神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、 2025-2026新シーズンの演奏会ラインナップを発表!
ドラマやシネマ・コンサートでもおなじみの
ドラマやシネマ・コンサートでもおなじみの神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、
2025-2026新シーズンの演奏会ラインナップを発表!
ある音楽専門誌のアンケートで「好きな世界のオーケストラ」第4位、「好きな日本のオーケストラ」では第2位になったことでも話題となった神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下 神奈川フィル)。日本テレビ系「リバーサルオーケストラ」(2023年1月~3月)では「ダメなオーケストラ」を演じ、豪華俳優陣とともに成長を感じさせる演奏(演技)をドラマ中に発揮し、多くのファンを増やしたことは記憶に新しい。そんな神奈川県・横浜市を本拠地とし、2025年には創立55周年の節目を迎える神奈川フィルが、来年4月からの新シーズンに向けコンサートプログラムのラインナップを発表した。
日本を代表する指揮者 沼尻竜典を音楽監督に迎え、バラエティに富んだプログラムにますます磨きがかかったオーケストラが来期迎える4月シーズンオープニングの定期演奏会は、2025年に没後50年、翌2026年には生誕120年を迎えるロシアの作曲家ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲第12番で幕を開ける。
ショスタコーヴィチといえば、ソ連時代多くの政治的背景から抑圧されながらも、15曲の交響曲、ヴァイオリンやチェロ、ピアノのための協奏曲、そして15曲の弦楽四重奏曲など多くの作品を世に送り出した20世紀を代表する作曲家の一人。特にこの第12番は人気の第5番同様、ニ短調の重々しい弦楽器のフレーズから始まり、最後は金管楽器や打楽器を伴う輝かしいフィナーレを迎える構成美に富んだ交響曲で、45分程度と決して長くはない演奏時間ながら、なかなか演奏機会に恵まれない作品。沼尻音楽監督が選んだ肝いりの作品なだけに、その魅力を如何なく舞台で発揮してくれるはずだ。
9月には神奈川フィル初登場となるクレメンス・シュルト氏、ヨーロッパを中心に世界で活躍する今注目のドイツ人指揮者であり、リストの大作「ファウスト交響曲」を披露する。シカゴ響の首席指揮者だった世界的トランペット奏者のエステバン・バタラン氏(現在はフィラデルフィア管首席)とのアルチュニアンは話題になること間違いなしだ。10月の定期演奏会では沼尻音楽監督が今年4月に披露したブルックナーの交響曲第5番に引き続き、第8番をプログラム。俊英 松本宗利音が登場する2026年1月の第410回、2月のレスピーギ「ローマ三部作」に「ローマの謝肉祭」を足した「ローマ四部作」など話題に事欠かないラインナップを用意している。そして特筆すべきは2025年3月に休館する神奈川県民ホールに代わり、川崎市が誇る音楽専用ホールミューザ川崎シンフォニーホールでのシリーズ新設だろう。2027年に没後200年を迎えるベートーヴェンをフィーチャーする新しいシリーズとなり、音楽監督の沼尻竜典や小泉和裕、ソリストには清水和音を起用し、その本気度がうかがい知れる。
そして川崎市民にはこのシリーズ(3公演)に申し込むとなんと40%引き(!)のサービス付き。ベートーヴェンの「第九」を含む、4つの交響曲とブラームスを堪能できる貴重な機会となるはずだ。国内外から強力な指揮者、ソリストと共に、42,000人以上のフォロワーを持つX(旧Twitter)や各種SNS、そしてYouTubeの動画配信も積極的に活用し、新たなファンを獲得しつつある神奈川フィルが、次シーズンからは定期会員の特典としてこれまで行ってきた「ゲネプロ(リハーサル)公開」、定期演奏会終了後の楽団員との交流会、引き続き来季もファン感謝イベントを実施予定。定期会員とは年間16公演のシリーズの中から、一部(3公演以上)またはそのすべてを購入し、オーケストラを応援する制度だ。そんな交流を通じて神奈川フィルの素晴らしさ、オーケストラの凄さに触れてみるのはいかがだろう。
新規定期会員の入会受付は2024年11月15日(金)から神奈川フィルのウェブサイトで販売開始。
定期会員のご案内
https://www.kanaphil.or.jp/subscription/
ラインナップ一覧
https://www.kanaphil.or.jp/news/783/
