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投稿者:

ZYAO22編集部

メディア情報学科の学生が「いちごファームHakusan」の新しいイメージキャラクターを開発。

【社会実装型教育の成果】新「うららちゃん」として2月から本格運用開始

金沢工業大学メディア情報学科4年の吉村 聖隆さんが開発したキャラクターがこのたび「いちごファームHakusan」(石川県白山市上野町フ14番地)の新しいイメージキャラクターとして採用されました。新「うららちゃん」として2024年2月より本格的な運用が始まります。

採用された新「うららちゃん」(メディア情報学科4年 吉村 聖隆さん 作)

いちごファームHakusanは北菱電興株式会社(石川県金沢市)と農事組合法人んなーがら上野営農組合(白山市)が共同運営するいちご摘み取り体験施設です。農業用水の排水を利用したマイクロ水力発電によるクリーンエネルギーを活用したハウス内で、高設栽培のため果実が土に触れることなく衛生的で、多くの家族連れで賑わっています。

 いちごファームHakusan

いちごファームHakusanの新しいイメージキャラクターを創出する「新うらら創造プロジェクト」は、2023年4月から金沢工業大学と北菱電興株式会社との共同研究の一環として始まりました。メディア情報学科4年の堀岡 ひなのさん(石原 由貴研究室 )、太田 愛弓さん(石原 由貴研究室)、吉村 聖隆(村山 祐子研究室)の3名が参加。幅広い年齢層に親しんでもらえるキャラクターに、という要望から、3名それぞれがうららちゃんのストーリー(世界観)を考え、それをもとにキャラクターを考案。2週間から1ヶ月のペースで北菱電興担当者にプレゼンを行い、フィードバックをいただきながら最終的なデザインにまとめていきました。

創出されたA案(堀岡 ひなのさん作)、B案(太田 愛弓さん作)、C案(吉村 聖隆さん作)については、11月15日から11月26日まで、主に「いちごファームHakusan」のインスタグラム上で投票を呼びかけ、リンク先のWEBページで投票が行われました。
そして最も票が多かった吉村さんのC案に決定されました。

 
A案:堀岡 ひなのさん作

●ストーリー(世界観)
いちごが大好きな子供の夢の中で生まれたいちごの妖精のお姫様。魔法を使ってこちらの世界にやってきた。
●堀岡 ひなのさんのコメント
今回の活動では初めて経験することが多く、大変でしたが充実していて楽しかったです。最初は依頼者の方々の希望をうまく聞き出せずに苦労しましたが、相手の話から希望を考え形にしていくことを意識して活動するようになり、今後社会人として仕事をしていく上で大変貴重な経験となりました。

 
B案:太田 愛弓さん作

●ストーリー(世界観)
ここはいちごファームHAKUSAN。豊かで厳しい自然あふれる白山のたもとには、妖精達が住むいちごの国があります。いちごの妖精うららちゃんは国のプリンセスで、いちごの国と国に住む仲間を愛しています。優しいファームの中西さん(運営者)、雪解け水と共に働く水車の精さん、気ままに飛び回る蜂さんと一緒に、国を良くしようと頑張っています。
●太田 愛弓さんのコメント
1人のキャラクターを創り出すというとても興味深い経験ができました。趣味で描くイラストとは異なり、商業的な面も考えながらデザインを行い、多くの意見を上手くまとめてキャラクターに落とし込むのが難しかったのですが、責任をもって完成まで辿り着くことができて、精神的にも成長できました。

 
C案:吉村 聖隆さん作

●ストーリー(世界観)
すとろべりー王国のプリンセス うららちゃん。美味しいいちごに誘われて、いちごファームHakusanにやってきた!すとろべりー王国ではとっても美味しいいちごを育てています。
●吉村 聖隆さんのコメント
ユーザーの皆様に選んで頂けるよう市場調査を行い、“キャラクター”と“いちご”の見た目に対する知識を得る経験は、今後の活動における学びになりました。今回のプロジェクトで一般のユーザーの方々に選択して頂きとても光栄です。今後の活動でも、“皆に愛されるキャラクター像”とは何かをその時々の需要に沿って意識したいです。

【参考】金沢工業大学と北菱電興株式会社との共同研究
金沢工業大学地方創生研究所では北菱電興株式会社と共同で「いちごの成長制御を目的とした圃場全体の制御システムの研究開発」に、2018年2月から取り組んできました。環境モニタリングセンサ-を活用していちご栽培に最適な環境条件の確立を目指すもので、「いちごファームHakusan」で実証実験を行っています。当営農施設では、金沢工業大学ロボティクス学科の竹井義法教授らの研究グループと同社が共同で開発を進める温湿度センサをハウス内に設置。既存のセンサと組み合わせて温度や二酸化炭素の濃度、湿度のむら、異常などをモニタし、必要に応じた空調管理やカーテンの制御をすることでハウス内の環境を一定に保ち、品質のばらつきを抑えた均質な美味しいいちごを栽培する実証実験が行われています。ハウス内の環境はPCやタブレットで確認できるため、遠隔監視や遠隔操作による労働時間や労力の軽減にもつながり、次世代型の営農システムとして新たな農業従事者の担い手確保につながるものと期待されています。

さらに金沢工業大学白山麓キャンパス内には研究用いちご農圃を設置。再生可能エネルギーを用いたカーボンニュートラルないちご栽培を実現するとともに、5Gやロボット工学を用いたいちごの摘果ロボット開発等も行われています。

また北菱電興株式会社とは金沢工業大学の特色ある産学協同教育である「KITコーオプ教育」も実施。金沢工業大学の学生が数カ月間、北菱電興株式会社の社員として専門性を生かした問題発・解決に取り組んでいます。