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投稿者:

ZYAO22編集部

台湾工業技術研究院と東京工業大学が協力協定を締結

半導体、ネットゼロ、バイオ医療、スタートアップ支援、4分野に焦点

2023年12月5日
工業技術研究院

 今年は工業技術研究院(以下:ITRI)の50周年であり、日本との関係をより一層深化させ、協力拡大するため、ITRIは14日に東京工業大学との協力協定を締結した。今後、両者は半導体、ネットゼロ、バイオメディカル、スタートアップ支援の分野に重点を置いた協力を進め、クロスドメインの専門知識を活かし、共同研究開発に取り組み、相互補完関係を築いていく。ITRIの劉文雄(Edwin Liu)院長と東京工業大学の益一哉学長が協力協定を締結し、同日に第1回の共同シンポジウムを開催した。気候変動やサプライチェーン再構築など世界各国が待ったなしの重要な課題に直面している中、本シンポジウムでは2050年のネットゼロ及び半導体の2分野に焦点を当てた。今後もそれぞれの専門知識を活かして革新的な共同研究開発を推進し、台湾と日本の技術の更なる協力と交流を推進することが期待される。

ITRIの劉文雄院長と東京工業大学の益一哉学長が協力協定に署名し、今後は半導体、ネットゼロ排出、バイオメディカル、スタートアップなどの分野に焦点を当てた協力を一層強化する予定。



 ITRI劉院長は台湾と日本は島国であることや、天然資源不足、頻発する自然災害や高齢化など、多くの共通した課題に直面していることに触れた上で、両国は文化、研究開発や高品質に対する要求、そして職業倫理など、共通する点が多く、台湾と日本の協力は互いに補完し合うことで、双方に利益をもたらすことが出来る。多くの問題は単一分野だけでは解決できないものも少なくなく、異なる分野間の協力が新たな機会を創出する唯一の方法であると述べた。ITRIと東京工業大学はこれまでに既に20年以上に渡る協力関係を築いており、革新的材料から半導体関連技術までの多くの共同研究を行ってきた。今回の協力協定締結により、より緊密なパートナーシップを築き、革新的な協力成果を生み出す機会を作り出すことが期待されている。
 また、両者は、常に世界で最も重要な課題を解決することに取り組んでおり、最近では地政学的要因から不可欠な半導体産業や、各国共通のネットゼロの問題などに焦点を当てている。今回の締結により、さらなる緊密なコミュニケーションチャネルを築き、革新的な協力成果を生み出す機会を作り出すことが期待されている。



 東京工業大学の益学長は、今回ITRIと協力協定を締結できたことに非常に喜んでいると述べた。東京工業大学とITRIは過去20年以上にわたり、主に半導体と材料分野で協力してきたことに触れつつ、2022年にITRIの劉文雄院長が日本を訪問した際に、ネットゼロや水素エネルギーなどのトピックについて深く意見交換ができたことに改めて感謝をした。今回の協力協定により、バイオメディカルやスタートアップ支援を含む両者の協力プロジェクトが拡大され、お互いの関係が大幅に強化されると信じており、今後は、東工大の人材と施設を活用し、ITRIとの国際連携をさらに強化し、革新的な連携協力モデルを構築していきたいと期待を述べた。



 日本の水素技術の研究開発は国際的にも高く評価されており、一方、台湾は再生可能エネルギーの積極的な開発を進めている。本シンポジウムでは、ITRIが水素燃料電池および金属板電池などの関連技術を共有し、クリーンエネルギー発電および余剰水素の再利用など水素エネルギー応用への取り組みを紹介した。また、純水素の製造と濾過膜技術についても共有した。東京工業大学科学技術創成研究院の加藤之貴教授は、東京工業大学のグリーン転換ビジョンについて発表し、非常に活発な意見交換が行われた。



 台日間での半導体の相補的な協力も、両国が注力している産業分野である。東京工業大学 科学技術創成研究院の大場隆之特任教授からは、シンポジウムで「3D大規模整合(BBCube)」と題したプレゼンテーションを行った。この新たな集積プロセッサーとメモリ3D技術は、より高性能、高速、効率の良い計算を実現するのに役立つ。また、ITRIからはエネルギー効率や省エネルギーへの要求が益々高まる中で注目されている、次世代のワイドバンドギャップパワー半導体技術を共有した。これらの革新的技術は、より高いエネルギー変換効率をもたらす可能性があると期待されている。



 さらに、「東京工業大学」と「東京医科歯科大学」は2024年に統合し、「東京科学大学」となる予定。そのため、ITRIと東京工業大学の協力協定はさらに意義深いものとなっている。両者の協力と知識交流は、半導体分野から医療バイオ分野へと拡大し、科学技術の革新を促進するだけでなく、台湾と日本の科学技術産業の発展にも寄与していく。今後、技術セミナーや、技術成果などの共有を通じて、連携協力を更に深化させていくことを期待する。