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
1970年に神奈川県を本拠地とする唯一のプロ・オーケストラとして発足。地域に密着した音楽文化の創造をミッションとして、神奈川県全域をはじめ、全国各地で幅広い活動を続けている。1978年に一般財団法人、2014年には公益財団法人として認定されている。
横浜を中心とする定期演奏会や特別演奏会、県内各地を回る巡回公演などの主催公演を開催。音楽教育にも積極的で、小中学校での音楽鑑賞教室を全国各地で開催し、広い世代に音楽の魅力を伝え、また医療機関や特別支援学校への出張演奏も行っている。1983年安藤為次教育記念財団記念賞、1989年神奈川文化賞、2007年NHK地域放送文化賞、横浜文化賞、2022年地域文化功労者表彰をそれぞれ受賞。
2020年には創団50周年を迎え、現在、指揮者陣には、音楽監督に沼尻竜典、名誉指揮者に現田茂夫、特別客演指揮者に小泉和裕を擁し実力、人気ともに、益々注目されているオーケストラである。
ホームページ www.kanaphil.or.jp
沼尻竜典 (音楽監督)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア音楽監督。ベルリン留学中の1990年、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。以後ロンドン交響楽団、モントリオール交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、トリエステ歌劇場管弦楽団、シドニー交響楽団、チャイナ・フィルハーモニー管弦楽団等、世界各国のオーケストラに客演を重ねる。国内ではNHK交響楽団を指揮してのデビュー以来、新星日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団、日本センチュリー交響楽団のポストを歴任。
2011年夏にはサイトウ・キネン・オーケストラにデビュー。バルトーク『中国の不思議な役人』で成功を収めた。ドイツではリューベック歌劇場音楽総監督を務め、オペラ公演、劇場専属のリューベック・フィルとのコンサートの双方において数々の名演を残し、特にブラームス、マーラー、ブルックナー、ワーグナーなどがドイツメディアの高い評価を受けた。オペラ指揮者としては1997年に日生劇場制作の『後宮からの誘拐』でデビュー。
その後、ケルン歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、バーゼル歌劇場、シドニー歌劇場等へも客演。16年にわたって芸術監督を務めたびわ湖ホールでは、モーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ、ワーグナー、R.シュトラウスからツェムリンスキーまで数多くの意欲的なプロダクションを実現、ミヒャエル・ハンペの新演出による《ニーベルングの指環》を含め、バイロイト祝祭劇場で上演されるワーグナー作曲の主要10作品もすべて指揮、国内外から注目を集めた。2023年4月より桂冠芸術監督に就任。
CD録音も多く、数万枚を販売するベストセラーとなった東京都響との「日本管弦楽名曲集」(NAXOS)、芸術選奨新人賞を受けた「武満徹・ARC」(fontec)をはじめとする現代音楽のほか、日本センチュリー響とのメンデルスゾーン交響曲全集も名盤として名高い。トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア(旧トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ)とはベートーヴェンの交響曲全集をリリース後(EXTON)、定期的にレコーディングを重ねており、2018年にはモーツァルトの交響曲第40番と、弾き振りによるピアノ協奏曲第18番のカップリングが朝日新聞推薦盤となった。また、2014年1月にはオペラ『竹取物語』を作曲、自らの指揮で初演。国内外で再演されており、びわ湖ホールでの上演は第13回三菱UFJ信託音楽賞 奨励賞を受賞。
これまで出光音楽賞、渡邉暁雄音楽基金音楽賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、毎日芸術賞、中島健蔵音楽賞、文化庁芸術祭優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞。2021年には《滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールと沼尻竜典》として第51回ENEOS音楽賞 洋楽部門本賞を受賞。2017年春には紫綬褒章を受章している。
