2026年2月23日(月・祝)

● 開催場所:漢字ミュージアム2階 企画展示室(漢字ミュージアムの入館料が必要)

〒605-0074京都府京都市東山区祇園町南側551番地

● 2025年「今年の漢字」大書:2025年12月23日(火)展示開始予定

● Webサイト:https://www.kanjimuseum.kyoto/

 

※「今年の漢字」は当協会の登録商標です。