【注意喚起】年間約100件発生「リコール製品の事故」を防ぐ
リコール情報の“未読・既読スルー”はNG!
製品の不具合や欠陥などにより事業者がリコール(※1)を実施していますが、リコール後もリコール対象製品(※2)と気付かなかったり、気付いていてもそのまま使い続けてしまったりすることで、重大製品事故(※3)(以下、「リコール後の重大製品事故」という。)が発生しています。NITEが受け付けた重大製品事故5097件のうち、2019年から2023年の5年間に発生したリコール後の重大製品事故は558件ありました。
独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、リコール後の重大製品事故を防止するために注意喚起を行います。
リコール後の重大製品事故は、消費者にリコール情報が確実に届き、製品の回収・改修・点検(継続利用の可否確認)などの対応が行われていれば未然に防ぐことができた可能性が高い事故です。
製品事故が発生しないよう、事業者から様々な媒体を通じてリコール情報が発信されていますので、最新の情報を確認しましょう。
リコールされた製品は重大製品事故が発生するおそれがあるため、リコール対象製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても使用を中止し、販売店やメーカー(製造・輸入事業者)に連絡してください。リコール情報を見逃さず、事故を未然に防ぎましょう。
◤リコール製品による重大製品事故を防ぐために気を付けるポイント◢
○製品購入時にユーザー登録可能な場合は、ユーザー登録をする。
○テレビ、新聞、ラジオ、販売店の張り紙、ダイレクトメールなどのリコール情報を見逃さない。
○使用している製品がリコール対象ではないか、随時、最新の情報を確認する。
○リコール対象製品と分かったら、不具合がなくても直ちに使用を中止し、リコールの案内に従って対応する。
(※1)事業者が消費生活用製品による事故の発生及び拡大の可能性を最小限にすることを目的に行う、製品の回収、交換、点検、修理、注意喚起など。
(※2)本資料では、経済産業省又はNITEで公表しているリコール対象製品に限る。
(※3)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故情報。
事故の発生状況
NITEが受け付けた重大製品事故5097件のうち、2019年から2023年までの5年間に、リコール後の重大製品事故は558件発生しており、発生状況は以下に示すとおりとなります。
年別の事故発生件数
重大製品事故及びリコール後の重大製品事故について、年別の事故発生件数を図1に示します。毎年、重大製品事故の約1割がリコール後の重大製品事故となっています。
原因別の事故発生件数
リコール後の重大製品事故558件について、原因別の事故発生件数を図2に示します。「製品に起因する事故」が6割以上となっており、リコール情報を消費者が把握し、適切な対処がされていれば未然に防ぐことができた可能性があります。
なお、「原因不明」となっているのは、事故での焼損が著しかったり、事故当時の詳細な使用状況が不明だったりしたために、事故原因の特定には至らなかった事故であり、その中には製品に起因して発生した事故が含まれているおそれもあります。
事故の被害状況
リコール後の重大製品事故558件 における被害状況別の事故件数を表1に示します。死亡や重傷といった人的被害のほか、周囲への拡大被害(※4)も多く発生しています。558件中411件が火災事故となっており、リコール対象製品をそのまま使い続けることは、製品が壊れるだけでなく甚大な被害につながるおそれがあります。
(※4)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
(※5)()は被害者数、[]は火災件数。物的被害(製品破損または拡大被害)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。また、人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしていない。
事故が多い製品群ワースト10
リコール後の重大製品事故のなかで、「製品に起因しない事故」29件を除く529件について、事故件数が多い製品群ワースト10を表2に示します。自転車は、後輪用サークル錠(後輪錠)を施錠するとハンドル錠(前錠)も同時に施錠される機能を搭載した製品での事故が多数発生しています。リコールされてから数年後に事故が発生していたり、当初リコール対象ではなかった型番も追加でリコール対象になったりしている事例がありますので、リコール情報を随時確認するようにしてください。
表2 事故件数が多い製品群ワースト10
(※6)モバイルバッテリーやポータブル電源のほか、電動アシスト自転車やノートパソコンなどについてもバッテリーに関連する事故は「バッテリー」としてカウント。
リコール製品による重大製品事故を防ぐために気を付けるポイント
製品購入時にユーザー登録可能な場合は、ユーザー登録をする。
製品購入時にユーザー登録を行っていると、販売店や事業者からのお知らせとして製品の安全な使い方やリコール情報などのダイレクトメールが送られてくることがあります。ユーザー登録ができる場合は、登録しておきましょう。
テレビ、新聞、ラジオ、販売店の張り紙、ダイレクトメールなどのリコール情報を見逃さない。
テレビやラジオのCM、新聞、折り込みチラシ、市町村の刊行物、雑誌、販売店の張り紙などにリコール情報を掲載していることもあります。お持ちの製品と似ていたり、見覚えがあったりする製品のリコール情報が目に止まった場合は、対象製品の可能性もあるため、必ず確認を行うようにしてください。
情報が得られる様々な機会を活用して、リコール情報を見逃さないようにしましょう。
【経済産業省 製品事故対策室のX(旧 Twitter)のご紹介】
経済産業省 製品事故対策室では、身の回りの製品のリコールや事故の最新情報、事故対策のお役立ち情報など「製品安全」に関わる内容をタイムリーに発信しています。
https://x.com/kochijiko
使用している製品がリコール対象ではないか、随時、最新の情報を確認する。
製品が発売されてから数年後にリコールを実施したという事例もあります。また、リコール開始から10年以上使用した後に発生した事例があり、長期間にわたり使用できている製品であってもリコール対象製品である場合があります。
事業者、消費者庁、経済産業省及びNITEなどはホームページでリコール情報を掲載しています。お持ちの製品がリコール対象製品かどうかを確認することが可能です。事業者や業界団体によっては、型式などに限定せず、長期間使用していることを注意喚起している場合もあります。
製品の製造・輸入事業者のホームページなどをこまめにチェックし、リコール情報を確認してください。
【消費者庁のリコール情報検索サイトのご紹介】
「消費者庁リコール情報サイト」では、消費者向け商品のリコール情報を掲載しており、キーワードによりリコール情報を検索することができます。さらに、「リコール情報メールサービス」に登録することで、新規のリコール情報等が提供されます。
https://www.recall.caa.go.jp/
【NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)のご紹介】
NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。
また、事故事例の【SAFE-Lite検索キーワード例】で例示されたキーワードで検索することで、類似した事故が表示されます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html
リコール対象製品と分かったら、不具合がなくても直ちに使用を中止し、リコールの案内に従って対応する。
もしリコール対象製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても直ちに使用を中止し、お買い求めの販売店や製造・輸入事業者に確認や相談をしてください。そのまま使い続けないようにしてください。
今回の注意喚起動画はこちら
>>「リコール製品に注意」
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。