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投稿者:

ZYAO22編集部

ハリマ化成株式会社の研究員が、日本ゴム協会より表彰されました

2024年2月26日
ハリマ化成グループ

ハリマ化成グループ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長谷川吉弘、以下、当社)の
子会社であるハリマ化成株式会社の研究員が、2月9日に開かれました一般社団法人日本ゴム協会関西支部主催第4回若手発表交流会にて「最優秀発表賞」を受賞しました。

若手発表交流会の概要

 
日本ゴム協会関西支部では、若手の個人会員を対象に、各社の有するゴムに関わる技術・知識を共有
し、各自の疑問や悩みを解決できるセミナーを開催しています。同発表交流会は、参加者が発表者となり自身の保有する技術を伝え、聴講者となり他者の持つ技術を学ぶことで、互いに切磋琢磨し、スキルアップできる環境、関係づくりを目的としています。セミナー終了後には、親交を深めるための交流会も行われています。

受賞内容の概要

 
受賞の対象となった発表内容は、「高極性ロジンによる新規tanδピークの発現とそのメカニズム」です。当社は、再生可能資源である松から得られるロジン(松やに)の変性技術を活かしたゴム用添加剤の開発を行っている中、極性の異なる2種類のロジン(高極性ロジン、低極性ロジン)のゴム物性への影響について検討いたしました。

極性の異なるロジンをゴムおよびシリカ(充填剤)とともに混練・成型することで、加硫ゴムを作製し、動的粘弾性測定を行いました。結果、高極性ロジンを添加した場合のみ、ゴム由来のtanδ(損失正接)ピークに加えて、室温付近に新規tanδピークが発現しました。新規tanδピークはロジンのTg(ガラス転移温度)とは異なる温度領域で観察されたため、ピーク発現には、高極性ロジンとゴムの相分離とは別の要因があることが判明しました。

次に、新規tanδピーク発現への充填剤種の影響を把握するため、充填剤種をシリカからカーボンブラックに変更した加硫ゴムを作製し、動的粘弾性測定および顕微鏡観察を行いました。結果、新規tanδピークは、シリカと高極性ロジンの組み合わせでのみ発現しました。さらに顕微鏡観察からは、シリカ配合ゴムに高極性ロジンを添加した場合のみ、シリカの凝集が認められました。このことから、新規tanδピークの発現機構として、シリカの凝集が重要であること、また高極性ロジンがシリカの凝集を促進することが確認できました。

これらの成果をゴム用添加剤の開発に反映させ、ゴムの高機能化や適用範囲の拡大を可能にするとともに、様々な用途への展開を進めていきます。

関連情報

 
・「第4回若手発表交流会」の概要
https://www.srij.or.jp/newsite/schedule/view_detail.php?gno=6378&keepThis=true&TB_iframe=true&height=550&width=680