「北陸新幹線整備促進シンポジウムin関西2023」開催 「北陸新幹線を関西に!」をキーワードに
~杉本達治福井県知事もトークセッションで登壇~
2023年10月27日
福井県 未来創造部 新幹線・交通まちづくり局
新幹線建設推進課
令和6年3月16日の北陸新幹線金沢・敦賀間の開業を控え、その効果に期待が集まる中、北陸新幹線の早期全線開業に向けて、関西圏におけるさらなる機運の醸成を図るため、大阪で下記の通り「北陸新幹線整備促進シンポジウムin関西2023」が公益社団法人関西経済連合会、関西広域連合、京都府、大阪府の主催で開催されました。
シンポジウムでは、冒頭、三日月大造関西広域連合長や吉村洋文大阪府知事などから挨拶があり、吉村大阪府知事からは「北陸新幹線を大阪へつなげようという思いがひとつになることが最も大切である」と発言がありました。その後、建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構北陸新幹線建設局の堀川淳副局長より北陸新幹線の概要説明がおこなわれ、北陸新幹線についての理解を深めました。また、トークセッションでは杉本達治福井県知事、正司健一神戸大学名誉教授など4名が登壇。それぞれの立場や視点から、金沢・敦賀間の開業を目前に控えて高まる期待や大阪までの全線開業が大阪・関西にもたらす効果などについて発言がありました。杉本達治福井県知事のトークセッションでは正司健一神戸大学名誉教授と開業効果を最大化するための取り組みについてやり取りがありました。最後の閉会セレモニーでは、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」や福井県マスコットキャラクター「はぴりゅう」と主催者、登壇者でフォトセッションが行われました。なお、シンポジウムはオンラインでも同時配信され、会場とオンライン視聴をあわせて約350名が視聴しました。
<シンポジウム概要>
【開催日時】 令和5年10月27日(金) 13時30分~15時30分
【開催場所】 ナレッジシアター(グランフロント大阪 北館4F)
【主 催】 公益社団法人関西経済連合会、関西広域連合、京都府、大阪府
【共 催】 北陸新幹線建設促進同盟会、北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会
【プログラム】 ① 主催者等挨拶
② 北陸新幹線の概要説明
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
北陸新幹線建設局 副局長 堀川淳
③ トークセッション
・「敦賀開業で高まる期待」
福井県知事 杉本達治
・「開業効果を最大限活かすために必要なこと」
神戸大学名誉教授 正司健一
・「関西への経済波及効果」
関西経済連合会副会長、国土・広域基盤委員会委員長 楢原誠慈
・「開業がもたらす関西と北陸との交流促進と地方創生」
株式会社リクルートじゃらんリサーチセンター客員研究員 澤柳正子
④ 閉会セレモニー
【来場者】 約250名 (オンライン視聴:約100名)
トークセッションでは北陸新幹線全線開業に向け、多角的な視点から意見が交わされました。 左より杉本福井県知事、正司名誉教授、楢原副会長、澤柳客員研究員
■トークセッション・発言骨子
・「敦賀開業で高まる期待」
福 井県知事 杉本達治
福井・敦賀開業で福井県内では盛り上がりが加速しており、開業の効果を最大限高めるために観光地・施設への投資を重点的に実施し、地域交通の充実も進めている。大阪まで開業すれば関西の交流圏が大きく広がるだろう。また、北陸新幹線は災害に強く、大規模災害時には東海道新幹線の代替として機能するので、災害時のリダンダンシー確保のためにも重要だ。一日も早く実現させたい。
・「開業効果を最大限活かすために必要なこと」
神戸大学名誉教授 正司健一氏
交通と地域経済社会は密接に関係している。東海新幹線はビジネス新幹線だが、北陸新幹線は観光など多彩な活動の活性化に貢献し、地域の魅力再認識にも結びつくだろう。新幹線は高い能力を持つ社会インフラであり、北陸新幹線の全線開業は西日本、さらに日本全体の経済力を底上げするための先行投資である。関西には北陸と西日本と繋げる中央回廊の西の拠点としての役割が期待される。
・「関西への経済波及効果」
関西経済連合会副会長、国土・広域基盤委員会委員長 楢原誠慈氏
複眼型国土の実現のためにも交通インフラ整備は大切。北陸新幹線全線開業は北陸と関西、さらに西日本との距離を短縮し、東京一極集中化是正にも寄与する。北陸新幹線や地下鉄なにわ筋線が開業すれば、広域交通の一大ハブとなる新大阪駅の重要性がますます高まる。関西経済連合会は、歴史的にも繋がりが深い北陸と関西を結ぶ新幹線の実現に向けた活動を今後も積極的におこなっていく。
・「開業がもたらす関西と北陸との交流促進と地方創生」
株式会社リクルートじゃらんリサーチセンター客員研究員 澤柳正子氏
地域活性は定住人口や企業誘致など目に見えるものだけでなく、「楽しい」や「好き」など目に見えない指標も大切で、地域愛と観光地力は密接な関係にある。まずは地域の人たちが楽しむこと、「何もない」と決めつけるのではなく地元の魅力を鳥の目・虫の目で見ること、ピークを最後に持って来ることなどおもてなしの作戦を検討することが、交流促進や地方創生の機会に大切だ。