【調査レポート】2025年度新入社員の約8割が生成AI活用経験あり― 2024年比でさらに浸透
「2025年度新入社員の会社生活調査(生成AI活用意識編)」より
2025年8月19日
学校法人産業能率大学 総合研究所
学校法人産業能率大学総合研究所は、2025年度の新入社員に対し、生成AIに対する意識についてのアンケートを実施し「2025年度 新入社員の会社生活調査(生成AI活用意識編)」としてまとめました。調査は2025年3月26日から4月10日までに、2025年に就職した新入社員を対象に実施し、369人から回答を得ました。
注目データ
約8割(78.3%)が生成AIを活用した経験あり
本年度の新入社員を対象に、生成AIを活用した経験があるかを尋ねた結果、最も多かったのは「検索や情報収集に活用」が59.3%(昨年度比28.0ポイント増)、次いで「学習や研究に活用」が39.8%(同16.7ポイント増)、「文章作成に活用」が30.6%(同14.8ポイント増)となりました。
また、選択肢に設定した8項目のうち、「特に活用した経験はない」を除く全ての選択肢で、昨年度から割合が増加しています。昨年度は「特に活用した経験はない」との回答が49.7%でしたが、本年度は21.7%に減少し、入社時点で何らかのかたちで生成AIを活用した経験のある新入社員の割合は1年で50.3%から78.3%へと大きく増加しました。
入社時点で生成AIの活用経験を持つ人が、1年間で大幅に増えたことが分かります。
3人に1人強(36.9%)が就職活動で活用
就職活動において生成AIを活用したかを尋ねたところ、「エントリーシートや履歴書の作成支援に活用」と回答した割合は22.0%で、昨年度の8.9%から13.1ポイント増加しました。続いて「面接準備や模擬面接に活用」が12.7%(昨年度比8.4ポイント増)、さらに「企業情報の収集や研究に活用」が12.5%(同6.6ポイント増)となっており、いずれの項目も昨年度を大きく上回っています。
一方、「特に活用しなかった」との回答は63.1%で、昨年度の85.6%から22.5ポイント減少しているものの、約6割は就職活動には生成AIを利用していないという結果でした。
これらの結果から、就職活動における生成AIの活用は広まりつつありますが、就職活動での活用に対してはなお一定のハードルが残っていることもうかがえます。
9割以上(92.4%)が業務での生成AI活用に前向き
今後の仕事において、生成AIをどのように活用したいかを尋ねたところ、「業務のサポートとして活用したい」と回答した実務派が42.0%で最も多く、昨年度の30.6%から11.4ポイント増加しました。一方、昨年度最も多かった「必要に応じて活用を検討する」という臨機応変派は40.5%から29.5%へと11.0ポイント減少しています。
また、「積極的に活用して効率化や新しい価値を生み出したい」とする積極派も20.9%となり、昨年度から5.3ポイント増加しました。これら実務派と積極派を合わせると、62.9%(昨年度比16.7ポイント増)となり、生成AIを積極的かつ実務的に業務で活用したいと考える新入社員が増えていることが分かります。
さらに、3つの選択肢(実務派・臨機応変派・積極派)を合わせると、9割以上の新入社員が生成AIを業務で活用する意向を示しています。
▼調査概要
調査対象: 本年度入社の新入社員
調査時期:2025年3月26日~4月10日
調査方法:オンラインによる回答肢選択方式
有効回答:369人(男性273人・74.0%/女性94人・25.5%/答えたくない2人・0.5%)
▼調査報告書の入手については、産業能率大学総合研究所のWebサイトをご参照ください。https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/research-report/2025/08/19-01.html