小泉和裕 (特別客演指揮者)
京都生まれ。1969年東京芸術大学指揮科に入学、山田一雄氏に師事。1970年第2回民音指揮者コンクール第1位受賞。 1972年7月、新日本フィル創立に際し、指揮者として参加。同年ベルリンのホッホシューレに入学し、ラーベンシュタイン教授にオペラ指揮法を師事。1973年夏、ボストンのタングルウッド音楽祭に参加し研鑽を積む。1973年、第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位入賞。その後ベルリン・フィルを指揮してベルリン・デビューを飾った。
1975年~1979年、新日本フィル音楽監督を務める傍ら、1975年ベルリン・フィル定期演奏会に登場、1976年フランス国立放送管を指揮しルービンシュタイン、ロストロポーヴィチとも協演、同年ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮、その後もミュンヘン・フィル、バイエルン放送響等、ヨーロッパ各地において精力的な指揮活動を行った。また、アメリカにおいても、1978年ラヴィニア音楽祭でシカゴ交響楽団を指揮し大成功を収めた後、1980年シカゴ響定期公演に登場し注目を集めた。その他、ボストン響、デトロイト響、シンシナティ響、トロント響、モントリオール響などにも客演。 1983年~1989年カナダのウィニペグ響の音楽監督、1986年~1989年都響指揮者、1989年~1996年九響首席指揮者、1992年~1995年大阪センチュリー響首席客演指揮者、1995年~1998年都響首席指揮者、1998年~2008年都響首席客演指揮者、2003年~2008年大阪センチュリー響首席指揮者、2008年~2013年都響レジデント・コンダクターおよび日本センチュリー交響楽団(旧・大阪センチュリー響)音楽監督等を歴任。現在、東京都交響楽団終身名誉指揮者、九州交響楽団音楽監督、名古屋フィルハーモニー交響楽団音楽監督、仙台フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別客演指揮者。
現田茂夫 (名誉指揮者)
1959年東京生まれ。9才よりオーケストラの中でチェロを学び、清水勝雄氏に師事。高校在学中に指揮者を志し、金子登氏に指揮の手ほどきを受ける。1979年東京音楽大学指揮専攻に入学。汐澤安彦、三石精一両氏に師事。その後1982年東京藝術大学指揮専攻に入学。佐藤功太郎、遠藤雅古両氏に師事。
1986年東京二期会のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」でデビュー。1987年大学卒業と同時に新星日本交響楽団の指揮者に就任。1990年文化庁在外派遣研修員としてウィーン国立歌劇場に国費留学。ドレスデンフィル、スロヴァキアフィル、プラハ交響楽団、サンレモ交響楽団等に客演し、コンサート、オペラ両面で活動を続ける。
1994年のプラハの春での佐藤しのぶコンサートは全ヨーロッパで放映された。また、世界的チェリスト ロストロポーヴィチと上皇后陛下の古希祝賀コンサート等で共演し高い評価を得ている。国内のオーケストラにも精力的に客演し、1996年神奈川フィルハーモニー管弦楽団指揮者に、2000年常任指揮者、2009年より名誉指揮者に就任。オペラ指揮者としての経験は豊かで歌手からの信頼も厚く、二期会21、関西二期会を中心に数多くの公演を行なっている。
2002年から15年は錦織健プロデュースオペラの音楽監督も務め全国公演。2011年はアンサンブル金沢と金沢歌劇座・兵庫県立芸術文化センター他(5都市6公演)で「椿姫」を公演。14年には市川右近(現三代目市川右團次)新演出“夕鶴”の全国公演も行い高評を得、16年にも再演を行った。“佐藤しのぶドラマチック・リサイタル”(全国ツアー)、“夕鶴”のカザフスタン/ウズベキスタン/東京公演、“天守物語”等、日本のオペラも積極的に行なっている。アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクール(イタリア/トレント)の審査員や、NHKのFM「シンフォニー・コンサート」のパーソナリティを長年務める等バラエティに富んだ活動を行なっている。2023年からは東京藝術大学指揮科客員教授として後進の指導にもあたっている。