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投稿者:

ZYAO22編集部

ダラキューロ®、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延に係る承認を取得

 

 

「ダラキューロ®配合皮下注」 高リスク*のくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延に係る 製造販売承認事項一部変更の承認を取得

 

第III相AQUILA試験では、ダラキューロ®単独投与群と経過観察群を比較し ダラキューロ®投与群が多発性骨髄腫への進展又は死亡リスクを51%有意に低下させることを示す1
今回の承認により、多発性骨髄腫への早期介入と進展遅延の可能性をもたらす

 

Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は20日、ダラキューロ®配合皮下注〔ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下「ダラキューロ®」〕について、「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延」を効能又は効果として、製造販売承認事項一部変更の承認を取得しました。

今回の承認取得により、ダラキューロ®は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延に対し、本邦において初めて承認された治療薬となり、多発性骨髄腫や臓器障害発現前に治療を行う新しいアプローチを提供できるようになりました。

 

今回の承認取得は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫の患者さんを対象に、ダラキューロ®単剤療法による有効性及び安全性を検討した国際共同第III相AQUILA試験(NCT03301220)に基づくものです2。

 

くすぶり型多発性骨髄腫は、多発性骨髄腫の前駆状態であり、異常な形質細胞が骨髄内で検出されますが、無症候性です3。現在のところ、くすぶり型多発性骨髄腫は多発性骨髄腫に進展するまで治療はされておらず、標準的なアプローチとして生化学的な病勢進行及び/又は臓器障害発現まで経過観察とし、症候性となってから治療を開始しています3。しかし最近のエビデンスでは、多発性骨髄腫への進展リスクの高い患者さんには、早期からの治療介入が効果的である可能性が示唆されています4。

 

日本赤十字社医療センター骨髄腫アミロイドーシスセンター顧問 鈴木憲史先生は、次のように述べています。「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫は、約50%の患者さんが2年以内に多発性骨髄腫に進展するとのエビデンス5があるにも関わらず、これまで経過観察以外の有効な手立てがありませんでした。この度ダラキューロが承認されたことで、臨床的に意義のある新たな治療選択肢を提供できるものと期待しています。高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫に対し、早期の段階で介入することで、多発性骨髄腫に進展するまでの期間を遅らせる、もしくは進展を抑制するとともに、臓器障害の発現を軽減し、患者アウトカム改善の機会をもたらす可能性が広がるものと思います」

 

Johnson &Johnson Innovative Medicine Japanの代表取締役社長であるクリス・リーガーは、次のように述べています。「これまで、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫に対する治療薬はありませんでした。今回のダラキューロの承認取得により、当社は多発性骨髄腫の幅広い患者さんに対し、治療選択肢を提供できるようになりました。そして、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫に対しダラキューロという選択肢を提供できるようになったことで、病気の進展を遅らせ、また強力な長期の治療の必要性を低減させるとともに、全体的な生存期間の延長を期待できるようになりました。私たちは、この疾患と闘うため、引き続き尽力して参ります」

 

AQUILA試験(NCT03301220)は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫患者さんを対象とした、日本人28例を含む最大規模の無作為化試です。ダラキューロ®単独投与群(194例)におけるダラキューロ®の有効性及び安全性を、経過観察群(196例)と比較評価しています1。追跡観察期間中央値65.2ヵ月(範囲:0~76.6ヵ月)の時点で、ダラキューロ®投与群は、経過観察群と比較し統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示しました(ハザード比0.49、95%信頼区間0.36-0.67、P<0.001)1。現在のMayo2018基準(20/2/20)に基づき、後ろ向きに高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫と診断された患者さんのPFS中央値は、ダラキューロ®投与群では未到達、経過観察群では22.1ヵ月でした(ハザード比0.36、95%信頼区間0.23-0.58)1。

