「女子中高生のためのキャリアセミナー 先輩にきく！リケジョの道」開催報告

数学は答えがはっきりしていて、自分の力で学びを進められるところが好きでした。高校は好きなことを学ぶのが最優先の自由な校風で、あまり文理を意識しないまま進学を迎え、国立大学の教育学部で数学を専攻しました。就職活動では「女性が長く働けること」を条件に女性社員が多く平均年齢も高かった今の会社を選んだため、理系職種かはほとんど意識しませんでした。入社後はシステム部門や広告宣伝、ツアー旅行を扱うグループ会社での業務など幅広い経験を積み、現在はDX部門を担当しています。一部の技術職は理系が多いですが、私たちの業種のように文系理系関係なく活躍できる会社があることも知っていただけたらと思います。

高校では理系だったものの、勉強や部活の忙しさに追われ、強く志望する分野を見つけられないまま私立大学の文系学部に進学しました。そこで改めて自分が何を学びたいかを真剣に考え、やはり工学系（特に情報系）に進みたいと気づき、神戸大学工学部に3年次で編入し今に至ります。大学での仕事は「研究」と「教育」。研究のアイデアや技術は降ってわいてくるものではないので、大学では、基礎知識や専門知識、教養、経験などを身につけます。現状、日本では工学系に進学する女性が比較的少ないですが、学生の頃から女性だからといって困った経験はありません。自分の興味を大切に、やりたいことに取り組むのが一番だと思います。

子どもの頃に初めてアイシャドウを使ったときの感動が忘れられず、化粧品に関わる仕事がしたいと思っていました。昔から答えがはっきりしている数学が好きで、一つの答えに対して解き方がいろいろある点も面白いと思っていました。大学では応用化学を学びましたが、研究の合間も新作コスメのチェックは欠かさず、就職活動においても「化粧品が好き、自分でつくって届けたい」と、ベンチャー的な社風の残る今の会社を選び、化粧品の企画開発という道に進みました。入社当時から自分が何をしたいかをはっきり言葉にしてきました。期待されていることを一つずつクリアすることで、今のポジションにたどり着けたと感じています。

シニアコンサルタント 江口未紗

高校で理系を選択し、大学で情報工学を学びエンジニアになりました。高校ではやりたいことが決まっていない時期に文理選択を迫られ、「将来の選択肢を狭めたくない」と理系を選びました。もともと理系科目は不得意でしたが、苦手科目に食らいついて頑張る経験や、大学の理系学部合格といった成功体験を積むことができました。専門性を得られたのもよかったと思います。理系は大変そうと思いがちですが、周りの人に話を聞いて具体的なイメージがわかれば怖くなくなります。自分がやりたいこと、興味があることは何かを考え、チャレンジしてほしいです。

マネジャー 黒田夏未

視聴者のみなさんから、登壇者の方々に対して「自分の将来や道を決めるときに大事にしていることは何か」「理系科目の難しさに挫けそうになることはあったか、どのように克服したのか」など時間内では回答できないほどたくさんの質問をいただきました。

登壇者の方々のお話を伺い、自分の好きなことや興味があることを大事にし、それを軸に進路やキャリアを選択されてきたことがよくわかりました。選択するまでにどのような環境で何を考えてきたかといったリアルなお話も共有できたと思います。私自身も数学が好きで、校則がないという理由で高等専門学校に進学し、大学に編入した経験があります。進路選択では悩むことが多いと思いますが、柔軟に、直感的に、そして好きなことに突き進むことが何より大切だと改めて思いました。