アッヴィ、再発と難治性の大細胞型B細胞リンパ腫治療薬「エプキンリ(R)皮下注4mg」「同48mg」を日本で販売
2023年11月22日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫治療薬として、
「エプキンリ(R)皮下注4mg」「同48mg」を日本で販売開始
ー エプキンリは再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者さんに対する単剤皮下投与による二重特異性抗体治療薬
ー 近年、悪性リンパ腫の患者数は増加傾向1
ー 標準的な治療法が確立しておらず、アンメット メディカルニーズが高い再発又は難治性のLBCLに、新たな治療選択肢が登場
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ジェームス・フェリシアーノ)は、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)のうちびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)、原発性縦隔大細胞型リンパ腫(PMBCL)、および再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)2を効能又は効果とする治療薬として抗悪性腫瘍剤/二重特異性抗体製剤「エプキンリ(R)皮下注4mg」「同48mg」(一般名:エプコリタマブ(遺伝子組換え)) を本日、11月22日より販売開始することをお知らせします。
日本において悪性リンパ腫の90%以上を占める非ホジキンリンパ腫(NHL)の総患者数は約12.4万人と推定されています。NHLのひとつである、LBCLには、DLBCLを含む複数の病型があり、DLBCLはNHLの約30-40%を占めるとされています3,4,5。また、近年悪性リンパ腫の患者数は増加傾向にあります1。LBCLの治療は近年進歩していますが、全身療法を2つ以上受けた再発又は難治性のLBCLについては、標準的な治療法が確立しておらず、新しい治療法へのニーズが高い疾患です。なお、FLは、DLBCLに次いで発生頻度の高いB細胞性リンパ腫であり、NHLの10~20%を占めています。FLの5~10%を占めると報告されているGrade 3Bは、アグレッシブリンパ腫に準じた治療がなされています6,7。
アッヴィ合同会社社長のジェームス・フェリシアーノは、エプキンリの発売にあたり次のように述べています。「エプキンリを再発又は難治性のLBCL患者さんに新たな治療選択肢として提供できることを大変嬉しく思います。アッヴィでは、複数の血液がんの標準治療を変革に取り組むとともに、様々ながん種に対する開発を積極的に推進しています。エプキンリを通じて、新しい治療選択肢を必要とする患者さんの笑顔に貢献してまいります」
エプキンリは、アッヴィとジェンマブ社のがん領域におけるグローバルな提携関係の下、日本では、ジェンマブ株式会社が製造販売を行い、ジェンマブ株式会社とのコ・プロモーションにより、両社が情報提供活動を行っていきます。
エプキンリ(R)皮下注4mg、同48mg 製品概要
販売名 |
エプキンリ(R)皮下注4mg、同48mg |
一般名 |
エプコリタマブ(遺伝子組換え) |
効果又は効能 |
以下の再発又は難治性の大細胞型B 細胞リンパ腫 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 高悪性度B細胞リンパ腫 原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫 再発又は難治性の濾胞性リンパ腫 |
効能又は効果に関連する注意 |
<効能共通> 本剤による治療は、抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。 <再発又は難治性の濾胞性リンパ腫> 十分な経験を有する病理医により、Grade 3Bと診断された患者に投与すること。 |
用法および用量 |
通常、成人にはエプコリタマブ(遺伝子組換え)として、28 日間を1 サイクルとして、1 サイクル目は1 日目に1 回0.16mg、8 日目に1 回0.8mg、15 日目及び22 日目に1 回48mg を皮下投与する。その後は1回48mg を、2 及び3 サイクル目は1、8、15、22 日目、4 から9 サイクル目には1、15 日目、10 サイクル目以降は1 日目に皮下投与する。 |
承認取得日 |
2023年9月25日 |
薬価基準収載日 |
2023年11月22日 |
発売日 |
2023年11月22日 |
製造販売元 |
ジェンマブ株式会社 |
販売提携 |
アッヴィ合同会社 |
薬価 |
エプキンリ(R)皮下注4mg 137,724円 エプキンリ(R)皮下注48mg 1,595,363円 |
大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)について
LBCLはリンパ系に発生するがんである非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つで、病勢進行の速いアグレッシブリンパ腫に分類されるDLBCLやHGBCL、PMBCL等複数の病型が含まれます。日本において悪性リンパ腫の90%以上を占めるNHLの総患者数は約12.4万人と推定されており、NHLのうちLBCLの多くを占めるDLBCLが約30-40%であると報告されています3,4,5。 全身療法を2回以上受けた再発又は難治性のLBCLは、標準的な治療法が確立しておらず、新しい治療法へのニーズが高い疾患です。
濾胞性リンパ腫(FL)について
FLは、DLBCLに次いで発生頻度の高いB細胞性リンパ腫であり、NHLの10~20%を占めています。FLの5~10%を占めると報告されているGrade 3Bは、アグレッシブリンパ腫に準じた治療がなされています6,7。
エプキンリについて
エプキンリ(エプコリタマブ)は、ジェンマブ社の独自技術DuoBody(R)を用いて創製されたIgG1二重特異性抗体であり、皮下投与されます。ジェンマブ社のDuoBody-CD3技術は、細胞傷害性T細胞に選択的に作用し、標的細胞に対する免疫反応を誘導する技術です。エプキンリは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するよう設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導します8。両社は、血液悪性腫瘍の複数の治療ラインにおいて、エプコリタマブの単剤および併用療法としての評価を継続しています。現在、再発又は難治性のDLBCL患者さんを対象とし、エプコリタマブ単剤療法を評価する第III相非盲検無作為化試験などを日本国内で実施中です。
がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、複数の血液がんの標準治療の変革に取り組むとともに、多様ながん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を300件超の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncology及びBlood Cancer Press Kit pageをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。LinkedIn、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)やYouTubeでも情報を公開しています。
日本においては主に、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオで、製品の開発と提供に取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.co.jpをご覧ください。Facebook や YouTube でも情報を公開しています。
References:
1.国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/25_ml.html(2023年10月11日時点)
2.十分な経験を有する病理医により、Grade 3Bと診断された患者に限る
3.令和 2 年度患者調査(厚⽣労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html(2023 年 10 月 6日 時点)
4.Saito et al, Japanese Journal of Clinical Oncology 2020 Jan 24; 50(1), 96-97. DOI: 10.1093/jjco/hyz202
5.Ghielmini et al, Annals of Oncology. 2013 Mar;24(3):561-76. DOI: 10.1093/annonc/mds517
6.本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版(2020)http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html(2023年8月23日時点)
7.Barraclough et al, British Journal of Haematolgy, 2021 Oct; 195(1):15-24, DOI: 10.1111/bjh.17404
8.Engelberts et al. "DuoBody-CD3xCD20 induces potent T-cell-mediated killing of malignant B cells in preclinical models and provides opportunities for subcutaneous dosing." EBioMedicine. 2020;52:102625. DOI: 10.1016/j.ebiom.2019.102625