6月8日開幕! 特別展「愛と平和の江戸絵画」
特集展示「生誕150年記念 上村松園と京都」
岡田美術館(箱根町・小涌谷)では、2025年6月8日(日)~ 12月7日(日)まで、特別展として「愛と平和の江戸絵画」を開催いたします。
江戸時代は、徳川家康が幕府を開いた1603年(慶長8)から終焉を迎える1867年(慶応3)まで、約260年もの長きにわたり平和の続いた、世界史的にも稀有な時代でした。安定した政情のもと経済が繫栄し、多様な文化が育まれ、美術においては幅広いジャンルと表現が誕生した、画期的で魅力あふれる時代に位置付けられます。
本展は、「愛」と「平和」という2つのテーマから江戸時代の絵画をご紹介する展覧会です。泰平の世を謳歌する人々や、穏やかな日常を描いた風俗画、親しみをこめて描かれたいきものたち、家族や恋人など愛する人への想いが伝わる作品の数々を展示します。さまざまな形で表現された「愛」と「平和」のメッセージを受け取っていただければ幸いです。
★ 83年ぶりに再発見された 「孔雀鳳凰図」も展示 ★
長年行方が分からず、モノクロ図版でしか知られてこなかった伊藤若冲「孔雀鳳凰図」が、2016年に再発見されて大きな話題を呼びました。代表作「動植綵絵」30幅(皇居三の丸尚蔵館蔵、国宝)に先行する作品として貴重視されます。
見どころ1 平和が生んだ絵画さまざま
名所・遊楽から、日常を豊かにする琳派、旅を描いた浮世絵まで
平和の世の到来と、それを謳歌する気分は、絵画の中にも見て取ることができます。各地の名所や邸内を舞台に、現世を楽しむ享楽的な男女の姿を描いた風俗画が数多く制作され、やがて浮世絵の誕生へと繋がりました。町衆(裕福な町人たち)や公家が支持した京都の俵屋宗達、尾形光琳、そして江戸の酒井抱一らに継承された琳派の様式は、都市の洗練された美意識を伝えます。幕府によって整備された街道や宿場の発展は、経済的な効果をもたらすのみならず、多彩な文学や絵画作品を生むこととなりました。平和な世が育んだ、豊かな文化をご覧ください。
見どころ2 いきものに向けたまなざし
虫や魚、犬や猿など、生命を描いた愛おしい作品を紹介
華やかな花鳥から、小さな虫や魚まで、日本では様々ないきものが親しみを込めて描かれてきました。江戸時代には徹底した観察に基づく写実的な作品が多く残されたり、かわいらしい子犬の絵が人気を集めたりとたくさんの例が確認できます。このコーナーでは、いきものに向けられた画家のまなざしを紹介します。
見どころ3 いろいろな愛のカタチを発見
家族に恋人、あこがれの人…… 愛する人への想いを読み解く
遊女や贔屓の役者など美しい男女を描いた美人画に限らず、江戸時代には愛する人の存在を直接的、あるいは間接的に描いた作品が数多く制作されました。このコーナーでは、武家の嫁入り道具として用意された立派な屏風絵から、雛祭りなど子どもの成長を願って発注された絵画、馴染みの遊女を描いた作品までを展示し、幅広い愛のカタチを探ります。
特集展示 「生誕150年記念 上村松園と京都」
近代京都画壇を代表する女流画家・上村松園(1875~1949)の生誕150年を記念し、当館収蔵の松園の作品から3点を特別に公開します。松園は、気品ある女性像で確固たる地位を築き、日本人女性で初めて文化勲章を受章しました。松園が影響を受けた京都の円山応挙(1733~95)の作品などと合わせてお楽しみください。
【 開催要項 】
[ 展覧会名 ] 愛と平和の江戸絵画
[ 会 期 ] 2025年6月8日(日)~ 12月7日(日)
[ 休 館 日 ] 会期中無休
[ 主 催 ] 岡田美術館
[ 所 在 地 ] 神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
[ 開館時間 ] 9:00~17:00(入館は16:30まで)
[ 入 館 料 ] 一般・大学生2,800円/小中高生1,800円
[ 会期中イベント ] (参加費無料・要入館料/申込不要 )
● 関連講座 『江戸絵画のなかの愛 ―婚礼調度から美人画まで―』
10月4日(土)13:00~14:30
講師:稲墻 朋子(岡田美術館 主任学芸員)
● 関連スライドトーク 『江戸時代の食と器』
9月13日(土)13:00~14:00
講師:塩谷 尚子(岡田美術館 学芸員)
● 学芸員ギャラリートーク 特別展「愛と平和の江戸絵画」
6月20日~11月28日 毎週金曜日 11:00~
〈 申し込み受付中!〉 岡田美術館イベント案内
①箱根の自然をスケッチ 大人のアート入門
美術館敷地内の開化亭にて、庭園からの景色を色鉛筆で描く「箱根の自然をスケッチ 大人のアート入門」を行います。
講師に画家・アーティストの片岡永俐那先生を迎え、初心者でも気軽にご参加いただける大人のための写生会です。
② 箱根・強羅 佳ら久 × 岡田美術館 やきものと料理をめぐるクロストーク
現在、ラグジュアリー旅館リゾート「箱根・強羅 佳ら久」では岡田美術館の収蔵品をモチーフにしたコース料理を提供しています(宿泊・美術館招待券付き)。
器は今回のために有田から特別に取り寄せられ、料理説明は学芸員が監修しました。
このたび、5月よりコース内容が新しくなることを記念して「箱根・強羅 佳ら久」 から藤井育郎氏と赤星賢氏をお招きし、陶磁器担当の塩谷尚子学芸員と「やきものと料理をめぐるクロストーク」を行います。
<登壇者>(左から)
藤井 育郎氏(箱根・強羅 佳ら久 前・総支配人/現:オリックス・ホテルマネジメント(株)施設運営部)
赤星 賢氏(メインダイニング六つ喜 料理長)
塩谷 尚子(岡田美術館 学芸員)