なお増悪とは、独立審査委員会が評価し、国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group : IMWG)による多発性骨髄腫の診断基準(SLiM-CRAB)に従って判定した多発性骨髄腫への進展又は死亡と定義しました。また60ヵ月の時点で生存し、病勢進行が認められなかった患者さんの割合は、ダラキューロ®投与群が63.1%、経過観察群が40.8%でした。

 

また全奏効率はダラキューロ®投与群で63.4%、経過観察群で2.0%と、ダラキューロ®投与群で高い割合であることが示されました(P<0.0001)1。更に、多発性骨髄腫の一次治療開始までの期間の中央値は、ダラキューロ®投与群では未到達で、経過観察群では50.2ヵ月でした(ハザード比0.46、95%信頼区間0.33-0.62、名目上のp値<0.0001)1。

 

ダラキューロ®の安全性プロファイルは、他の適応症を対象としたダラキューロ®のこれまでの試験でのプロファイルと一貫したものでした。1グレード3もしくは4の有害事象は、ダラキューロ®を投与された患者さんの40.4%、経過観察だった患者さんの30.1%に発現しました。1グレード3もしくは4の有害事象の中で最も高頻度に認められた(いずれかの群で5%以上)有害事象は、高血圧でした(ダラキューロ®群5.7%、経過観察群4.6%)1。ダラキューロ®投与の中止に至った有害事象の発現率は5.7%で、致死的な有害事象の発現率は両群ともに低いものでした(ダラキューロ®群1.0%、経過観察群2.0%)1。

 

国際共同第III相AQUILA試験の日本人サブグループ解析では、日本人部分集団においても、AQUILA試験の全体集団と一貫した結果が示唆されました。これらの結果は、2025年10月に開催された第87回日本血液学会学術集会にて発表されました。

 

*高いリスクとは:クローナルな骨髄形質細胞(BMPC)が10%以上であり、5つのリスク因子[(1)血清M蛋白が30g/L以上、(2)免疫グロブリン(Ig)A型のくすぶり型多発性骨髄腫、(3)IgA、IgM、及びIgGのうち2種類以上のuninvolved免疫グロブリンの減少を伴う免疫不全、(4)FLC(血清遊離軽鎖)比(involved/uninvolved)が8以上100未満、(5)クローナルなBMPCが50%超かつ60%未満で測定可能病変を有する]のうち、1つ以上を有する。

 

AQUILA試験について

AQUILA試験(NCT03301220)は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫患者さん390例を対象に、ダラキューロ®単独投与群と経過観察群を比較検討する第III相、無作為化、多施設共同試験です2。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は無増悪期間、全奏効率、全生存期間です2。本試験に組み入れられたのは、過去5年以内にくすぶり型多発性骨髄腫と診断された患者さんで、くすぶり型多発性骨髄腫又は多発性骨髄腫に対して承認された治療薬もしくは治験薬による治療歴がある場合には、除外されました2。

 

くすぶり型多発性骨髄腫について

くすぶり型多発性骨髄腫は、骨髄中に異常な形質細胞が認められる、多発性骨髄腫の無症候性の前駆状態です3,6。くすぶり型多発性骨髄腫は、骨痛、骨折、腎障害、貧血などの症候性の多発性骨髄腫によく見られる特徴や症状が認められないケースも多くあります1,7。多発性骨髄腫と診断された患者さんの約15%がくすぶり型多発性骨髄腫ですが、一方で40歳以上の0.53%がくすぶり型多発性骨髄腫と推計されており、実際に診断を受けている人は疫学より少ないと言われています5。そして高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫と診断された患者さんの約50%が、2年以内に症候性の多発性骨髄腫に進展すると推定されています8。

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じる治癒困難な血液がんです9,10。多発性骨髄腫は、がん化した形質細胞が増殖し続け体内に蓄積することで、正常な血液細胞を侵食することで骨を破壊し、またさまざまな合併症を引き起こします9.10。日本国内における2021年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,800人11で、2023年の死亡者数は約4,300人11とされています。多発性骨髄腫は、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療が奏効する可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にあります12,13,14。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、赤血球の減少、倦怠感、高カルシウム血症、感染症、腎障害などの症状が現れる場合もあります15。

 

ダラキューロ®配合皮下注について

ダラツムマブ皮下投与製剤であるダラキューロ®は、日本では2021年3月に多発性骨髄腫の治療薬として承認され、同年5月に発売されました。多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスの2つの疾患にわたり、6つの治療レジメンで使用されます。

 

また米国では、2020年5月に米国食品医薬品局の承認を取得し、多発性骨髄腫における9つの適応症に対して承認されています。そのうちの4つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療です16。本剤は、多発性骨髄腫治療薬として承認されている唯一の抗CD38抗体薬皮下注製剤です。ダラキューロ®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼPH20と共に製剤化されています。

 

Johnson & Johnson について 

Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。

 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びダラキューロ®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社の予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題又は遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新の会計年度のForm10-Kに基づくJohnson & Johnsonの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、又はJohnson & Johnsonの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。これら書類は、オンライン(www.sec.govwww.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson & Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社は、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。

 

 

参考文献

1 Dimopoulos MA, et al. Phase 3 Randomized Study of Daratumumab Monotherapy versus Active Monitoring in Patients with High-risk Smoldering Multiple Myeloma: Primary Results of the AQUILA study. Oral presentation. American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting; December 7-10, 2024.

 

2 ClinicalTrials.Gov. A Study of Subcutaneous Daratumumab Versus Active Monitoring in Participants With High-Risk Smoldering Multiple Myeloma. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03301220 . Last accessed: October 2025.

 

3 Myeloma UK. Smouldering Myeloma. Available at: https://www.myeloma.org.uk/wp-content/uploads/2023/04/Myeloma-UK-Smouldering-Myeloma-Infosheet.pdf. Last accessed: October 2025.

 

4 M.A. Dimopoulos, et al. Phase 3 Randomized Study of Daratumumab Monotherapy Versus Active Monitoring in Patients With High-risk Smoldering Multiple Myeloma: Primary Results of the AQUILA Study. Presented at the December 2024 ASH Annual Meeting & Exposition. Abstract JJD-78127.

 

5 Thorsteinsdóttir S, et al.: Nat Med 29: 467-472, 2023.

 

6 WebMD. Smoldering Multiple Myeloma. Available at: https://www.webmd.com/cancer/multiple-myeloma/smoldering-multiple-myeloma. Last accessed: October 2025

 

7 American Cancer Society. About Multiple Myeloma. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/multiple-myeloma/about/what-is-multiple-myeloma.html. Last accessed: October 2025.

 

8 Rajkumar SV, et al. Smoldering Multiple Myeloma Current Treatment Algorithms. Blood Cancer J. 2022;12(9):129.

 

9 Abdi J, et al. Drug Resistance in Multiple Myeloma: Latest Findings on Molecular Mechanisms. Oncotarget. 2013;4(12):2186-2207.

 

10 American Society of Clinical Oncology. Multiple Myeloma: Introduction. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/multiple-myeloma/if-you-have-multiple-myeloma. Last accessed: October 2025.

 

11 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1

 Last accessed: October 2025

 

12 Bhatt P, et al. Relapsed/Refractory Multiple Myeloma: A Review of Available Therapies and Clinical Scenarios Encountered in Myeloma Relapse. Curr Oncol. 2023;30(2):2322-2347.

 

13 Hernández-Rivas JÁ, et al. The Changing Landscape of Relapsed and/or Refractory Multiple Myeloma (MM): Fundamentals and Controversies. Biomark Res. 2022;10(1):1-23.

 

14 Gavriatopoulou M, et al. Metabolic Disorders in Multiple Myeloma. Int J Mol Sci. 2021;22(21):11430.

 

15 American Cancer Society. Multiple Myeloma: Early Detection, Diagnosis and Staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: October 2025.

 

16 DARZALEX FASPRO® U.S. Prescribing Information